Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
トラックドライバー労働力不足を踏まえた
海上輸送需要動向の試算
令和6年3月12日
国土交通省
港湾局計画課
参考資料2
トラックドライバー労働力不足を踏まえた海上輸送需要動向の試算
「2030年度に向けた政府の中長期計画」等において、内航海運(フェリー・RORO船等)の輸送量を今後10年程度で倍増(追加約5,000万トン)する目標が
示された。
この目標の達成に向けて、地域別・品目別の増加量が、2024年度までに不足する輸送距離300km以上のトラック輸送量の地域別・品目別の割合と同
等に増加すると仮定して、今後10年程度の中長期の内航フェリー・RORO船等への輸送需要動向について試算を行った。
2024年度までに不足するトラック輸送量の地域別・品目別の割合は、現状の地域別・品目別のトラック輸送量(自動車輸送統計年報(2019年度)より)、
「持続可能な物流の実現に向けた検討会 最終取りまとめ(令和5年8月公表)」に記載された、「不足する輸送能力(地域別)」から試算した。
<モーダルシフト需要(海上輸送)の試算の試算フロー>
1800万トン
5000万トン 24107千トン
7077千トン
24431千トン
官民物流標準化懇談会 モーダルシフト推
進・標準化分科会」より
令和2年度内航船舶輸送統計、令和4年度ユ
ニットロード貨物流動調査より港湾局試算
不足するトラック輸送量の相当数で海運へのモーダルシフトが期待される
モーダルシフト需要(海上輸送)を発着地別・品目別に試算
現状のトラック輸送量(発着地別・品目別)
284,000万トン
出典:自動車輸送統計年報(2019年度)
不足する輸送能力(地域別)(2019年度→2024年度)
出典:持続可能な物流の実現に向けた検討会 最終取りまとめ(2023年8月)
地域
(発地)
不足輸送
能力の割合
地域
(発地)
不足輸送
能力の割合
地域
(発地)
不足輸送
能力の割合
北海道 11.4% 北陸信越 10.8% 中国 20.0%
東北 9.2% 中部 13.7% 四国 9.2%
関東 15.6% 近畿 12.1% 九州 19.1%
発着地の都道府県庁間距離が300km
以上の輸送量を抽出
(発着地別・品目別)
出典:国土地理院公表の都道府県庁間距離
(最短距離(測地線長))
内航フェリー・RORO船等の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増
(追加約5,000万トン)
出典:「2030年度に向けた政府の中長期計画(2024年2月)」、「各検討事項に関する方向性と施策(2023年11月)」1内航フェリー・RORO船等の
輸送量の地域別・品目別の
増加量の割合が、2024年度
までに不足する300km以上
のトラック輸送量の地域別・
品目別の割合と同等であると
仮定
(注記)発着地の都道府県庁間距離が300km以上の輸送を対象に試算した
不足するトラック輸送量
(発着地別・品目別)
40,000万トン
300km以上の輸送距離でモーダ
ルシフトが生じると仮定
不足する輸送能力の割合が、発着地別・品目別に
関わらず一律に生じると仮定
(注記)モーダルシフトのターゲットとなりうる長距離輸送に従事する運転者におい
ては、より不足する割合が大きくなる可能性がある。
トラックドライバー労働力不足を踏まえた海上輸送需要動向の試算方法
自動車輸送統計年報(2019年度)より現状のトラック輸送量について発着地別・品目別に整理し、「持続可能な物流の実現に向けた」で示された「不足輸
送能力の割合」が、発着地別・品目別に関わらず一律に生じると仮定した上で、現状のトラック輸送量に乗じることで不足する輸送量の割合を算出した。
海上輸送量の増加量(5,000万トン)の地域別・品目別の内訳が、2024年度までに不足する300km以上のトラック輸送量の地域別・品目別の割合と同
等と仮定して、内航フェリー・RORO船等への中長期の輸送需要動向について試算した。2発地 着地
品類 品目
現状の
トラック
輸送量
不足する割合
不足するトラッ
ク輸送量
2019年度
→2024年度
不足するトラック
輸送量
(300km以上)
地域 都道府県 都道府県 地域
関東 茨城県 東京都 関東 化学工業品
その他の化
学工業品 ×ばつ
15.6%=23,442→関東 茨城県 栃木県 関東 化学工業品
