令和元年度 海外都市開発におけるニーズ及び実態調査業務
報告書
令和 2 年 3 月
国土交通省 都市局
令 和 元 年 度
国 土 交 通 省 調 査
目次
第1部 業務の背景・目的及び概要
第1章 業務の背景・目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
第2章 業務の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
第2部 調査候補地の選定及び選定した都市における課題調査
第1章 調査対象都市の選定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
第2章 選定した都市における課題調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
第3章 課題の複合化が都市に与える影響の調査・・・・・・・・・・・・・・ 8
第3部 課題に対する解決策の提案
第1章 スマートシティの手法による解決策・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
第2章 各都市の課題とスマートソリューションのマッチング・・・・・・・・11
第3章 複合的課題に対する一体的な解決策の提案・・・・・・・・・・・・・12
第4部 全体総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 1第1部 業務の背景・目的及び概要
第1章 業務の背景・目的
2016 年 10 月に開催された第三回国連人間居住会議(ハビタットIII)において採択され
たニュー・アーバン・アジェンダの中で、2050年までに世界の都市人口は倍増し、都市
化率(都市人口/総人口)も66%に達すると予測されており、都市化は21世紀における
最も大きな変革の一つになると言われている。
また、
都市化は地域や所得水準によって大き
く異なっているのが現状であり、
近年、
著しい人口増加と経済成長を遂げているASEAN
国及び南アジア地域((注記))では、都市開発によるインフラ整備の遅れや住宅不足が深刻な問
題となっている。
本業務では、
都市開発におけるアジア各都市の課題を抽出した上で、
それに向けて各都市
がどのような取組を行っているかを調査することで、我が国企業による海外における都市
開発プロジェクトの受注に繋げることを目的とする。
((注記))ASEAN諸国及び南アジア地域・・・タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピ
ン、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、インド、バングラデシュ、スリランカを
対象とした。
第2章 業務の概要
1 調査候補地の選定及び選定した都市における課題調査
上記ASEAN諸国及び南アジア地域において15程度の都市を選定した上で、下記
の項目について課題調査を行う
ア.人口、人口増加率、経済状況、住宅供給戸数、GDP、GDP成長率、消費
者物価上昇率等の基礎データ
イ.各都市における課題の抽出
ウ.政府・自治体の方針及び取組み
エ.イの課題として市民に認識されていないが、生活の質(QOL)の向上に資
する潜在的なニーズの抽出
2 課題に対する解決策の提案
1で抽出した課題のうち、スマートシティの手法による対応が実現可能なものについ
て、解決法を提案する
3 課題の複合化が都市に与える影響の調査及び複合的課題に対する一体的な解決策の提案1で抽出した課題が複合的に発生した場合の都市や市民の行動態様への影響を調査
し、このような課題のうちスマートシティの手法による一体的な対応が実現可能なも
のについて、解決策を提案する。
4 都市開発案件事例の取りまとめ
1で選定した都市における先進的な都市開発案件事例の取りまとめを行う 25 上記調査検討結果における報告書への取りまとめ 3第2部 調査候補地の選定及び選定した都市における課題調査
第1章 調査対象都市の選定
(1) 調査対象都市の選定基準
本業務における調査対象都市を選定するにあたり、第1部第1章に挙げられ
ているASEAN諸国及び南アジア地域から、以下の条件を設定した。
1 各国から最低1都市(偏りを避けるため1か国最大2都市までとする。)2 スマートシティの手法による課題解決の潜在的なものを含めた需要が存在
し得ると考えられる都市
3 ASEAN諸国の都市については、アセアンスマートシティネットワーク
(以下ASCNと称する)にて選定されている都市 1
(2) 調査対象都市
上記の条件を踏まえ本業務における調査対象都市を以下の15都市を選定し
た(図2-1参照)。図2-1 本業務における調査対象都市
1 アセアンスマートシティネットワーク(ASCN)とは、2018 年 ASEAN 議長国シンガポールが提案した、ASEAN
加盟各国のそれぞれ 3 都市程度がスマートシティ開発のために協力するためのプラットフォーム。ASCN の目標とし
て(1)スマートシティ開発について実証都市間の協力促進、
(2)民間と協力しての有望なプロジェクト開発、(3)域外のパートナーからの資金調達等の協力促進が挙げられている。また、ASCN では、各都市がそれぞれのニーズに応
じて優先する分野(交通、水質、エネルギー、公共サービス、ICT 等)を選択している。
出典:国土交通省「ASEAN スマートシティ・ネットワーク&ハイレベル会合」資料
(https://www.mlit.go.jp/common/001303870.pdf)
コロンボ
バンコク
ジャカルタ
マニラ
マンダレー
プノンペン
ダッカ
ヴィエンチャン
ホーチミン
デリー
ハノイ
クアラルンプール
ヤンゴン
シェムリアップ
ムンバイASCN(アセアンスマートシティネットワーク加盟国) 4第2章 選定した都市における課題調査
(1) 都市における課題調査の目的
本業務では、我が国企業による海外における都市開発プロジェクトの受注に
繋げることを見据え、都市開発におけるアジア各都市の課題の抽出を行い、こ
れらの課題に対してスマートシティの手法による対応が可能であるかを分析す
るものである。
国土交通省では、スマートシティを「都市の抱える諸課題に対して、ICT 等
の新技術を活用しつつ、マネジメントが行われ、全体最適化が図られる持続可
能な都市または地区」と定義づけ、日本全国各地で推進している。この定義の
背景にあるのは、都市が抱える課題を整理し、その課題解決のために技術を活
用するという「課題オリエンテッド」の考え方である。このような都市が国内
で広がるのに相まって、今後、我が国企業が海外においても「スマートシテ
ィ」を展開していく事例が増えることが想定される。海外においても「課題オ
リエンテッド」な「スマートシティ」を実現するためには、我が国企業が進出
する国々の都市課題を追究する必要がある。
このため、各都市の課題抽出・分析、そしてその結果を踏まえた各都市の
「主要課題」の設定については重点的に調査を実施した。ここでの「主要課
題」とは、各都市において後述の判断基準により特に問題意識が強い課題とし
て抽出されたものである。
(2) 調査方法・調査項目
各都市における課題設定については、1各都市の現地市民や駐在員に対する
ヒアリングを主たる判断材料としつつ、2基礎データやスマートデータの定量
的な評価や3政府・自治体の方針及び取組みや先進的な都市開発案件事例等の
定性的な評価も加味して設定した。各調査項目の詳細については以下のとおり
である。
ヒアリングの狙いは、各都市の日常生活における課題や生活の質(QOL)向
上へのニーズを浮き彫りにすることである。
そこで、
各都市の現地市民に対し、
日常生活において自身が感じている後述の11のスマート領域(図2-4参照)
における都市課題についてヒアリング調査を実施した。しかし、この他にも、現
地に住む市民が認識していないがQOL向上に資するニーズ、いわば潜在的な
ニーズが存在するという問題意識から、
これを発掘するための試みとして、
駐在
員もヒアリングを対象に含め、設定した主要課題以外の課題等を聞き取った。 51 各都市の現地市民・駐在員に対するヒアリング
以下の要領により実施。
 現地市民に対するヒアリング
1)サンプル数:各都市2〜4名
2)ヒアリング内容:プロフィール(家族構成や居住地など)
、平日及び休
日のデイリースケジュール、日常生活上での課題認識及びその課題
を解決するためのニーズ
 駐在員に対するヒアリング
1)サンプル数:各都市1名
2)ヒアリング内容:各都市で設定した主要課題に対する見解、設定した主
要課題以外の課題及び需要のあるソリューションに対する意見等
図2-2 各都市の現地市民に対するアンケート その1
1. Basic Information
Please fill in your
information as much
as you can.
2. Activity Area
Please circle the area
where you go around on
usual workdays
*If you would select another
place out of the map, please
indicate the place name
3. Problem/needs in your daily life
Please fill in problems and needs in your daily life that you
want to solve or improve. Regarding weekend, please fill in
both Activity (what you do) and Problem/Needs. 6図2-3 各都市の現地市民に対するアンケート その2
2 基礎データやスマートデータ
以下の通り定義される定量的なデータ。
 基礎データ:各都市における人口や高齢化率、外国人観光客数、都市鉄道
の総延長等の各国政府・自治体が公表する一般的な統計情報
 スマートデータ:基礎データを加減乗除により生成、またそれらに定性デ
ータを加味し総合評価によって得られたスマートシティ評価に関する指標
なお、スマートデータについては、本業務受託者にて運用されている11の
スマート領域(図2-4参照)ごとに分類を行った。
図2-4 11のスマート領域の分類
Category Theme(Example) Problems Needs
01. Smart Mobility
Congestion,Traffic jam,Traffic accident,
Transportation device,Commuting time loss, etc
(Example) Traffic jam happened mostly
everyday
(Example) Fast and suitable public
transportation (e.g for suitable:station/time/
price)
02. Smart Safety
City disaster risks and countermeasures (e.g.
typhoon, flood), Security measures,etc
03. Smart Energy, Water
&Waste
Electrical power condition,Water supply,Sewerage
systems,Garbage collection service, etc
(Example) Garbage disposal factory near
residentzone cause terible smell
(Example) Better solution for garbage disposal
04. Smart Buildings &
Living
Living environment,Working environment(e.g.
condition of office facilities), etc
05. Smart Health
Public & private medical services,Individual health
management,etc
(Example) Public medical service are almost
over capacity, private medical service still not
up to required standard.No service outside of
office working hours.
(Example) More private medical service with
higher quality
06. Smart Education
Education (of yours and family’s),Public & private
education systems,etc
07. Smart Finance
Loan from banks,Home mortgage,Dailypayment
methods (cash/online), etc
xxx xxx
08. Smart Tourism
&Leisure
Leisure facilities in the city, Expenditures and time
for leisure,etc
09. Smart Retail Shopping (online & offline),etc xxx xxx
10. Smart Manufacturing
& Logistics
Home-deliveryservice (especiallyspeed and
quality)
11. Smart Government
Administrative services
Your interestand engagementto politics
1. Problem/needs in your city
Please select 5 from 11 Category below and tell us any problems and
needs in your city that you think should be solved or improved.
*You can answer more than 5 categories if you want.
