別添2
「マンションストック長寿命化等モデル事業」 採択プロジェクト(第2回募集) 一覧No.マンション名
提案概要
提案者名
マンション所在地 延べ床面積
階数 総住戸数
外観写真 概評
先導的再生モデルタイプ(計画支援)1枚方中宮第4団地住宅
【賃分併存の大規模団地全体における地域住宅団地再
生事業計画素案の作成を踏まえた建替え検討】
1969 年築、8棟 240 戸の団地型マンション。賃貸・
分譲で一体開発された大規模団地の一部である。都市
計画道路が隣接し、また、下水設備及び給水設備が隣
接する賃貸住宅団地内を通っている。建物の老朽化、
住民の高齢化の他、郊外立地である等の課題がある。
2023 年に建替え推進決議が可決され、棟別説明会、
アンケートや個別面談を繰り返し、合意形成を進めて
いる。本事業では、地域再生法(改正)の適用により、
保留敷地へ導入する生活利便施設に係る用途規制の緩
和等を受けるため、賃貸住宅団地の管理主体との連携
による地域住宅団地再生事業計画の素案の作成、保留
敷地処分による建替えの具体的な検討、地域貢献に寄
与する生活利便施設の誘致の検討を行う。
旭化成不動産レジデンス株式会社
大阪府 14,789.99 m2
地上5階 240 戸
地域再生法の適用を受けるため、賃分併存の大規模
団地全体の施行者とも連携し、当団地型マンションを
含む地域住宅団地再生事業計画の素案を作成する点、
都市計画道路の整備、隣接する賃貸住宅団地と共用す
る給水設備に係る協議、一団地認定の解除等、建替え
に係る制約が多い中での検討である点を、独自性・創
意工夫の面で評価した。
また、郊外大規模団地であることから、敷地の一部
を保留敷地として処分し、地域再生法(改正)の適用
による緩和を受け、団地全体の活性化につながる地域
貢献施設を誘致する計画であり合理的と評価した。
区分所有者の高齢化に対しては、第3者管理方式の
導入検討の他、スマートフォンアプリを活用した仮住
まい中の高齢者とのネットワーク構築や、仮住まい期
間中の定期訪問に取り組む点は、合意形成上の工夫と
して評価した。
先導的再生モデルタイプ(計画支援)2マンション下目黒苑
【小規模の既存不適格マンションにおける地区計画を踏
まえた管理組合主体の建替え検討】
1973 年築、28 戸のマンション。耐震改修は資金面で実
施困難であった。
竣工後に制定された高度地区および日影
規制等により既存不適格となっており、
建替えの際には現
状より床面積が減少する見込みであったが、2022 年に用
途地域の変更と地区計画が都市計画決定されたことによ
り、
建替えの検討が進み、
2023 年に建替え推進決議が可決
された。
ディベロッパーの事業協力が難しい可能性も考慮し、現在の権利者が希望する建替え計画を管理組合主体で作成、
事業方式を検討する。また、そのために建築設計者、コン
サルタント、施工会社等の専門家・業者の連携・支援体制
を構築する。
建替え計画においては、
地域の防災やコミュニティ形成
に貢献する機能の導入も積極的に検討する。
特定非営利活動法人 都市住宅とまちづくり研究会東京都 1,765.72 m2
地上8階 28 戸
これまでの取組として、
近隣の高経年マンションと協力
して「下目黒街づくりの会」に参加し、地区計画の制定に
よる建替えが可能な環境を実現したことについて、
日影規
制や高度地区の制約がある環境で建替えを進めていく事
例として、独自性・創意工夫を評価した。
建替えにコーポラティブ方式の思想と手法を応用する
とあり、その上での事業方式の検討等を行うとしている。
これは、住民のニーズを反映した計画や、建替え後の維持
管理・コミュニティへの主体的な関わりに貢献するもので
あり、合理性や合意形成上の工夫、将来の維持管理に向け
た工夫として評価した。3洋光台南第一住宅・洋光台南第二住宅
(洋光台南団地)
【大規模な2団地の協同による、
団地型マンションの長寿
命化・魅力向上につなげる再生検討】
1971 年築、39 棟 696 戸の第一住宅と、1970 年築、33 棟
797 戸の第二住宅の、2つの団地型マンションによる協同
提案。
建物や設備の老朽化と居住者の高齢化への対策とし
て、これまで第一住宅では、全体構想案の作成、新集会所
の建設、2023 年度からは住民有志の専門委員会活動にお
いて、外構照明改良の検討、空駐車場活用による収益化・
利便性向上のためのカーシェア及びシェアサイクル導入
