大臣会見

斉藤大臣会見要旨

2024年9月20日(金) 10:39 〜 10:49
国土交通省会見室
斉藤鉄夫 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

輪軸不正事案、東北新幹線の連結部分離事案を踏まえた鉄道輸送の安全確保について

(記者)

昨日、東北新幹線で車両の連結部分が外れるというトラブルがあり、多くの利用者にも影響が広がりました。
また別件にはなりますが、鉄道の車両の輪軸(りんじく)に関わる不正については、その後複数の会社で次々と明らかになるという事態になっています。
そこで大臣にお伺いしたいのですが、まず、それぞれの事案に対する受け止めについてお聞きしたいということと、重なりますが加えて、鉄道輸送の安全性を揺るがす事態が続いていますが、これに対する国土交通省の取組についてお聞かせください。

(大臣)

まず、輪軸組立作業時の不正行為は、鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆す行為であり、極めて遺憾です。
国土交通省では、これらの事案を受けて、関係事業者に対して特別保安監査を実施し、安全管理体制等について確認を行っているところです。
その結果や、全国の事業者に対する緊急点検の結果を踏まえ、鉄道の安全・安定輸送の確保に向け、厳正に対処していきたいと思っています。
また、昨日(19日)東北新幹線で発生した走行中の連結部の分離については、鉄道輸送への信頼を揺るがすものであり、遺憾です。
国土交通省としては、JR東日本に対して、原因究明と再発防止策の検討を指示するとともに、同種の事案を発生させないための措置を講じるよう指示しているところです。
さらに、全国の鉄道事業者に対して、本件を情報共有し、注意を喚起したところです。
輸送の安全確保は、鉄道事業者にとって、最も基本的かつ最も重要な使命であり、国土交通省としては、現在実施している緊急点検の結果なども踏まえ、安全性向上に向けた取組をしっかりと講じていきたいと思っています。
各鉄道事業者におかれても、安全輸送の確保に万全を期していただくようお願いします。

知床遊覧船事故における遊覧船運営会社社長逮捕等について

(記者)

北海道(しれ)(とこ)半島沖で2022年4月、小型観光船「KAZUI(カズワン」が沈没し、乗客・乗員20人が死亡、6人が行方不明になった事故で、第一管区海上保安本部は18日、業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで、運航会社の社長、桂田(かつらだ)(せい)(いち)容疑者を逮捕しました。
この件について大臣の受け止めをお聞かせください。
また、事故の遺族からは国の船舶検査を代行する日本小型船舶検査機構が、事故前の検査で重大な不具合を見落としていたのも一因として国の責任を問う声もあります。
こうした遺族の声をどう受け止め、対応していくかお聞かせください。

(大臣)

改めて、本件事故により、お亡くなりになられた方に対して心よりお悔やみを申し上げます。
またその御家族の皆さまに対しても、心よりお見舞いを申し上げます。
本件事故については、「KAZUI」の運航会社取締役である桂田精一にかかる、業務上過失往来危険及び業務上過失致死の容疑について、海上保安庁において、所要の捜査を行い、今般逮捕・送致に至ったものと報告を受けています。
国土交通省としては、このような痛ましい事故が二度と起きることがないよう、旅客船の安全・安心対策に取り組んでいます。
昨年5月に公布された改正海上運送法の、船員の資質向上に係る制度の導入などの主要部分が本年4月より施行され、その対策を着実に進めています。
そして、監査については、研修の充実による監査能力の向上や監査体制の強化を図るとともに、抜き打ち監査の実施や通報窓口の設置などの対応を進めています。
また、小型船舶の検査については、JCI(日本小型船舶検査機構)において検査員への「安全第一の意識改革」の徹底、旅客船検査担当部署の設置などの検査体制の強化などの取組を行っており、国土交通省としても、引き続き、JCIに対して適切に指導・助言を行い、更なる実効性の確保を図っていきたいと思っています。
引き続き、私をはじめ、関係職員が一丸となって、旅客船の安全確保に向けた、強い決意を持って取組を進め、国の責務をしっかりと果たしていきたいと考えています。

九州新幹線西ルート武雄温泉・長崎間の開業2周年について

(記者)

西九州新幹線の開業から2年を迎えた事に関して所感を伺えたらと思います。
この2年の間、新たなまちづくりや交流人口の増加、地価の上昇など効果が表れる一方で、未着工区間である新鳥栖(しんとす)-武雄(たけお)温泉(おんせん)の議論が停滞したままとなっています。
乗客は武雄温泉駅での対面乗り換えを余儀なくされており、現状に対する大臣の所感と未着工区間の議論促進のため佐賀県などの関係者とどう話し合いを進めていくか具体的な見通しなどがあればお願いします。

(大臣)

今月23日で、九州新幹線(武雄温泉-長崎間)は、開業2周年を迎えます。西九州ルートの利用者数は、開業2年で450万人を超え、今年のお盆期間中にも多くの方々にご利用いただくなど、順調に推移していると承知しています。
昨年比でもだいぶ増えていると報告を受けています。
私も2年前、出発式に参加し、新幹線の整備に対する御地元の期待や効果の大きさを実感しました。
一方で、整備効果を更に発揮させるためには、御指摘の未着工区間である新鳥栖-武雄温泉間の整備が大変重要であり、西九州地方と関西・中国地方が新幹線ネットワークで結ばれることで、観光やまちづくりなど、多くの面でより大きな効果が現れると考えています。
こうした整備の効果を、御地元の皆さまに丁寧に説明するとともに、佐賀県についても、引き続き議論を続けることなどを通じて、御理解を得ていきたいと考えています。しっかり進めていきたいと思います。

東北新幹線の連結部分離事案に関する運輸安全委員会の調査について

(記者)

昨日の東北新幹線の件についてお伺いします。
昨日のJRの発表では、走行中の新幹線で連結部分が外れる事故は初めてだという説明もありました。原因についてJR側で調査をされていると思いますが、一歩間違えれば大事故につながった可能性もあると思います。
重大インシデントとして運輸安全委員会で調査をする必要があるのではないかと思う部分もありますが、運輸安全委員会は独立して職権を行う組織であるということは重々承知をした上で、改めて調査の必要性について大臣の考えをお聞かせください。

(大臣)

運輸安全委員会がどう判断をしたかについては、運輸安全委員会の方にお聞きいただきたいと思います。
その上で繰り返しになりますが、本件の事案については、国民の皆さまの関心も、また不安も非常に大きいと思います。
国土交通省としては、この国民の皆さまの不安に応えるべく、JR東日本に対して原因究明と再発防止策の検討などを指示したところです。
今後も鉄道の安全輸送の確保などに厳正に対処していく、そしてそのことを国民の皆さまに分かっていただいてしっかり安心して乗っていただく、ということが大事だと思います。
安全性向上に向けた取組を、国土交通省としてはしっかりと講じていきたいと思っています。

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