Smart Health
Smart Mobility
Smart Finance
Smart Education
Smart Energy, Water& Waste
Smart Retail & Logistics
Smart Tourism & Leisure
Smart Buildings & Living
Smart Manufacturing & Construction
Smart Safety
Smart Government
Smart Health
Smart
Mobility
Smart
Finance
Smart Education
Smart
Manuf acturing
Smart
Saf ety
Smart
Buildings
Smart Energy ,
Water & Waste
Smart
Gov ernment
Smart Tourism &
Leisure
Smart
Retail
& Logistics 73 政府・自治体の方針及び取組み
各調査対象都市における都市開発やスマートシティ政策に関する政府・自治
体の方針及び取組み、及び、先進的な都市開発案件事例。
図2-5 各都市の主要課題の設定
 Smart Mobility
 Smart Waste
 Smart Finance
 Smart Retail
 Smart Logistics
 慢性的な渋滞によって移動に多くの時間を割かれ、仕事や私生活の時間を圧迫
• 交通分担における自動車負担率が高く、慢性的渋滞が発生している。渋滞を見越して早朝に家
を出る必要があり、帰宅時も渋滞によって自宅到着が遅くなる。結果、移動に多大な時間を要し
、仕事にもしわ寄せがくる
 ゴミの収集・処理サービスの未整備によって、冠水の被害が発生
• ゴミの収集・処理サービスが普及しておらず、住民がゴミ捨て場に自ら運ぶ必要がある
• 適切に処理されなかったゴミが排水管に詰まり、雨季の市内の洪水の要因となっている
 オンライン・オフラインショッピングにおける流通網・システムの信頼性が低い
• 品質に信頼性があるスーパーが少ない
• 個人・家庭のインターネット環境が十分に整備されていない。また物流網やオンライン決済システ
ムの整備が十分ではない
 ヤンゴンでは、基礎的なハードインフラの整備が進められつつあり、都市の安全性や衛生環境改善の
ための制度構築やオペレーション改善について課題意識が高まっている。
 都市の発展に伴い、小売りや輸送等の面でより利便性のあるサービスを求める意識も高まっている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題 8第3章 課題の複合化が都市に与える影響の調査
(1) 調査方法
第2部第2章で設定した各都市の主要課題について、その課題の原因につい
て課題感を持つ現地市民が必ずしも認識しているとは限らず、またヒアリング
で現地市民が要因について言及する場合も、部分的な認識に留まっている可能
性が想定される。そこで課題解決に向けて、ロジックツリーを用いた主要課題
の因子分析を実施した。ロジックツリー分析では各都市課題を論理的に、関連
した要素ごとにツリー状にMECE(Mutually Exclusive, Collectively
Exhaustive:モレなくダブりなく)に分解し、ツリーの末端が具体的な課題の
根幹となるように整理した。
分析を行う上で、ツリーを課題のレベルごとのクラスターに分解を行った。
各レベルの定義については以下とした。
1 Level 1:課題の直接的な外部要因(ハード等)や内部要因(ソフト等)に
関する因子
2 Level 2:財源に関する因子
3 Level 3:知識、技術、法制度・社会規範、その他に関する因子
分析の結果、スマートシティの手法にて解決策の提案が検討可能なものにつ
いては、各因子に S マークを記載した。
図2-6 各都市主要課題のロジックツリー分析例SS
慢性的な道路渋滞の発生
道路交通需要の増加
事故の多発(事故渋滞)
既存の鉄道イ
ンフラの利便
性が低い
既存の道路イ
ンフラの質が
低い
自動車輸入の
規制緩和によ
る、自動車普
及率の増加
弱い排水設
備・システム
信号の不適切
な設置
中央駅南側に
都市機能が一
極集中(交通
需要の局地的
集中)
整備された道
路が少ない、
幅が狭い
違法駐車
バス・タクシー
交通の増加
信号無視
経済発展に
伴う都市人口
の増加
交通ルールの不徹底
道路容量の不足
交通容量を上回る交通需要(自然渋滞)
鉄道インフラが
少ない(軽量
高架鉄道・地
下鉄がない)
国鉄・ヤンゴン
環状線の車両・
線路の老朽化
により、速度が
遅い、汚い
駐車場不足
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範 適切な交通量
調査が実施さ
れていない
運賃交渉の
ための路肩
停車
一般車道で
の乗客の乗降SS事故に対する
リスクを安易
に考えているSS 9第3部 課題に対する解決策の提案
第1章 スマートシティの手法による解決策
(1) スマートシティの手法の定義
第2部で抽出した各都市の主要課題に対し、スマートシティの手法による解
決策の提案を行う。本業務において取り上げるスマートシティの手法による解
決策を「スマートソリューション」と称する。本業務においてスマートソリュ
ーションとは、経済発展と社会的課題に対し IoT(Internet of Things)
、ロボ
ット、人工知能(AI)
、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新
たな技術等を用いた解決策と定義する。4
(2) スマートソリューションの整理
スマートソリューションの整理については、本調査受託者にて運用されてい
る 11 のスマート領域のソリューション事例を始め、ベンチャー企業やスタート
アップ企業のソリューション事例を取りまとめている Morning Pitch 5を参照
し、整理をおこなった。また、その他国内外を問わず先進的なスマートソリュー
ションとして相応しいと考えられる事例についても合わせて取り上げ整理した。
4 スマートソリューションの定義については、
「スマートシティの実現に向けて」
(平成 30 年 8 月)を参照。
出典:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/common/001249774.pdf)
5 Morning Pitch とは、デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社、野村證券株式会社の 2 社が幹事となり開催
しているベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的としたピッチイベントで、毎週 5 社のベンチャー企
業が、大企業・ベンチャーキャピタル・メディア等のオーディエンス約 100 名に対しピッチを行う。 2013 年 1 月か
ら開始し、2019 年 12 月時点で全 300 回超、累計 1,500 社超のベンチャー企業が登壇した。
出典:Morning Pitch(http://morningpitch.com/about/) 10表3-1 スマートソリューションの整理
定義 スマートソリューション事例
01. Smart Mobility ー
リアルタイムの交通規制や交通
情報の提供、個人の交通手段の
最適化、全体としての交通量の
最適化
・リアルタイムの空き駐車場情報の提供(リアルタイムでの空き駐車場情報、オ
フィスビル営業時間外の駐車場の活用、等)
・リアルタイム配車サービス(Uber等)
・リアルタイムの交通情報の提供
・交通規制
・コネクテッドカー
・シェアカー
02. Smart Safety ー 防犯対策、リスクの予測・診断
・自動化・最適化された街頭照明
・ドローンによるリスクの発見・診断
・犯罪発生地域の予測、犯罪防止プログラム
・災害警報アプリ
Energy
エネルギー需給の削減・最適化、
エコ化
・再エネを活用した分散型発電
・スマートグリッド、マイクログリッド
・スマートメーター
・ゲーミフィケーションを活用した消費削減
・地熱発電貯蓄
・電気自動車の充電スタンド
・官民および企業間での電力調整
Water
水消費量の削減・最適化、安全
な水の供給
・漏水の検知
・水汚染の検知
・洪水警報
・最適な施設メンテナンス管理
Waste
資源の再利用、適宜適切なごみ
の収集・ごみの削減、ごみのリサ
イクル
・最適なごみ収集頻度、ごみ収集車のルート最適化
04. Smart Buildings & Living ー
建物・住宅のエネルギー消費の
削減・最適化、生活の利便性向上・建物のエネルギー需給の最適化、不要な電気消費の削減
・建物の清掃や各種アメニティー補充(コーヒーマシン、トイレットペーパー、等)
の頻度の最適化
・スマートホーム
05. Smart Health ー
個人の健康管理の支援・促進、
医療サービスの支援
・健康状態の定量化・指標化
・病気・治療に関する情報提供、患者による治療プロセスの管理
・個人に合わせた治療
・AIによる医師の業務のサポート、ロボットによる治療とケア
・自宅診療、小型診療の普及促進
06. Smart Education ー
教育機会の拡大・普及、教育の
多様化
・教育のデジタル化(オンラインスクール、等)
・個々人に合わせた学習内容とカウンセリングの提供
・生涯学習の提供
・企業内大学の開校
07. Smart Finance ー
資金調達と資金決済のデジタル
化、金融や保険業に係るリスク
の予測・診断
・ビックデータに基づく保険や与信の審査
・価格調整によるインフラの需給バランスの調整
・個人間での資金調達プラットフォームの提供
・クラウドファンディング
・デジタル決済システム
・ブロックチェーン
08. Smart Tourism &Leisure ー
IoTやAIを活用した観光業の発
展、娯楽の多様化
・リアルタイムの混雑情報の提供、混雑の管理
・モバイル端末による施設内ガイド、空港や公共交通機関でのナビゲーション
・個人間での宿泊施設の貸し借り、配車サービス(Airbnb、Uber、等)
・AIの観光ガイド
Retail
消費者の購買行動のデジタル化
やキャッシュレス化、実店舗とオ
ンライン情報の連携によるマーケ
ティング強化
・3Dプリンター等の技術を活用したカスタマイズ商品の製造・販売
・バーチャルフィッティング
・実店舗とオンライン情報の連携によるデジタルマーケティング(例 O2O:
Online to Offline。オンラインから実店舗に誘導する仕組み)
・実店舗とオンライン情報の連携による販売(例:Scan & Go)
Logistics 物流プロセスの効率化・短縮化
・個人の希望に合わせた配達場所と配達時間の実現
・物量倉庫における仕分け作業の機械化
・自動運転車両、過疎地域などでのドローンによる荷物配送
10. Smart Manufacturing
& Constructionー生産計画・在庫管理の改善、品
質向上、業務の効率化・自動化、
ナレッジ管理、顧客サービス向上
・製造プロセスの機械化(ロボット化)
・3Dプリンター等の技術を活用した付加製造(Additive Manufacturing)
11. Smart Government ー
政策の立案・実施の高度化・効
率化、ガバナンスおよび情報へ
のアクセスの向上
・ビッグデータやAIを活用した分析、政策立案、計画策定、実施・モニタリング
・公共サービスのオンライン対応
・公共サービスの自動化・デジタル化
カテゴリー
03. Smart Energy,
Water & Waste
09. Smart Retail & Logistics 11第2章 各都市の課題とスマートソリューションのマッチング
(1) 解決策の提案方法
第2部第3章で分析した各主要課題の因子について、スマートソリューショ
ンにて解決が見込まれるものについて第3部第1章で整理したものの中から解
決策を提示した。また、提示したソリューションについては、実用例も合わせ
て記述した。
図3-1 課題因子に対応したソリューションの提言
 ゴミの収集・処
理サービスの
未整備
 ジャストインタイム廃棄物収集
(IoTゴミ箱)
ゴミコンテナの量を察知したのち満
杯になってからの回収を実行。
サポートシステムの不備
(GPS、受注管理など)
運送サービスのレベルが
低い(遅配、間違え等)
 利便性・信頼
性ある購買チ
ャネルが十分
にない
ゴミのポイ捨てに対する取
り締まりが無い
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 配送ルート最適化システム
組合せ最適化、統計処理などの技
術を用いてラストワンマイルのルー
ト最適化のサービスを提供
実用例
住民がゴミ投棄に対する
意識が低い
Enevo Japan株式会社の
enevoはごみ箱に超音波セン
サーを設置することで、遠隔
監視でごみの堆積量を測定/
可視化し、回収が必要なごみ
箱のみを把握できることで、ご
み回収の効率化を実現。
株式会社オプティマインドの
Loogiaは「メタヒューリスティク
ス」という手法を用いて、短時
間で最適なルートを探索し、ラ
ストワンマイル配送地図の作
成を可能としている。
出典: https://enevo-lp.com/
出典: https://www.optimind.tech/service/ 12第3章 複合的課題に対する一体的な解決策の提案
(1) 提案方法
第2部で抽出した各都市のすべての主要課題に対し、スマートシティの手法
によって一体的・包括的に解決可能な提案を行う。本業務において取り上げる
複合的課題に対する一体的な解決策を「包括的スマートソリューション」と称
する。包括的スマートソリューションは各都市のすべての主要課題に対応した
ソリューションカテゴリーを包括的に解決可能な策案である。
表3-2 各都市の主要課題に対応したソリューションカテゴリー
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
ヤンゴン
マン
ダレー
ホーチ
ミン
ハノイ
プノン
ペン
シェムリ
アップ
ビエン
チャン
バンコク デリー ムンバイ コロンボ
クアラル
ンプール
ジャカ
ルタ
マニラ ダッカ