の検討を行っている。第二住宅では、意見交換会や意識調
査を実施してきたが、第一住宅・第二住宅の取組加速のた
め、2023 年度から2団地での意見交換を実施している。
本事業においては、2団地と提案者(設計事務所)に加
え、
マンション再生コンサルタント、
植栽コンサルタント、
電気設備コンサルタント、管理会社の協同により、インス
ペクション、全住戸へのアンケート、直近入居者・近隣不
動産事業者へのヒアリングにより、
団地の現状把握と改良
要望の整理分析を行い、
団地の長寿命化・美装化へ向けた、
外構照明更新・EV 充電設備整備・屋外排水管更新の検討、
植栽管理計画の検討、集会所の機能強化の検討等を行う。
株式会社スタジオ・クハラ・ヤギ
神奈川県
第一:54,259 m2
第二:43,269 m2
第一:地上5階
第二:地上5階(一部7階)第一:696 戸
第二:797 戸
高経年化している団地型マンションが増加する中で、複数の専門家・事業者が協同で大規模団地の再生に取り組む
点、
2団地の足並みを揃えるための意見交換を行っている
点は独自性・創意工夫の面で評価できる。
また、
住民アンケートや不動産事業者へのヒアリングに
より、現状把握・課題の洗い出しを行う点、大規模修繕工
事計画を長寿命化・美装化を兼ねた計画へブラッシュアッ
プする点、外構照明・EV 充電設備・屋外排水管更新の検
討、地域内で伐採した植栽の地域内活用、地域交流拠点・
防災拠点の強化を踏まえた植栽管理計画等、
複数の手法に
より団地の魅力向上を検討している点は、
合理性の観点で
評価できる。
また、
第一住宅におけるアイデアブックの作成や集会所
の新設、専門委員会活動等、課題に対するこれまでの取組
についても評価した。
先導的再生モデルタイプ(改修工事支援)4若葉台第一住宅
【大規模団地における給排水設備の長寿命化に向けた
段階的な取組に基づく改修工事】
1979 年築、
35 棟 889 戸の団地型マンション。長年に
わたる段階的な設備改修に取り組んできており、その
総仕上げとして過去やりきれなかった部分の改修工事
を行う。
工事内容は、給水設備改修工事(給水方式の変更、
RC 製受水槽の廃止、給水ポンプと受変電設備の省エネ
改修、屋外給水管更新、自家用発電機の更新)、汚水
管更新工事
(新商品開発を伴う住戸内汚水立管の更新)
の他、オプション工事として、過去に実施した「排水
管の段階的スラブ上化改修手法」のフォローアップ改
修(ユニットバス化工事)、専有給水・給湯管の未更
新住戸に対する更新の促進に取り組む。
((注記)専有部分の工事費は補助対象外)
宮城設計一級建築士事務所
埼玉県 63,749.46 m2
地上 14 階 889 戸
給水設備改修工事では、市内で初の大型団地での並
列直結増圧方式への変更により、RC 製受水槽を廃止
し、敷地内の埋設給水管を樹脂管に更新する。また、
給水ポンプの小型化により、ポンプ室と電気室の空き
スペースを防災備蓄倉庫に転用し、自家用発電機から
の非常電源も確保することで、ライフラインの長寿命
化の他に防災対策の強化につながる点は合理的であ
る。
狭小なトイレ内の鋳鉄製排水立管の更新に際し、建
設時と同サイズのまま現行で求められる排水性能を実
現するべく、メーカーに依頼し新製品の開発につなげ
ている点は、独自性・創意工夫の面で評価した。
全 889 世帯分の専有部分給排水管の改修済み状況
を、管理事務所にて一元管理しているので、専有部分
リフォーム申請が提出された際の配管更新に関する戸
別指導などが行えるようになっており、今回の改修工
事により、更にアップデートを図る点は、将来の維持
管理に向けた工夫の面で評価した。5サンコーポ唐湊
【異なる給湯方式が混在する小規模マンションにおけ
る給水設備等の改修工事】
1978 年築、
24 戸のマンション。これまで給排水管の
更新を行っておらず、
小さな漏水事故が頻発している。
また、給水システム(受水槽+高置水槽方式)も劣化
しており、揚水ポンプの異常、断水・漏水が発生して
いる。既存の電気温水器の使用者が約4割あり、継続
使用する場合は温水器の配管も更新が必要となる等の
点で合意形成上の課題があった。令和4年度に計画支
援事業に採択され、床下開口調査を実施。受水槽・高
置水槽方式から直結増圧方式への変更と給水管の更新
の他、耐震改修工事も同時実施する。
専有部分内にはメンテナンスのための点検口・掃除
口を設け、電気温水器は撤廃し、全戸ガス給湯へ切り