その他の化
学工業品 116,791 15.6% 18,219
関東 茨城県 京都府 近畿 化学工業品
その他の化
学工業品 3,546 15.6% 553 553
関東 茨城県 滋賀県 近畿 化学工業品
その他の化
学工業品 30,313 15.6% 4,729 4,729
関東 茨城県 奈良県 近畿 化学工業品
その他の化
学工業品 0 15.6% 0 0
・・・・・
全国計
約284,000万
トン
約40,000万トン 約2,400万トン
地域 都道府県
地域別のモーダルシフ
ト需要量
発貨物量 着貨物量
東北 青森県 906,986 1,908,551
東北 岩手県 237,590 1,183,877
東北 宮城県 363,386 1,086,408
・・・・
地域・都道府県別に集計
品類 品目
品目別のモーダル
シフト需要量
農水産品 穀物 268,110
野菜・果物 316,487
その他の農産品 47,790
・・・・
品目別に集計
内航フェリー・RORO船等の輸送量・輸
送分担率を今後10年程度で倍増
(追加約5,000万トン)
出典:「物流革新緊急パッケージ、2023年10月」
モーダルシフト需要
(海上輸送)を試算00
1,137
9,7150・・・・・
5,000万トン
内航フェリー・ROR
O船等の輸送量の地
域別・品目別の増加
量の割合が、2024
年度までに不足する
300km以上のトラッ
ク輸送量の地域別・
品目別の割合と同等
であると仮定
現状のトラック輸送量
(発着地別・品目別)
284,000万トン
出典:自動車輸送統計年報(2019年度)
不足するトラック輸送量
(発着地別・品目別) 40,000万トン
(注記)不足する輸送能力の割合が、発着地別・品目別に関わ
らず一律に生じると仮定
不足するトラック輸送量のうち、300km以
上の輸送距離でモーダルシフトが生じると
仮定して抽出
不足する輸送能力(地域別)(2019年度→2024年度)
出典:持続可能な物流の実現に向けた検討会 最終取りまとめ(2023年8月)
地域
(発地)
不足輸送
能力の割合
地域
(発地)
不足輸送
能力の割合
地域
(発地)
不足輸送
能力の割合
北海道 11.4% 北陸信越 10.8% 中国 20.0%
東北 9.2% 中部 13.7% 四国 9.2%
関東 15.6% 近畿 12.1% 九州 19.1%
不足する輸送能力の割合が、発着地別・品目別に
関わらず一律に生じると仮定
地域別のモーダルシフト需要(海上輸送)の試算
本試算においては、日本全国で海上輸送へのモーダルシフトが期待される。特に関東・近畿・九州などを発着地とする輸送に
係るモーダルシフトが多い。3(注記)内航 RORO船の貨物流動については2022年11月の1か月間の任意の4航海を対象とし、内航フェリーの貨物流動については2022年11月の1か月間の任意の2日間を対象とした調
査結果から、11月の1か月分の数値に拡大推計したもの。
地域間
輸送量
(万トン)
1 近畿-九州 814
2 関東-近畿 806
3 九州-中国 555
4 関東-東北 510
5 中国-中部 337
6 九州-中部 331
7 関東-中国 300
8 近畿-中国 276
9 関東-中部 268
10 関東-九州 218
・・・
合計 5,000
【参考】内航フェリー・RORO船の貨物取扱量
1か月分(2022年11月)(注記)
出典:令和4年度ユニットロード貨物流動調査
内航フェリー貨物
発着地域
港湾貨物取扱量
(万トン)
北海道 80
東北 31
関東 45
北陸信越 20
中部 5
近畿 73
中国 3
四国 40
九州 111
内航RORO貨物
発着地域
港湾貨物取扱量
(万フレートトン)
北海道 92
東北 65
関東 168
北陸信越 12
中部 152
近畿 41
中国 24
四国 10
九州 131
地域
貨物取扱量
(万トン)
東北 708
関東 2,184
北陸信越 294
中部 1,095
近畿 2,025
中国 1,511
四国 224
九州 1,960
東北
708万トン
北陸信越
294万トン
中部
1,095万トン
近畿
2,025万トン
中国
1,511万トン
九州
1,960万トン
四国
224万トン
関東
2,184万トン
500万トン〜
300万トン〜500万トン
200万トン〜300万トン
100万トン〜200万トン
