次世代高規格ユニットロードターミナル検討会 とりまとめの概要(案)
現状・課題
・ 内航フェリー・RORO船による輸送は、特にドライバーの実労働時間の短縮に効果があり、環境負荷低減に寄与するとともに、災害
時には緊急輸送手段として利用可能であるなど、国内物流を維持する上で極めて重要。
・ 既に、船舶輸送スペースの確保が困難な場合や、ターミナルが狭隘で非効率な荷役となっている例も多い。
・ 2024年度からのトラックドライバーの時間外労働の上限規制等により労働力不足の問題が顕在化する中、モーダルシフトの受け皿
となる内航フェリー・RORO船のターミナル機能強化が急務。
「物流の
2024年問題」
等への対応
ターミナル
機能強化に
向けた当面
の課題
1)船舶大型化等に対し、岸壁やシャーシ・コンテナ置き場等の港湾施設が必ずしも十分に整備されていない
2)ターミナル内のシャーシ・コンテナの位置管理等が十分なされておらず、ドライバーが引き取りにきた牽引用シャーシ・コンテナの探
索に時間を要する等、荷役の効率化が求められている
3)モーダルシフト促進等に向け、港周辺に、トラックからトレーラーに貨物を積み替える小口貨物積替施設や、農産物等のコールド
チェーンに対応するためのリーファープラグが不足している
4)災害発生時の緊急物資輸送等に際し、船会社が、港湾への係留可否判断を行うための情報が十分に整理されておらず、入手に
時間を要している
今後の取組
・ ドライバー労働力不足に対応するため、モーダルシフトの受け皿
となることができるよう、今後の輸送需要に対応したターミナルの
規模の確保や生産性の向上を図る。
・ 荷役効率化に向けた情報通信技術等の導入に向けて、官民共
同で課題解決に取り組む。
基本的な
考え方
1)船舶大型化等に対応した岸壁等の港湾施設の整備推進(規模
の拡張や集約化を含む)
2)モーダルシフト輸送需要を踏まえたシャーシ・コンテナ置き場、
小口貨物積替施設及びリーファープラグの整備促進
3)シャーシ・コンテナの入退場管理及び位置管理等を行うターミナ
ル管理システムの開発及びその効果等の検証実施
4)緊急物資輸送等が円滑に行われるよう、係留に必要な情報を
サイバーポート上で閲覧できるよう機能を改修
施策の
方向性1次世代高規格ユニットロードターミナル形成に向けた施策の方向性(イメージ)
シャーシ・コンテナの位置管理等を行うターミナル管理システムの効果等の検証
緊急物資輸送等に際し、係留に必要な情報を閲覧できるようサイバーポートの機能を改修
岸壁等の港湾施設の整備
小口貨物積替施設の整備
シャーシ・コンテナ位置管理
船舶入退場口の
シャーシ・コンテナ
出入管理
シャーシ・コンテナ置き場の整備
ターミナル入退場口のシャーシ・コンテナ
出入管理・ダメージチェック
リーファープラグの整備
資料4-2
(参考)内航フェリー・RORO船輸送の現状
〇 内航フェリー・RORO船による輸送は、1,000km以上の距離帯で全輸送モードの3割以上の輸送量を占めるなど、国内の長距離
輸送において重要な輸送手段であり、災害時に緊急輸送手段となるなど、国内物流を維持する上で極めて重要。
〇 2024年度からのトラックドライバーの時間外労働の上限規制等による「物流の2024年問題」等により不足するトラック輸送量に
対し、長距離輸送を中心に、陸送から内航フェリー・RORO船による輸送へモーダルシフトが進む可能性がある。
名古屋:約350km
大阪:約500km
福岡:約1,100km
仙台:約370km
札幌:約1,100km
(参考)
主要都市の東京からの距離
※(注記)都市間の距離計算はGoogle Mapで実施
出典:全国貨物純流動調査(3日間調査)
■しかく距離帯別代表輸送機関分担率(2021年) 貨物量
(全輸送機関合計)
1,465万トン
324万トン
139万トン
75万トン
45万トン
24万トン (長距離フェリー協会の会員事業者)
2023年6月時点の会員は「新日本海フェリー、太平洋フェリー、商船三井フェ
リー、オーシャントランス、宮崎カーフェリー、名門大洋フェリー、阪九フェリー、
フェリーさんふらわあ、東京九州フェリー」の9社
(万台)
■しかく長距離フェリー協会会員事業者及びRORO船の
トラック・トレーラー輸送台数の推移
出典:長距離フェリー協会資料、日本内航海運組合総連合会
87.0%
74.3%
65.6%
61.5%
31.2%
22.9%0.0%0.3%1.1%5.3%
17.0%
31.5%4.3%23.1%
31.5%
30.5%
45.7%
34.4%0.7%2.2%1.8%2.6%5.9%10.5%8.0%0% 20% 40% 60% 80% 100%
~100km
100~300km
300~500km
500~700km
700~1000km
1000km~
トラック 内航フェリー・RORO船 その他船舶 鉄道 航空 その他
■しかく内航フェリー・RORO船による輸送
・長距離輸送は一度に100台以上のシャー
シを運ぶことが可能。ドライバーは、有人
航送の場合は休息扱い、ヘッドを切り離せ
ば無人航送となる。
■しかく「物流の2024年問題」等により
不足する営業用トラック輸送量
2024年度 2030年度
不足する
輸送量
4.0億トン 9.4億トン
不足する
輸送量
割合
14.2% 34.1%
出典:「持続可能な物流の実現に向けた検討
会」における(株)NX総合研究所試算2117 116 123 124 126 125
117 1245969 69 73 77 77 77 79
2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
長距離フェリー RORO船
(年度)
■しかく内航フェリー・RORO船の大型化動向(全国平均)
内航フェリー 1990年 2020年 伸び率
(1990年⇒2020年)
総トン数 7,900トン 11,000トン 約1.4倍
シャーシ
積載台数
95台 131台 約1.4倍
RORO船 1990年 2020年 伸び率
(1990年⇒2020年)
総トン数 4,300トン 11,000トン 約2.6倍
シャーシ
積載台数
50台 133台 約2.7倍
※(注記)内航フェリーは中長距離航路(100km以上の航路)を対象とした(沖縄本島以外の離島航路除く。)。
出典:海上定期便ガイド、日本船舶明細書、内航船舶明細書