令和5年10月中国際収支状況(速報)の概要

令和5年12月8日

財務省

令和5年10月中国際収支状況(速報)の概要

I経常収支

経常収支の内訳
金額	前年同月比
貿易・サービス収支			▲さんかく1,290億円	+2兆4,538億円	(赤字幅縮小)
	貿易収支		▲さんかく4,728億円	+1兆4,058億円	(赤字幅縮小)
		輸出	9兆1,066億円	+887億円	(+1.0%増加)
		輸入	9兆5,795億円	▲さんかく1兆3,171億円	(▲さんかく12.1%減少)
	サービス収支		3,438億円	+1兆480億円	(黒字転化)
第一次所得収支			3兆508億円	+3,244億円	(黒字幅拡大)
第二次所得収支			▲さんかく3,390億円	▲さんかく464億円	(赤字幅拡大)
経常収支			2兆5,828億円	+2兆7,318億円	(黒字転化)

「経常収支」は、「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、黒字に転化した。

1.貿易・サービス収支:▲さんかく1,290億円の赤字(前年同月比+2兆4,538億円赤字幅縮小)

「貿易収支」が赤字幅を縮小したこと等から、「貿易・サービス収支」は赤字幅を縮小した。

(1) 貿易収支:▲さんかく4,728億円の赤字(前年同月比+1兆4,058億円赤字幅縮小)

輸出額が増加し、輸入額が減少したことから、「貿易収支」は赤字幅を縮小した。

輸出:9兆1,066億円(前年同月比+887億円[+1.0%]増加、2か月連続の増加)
輸入:9兆5,795億円(前年同月比▲さんかく1兆3,171億円[▲さんかく12.1%]減少、7か月連続の減少)

[参考1]令和5年10月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局11月29日付公表)

(1) 輸出:9兆1,471億円(確報値:前年同月比+1,458億円[+1.6%]増加、数量:同▲さんかく3.4%減少、価格:同+5.2%増加)

「商品別」では、自動車(同+4,291億円[+35.4%]、数量:同+22.8%])、船舶(同+348億円[+37.3%]、数量:同+32.7%])、建設用・鉱山用機械(同+209億円[+14.0%])等が増加。
「主要地域別」では、対北米(同+1,869億円[+10.0%])、中南米(同+779億円[+22.9%])等が増加。

(2) 輸入:9兆8,081億円(9桁速報値:前年同月比▲さんかく1兆3,992億円[▲さんかく12.5%]減少、数量:同▲さんかく3.2%減少、価格:同▲さんかく9.6%減少)

「商品別」では、石炭(同▲さんかく3,563億円[▲さんかく45.7%]、数量:同▲さんかく5.9%)、液化天然ガス(同▲さんかく2,981億円[▲さんかく37.5%]、数量:同+6.4%)、原粗油(同▲さんかく2,051億円[▲さんかく16.8%]、数量:同▲さんかく7.3%)等が減少。
「主要地域別」では、対大洋州(同▲さんかく5,541億円[▲さんかく42.3%])、アジア(同▲さんかく3,738億円[▲さんかく7.3%])等が減少。

[参考2]原油価格(価格は石油連盟資料による、前年同月比は財務省で算出)

ドルベース:92.70米ドル/バレル(前年同月比▲さんかく12.6%)
円ベース:86,808円/キロリットル(前年同月比▲さんかく10.3%)

(2) サービス収支:3,438億円の黒字(前年同月比+1兆480億円黒字転化)

「旅行収支」が黒字幅を拡大したこと等から、「サービス収支」は黒字に転化した。

[参考3]訪日外国人旅行者数(10月):2,516,500人(前年同月比+404.7%)

出国日本人数(10月):937,700人(前年同月比+168.3%)

(出典:日本政府観光局(JNTO))

2.第一次所得収支:3兆508億円の黒字(前年同月比+3,244億円黒字幅拡大)

「証券投資収益」が黒字幅を拡大したこと等から、「第一次所得収支」は黒字幅を拡大した。

[画像:経常収支の推移]

[画像:経常収支の推移(季節調整値)]

II金融収支

金融収支の内訳
		10月	前月
直接投資		1兆6,279億円	5,761億円
証券投資		3兆9,989億円	10兆3,545億円
	株式・投資ファンド持分	▲さんかく1兆7,568億円	6兆5,541億円
	中長期債	3兆2,594億円	6兆2,351億円
	短期債	2兆4,963億円	▲さんかく2兆4,347億円
金融派生商品		8,370億円	1兆2,393億円
その他投資		▲さんかく5兆102億円	▲さんかく9兆8,187億円
外貨準備		3,113億円	6,526億円
金融収支		1兆7,649億円	3兆38億円

「証券投資」において純資産が増加したこと等から、「金融収支」は純資産が1兆7,649億円増加した。

1.金融収支・資産(居住者による投資)

(1) 対外直接投資:1兆4,233億円の資産増

本邦企業による海外企業の増資引受け等がみられ、資産増(実行超)となった。

(2) 対外株式・投資ファンド持分投資:9,202億円の資産増

投資信託委託会社等が買い越しとなったことから、資産増(取得超)となった。

(3) 対外中長期債投資:1兆1,545億円の資産増

金融商品取引業者が買い越しとなったこと等から、資産増(取得超)となった。

2.金融収支・負債(非居住者からの投資)

(1) 対内直接投資:▲さんかく2,046億円の負債減

海外企業による本邦企業への出資の回収等がみられ、負債減(回収超)となった。

(2) 対内株式・投資ファンド持分投資:2兆6,770億円の負債増

銀行等の業種において買い越しとなったことから、負債増(取得超)となった。

(3) 対内中長期債投資:▲さんかく2兆1,049億円の負債減

中長期国債が売り越しとなったこと等から、負債減(処分超)となった。

[参考4]ドル・円相場(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)

149.53円/米ドル(前年同月:147.01円/米ドル、前年同月比1.7%の円安)

ユーロ・円相場(インターバンク直物相場・東京市場17:00現在レートの月中平均レート)

158.03円/ユーロ(前年同月:144.88円/ユーロ、前年同月比9.1%の円安)