50万トン〜100万トン
(該当無)
取合せ品42%日用品11%輸送用機械
部品8%金属製品4%紙・
パルプ4%
塗料・染料・
その他の化
学工業品3%木材3%その他の
機械3%輸送用
容器3%食料工業品3%その他16%輸送用機械60%製造食品5%紙・パルプ5%食料工業品4%取合せ品3%輸送用機
械部品3%鉄鋼2%塗料・染料・
その他の化学工業品2%野菜・果物2%その他14%製造
食品11%日用品8%取合せ品8%野菜・果物7%紙・パルプ
7% 食料工業品5%塗料・染料・
その他の化学工業品5%金属製品5%その他のくず
もの4%その他40%品目別のモーダルシフト需要(海上輸送)の試算
# 品目
輸送量
(万トン)
1 取合せ品 2,111
2 日用品 528
3 輸送用機械部品 425
4 金属製品 212
5 紙・パルプ 1956塗料・染料・
その他の化学工業品1757 木材 154
8 その他の機械 154
9 輸送用容器 134
10 食料工業品 127
11 製造食品 112
12 鉄鋼 75
13 輸送用機械 72
14 非鉄金属 72
15 その他の窯業品 72
16 化学薬品 70
17 畜産品 40
18 野菜・果物 32
19 その他の製造工業品 30
20 工業用非金属鉱物 29
・・・
合計 5,000
本試算においては、特に取合せ品や日用品、輸送用機械部品、金属製品、紙・パルプなどの品目でモーダルシフト需要(海上
輸送)が多い。4【参考】内航フェリー・RORO船の貨物取扱量
1か月分(2022年11月)(注記)
出典:令和4年度ユニットロード貨物流動調査
内航フェリー貨物の品類構成
内航RORO貨物の品類構成
品類構成
(注記)内航 RORO船の貨物流動については2022年11月の1か月間の任意の4航海を対象とし、内航フェリーの貨物流動については2022年11月の1か月間の任意の2日間を対象とした調査
結果から、11月の1か月分の数値に拡大推計したもの。
内航フェリー貨物
# 品目
輸送量
(万トン)
1 製造食品 22
2 日用品 16
3 取合せ品 16
4 野菜・果物 14
5 紙・パルプ 13
6 食料工業品 117塗料・染料・
その他の化学工業品108 金属製品 10
9 その他のくずもの 8
10 鉄鋼 8
内航RORO船貨物
# 品目
輸送量
(万フレートトン)
1 輸送用機械 206
2 製造食品 19
3 紙・パルプ 17
4 食料工業品 14
5 取合せ品 11
6 輸送用機械部品 10
7 鉄鋼 78塗料・染料・
その他の化学工業品79 野菜・果物 7
10 日用品 6
モーダルシフトが生じると仮定する輸送距離を100km以上、600km以上として感度分析を実施した。5参考:地域別のモーダルシフト量の試算(感度分析)
地域間 輸送量(万トン)
1 九州-九州 513
2 関東-中部 490
3 九州-中国 386
4 関東-東北 372
5 関東-関東 367
6 中国-中国 352
7 近畿-中国 310
8 中部-中部 292
9 関東-近畿 246
10 近畿-九州 246
・・・
合計 5,000
地域間 輸送量(万トン)
1 関東-中国 -
2 九州-中部 -
3 関東-九州 -
4 関東-東北 361
5 関東-四国 279
6 中国-中部 150
7 九州-北陸信越 -
8 中部-東北 116
9 近畿-東北 53
10 中国-東北 -
・・・
合計 5,000
(注記)試算されたモーダルシフト量が現状のトラック輸送量を超過するものを - としている
取合せ品52%日用品9%輸送用機械
部品6%輸送用機械5%紙・パルプ5%その
他の
機械5%木材3%金属製品2%塗料・染料・
その他の化
学工業品2%その他の窯
業品2%その他9%取合せ品20%輸送用機
械部品10%日用品10%鉄鋼6%食料工業品6%金属製品5%紙・パ
ルプ4%塗料・染
料・
その他の
化学工業品4%
製造食品4%その他の
窯業品3%その他28%地域別のモーダルシフト需要(海上輸送)
品目別のモーダルシフト需要(海上輸送)
地域別のモーダルシフト需要(海上輸送)
品目別のモーダルシフト需要(海上輸送)
100km以上の輸送距離でモーダルシフトが生じると仮定した感度分析 600km以上の輸送距離でモーダルシフトが生じると仮定した感度分析

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