1 Smart Mobility ー くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
2 Smart Safety ー くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
Energy くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
Water くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
Waste くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
4 Smart Buildings & Living ー くろまる くろまる くろまる くろまる
5 Smart Health ー くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
6 Smart Education ー
7 Smart Finance ー くろまる くろまる8Smart Tourism &
Leisure
くろまる くろまる くろまる くろまる
Retail
Logistics くろまる くろまる くろまる くろまる10Smart Manufacturing &
Construction
くろまる くろまる
11 Smart Government ー くろまる
Smart Energy,
Water & Waste39 Smart Retail & Logistics
スマートソリューションカテゴリー 13表3-3 包括的スマートソリューション事例の整理
# 名称 分類 主なサービスメニュー 解決に寄与すると想定される主な課題1アリババ
「City Brain」
プロダクト
リアルタイム交通情報
公共データサービス
交通マネジメント
公共機関最適化
ヤンゴン:慢性的な渋滞によって移動に多くの時間を割かれ、仕事や私生活の時間を圧迫
バンコク:役所サービス品質や業務効率が悪く、快適なサービスを受けられない
ホーチミン:強盗やひったくり犯罪が多発し危険である
マニラ:物流管理・物流網が十分に整備されておらず、配送サービスの遅延が常態化2シスコ
「Smart City
Solution」
プロダクト
都市データ分析
交通マネジメント
スマート農業、遠隔医療
セキュリティ監視
ホーチミン:病院のサービス品質や業務効率が悪く、快適な医療サービスを受けられない
マンダレー:夜間に強盗や犯罪が多発しており、危険である。
ヴィエンチャン:食品に含まれる農薬や添加物等、食の安全に関する不安がある
デリー:路上にゴミがポイ捨てされており、非衛生的である3NEC
「Safer Cities」
プロダクト
デジタル行政サービス
MaaSオペレーター
セキュリティ監視
IoTヘルスケア
バンコク:役所サービス品質や業務効率が悪く、快適なサービスを受けられない
ホーチミン:強盗やひったくり犯罪が多発し危険である
コロンボ:渋滞時における混雑状況や公共交通の運行情報を提供するサービスが少ない
プノンペン:医療サービスの信頼性・レベルが低く、必要十分な治療を受けられない4グーグル
「Side Walk
Labs」
スーパー
シティ
都市データ分析
セキュリティ監視
交通マネジメント
エネルギーマネジメント
コロンボ:渋滞時における混雑状況や公共交通の運行情報を提供するサービスが少ない
マンダレー:夜間に強盗や犯罪が多発しており、危険である。
マンダレー:インフラサービスが不安定・不定期であり、日常生活や環境衛生に支障をきたす
ヤンゴン:オンライン・オフラインショッピングにおける流通網・システムの信頼性が低い5ヘルシンキ
「MaaS City」
スーパー
シティ
交通マネジメント
マルチモーダル
MaaSオペレーター
ライドシェアサービス
ヤンゴン:慢性的な渋滞によって移動に多くの時間を割かれ、仕事や私生活の時間を圧迫
KL:通勤・通学時に便利な公共交通および関連施設が不足している
コロンボ:渋滞時における混雑状況や公共交通の運行情報を提供するサービスが少ない。
ジャカルタ:渋滞により通勤に長時間を要し疲弊する6トヨタ
「Woven City」
スーパー
シティ
MaaS、自動運転
ゼロエミッション
カーボンニュートラル
道路交通マネジメント
デリー:大気汚染により、外出の抑制や健康被害につながっている
プノンペン:ごみの収集・処理が徹底されておらず、非衛生的環境・悪臭がある
コロンボ:渋滞時における混雑状況や公共交通の運行情報を提供するサービスが少ない。
マンダレー:インフラサービスが不安定・不定期であり、日常生活や環境衛生に支障をきたす 14第4部 全体総括
《調査対象都市の選定及び選定都市における課題調査》
 本業務ではASCN及び南アジア地域より計15都市を選定し、各都市において1基
礎データやスマートデータの定量的な評価、2各都市の現地市民や駐在員に対するヒ
アリング等、及び3政府・自治体の方針及び取組みや先進的な都市開発案件事例等の
定性的な評価を踏まえ、主要課題を設定した。
 定量調査については、各都市の基礎データが現地政府や国際機関等にて開示されてお
らず取得が困難なケースがあり、その場合は都市ベースではなく国全体のデータにて
代用した。今回の調査では、都市ベースの基礎データ収集には一定の限界が見受けら
れた。また、都市のデータが取得できた場合であっても数値の信憑性が乏しいものに
ついてはその都度精査を行った。
 各都市の現地市民や駐在員に対するヒアリングについては、同都市における現地市民
と駐在員の課題意識に乖離が見られるケースが存在した。課題に対する意識醸成は、
母国等での生活水準をもとに形成されるため、駐在員にとっては課題として挙げられ
る一方で現地市民には認識されていない課題、またその逆についても見受けられた。
 駐在員に対するヒアリングを通じて試みた潜在ニーズの発掘は、完全に明らかにされ
たわけではないであろう。しかし、スマートシティはまちづくりの一環である以上、
シビックプライドに負う部分も多く、そうした要素を引き出すことで、個性のある街
づくりができるという可能性は感じられた。
 政府・自治体の方針について、インド(デリー、ムンバイ)はスマートシティを積極
的に推進する政策を打ち出しており、インドネシア(ジャカルタ)は TOD(公共交通
指向型開発)を推進して世界的な都市デザインのトレンドに合わせた方針となってい
る。一方で、人口増加に応じたインフラ整備を目指すバングラデシュ(ダッカ)やス
リランカ(コロンボ)など基礎的なインフラ整備の拡充を推進しているところもあ
る。
 都市開発案件事例については、ベトナムやインドネシアなどは日系企業の進出も著し
く、ベトナムのビンズン新都心の大型案件に東急電鉄が参画しているなど、日系企業
の海外展開が進んでいる。他方、中国や韓国の企業が関わる案件も多数見られ、スリ
ランカの CHEC ポートシティ・コロンボには中国の中国交通建設が参画しており、
ベトナムの Eco Smart City には韓国のロッテグループが参画している。
 また、スマートシティについても、インドやマレーシアなどで開発が進められてお
り、インドのグジャラート・インターナショナル・ファイナンステック・シティでは
太陽光は圧電や全自動ごみ収集といった技術が取り入れられ、マレーシアのイスカン
ダル開発区ではデジタルサイネージや電子マネーといった技術が取り入れられ都市開 15発が行われている。
《課題の複合化が都市に与える影響の調査》
 各都市の主要課題の原因の根幹を調査するため、本業務ではロジックツリーを用い主
要課題の因子分析を実施した。各都市にて頻繁に課題として取り上げられていた分野
(モビリティ、治安、医療、環境関連等)については、分析の結果、ツリーの構成に
類似の傾向が見受けられた一方で、各都市の発展フェーズ及び文化・慣習・宗教・制
度の違いから同分野の課題でも原因の根幹(因子)は差異が見られた。このような都
市により異なる因子分析のプロセスの各々にソリューションのヒントがあると考えら
れる。
 アジアの新興国における都市課題については、往々にして、基礎的なハードインフラ
やソフト面のサービスおよびシステム等が未整備であること、そしてその原因に財源
不足が指摘されることがある。しかし本業務のロジックツリー分析は、課題の根源に
市民の知識や意識、技術水準、法制度・社会規範といった、より根本的な要因が存在
することを示している。つまり、持続的な課題解決にはインフラの整備等の目に見え
る課題解決だけでなく、根本的な変革も必要な場合があることを意味している。これ
らの根源的要因には、スマートソリューションでの解決が困難なものも存在するが、
スマートソリューションが変えうるものもあることが明らかとなった。
 例えば、
「道路渋滞→信号がない→お金がない」、「信号を守らない→警官がいない→
警官が信用できない」等、スマートシティによるソリューションに結び付かないよう
なツリーも多く挙がった。しかし、そうした中でも、スマート技術によって、解決が
目指せるものには「S」マークを付した。いくつかの課題の最大公約数として、この
「S」を複数通過するシステムが構築できれば、それは積もってスマートシティの一
要素となるものと信じる。
 ロジックツリーを作成する中で、お金、インフラ、法、道徳、といった、スマート技
術とは相いれないと思しき課題に何度も遭遇した。これらに対し、
「スマート技術で
は法律の制定は困難」と思考を止めるのではなく、スマート行政やスマート教育、ス
マートファンディング等最新技術を活用した課題へのアプローチを探ることは可能で
あろう。この時、市民が規範を守るという目的一つをとっても、監視システムや罰則
を強化する方法と、人々の誇りや義侠心に訴えかける方法といった複数のアプローチ
が考えられる。
(他方、この議論においては、課題オリエンテッドなスマートシティ
を目指す場合も、技術に負う部分の存在は無視できないことが指摘される。) 以上より、ロジックツリーの作成は本業務において重要な過程を担うものであり、
本業務の成果そのものであると言えよう。 16《スマートシティの手法による解決策、及び複合的課題に対する一体的な解決策の提案》
 スマートシティの手法による解決策を本業務で「スマートソリューション」と定義
し、先進的なソリューション事例の一覧化を行った。
 スマートソリューションの概念的な解決策の提言については整理できたが、実用化さ
れておらず実証実験までのソリューション事例も見受けられ、ソリューションの海外
展開までには時間を要するものも多数見受けられる。
 複合的課題に対する一体的な解決策を本業務では「包括的ソリューション」と定義
し、世界のスマートシティ事例の中から複合的課題を一体的な解決を試みる事例につ
いて整理を実施した。前項が個人のペインやニーズに基づく調査であったのに対し、
本項ではこれらを個別のソリューションではなく全体最適化のプロセスの中でスマー
トシティ化に結び付けられるかを探った。先行事例は乏しいが、スマートシティの海
外展開を考える上でのヒントになるであろう。
 包括的ソリューションについては、都市管理サービスといった商品化されたプロダク
トをベースとするアプローチと、AI やビックデータを活用し街を丸ごとプロデュース
するスーパーシティのコンセプト6をベースとするアプローチが想定される。
 前者のアプローチについては、現地政府や自治体等に対して商品を納入する形である
一方、スーパーシティ構想についてはグリーンフィールドから開発を行い、包括的ソ
リューションを開発行為のコストとして賄う必要性があることから、政府や行政によ
る支援も重要となる。
 日本は、基礎インフラを整備し、教科書通りのプロセスとステップを踏んで経済発展
に至った。しかし、世界ではスマート技術を以って、基礎インフラの未熟を飛び越え
る「リープフロッグ(跳ね蛙)現象」が起きている。この可能性も視野に入れて調査
を行った。
6 国家戦略特区「スーパーシティ構想」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/supercity/setsumei.pdf 17 18
添付資料
資料1 令和元年度 海外都市開発におけるニーズ及び実態調査業務 概要版
資料2 令和元年度 海外都市開発におけるニーズ及び実態調査業務 最終報告書
資料1 令和元年度 海外都市開発におけるニーズ及び実態調査業務 概要版
01.ヤンゴン
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
慢性的な渋滞による仕事や私生活
でのタイムロス
自動車負担率が高く、渋滞を見越して
早朝出勤や帰宅を計画する必要がある。1国家空間開発計画:
首都移転計画
首都移転は2006年10月10
日、ミャンマー政府は公式
にネーピードー遷都を発表
した。2001年に計画づくり
が始まり、2003年に着工さ
れた首都移転は、2005年の
竣工と同時に省庁移転が始
まり、2006年3月に概ね移
転完了した。
都市圏マスタープラン:
ヤンゴン都市圏マスタープラン
2040年を最終目標とした計
画が策定されており、
1.Urban Structure、
2.Sub-Center Development
3.New Town Development
4.Railway Station Area
Development 、5.Industrial
& Logistics Development
の5点が示されている。
Issue 1 Solutions
公共交通、徒歩、自動車、シェ
アサイクル、デマンドバスなど
を組み合わせたナビゲーション
マルチモーダルナビゲーション
Issue 2 Solutions
ゴミコンテナの量を察知したの
ち満杯になってからの回収 等
ジャストインタイム廃棄収集
オン・オフラインショッピングの
流通網とシステムの信頼性が低い
物流網やオンライン決済システムの整
備が十分ではない。
Issue 3 Solutions
統計処理などの技術を用いた組
合せ最適化、ラストワンマイル
のルート最適化のサービス 等
配送ルート最適化システム
都市人口 :514 万人
人口密度 :16,000 人/km2
高齢化率 :5.6 % (2014)
外国人観光客数:-
