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母であり,検察事務官であり
東京地方検察庁検察事務官 保田 久代
(平成3年採用・III種)
私は,結婚・出産後も仕事を辞めず,検察事務官として勤務を続けて
います。
このような立場の私でも検察庁の職員としてフルタイムで仕事を続け
られるのは,子育てを応援する各種制度と周囲の理解があるためです。
私がこれまで利用した諸制度について簡単に説明すると,
1 妊娠中の女性職員の通勤緩和
2 産前(6週間)・産後(8週間)の特別休暇
3 育児休業
4 育児時間
5 勤務時間の割り振り変更
6 子の看護休暇制度
などですが,現在でも,子どもの迎えの理由から遅くとも5時には退庁
する必要があるので,休憩時間を短縮する制度を利用して,定時退庁
を行っています。
しかし,検察官の立会事務官として勤務しているころは,参考人の事
情聴取時など,先方の都合に合わせなければならないときは,夫に早
退をしてもらったり,同僚に仕事を代わってもらうなどして子どもに不安
を与えることなく,また,検察官の執務に支障を来すことがないようにし
ました。
立会事務官の仕事は重圧ですが,毎日が新鮮で刺激があり,自分に
自信を持つ上での強い武器になると思います。二足のわらじを履く生
活に奮闘し続ける日々ではありますが,通勤時間を利用して家庭と仕
事をリセットし,巻き戻しのきかない子育てを私自身が精神的に余裕を
持つことを忘れず,バランスのとれた生活の時間割の中で,意欲的に
仕事に取り組むとともに健全な子育てを心がけ,子どもに,「お母さん
の仕事は?」と聞かれたときには,胸を張って「検察事務官だよ。」と教
えてあげたいと思います。

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