替える。
なお、排水管・汚水管・通気管は樹脂管であり、調
査した結果、管内洗浄を定期的に行えれば、交換まで
は不要との見解が得られたため更新工事は行わず、定
期的にメンテナンスを行うこととしている。
((注記)専有部分の工事費は補助対象外)
中央工業株式会社
鹿児島県 1,599.96 m2
地上4階・地下1階
24 戸(うち1戸は事務所)計画支援事業での検討を経て、懸案であった電気温
水器の撤廃、給水方式の変更に至っている点、耐震改
修を同時に実施する点は、当マンション固有の課題に
対するこれまでの取組、独自性、合理性において評価
した。
スラブ下配管の解消及び排水管の更新は、計画支援
事業における調査・検討の結果実施しないこととして
いる。
合意形成に対する工夫として、専有部分の水回りリ
フォームを同時に提案している点も評価した。
先導的再生モデルタイプ(建替工事支援)6東京自興ビル・国分マンション
【複合用途かつ借地権マンションにおける、隣地を取
り込む建替え】
1968 年築、事務所2区画と住宅 79 戸から構成され
る複合用途マンション。漏水や外壁の剥離などの不具
合に加え、耐震診断の結果から、要除却認定を受けて
いる。
借地権マンションであり、法人が底地、隣接地を所
有しており、大口区分所有者でもある。
当該法人と概ねの方針について合意済みで、令和5
年度に計画支援事業に採択された。その後、合意形成
活動を進め、2023 年に建替え決議が可決された。
法人及び他の区分所有者との経済条件の調整や合意
形成を行い、複雑な権利関係の調整が必要な借地権マ
ンションから所有権マンションへの建替えを行う。
日鉄興和不動産株式会社
東京都 6,690.29 m2
地上 13 階・地下1階
81 区画(事務所2区画
+住宅 79 戸)
1借地権マンションの所有権化のスキームについ
て、認可権者、底地人、区分所有者と密に協議、理解
促進を実施、2隣地共同化+要除却認定によりマンシ
ョン建替え法容積率許可要綱の活用による経済条件改
善、3複合用途及び借地権マンションにおける複雑な
権利関係の調整として、事務所区画含めた大口所有者
である底地人への理解促進と、権利範囲確定の協議、
区分所有者への説明会及び丁寧な個別面談の実施、4
高齢者への高齢者向け返済特例制度等資金調達の方法
や、引越し、仮住まい先探索についてのサポートを行
う等、計画支援事業での検討を踏まえた建替えの実現
に至っており、独自性・創意工夫、合理性の点で評価
するとともに、これまで実施してきた合意形成活動等
の取組みも評価した。
管理適正化モデルタイプ(計画支援)7セレニティ湯島
【小規模マンションにおける初の大規模修繕工事の実
現に向けた資金計画等及び管理適正化に向けた検討】
1983 年築、11 戸のマンション。竣工当初、建築会社
関連の管理会社のもとで総会が開催されたが、その後
建築会社が倒産し管理組合活動・総会の実績が無かっ
た。大規模修繕の実績も無く管理規約は建築当初のま
まである。建物の老朽化が加速しているが、必要な修
繕積立金が大幅に不足している。
2016 年に総会を開催。
2021 年に現管理会社と全部委
託契約し、組合・理事会活動を立ち上げ、2023 年に文
京区の助成も受け劣化診断を実施し長期修繕計画書を
作成。
初の大規模修繕実現に向け、
資金計画に関する検討、
収益事業検討(駐車場・駐輪場整備調査)を行う。ま
た、管理計画認定に向けた管理規約改定、名簿更新制
度整備、管理組合の情報公開・区分所有者居住者 WEB
窓口設置と多国籍化する所有者に対し将来的な AI に
よる多言語化検討を行う。
株式会社佐藤マンションサポート
東京都 690.66 m2
地上7階 11 戸
過年度に文京区の助成を受け劣化診断調査と長期修
繕計画の作成を行っており、初めての大規模修繕工事
の実施に向け、地方公共団体の支援制度を活用しなが
ら進めてきており、課題に対するこれまでの取組にお
いて評価した。
財政事情を鑑み、初回の修繕は安全性、耐久性、機
能保全、美観等から必須の工事内容に絞り、並行して
新たな収益事業を検討し実現可能な資金計画を立てる
点、管理計画認定に向けた決議を行った上で必要な検
討を行い、認定申請のための事前相談を行う点は、将
来の適正管理に向けた工夫として評価した。

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