電化率:69.3 % (2014)
上水道普及率:42 %
自動車保有台数:65 台/千人 (2017)
オートバイ保有台数:56 台/千人 (2017)
ヤンゴン
ヤンゴンでは、都市の交通問題や廃棄物収集・処理の改善のための
制度構築やオペレーション改善について課題意識が高まっている。
また、小売りや輸送等の面でより利便性のあるサービスを求める需
要がある。01YANGON
MYANMAR
ゴミの収集・処理サービスの未整
備による冠水被害
適切に処理されなかったゴミが排水管
に詰まり市内の洪水の要因となる。
出所:JICAミャンマー国ヤンゴン都市圏開発プログラム形成準備調査ファイナル
レポート II, YCDC Yangon’s Urban Development Master Plan & Priority Projects
出所:国土交通省国土政策局 及び JICAレポート: Project for
Comprehensive Urban Transport Plan of the Greater Yangon (YUTRA)
02.マンダレー
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
インフラサービスが不安定・不定期
水力発電の水不足による停電、雨季の
冠水や蚊の大量繁殖、ごみ回収が定期
的・体系的に実施されていない等2都市圏マスタープラン:
マンダレー・コンセプチュアルプラン
MCDC の計画を基本としな
がら、開発地区をより詳細
に計画。しかし、マンダレ
ー市における急速な都市開
発の圧力のもと、作成した
開発計画を実現するために
開発行為を管理する有効な
手段をマンダレー市が持ち
合わせていないことが課題。
Issue 1 Solutions
異常運転を検知し通知するこ
とで設備監視業務の効率化と、
設備トラブル未然防止を図る
スマート下水監理
市内の医療サービスの質が低いため、
域外(海外含む)に行く必要がある
医師不足のためにサービスの質が低く、
民間医療機関は公的医療と同様の課題
に加え、医療費が非常に高額
Issue 2 Solutions
ICT技術やアプリケーションを
用い自身の健康状況を確認。
軽度な不調は自身で手当可能。
セルフメディカルチェック
夜間に強盗や犯罪が多発
セキュリティーシステムや監視システ
ムが十分でなく、夜間は強盗や喧嘩が
多発するため、人々は夜間を控える
Issue 3 Solutions
リアルタイムの顔認識やナン
バープレートスキャン等を組
合せデータ分析し、犯罪が発
生しやすい日時・場所を特定
予測ポリシング
マンダレー
マンダレーでは、下水施設や電力網等の基礎的インフラの安定的運
用に課題意識が向けられている。
また、上記のインフラの整備進展に伴い、課題意識が医療等や小売
りサービス充実への需要が高まっている。02MANDALAY
MYANMAR
国家空間開発計画:
成長地域と経済回廊戦略
国家経済発展の牽引役として
、成長地域と経済回廊が注目
されており、国家計画・経済
開発庁は、成長地域に経済特
区(SEZ)を重点的に設ける
考えを示している。建設省の
成長地域と経済回廊の捉え方
は右図の通りであり成長地域
を8カ所挙げている。
出所:国土交通省国土政策局 及び JICAレポート: Project for
Comprehensive Urban Transport Plan of the Greater Yangon (YUTRA)
出所:MANDALAY, MYANMAR. Hla myo Mandalay City Development
Committee September, 29, 2014.
都市人口 :123 万人
人口密度 :4,300 人/km2
高齢化率 :4.9 % (2014)
外国人観光客数:49 千人 (2018)
電化率:39.4 % (2014)
上水道普及率:55 %
自動車保有台数:56 台/千人 ( - )
オートバイ保有台数:626 台/千人 ( - )
03.ホーチミン
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
渋滞・交通事故が頻発し危険なため、
子どもだけでの通学が難しい
交通マナーが悪く事故が多発している
ため子供を一人で遠く行かせられない3国家空間開発計画:
National Spatial Development Plan
都市圏マスタープラン:
ホーチミン大都市圏計画2020
Issue 1 Solutions
被害者がスマホ画面の通報ボ
タンを押すと車両番号と位置
が管理者の端末に表示
スマート通報
強盗やひったくり犯罪が多発し危険
家庭レベルの防犯対策(ホームセキュ
リティーシステム等)が普及しておら
ず、家の安全が保障されていない。
Issue 2 Solutions
センサーが侵入者を検知し警
備員が緊急出動。侵入者の位
置情報をドローンに送信する
スマートドローン
快適な医療サービスを受けられない
公立医療機関は民間病院よりも安価な
ために患者が集中し、医療スタッフと
医療設備が慢性的に不足している。
Issue 3 Solutions
電子カルテシステムと連携し
診察状況や予約情報等を携帯
で随時状況の確認が可能
待合効率化
ホーチミン
ホーチミンでは、急速な人口増加と経済成長に対して、インフラ整
備や公共サービスの提供(警察含む)が十分ではなく、交通環境や
治安環境に関する課題が顕在化している。また、都市の経済成長に
伴い、医療や社会福祉への意識も高まっている。03HO CHI MINH
VIETNAM
2009年4月、首相によって
承認された2050年を展望し
た2025年までの計画方針。
ベトナムの都市体系を都市
ネットワーク形態で徐々に
整備し、近代的・適切なイ
ンフラを整備する等の目標
を掲げ開発の全体像を示す。
2008年5月20日に首
相決定、承認された
(589/QÐ-TTg)。
ホーチミン市と周辺
8省を対象として建
設省が作成した
2050年を展望した
2020年までの空間
計画である。
出所:国土交通省 ベトナム国土政策の概要
(http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/general/vietnam/index.html)
出所:国土交通省 ベトナム国土政策の概要
(http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/general/vietnam/index.html)
都市人口 :820 万人
人口密度 :3,924 人/km2
高齢化率 :7.0 % (2018)
外国人観光客数:5,825 千人 (2018)
電化率:99.9 % (2018)
上水道普及率:100 %
自動車保有台数:73 台/千人 (2016)
オートバイ保有台数:756 台/千人 (2016)
04.ハノイ
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
排水システムが不十分で冠水が発生
都市の拡大に伴い、降雨後の市内の冠
水が悪化し、交通網が麻痺する。4国家空間開発計画:
National Spatial Development Plan
タイ全土における2057年
までの長期的な都市空間
計画についての開発計画。
5か年、10か年、20か年
単位の戦略計画も有する。
自足可能な成長を見据え
た長期戦略である。
都市圏マスタープラン:
ハノイ首都圏計画2030
Issue 1 Solutions
頻発・激甚化する河川の急激
な水位変化の計測に特化し河
川水位をリアルタイムに計測
危機管理型水位計
大気汚染により環境衛生が悪化
交通量の増加に伴い、市民が健康への
悪影響を懸念するほどに大気汚染が悪
化。郊外に引っ越す市民もいる。
Issue 2 Solutions
AI に基づいた分散アルゴリズ
ムによる空気質の解析データ
をリアルタイムで分析・予測
エアクオリティモニタリング
水道水が汚染されており安全性が低い
水道施設の劣化等により、水が汚れて
いたり、虫が混在しているなど、上水
道の質が悪化している。
Issue 3 Solutions
配管の腐食、耐久年数、安全
性の課題をランニングコスト
/メンテナンス不要にて対応
メンテフリー配管
ハノイ
首都ハノイでは、道路等の基礎的インフラの整備が進められる一方
で、都市の開発に伴う公害の悪化や、災害リスクの高まりに対する
課題意識が高まっている。
また、経済成長に伴い、医療や社会福祉への意識も高まっている。04HANOI
VIETNAM
出所:国土交通省 ベトナム国土政策の概要
(http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/general/vietnam/index.html)
2008年5月に首相によって
承認された。首都圏の主
要目標(機会、資源、人口、
労働、都市化、都市開発
の枠組み、経済区域、地
域インフラシステム、地
域運営の仕組み、優先的
プロジェクトなど)を規定。
出所:国土交通省 ベトナムマスタープラン
(http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/kokusai/kensetsu_database/vietnam/page4.html#link05)
JICA ベトナム国日越大学構想にかかる情報収集・確認調査
都市人口 :760 万人
人口密度 :2,280 人/km2
高齢化率 :7.2 % (2018)
外国人観光客数:4,644 千人 (2018)
電化率:99.8 % (2018)
上水道普及率:-
自動車保有台数:70 台/千人 (2016)
オートバイ保有台数:658 台/千人 (2016)
05.プノンペン
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
ごみの収集・処理が徹底されておらず
非衛生的環境で悪臭が発生
路上にごみが散乱し、不潔。管理が不
十分で収集車両周辺の悪臭がひどい。5Issue 1 Solutions
人工知能を用いた画像解析技
術を活用した廃棄物分布調査
システム
廃棄物分布モニタリング
必要十分な治療を受けられない
公共・民間医療のサービスの質が低く
限定的であるため、病気・症状によっ
ては海外の医療機関に行く必要がある。
Issue 2 Solutions
PCやモバイルにてOnline診療
中のチャットや必要なファイ
ルの送受信が可能
オンライン診療
信頼性のある借入先が少ない
個人の住宅ローンの借入において高金
利の借入を提供する不動産業者や貸金
業者がおり返済不能に陥る危険がある。
Issue 3 Solutions
ビッグデータとAIによる算出
点によりAIスコアによって貸
付利率・契約極度額を決定
スコアレンディング
プノンペン
近年急速な開発が進展しているプノンペンでは、都市基盤としての
ハードインフラの整備が進むなかで、公共サービスや医療等のソフ
トインフラに関する課題意識が高まっている。05PHNOM PENH
CAMBODIA
都市圏マスタープラン:
プノンペン・マスタープラン2035
フランスの支援により2015年12月に
策定された。マスタープランで示さ
れた土地利用計画では産業・商業区
域、住宅区域、保全区域などゾーン
別に開発方針が立てられ、道路や上
下水道、港湾、空港、公園、住宅と
いった主要なインフラ開発に注力す
るとしている
出所:JICA「カンボジア国プノンペン新都市交通システム情報収集・確認調査報告書」(2015年7月)
都市人口 :280 万人
人口密度 :693 人/km2
高齢化率 :4.9 % (2020)
外国人観光客数:3,491 千人 (2018)
電化率:99.6 % (2017)
上水道普及率:86 %
自動車保有台数:179 台/千人 (2016)
オートバイ保有台数:964 台/千人 (2016)
06.シェムリアップ
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
国内外の旅行客を惹きつける観光地と
しての整備が十分でない。
市街から観光地、および観光地周辺に
便利な交通手段(無料の観光バス等)
が整備されていない。
道路の状態が悪く、また標識や信号機
が適切に設置されていない。観光地周
辺の回遊性を考慮した歩道整備がされ
ておらず、車で移動する必要がある。
清潔な上水の供給、下水処理サービス
がなく非衛生的である
市街および観光地周辺での治安維持対
策が十分でなく、ひったくり、すり、
置き引き等の犯罪被害が多く発生。6Issue 1 Solutions
加盟店と利用顧客が一緒に集
客と相互送客をするようにな
る複合的なIoTサービス
IT相互送客(IT周遊パス)
Solutions
オフロード対応のスポーツ自
転車による環境配慮型の自転
車シェアリングで保険も付与
スマートシェアサイクル
Solutions
人の動きを詳細に認識・検知
し、分析された情報が的確に
判断され、異変を即座に通知
AIセンシング
シェムリアップ
観光産業で発展しているシュムリアップは、交通インフラや公衆衛
生サービス、治安維持対策の整備が、観光客向けのサービス向上と
いう点でも重要な課題として認識されている。加えて、観光業を永
続的に発展させるために、観光収入の地元への還元も重要な課題と
して挙げられている。05PHNOM PENH
CAMBODIA
国家空間開発計画:
National Spatial Planning Policy
都市圏マスタープラン:
土地利用マスタープラン2035
国家の空間計画
作成についての
ガイドラインは
承認されている
が、未だ国家の
空間計画は策定
されていない。
観光と農村農業開発
の促進、良好な都市
環境を維持しながら
都市を観光客にとっ
て魅力的なものにす
るための保存と開発、
および物理的インフ
ラの修復が含まれる。
出所:国土交通省「各国の国土政策の概要」、
World Bank Group "Cambodia Achieving the Potential of Urbanization (August 2018)"
出所::https://www.construction-property.com/land-ministry-announces-land-use-
master-plan-2035-for-siem-reap/、https://ja.sekaiproperty.com/news/3233/new-city-
to-be-built-in-siem-reap-province
都市人口 :26.8 万人
人口密度 :632 人/km2
高齢化率 :4.9 % (2020)
外国人観光客数:2,703 千人 (2018)
電化率:95.9 % (2017)
上水道普及率:-
自動車保有台数:-
オートバイ保有台数:-
07.ヴィエンチャン
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
悪天候や災害による建物の倒壊事故
住宅やビルの建材に関する規制、建物
の基盤検査、商業広告等の道路上の設
置物に関する規制が十分ではい7Issue 1 Solutions
設計条件にあった建材の検索
を可能としたクラウドサービス建材マッチングサービス
日用食料品及び水光熱費の価格高騰
電気代や水道代、ガソリン代が高い
駐車場料金が高い
タイ等の周辺国と比較して物価が高い
Issue 2 Solutions
農家が出品した農作物をスー
パーや飲食店などの買い手が
入札で競り落とす
オンライン卸売市場
農薬や添加物など食の安全への不安
中間層以上において食品添加物や農薬
漬けの野菜、輸入食品への懸念が強
まっている。
Issue 3 Solutions
揮発した残留農薬を迅速・特
異的に空気中から直接検知可能残留農薬検査センサー
ヴィエンチャン
道路網や電力供給等の基礎的なハードインフラが整備されつつあり、
インフラのさらなる品質向上や、医療や食品衛生等のソフトインフ
ラに関する課題意識が高まりつつある。また、タイとの国境が近い
立地ゆえに、消費活動や娯楽のニーズをタイで満たすことが可能で
あるが、ヴィエンチャン市内でのサービスや娯楽の充実も課題とし
て生まれつつある。07VIENTIANELAOS都市圏マスタープラン:
ヴィエンチャン都市開発マスタープラン
• 首都ヴィエンチャンの都市計画区域を 6
つ(歴史的保存区域、インナー都市区域、
郊外区域など)に分類 。
• 分類毎に都 市開発・土地利用方針を設定
し、インフラ施設整備方針を検討。
• 高層ビルが林立する一極集中型の都市で
はなく、都市機能を分散させスプロール
化を防ぎ、自然との調和がとれた都市を
実現する「マルチコア都市構造」を採用。
出所:JICA報告書
都市人口 :82.1 万人
人口密度 :6,315 人/km2
高齢化率 :4.5 % (2018)
外国人観光客数:707 千人 (2018)
電化率:99.6 % (2017)
上水道普及率:67 %
自動車保有台数:300 台/千人 (2018)
オートバイ保有台数:750 台/千人 (2018)
08.バンコク
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
大気汚染による健康被害
工場や交通量が多い点や乾季での少雨
のため、PM2.5の濃度が世界保健機関
(WHO)の環境基準を超える日がある。8国家空間開発計画:
Thailand National Spatial Development Plan 2057
タイ全土における2057年
までの長期的な都市空間
計画についての開発計画。
5か年、10か年、20か年
単位の戦略計画も有する。
自足可能な成長を見据え
た長期戦略である。
都市圏マスタープラン:
Bangkok and its Vicinity Regional Plan 2057
バンコク都市圏における
2057年までの長期的なマ
スタープランである。
土地利用規制、ゾーニン
グ計画、インフラ整備、
交通ネットワークなどで
構成されている。
Issue 1 Solutions
建築現場における工事監理の
ノウハウ、工場の排煙能力向
上、排ガス規制の導入 等
エアクオリティモニタリング
通勤に長時間を要するため非効率
ラッシュアワーには渋滞により、数キ
ロの距離でも数時間かかるケースが頻
繁。
Issue 2 Solutions
場所の制約をなくし仕事に必
要なデータやコミュニケー
ションの場を集約
リモートワーク
快適な公共サービスが受けられない
行政サービスを受けるために数時間以
上待たされることが恒常的となってい
る。
Issue 3 Solutions
行政サービスのオンライン化、
ペーパーレス化 等
オンラインパブリックサービス
バンコク
バンコクでは都中心部への人口流入や一極集中に伴い都市のスプ
ロール化が進行し、都市部の住宅価格が高騰している。慢性的な渋
滞等に対する課題意識は依然としてあるものの、鉄道延伸により解
決の糸口が見え始めている反面、二次交通に対する質の低さやマ
ナー、危険性などが課題として挙げられている。08BANGKOK
THAILAND
都市人口 :828 万人
人口密度 :5,300 人/km2
高齢化率 :11.8 % (2020)
外国人観光客数:23,689 千人 (2018)
電化率:99.0 % (2016)
上水道普及率:99 %
自動車保有台数:142 台/千人 (2017)
オートバイ保有台数:314 台/千人 (2015)
出所:バンコク首都圏庁(BMA) City Planning Department 作成資料
出所:国土交通省 タイ国土政策の概要
(https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/general/thailand/index_e.html)
09.デリー
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
上水サービスの利用時間が制限
数時間のみ供給される水を貯水して日
中に必要性をまかなったり、高いお金
を払って水を購入しなければならい。9Issue 1 Solutions
水質と薬剤注入量の関係を自
動でモデル化し、薬剤注入量
や取水量、配水量を予測。
スマート浄水場監理
ごみが不法に投棄されており不衛生
公共のゴミ箱が十分に設置されておら
ず、また市民はゴミを家に持ち帰らず
にポイ捨てするため道路が非常に汚い。
Issue 2 Solutions
蓄積状況は電話回線網を通じ
リアルタイムに報告され、効
率的に回収。自動圧縮も可能。
スマート屋外ゴミ箱
大気汚染による外出の抑制や健康被害
大気汚染の悪化により、極力外出を控
えなければならず、運動や娯楽のため
に出かけることができない。
Issue 3 Solutions
汚染物質をレトロフィット排出
制御装置により業務用インク等
に変換。
汚染大気コンバーター
デリー
インドの首都であるデリーでは、都市化の進展により基礎的なイン
フラの整備が進んでいるが、ごみ処理問題や大気汚染等、健康に関
わる問題について意識が高まっている。また、地理的特性や都市化
の進展により、インドにおける全国的な水不足が最も顕在している
地域でもあり、危機感が高まっている。09DELHI
INDIA
国家空間開発計画:
スマートシティミッション
都市圏マスタープラン:
National Capital Region Proposed Land Use 2021
スマート・シティ構想は2022
年までに既存、新規建設を含
めた100都市で、十分な水と
電力供給、良好な衛生環境、
効率的な公共交通、良好なイ
ンターネット環境、女性と子
供に安全な環境、手の届く価
格の住宅供給などをめざして
いる。
規制区域やその他の地域
は下位階層の計画である
準地域計画や開発マス
タープランで規定される。
4つの主要な土地利用
ゾーンと3つのサブゾー
ンが特定されている。
出所:http://mohua.gov.in/cms/smart-cities.php 出所:National Capital Region Planning Board, "Regional Plan 2021" (CH17. Regional Land use)
都市人口 :2,812.5 万人
人口密度 :12,600人/km2
高齢化率 :6.7 % (2020)
外国人観光客数:12,505 千人 (2018)
電化率:99.0 % (2019)
上水道普及率:89 %
自動車保有台数:-
オートバイ保有台数:-
10.ムンバイ
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
大雨時の洪水により交通網が麻痺する
毎年モンスーンの時期には、大雨に
よって冠水が発生する。それにより交
通が断絶し、通勤も非常に困難になる。10Issue 1 Solutions
広域監視を中心に映像監視、
設備管理、管路管理等のサー
ビスをワンストップで提供
スマート下水監理
スラム街の影響による衛生/治安面
ムンバイにはアジア最大のスラム街が
存在。そこは衛生環境が悪く、かつ犯
罪が多発する等の治安面の懸念もある。
Issue 2 Solutions
GPSや顔認識等のデータ分析
により特定の日時に犯罪が最
も発生しやすい場所を特定。
予測ポリシング
気分転換や運動ができる場所がない
適度な運動をするためのジムがない。
大気汚染の影響で公園などのストレス
発散やリラックスできる空間がない。
Issue 3 Solutions
大気汚染情報をリアルタイム
に提供し、外出時の人体への
影響についてアラートを行う。
エアモニタリング
ムンバイ
ムンバイは近年の経済発展に伴い、高層ビルの建設ラッシュや流入
人口の増加等、急速な都市化が進展している。一方で基礎的な都市
インフラの建設や都市計画の整備が十分に実施されておらず、市民
のQOL向上に大きなニーズがある。10MUMBAI
INDIA
国家空間開発計画:
スマートシティミッション
都市圏マスタープラン:
Regional Plan for MMR, 2016-2036
2015年6月にインド政府(都
市開発省)は、スマートシ
ティ100都市構想整備事業に
向けたガイドライン「Mission
Statement & Guidelines」を
公表。インド住宅・都市開発
省よりスマートシティミッ
ションの第1期の選定都市20
都市が発表(2016)。
ムンバイの人口予測では、
2011年から2036年の間に約
76千万人の居住者の増加が
見込まれている。その予測
を基に土地利用計画が作成
されている。
出所:http://mohua.gov.in/cms/smart-cities.php 出所:https://mmrda.maharashtra.gov.in/regional-plan
都市人口 :2,364.5 万人
人口密度 :26,900人/km2
高齢化率 :6.7 % (2020)
外国人観光客数:10,670 千人 (2018)
電化率:99.0 % (2019)
上水道普及率:-
自動車保有台数:-
オートバイ保有台数:-
11.コロンボ
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
渋滞時の混雑状況を把握できない
渋滞やバス等の運行状況がリアルタイ
ムでわかる情報サービスがないため、
正確な到着時間を把握できない。11Issue 1 Solutions
時刻表と公共交通機関のIoT
データの組み合わせを使用し
て最適な移動方法を提示
ルート最適化
ごみ分別が不十分で未回収が発生
廃棄物の適切な処分やリサイクル等の
環境保護への意識が低く、また収集し
に来ないことがあり、不潔である。
Issue 2 Solutions
ゴミ捨て場の位置、周辺道路
情報や取扱廃棄物などの属性
情報を登録により状況を把握
スマートゴミステーション
自然資源を保護し活かしたい
豊かな自然をレジャー施設や観光資源
へと有効に活用できておらず、観光ス
ポットの周辺に飲食店や土産店がない。
Issue 3 Solutions
観光客の滞留時間拡大、周遊
性向上により集客力を高め、
地域活性化を図る
スマートエクスカーション
コロンボ
コロンボは教育費・医療費無償等コロンボの福祉制度は手厚く現地
市民の満足度が高い一方で、渋滞時の運行状況把握やごみの分別及
びリサイクル推進に対する課題意識が高まっている。
また、豊かな自然環境に対して誇りを持ち保護に対する意識が強い
反面、排ガス等の処理が適切かつ効率的になされておらず、またそ
れらを観光資源へと有効に活用できていない意見がある。11COLOMBO
SRI LANKA
国家空間開発計画:
National Physical Plan 2030
都市圏マスタープラン:
Western Region Master Plan-2030
スリランカ全域の経済、環境、
社会の将来への方針となる国
家物理的計画が都市地域計画
法(Town & Country
Planning (Amendment) Act
No.49 of 2000)の規定に従
い策定されている
コロンボ都市圏の課題を解決
し、持続的な成長を実現する
ため、2014年にスリランカ政
府は、2030年までの都市開発
マスタープランを策定した。
12の開発エリアを設け、エリ
アごとに商業/工業/交通/科学
技術/観光などの区分により、
都市機能の最適化を目指す。
出所:https://www.academia.edu/32076252/National_Physical_Planning_Policy_
and_Plan_Sri_Lanka_-2030_National_Physical_Planning_Department
出所:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2019/0801/a8180cac1a6ac9b6.html
都市人口 :437 万人
人口密度 :5,600 人/km2
高齢化率 :7.8 % (2019)
外国人観光客数:-
電化率:100 % (2016)
上水道普及率:46 %
自動車保有台数:-
オートバイ保有台数:-
12.クアラルンプール
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
通勤・通学が不便である
パークアンドライドスペースが少なく、
バス停には路線図も時刻表もないため
行先や発着時間を事前に把握できない。12Issue 1 Solutions
公共交通、徒歩、自動車、
シェアサイクル、デマンドバ
ス等を組み合わせたシステム
マルチモーダルナビゲーション
ごみの処理が適切でなく悪臭が発生
一般の人々はごみの分別やリサイクル
に対する認識が乏しく、指定された場
所へ捨てずに不法に投棄してしまう。
Issue 2 Solutions
ゴミを高温で溶かし、減容
化・無害化する焼却方法。焼
却後の物質はリサイクル可能。
高温溶融
肥満率が高く糖尿病患者が増加
高カロリーの食糧摂取が多く、また
車社会と高温多湿の環境により運動機
会が少ないため肥満が社会問題となる。
Issue 3 Solutions
毎日の食事や運動・睡眠など
のライフログが簡単に記録で
き、AIでのパーソナルなアド
バイスがリアルタイムに提供
スマートフィットネス
クアラルンプール
ASEANの中でも比較的都市化が進んでいるクアラルンプールでは、
通勤・通学に便利な公共交通手段が不足している。また、車社会、
高温多湿、高カロリー料理などの要因から肥満率が高くなっている。12MALAYSIA
SRI LANKA
国家空間開発計画:
Implementing the NPP-2 Policies
都市圏マスタープラン:
クアラルンプール・ストラクチャープラン
開発計画は州や地方自治体
によって実施されるため、
課題を解釈する際の未調整
が指摘されている。国家空
間計画はこの不均衡を修正
し、国の空間計画について
の枠組みを提供することを
目的としている。
1982年連邦直轄地 (計画)
法に基づいて策定される法
定計画である。計画を立案
するのはクアラルンプール
市役所である。現行計画の
計画期間は2000年から2020
年の20年間で、ビジョン、
目的、政策、市への提案が
盛り込まれている。
出所:NATIONAL PHYSICAL PLAN-2
(https://www.townplan.gov.my/download/National%20Physical%20Plan(kecik).pdf)
出所:http://www.dbkl.gov.my/pskl2020/english/land_use_and_development_strategy/index.htm
http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/general/malaysia/index.html
都市人口 :180 万人
人口密度 :7,377 人/km2
高齢化率 :7.2 % (2018)
外国人観光客数:13,434 千人 (2018)
電化率:100 % (2016)
上水道普及率:-
自動車保有台数:-
オートバイ保有台数:-
13.ジャカルタ
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
渋滞により通勤に長時間を要し疲弊
公共交通の信頼性が低く、また道路状
態の悪さ、交通ルール不徹底、駐車場
不足による路上駐車の横行による渋滞13Issue 1 Solutions
場所の制約をなくし仕事に必
要なデータやコミュニケー
ションの場を集約
リモートワーク
大規模洪水による多数の死傷者の発生
大雨が降ると、頻繁に洪水が発生する。
さらに、街の水没や、多数の死者・避
難民の発生等、大きな被害が出ている。
Issue 2 Solutions
地形データ等を基にリアルタ
イムの雨量データを用いて河
川の増水や氾濫状況を予測
リアルタイム氾濫予測
国民皆保険制度が不十分
国民医療保険制度の導入が開始されて
いるが、十分に整備されておらず、コ
ストとメリットが明確ではない。
Issue 3 Solutions
医療保険の請求誤りや未収金
が減少あい、保険者等の事務
処理のコスト削減につながる
マイナンバー保険証
ジャカルタ
世界でも有数の渋滞問題を抱える都市であるジャカルタでは、都市
鉄道の整備を進めている。
また、医療制度については健康保険制度の導入が進んでいるが負担
額等の情報開示が不透明ため、満足度が低い。13JAKARTA
INDONESIA
国家空間開発計画:
Government Regulation of National Spatial Plan No.26
都市圏マスタープラン:
ジャカルタ首都圏投資促進特別地域戦略プラン
法律2007 年第26 号に基づき、国家空間計画に関す
る政府通則2008 年第26 号(Government
Regulation of National Spatial Plan No.26 (2008))
として制定された
現行の国家空間計
画は20 ヵ年であり
、5年毎に見直し
がされる。
2010年12月に日・インド
ネシア両国政府間で協力
覚書きを締結。その後
JICA主導でマスタープラ
ンを作成し、国際開発企
画庁(BAPPENAS)が主
導する優先インフラ案件
加速化委員会(KPPIP)
に引き継がれている。
出所:国土交通省 各国の国土政策の概要
(http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/general/indonesia/)
出所:JICA ジャカルタ首都圏投資促進特別地域(MPA)
都市人口 :1,010 万人
人口密度 :15,376 人/km2
高齢化率 :7.8 % (2020)
外国人観光客数:4,033 千人 (2018)
電化率:100 % (2018)
上水道普及率:60 %
自動車保有台数:419 台/千人 ( - )
オートバイ保有台数:198 台/千人 (2017)
14.マニラ
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
仕事の高負荷・長い通勤時間によ
るワークライフバランスの悪化
慢性的な渋滞や長時間勤務により個人
の休息や家族と過ごす時間がとれない。14Issue 1 Solutions
場所や時間の制約にとらわれ
ずに業務を遂行
リモーティング
水の供給が定期的に停止し家事に支障
水の供給が定期的に止まるため、洗濯
や洗い物等の家事を終えることができ
ない。
Issue 2 Solutions
過去のプロセスデータや運用
実績を機械学習し、浄水場に
おける取水量、配水量を予測
スマート浄水監理
配送サービスの遅延が常態化
需給の分析、渋滞も考慮した配送時間
の管理ができておらず配送サービスや
フードデリバリーの遅延が常態化。
Issue 3 Solutions
国内外の主要な宅配便サービ
スのトラッキング(配達状況
追跡)
配送トラッキング
都市人口 :178 万人
人口密度 :20,785 人/km2
高齢化率 :4.2 % (2015)
外国人観光客数:142 千人 (2015)
電化率:91 % (2019)
上水道普及率:94 %
自動車保有台数:838 台/千人 (2018)
オートバイ保有台数:616 台/千人 (2018)
マニラ
マニラではワークライフバランスの改善に関して意識が高まって
いる。主な要因として、渋滞によって通勤時間が長くなり、結果
的に仕事に割く時間やストレスが増大していることが意見として
挙げられている。また、マニラ特有の課題として、安定的な水の
供給が共通課題として認識されている。14MAYNILA
PHILIPPINES
国家空間開発計画:
国家空間フレームワーク計画 2001-2030
都市圏マスタープラン:
Metro Manila Greenprint 2030
国レベルの国土空間開発に
係る30年間の長期計画で、
10年毎に見直しを行うこと
となっており土地及び物質
資源の配分/活用/管理/開
発に係る政策や方針を示す。
資源の持続性を保護・確保
し、秩序ある居住地開発を
促すことを目的としている。
2014 年に世界銀行の支援によ
り、MMDA は、マニラ首都圏
傘下の16 都市及び1 自治体を
含む首都圏全体の開発ビジョン
である「メトロマニラ・グリー
ンプリント2030:ビジョンの
構築」を策定。
出所:フィリピン国家経済開発局
(http://www.neda.gov.ph/wp-content/uploads/2013/10/execsum.pdf)
出所:国土交通省 各国の国土政策の概要
(https://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/general/philippines/index_e.html)
15.ダッカ
都市の現状
空間計画およびマスタープラン
都市の主要な課題と解決の方向性
渋滞や事故の発生が多い
歩行者が道路上の至るところを横断し
危険。歩道上の物売りも取り締まりが
行われておらず、人が道路に溢れる。15Issue 1 Solutions
流入交通量を正確に予測し、
適切な信号制御により渋滞を
抑制する
スマート信号システム
ゴミの収集が資源ごとになされておら
ず、効率的な回収ができていない
紙/プラスチック/電気の廃棄物等を資
源ごとに効率的に分別ができていない。
Issue 2 Solutions
回収機のタッチパネルで廃棄
ごみの種別を選択し投入する
と回収費がキャッシュバック
スマートリサイクル
都心部の公園・レジャー施設が不足
水辺等と調和したオープンスペースが
不足に加え、施設利用者や観光客に対
するインフォメーション機能が少ない。
Issue 3 Solutions
通行人や障害物を認知した上
で路地や公園などの自動清掃
により清掃コスト削減が可能
AI清掃ロボット
ダッカ
世界で最も人口密度の高い国の一つであるダッカは、基礎的なイン
フラが整備されつつあるが、環境汚染やゴミの問題、さらには高密
な都市環境に対応した施設や歩行・道路空間の整備が求めれている。
また、その空間を使用する際のルールの設定や遵守について課題意
識が向けられている。15DHAKA
BANGLADESH
国家空間開発計画:
Bangladesh Delta Plan 2100
都市圏マスタープラン:
DHAKA STRUCTURE PLAN 2016-2035
計画委員会総合経済局で現
在策定が進められている超
長期計画。気候変動に適応
し、災害リスクの軽減、水
の安全を図り、国家の食糧
安全保障と経済発展に貢献
することを目標としている。
基本的にストラクチャープラン
(20年間の長期方向)、アー
バンエリアプラン(10年間の
短期的方向)、詳細地域計画
(DAP)の3層になっている。
現行のストラクチャープランは
「2016-2035」で、主な目的は
中心都市の機能を分散し、首都
圏内の混雑を緩和すること。
出所:国土交通省 バングラデシュ国土政策の概要
(http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/international/spw/general/bangladesh/index.html)
出所:http://www.rajukdhaka.gov.bd/rajuk/planningHome?type=structure、
http://open_jicareport.jica.go.jp/pdf/11996766_01.pdf、
http://www.rajukdhaka.gov.bd/rajuk/image/slideshow/Dhaka_Structural_Plan.html
都市人口 :1,859.5 万人
人口密度 :41,000 人/km2
高齢化率 :6.8 % (2020)
外国人観光客数:-
電化率:55 % (2012)
上水道普及率:75 %
自動車保有台数:-
オートバイ保有台数:-
資料2 令和元年度 海外都市開発におけるニーズ及び実態調査業務 最終報告書
調査対象都市 2
基礎データ調査 4
各都市における課題調査 8
複合的課題に対する一体的な解決策の提案 178
Appendix 186
目次
調査対象都市2 調査対象都市
以下の対象都市及び項目について調査を実施した。
 基礎データ調査
 人口、人口増加率、経済状況、住宅供給戸数、GDP、GDP
成長率、消費者物価上昇率等
 各都市における課題調査
 各都市における主要課題の設定
 課題の複合化が都市に与える影響の調査
 スマートシティの手法による解決策の提案
 生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出:
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが、外国人駐
在員から指摘のあった事項
 複合的課題に対する一体的な解決策の提案
 各都市の方針及び取組み
 政府・自治体の方針及び取組み
 先進的都市開発案件事例
コロンボ
バンコク
ジャカルタ
マニラ
マンダレー
プノンペン
ダッカ
ヴィエンチャン
ホーチミン
デリー
ハノイ
クアラルンプール
ヤンゴン
シェムリアップ
ムンバイASCN(アセアンスマートシティネットワーク加盟国)
調査項目3 基礎データ調査4 データの定義とスマートデータの分類
基礎データより生成されるスマートデータを11領域のカテゴリーに分類した。
・基礎データ :各都市における人口や高齢化率、外国人観光客数、都市鉄道の総延長等の各国政府・自治体が公表する一般的な統
計情報。
・スマートデータ :基礎データを加減乗除により生成、またそれらに定性データを加味し総合評価によって得られたスマートシティ評価に関
する指標。ISO 37120の指標や他調査機関のスマートシティ指標等を参照し項目を設定。
Smart Health
Smart Mobility
Smart Finance
Smart Education
Smart Energy, Water & Waste
Smart Retail & Logistics
Smart Tourism & Leisure
Smart Buildings & Living
Smart Manufacturing & Construction
Smart Safety
Smart Government
Smart Health
Smart
Mobility
Smart
Finance
Smart Education
Smart
Manufacturing
Smart
Safety
Smart
Buildings
Smart Energy,
Water &Waste
Smart
Government
Smart Tourism &
Leisure
Smart
Retail
& Logistics
出所: Deloitte "Smart Cities -How rapid advances in technology are reshaping our economy and society-" (2015)をもとに受託者作成5 11領域のカテゴリーの定義
出所: Deloitte "Smart Cities -How rapid advances in technology are reshaping our economy and society-" (2015)等をもとに受託者作成
基礎データより生成されるスマートデータを11領域のカテゴリーに分類した。6定義 スマートソリューション事例
01. Smart Mobility ー リアルタイムの交通規制や交通情報の提供、個人の交通手段
の最適化、全体としての交通量の最適化
・リアルタイムの空き駐車場情報の提供(リアルタイムでの空き駐車場情報、オフィスビル営業時間外の駐車場の活用、等)
・リアルタイム配車サービス(Uber等)
・リアルタイムの交通情報の提供
・交通規制
・コネクテッドカー
・シェアカー
02. Smart Safety ー 防犯対策、リスクの予測・診断
・自動化・最適化された街頭照明
・ドローンによるリスクの発見・診断
・犯罪発生地域の予測、犯罪防止プログラム
・災害警報アプリ
Energy エネルギー需給の削減・最適化、エコ化
・再エネを活用した分散型発電
・スマートグリッド、マイクログリッド
・スマートメーター
・ゲーミフィケーションを活用した消費削減
・地熱発電貯蓄
・電気自動車の充電スタンド
・官民および企業間での電力調整
Water 水消費量の削減・最適化、安全な水の供給
・漏水の検知
・水汚染の検知
・洪水警報
・最適な施設メンテナンス管理
Waste 資源の再利用、適宜適切なごみの収集・ごみの削減、ごみのリ
サイクル
・最適なごみ収集頻度、ごみ収集車のルート最適化
04. Smart Buildings & Living ー
建物・住宅のエネルギー消費の削減・最適化、生活の利便性向上・建物のエネルギー需給の最適化、不要な電気消費の削減
・建物の清掃や各種アメニティー補充(コーヒーマシン、トイレットペーパー、等)の頻度の最適化
・スマートホーム
05. Smart Health ー 個人の健康管理の支援・促進、医療サービスの支援
・健康状態の定量化・指標化
・病気・治療に関する情報提供、患者による治療プロセスの管理
・個人に合わせた治療
・AIによる医師の業務のサポート、ロボットによる治療とケア
・自宅診療、小型診療の普及促進
06. Smart Education ー 教育機会の拡大・普及、教育の多様化
・教育のデジタル化(オンラインスクール、等)
・個々人に合わせた学習内容とカウンセリングの提供
・生涯学習の提供
・企業内大学の開校
07. Smart Finance ー 資金調達と資金決済のデジタル化、金融や保険業に係るリスク
の予測・診断
・ビックデータに基づく保険や与信の審査
・価格調整によるインフラの需給バランスの調整
・個人間での資金調達プラットフォームの提供
・クラウドファンディング
・デジタル決済システム
・ブロックチェーン
08. Smart Tourism &Leisure ー IoTやAIを活用した観光業の発展、娯楽の多様化
・リアルタイムの混雑情報の提供、混雑の管理
・モバイル端末による施設内ガイド、空港や公共交通機関でのナビゲーション
・個人間での宿泊施設の貸し借り、配車サービス(Airbnb、Uber、等)
・AIの観光ガイド
09. Smart Retail & Logistics Retail 消費者の購買行動のデジタル化やキャッシュレス化、実店舗と
オンライン情報の連携によるマーケティング強化
・3Dプリンター等の技術を活用したカスタマイズ商品の製造・販売
・バーチャルフィッティング
・実店舗とオンライン情報の連携によるデジタルマーケティング(例 O2O:Online to Offline。オンラインから実店舗に誘導する仕組み)
・実店舗とオンライン情報の連携による販売(例:Scan & Go)
Logistics 物流プロセスの効率化・短縮化
・個人の希望に合わせた配達場所と配達時間の実現
・物量倉庫における仕分け作業の機械化
・自動運転車両、過疎地域などでのドローンによる荷物配送
10. Smart Manufacturing ー 生産計画・在庫管理の改善、品質向上、業務の効率化・自動
化、ナレッジ管理、顧客サービス向上
・製造プロセスの機械化(ロボット化)
・3Dプリンター等の技術を活用した付加製造(Additive Manufacturing)
11. Smart Government ー 政策の立案・実施の高度化・効率化、ガバナンスおよび情報へ
のアクセスの向上
・ビッグデータやAIを活用した分析、政策立案、計画策定、実施・モニタリング
・公共サービスのオンライン対応
・公共サービスの自動化・デジタル化
カテゴリー
03. Smart Energy,
Water &Waste
各都市のスマート指標のデータ整理
出典:
1. Demographia World Urban Areas(2019:デリー・ムンバイ・コロンボ・ダッカ) 、フィリピン統計局(2015:マニラ)、ASEAN SMART CITY NETWORK –a collection of good practice(2019:左記以外の都市)
2. Demographia World Urban Areas(2019:デリー・ムンバイ・コロンボ・ダッカ) 、フィリピン統計局(2015:マニラ)、ASEAN SMART CITY NETWORK –a collection of good practice(2019:左記以外の都市)
3. 中央情報局(2020:バンコク・デリー・ムンバイ・ジャカルタ・ダッカ、全国データ)、各都市統計局(2014-2020)
4. Euromonitor(2018:デリー・ムンバイ・バンコク・クアラルンプール、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ、プノンペン、シェムリアップ)
5. 中央情報局(2020:シェムリアップ・バンコク・ジャカルタ・ダッカ、全国データから都市人口の割合をもとに算出)、各都市統計局(2013-2018:左記以外の都市)
6. 中央情報局(2017:プノンペン・シェムリアップ・ダッカ、全国データ (注記)本数値は不完全雇用を含む可能性あり)、各都市統計局(2014-2018 :左記以外の都市)
7. 鉄道局(2018:デリー・ムンバイ)、各都市鉄道企業ホームページ(2016-2019:バンコク・クアラルンプール・ジャカルタ)、JICA(2015:マニラ) (注記) 左記以外の「0」と記載の都市は都市鉄道が未整備
8. UNDP(2016:ホーチミン・ハノイ)、日本自動車工業会(2015-2017:バンコク・ジャカルタ、全国データから都市人口の割合をもとに算出)、各都市統計局(2016-2018 :左記以外の都市)
9. UNDP(2016:ホーチミン・ハノイ)、日本自動車工業会(2017:バンコク、全国データから都市人口の割合をもとに算出)、各都市統計局(2016-2018 :左記以外の都市)
10. 海外電力調査会(2016-2019:バンコク・デリー・ムンバイ・クアラルンプール、全国データ)、JETRO(2012:ダッカ)、各都市統計局(2014-2019 :左記以外の都市)
11. 水道技術研究センター(調査年は各国で異なる。数値は2014年から2017年のもの。スリランカは都市のデータがないため国全体のデータとなる。)
12. 水道技術研究センター(調査年は各国で異なる。数値は2014年から2017年のもの。スリランカは都市のデータがないため国全体のデータとなる。)
13. 水道技術研究センター(調査年は各国で異なる。数値は2014年から2017年のもの。料金は2017年10月現在のレートで米ドルに換算。スリランカは都市のデータがないため国全体のデータとなる。)
14. 国際電気通信連合(2017、ただし数値については国レベルのデータである。)
15. 国際電気通信連合(2018、ただし数値については国レベルのデータである。)
ヤンゴン マンダレー ホーチミン ハノイ プノンペン シェムリアップ ビエンチャン バンコク デリー ムンバイ コロンボ クアラルンプール ジャカルタ マニラ ダッカ
1 総都市人口 5,140,000 1,230,000 8,200,000 7,600,000 2,800,000 268,380 821,000 8,280,000 28,125,000 23,645,000 4,370,000 1,800,000 10,100,000 1,780,000 18,595,000 人
2 人口密度 16,000 4,300 3,924 2,280 693 632 6,315 5,300 12,600 26,900 5,600 7,377 15,367 20,785 41,000 人 / km2
3 高齢化率 5.6% 4.9% 7.0% 7.2% 4.9% 4.9% 4.5% 11.8% 6.7% 6.7% 7.8% 7.2% 7.8% 4.2% 6.82% %
4 外国人観光客数 N/A 49 5,825 4,644 3,491 2,703 707 23,689 12,505 10,670 N/A 13,434 4,033 142 N/A 千人
5 生産労働人口 5,635,290 1,235,905 4,342,344 3,851,000 942,000 175,064 404,556 5,938,416 9,935,427 7,571,769 1,294,992 844,900 6,899,310 5,552,768 12,326,626 人
6 失業率 4.0% 3.7% 2.8% 1.4% 0.3% 0 23.4% 1.0% 9.8% 5.2% 3.6% 2.4% 6.2% 7.4% 0.044 %
7 都市鉄道の総延長
0 0 0 0 0 0 0 110 239 192 0 208 65 67 0 km
8 1000人あたりオートバイ数 56 626 756 658 964 N/A 750 314 N/A N/A N/A N/A 419 616 - 台/千人
9 1000人あたり自動車数 65 56 73 70 179 N/A 300 142 27 27 N/A N/A 198 838 台/千人
10 電化率 69.3% 39.4% 99.9% 99.8% 99.6% 95.9% 99.6% 99.0% 99.0% 99.0% 98.6% 100.0% 100.0% 91.0% 55.0% %
11 上水道普及率 42% 55% 100% N/A 86% N/A 67% 99% 89% 0% 46% N/A 60% 94% 75.0% %
12 無収水率 66% 50% 28% N/A 7% N/A 25% 29% 45% 0% 26% N/A 42% 30% 23% %
13 水道料金 0.6 0.1 4.4 4.4 1.5 N/A 1.7 0.1 0.8 N/A 0.8 N/A 3.6 N/A 0 USD/m3
14 インターネット普及率 31% 31% 50% 50% 34% 34% 25% 53% 34% 34% 34% 80% 32% 60% 18% %(国単位)
15 携帯電話所有率 114% 114% 147% 147% 119% 119% 52% 180% 87% 87% 143% 135% 119% 126% 100% %(国単位)
単位
各都市数値 (USDベース)
カテゴリー
基礎データ
スマートデータ
(01. Smart
Mobility)
スマートデータ
(03. Smart Energy,
Water & Waste)
スマートデータ
(09. Smart Retail &
Logistics)
No. 指標名7 各都市における課題調査8 各都市の課題の調査方法 - 主要課題の設定
各都市の主要課題は、ヒアリング結果に基づく重要性の判断をベースとしつつ、関連データや政策等のファクトから導か
れる重要性も踏まえて、抽出を実施した。
1. ヒアリング結果
に基づく重要性
 複数の回答者による言及
複数人が同様の回答(アンケートでの記述)をしており、普遍性や重要性が高いと判断しうる課題
 回答者の強い課題意識・重みづけ
ヒアリングにおいて回答者が特に重要とコメントしていた課題
2. データや政策等の
ファクトに基づく重要性
 関連データや他都市との比較において突出する課題
他都市と比較して数値が突出している、ランキング上位にある等のデータから重要と判断しうる
課題
 現地政府にとっての重要な政策課題
現地政府が重要な政策として取り組んでいる課題
本調査の主旨に照らして、「1. ヒアリング結果に基づく重要性」をベースとしつつ、
必要に応じて「2. データや政策等のファクトに基づく重要性」も考慮のうえ、主要課題の抽出を実施*1 *2
主要課題の主な抽出条件
*1 条件1の二つの項目のいずれか、または両項目に合致している事項を課題として設定する。ただし条件1に合致しない場合も、条件2の事実関係に照らして重要である
と判断した場合は主要課題として設定する場合がある。
*2 条件1及び条件2に該当していないが、一個人の経験則のみや単なる思い込み、希望的観測に拠らない((注記))ペイン(ネガティブ感情)が潜在的に含まれると認識される
意見も考慮した上で主要課題を設定する場合がある。((注記))「他人の共感が得られるか」「特定の状況において万人に共通するか」9 ロジックツリーのレベル
 分析を行う上で、ツリーを課題のレベルごとのクラスターに分解を行った。各レベルの定義については以下と
した。
1 Level 1:課題の直接的な外部要因(ハード等)や内部要因(ソフト等)に関する因子
2 Level 2:財源に関する因子
3 Level 3:知識、技術、法制度・社会規範、その他に関する因子
 分析の結果、スマートシティの手法にて解決策の提案が検討可能なものについては、各因子にSマークを記
載した。
各都市の課題の調査方法 - ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
 各都市の主要課題について、その課題の原因について課題感を持つ現地市民が必ずしも認識しているとは
限らず、またヒアリングで現地市民が要因について言及する場合も、部分的な認識に留まっている可能性が
想定される。そこで課題解決に向けて、ロジックツリーを用いた主要課題の因子分析を実施した。
 ロジックツリー分析では各都市課題を論理的に、関連した要素ごとにツリー状にMECE(Mutually Exclusive,
Collectively Exhaustive:モレなくダブりなく)に分解し、ツリーの末端が具体的な課題の根幹となるように整
理した。10 各都市駐在員へのヒアリングについて
 ヒアリングのサンプル数は各都市1名、計15サンプ
ルとする。
 ヒアリング内容については、以下とする。
1)各都市で設定した主要課題に対する見解
2)設定した主要課題以外の課題及び需要のあるソ
リューションに対する意見等
各都市の課題の調査方法 - 現地市民及び駐在員へのヒアリング
各都市現地市民へのヒアリングについて
 ヒアリングのサンプル数は各都市2-4名とする。
 ヒアリング内容については、以下とする。
1)プロフィール(家族構成や居住地など)
2)平日及び休日のデイリースケジュール
3)日常生活上での課題認識及びその課題を解決す
るためのニーズ
1. Basic Information
Please fill in your
information as much
as you can.
2. Activity Area
Please circle the area
where you go around on
usual workdays
*If you would select another
place out of the map, please
indicate the place name
3. Problem/needs in your daily life
Please fill in problems and needs in your daily life that you
want to solve or improve. Regarding weekend, please fill in
both Activity (what you do) and Problem/Needs.
Category Theme(Example) Problems Needs
01. Smart Mobility
Congestion,Traffic jam,Traffic accident,
Transportation device,Commuting time loss, etc
(Example) Traffic jam happened mostly
everyday
(Example) Fast and suitable public
transportation (e.g for suitable:station/time/
price)
02. Smart Safety
City disaster risks and countermeasures (e.g.
typhoon, flood), Security measures,etc
03. Smart Energy, Water
&Waste
Electrical power condition,Water supply,Sewerage
systems,Garbage collection service, etc
(Example) Garbage disposal factory near
residentzone cause terible smell
(Example) Better solution for garbage disposal
04. Smart Buildings &
Living
Living environment,Working environment(e.g.
condition of office facilities), etc
05. Smart Health
Public & private medical services,Individual health
management,etc
(Example) Public medical service are almost
over capacity, private medical service still not
up to required standard.No service outside of
office working hours.
(Example) More private medical service with
higher quality
06. Smart Education
Education (of yours and family’s),Public & private
education systems,etc
07. Smart Finance
Loan from banks,Home mortgage,Dailypayment
methods (cash/online), etc
xxx xxx
08. Smart Tourism
&Leisure
Leisure facilities in the city, Expenditures and time
for leisure,etc
09. Smart Retail Shopping (online & offline),etc xxx xxx
10. Smart Manufacturing
& Logistics
Home-deliveryservice (especiallyspeed and
quality)
11. Smart Government
Administrative services
Your interestand engagementto politics
1. Problem/needs in your city
Please select 5 from 11 Category below and tell us any problems and
needs in your city that you think should be solved or improved.
*You can answer more than 5 categories if you want.11 各都市の課題の調査方法 - スマートシティの手法による解決策の提案
各都市の主要課題に対応したソリューションの提案
 各主要課題の因子について、スマートソリューションにて解決が見込まれるものについて整理したソリューション
リストの中から解決策を提示した。また、提示したソリューションについては、実用例も合わせて記述した。
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
ヤンゴン
マン
ダレー
ホーチ
ミン
ハノイ
プノン
ペン
シェムリ
アップ
ビエン
チャン
バンコク デリー ムンバイ コロンボ
クアラル
ンプール
ジャカ
ルタ
マニラ ダッカ
1 Smart Mobility ー くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
2 Smart Safety ー くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
Energy くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
Water くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
Waste くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
4 Smart Buildings & Living ー くろまる くろまる くろまる くろまる
5 Smart Health ー くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる くろまる
6 Smart Education ー
7 Smart Finance ー くろまる くろまる8Smart Tourism &
Leisure
くろまる くろまる くろまる くろまる
Retail
Logistics くろまる くろまる くろまる くろまる10Smart Manufacturing &
Construction
くろまる くろまる
11 Smart Government ー くろまる
Smart Energy,
Water & Waste39 Smart Retail & Logistics
スマートソリューションカテゴリー12 01.ヤンゴン
- 各都市における主要課題の設定13 ヤンゴンの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• Hledan, which is the most difficult area for commuting from one place to another due
to heavy traffic especially at rush hours. Sometimes you have to wait for 15 minutes
and most of the times, you have to wait for more than 30 minutes . In order to be right
time at work, me and my staffs have to leave from home very early.
Due to the traffic jam , we are too late to be back home and it was much suffer than in
the morning time. We almost lost our patience to endue this traffic problems in our
daily life.(1)-I. 慢性的な渋滞によって移
動に多くの時間を割かれ、
仕事や私生活の時間を圧迫• Big traffic Jam for every morning office hours. Sometimes it take 2 to 3-hour delay with
big traffic Jam for normal 40 minutes Journey.(2)
• ゴミ捨て場がない(自宅から10分要する)。ゴミ廃棄・収集のシステムを改善してほしい(3) -
II. ゴミの収集・処理サービス
の未整備によって、冠水の
被害が発生
• Credit card and transfer money to/from abroad are still too difficult and need lot of time
to wait and occur insecure transactions. (1)
• インターネット普及率:31%
III. オンライン・オフラインショッ
ピングにおける流通網・シ
ステムの信頼性が低い
• Not reliable logistic system for both of offline and online shopping.(2)
• The foundation of transportation system is not ready for speed and quality. Very
limited area for achieving speed and quality services (2)
• 近所にスーパーがない。(3)
• Government bodies still have poor administrative services for citizen that cause
misunderstanding and untrusted between them . No transparency from Government
lead people make confusion , frustration ,no end upset and conflicts.(1)-主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• Banking system is very poor especially in supporting small and medium businesses .
Even though there are some improvement in bank’s loan system for SME , they
couldn’t able to support efficiently to business. SME didn’t get much help so that
whenever they need to expand business ,they face difficulty and some have to leave
from industry .(1)-14
ヤンゴンの主要課題
 Smart Mobility
 Smart Energy, Water
& Waste
 Smart Finance
 Smart Retail &
Logistics
 慢性的な渋滞によって移動に多くの時間を割かれ、仕事や私生活の時間を圧迫
• 交通分担における自動車負担率が高く、慢性的渋滞が発生している。渋滞を見越して早朝に家
を出る必要があり、帰宅時も渋滞によって自宅到着が遅くなる。結果、移動に多大な時間を要し
、仕事にもしわ寄せがくる
 ゴミの収集・処理サービスの未整備によって、冠水の被害が発生
• ゴミの収集・処理サービスが普及しておらず、住民がゴミ捨て場に自ら運ぶ必要がある
• 適切に処理されなかったゴミが排水管に詰まり、雨季の市内の洪水の要因となっている
 オンライン・オフラインショッピングにおける流通網・システムの信頼性が低い
• 品質に信頼性があるスーパーが少ない
• 個人・家庭のインターネット環境が十分に整備されていない。また物流網やオンライン決済システ
ムの整備が十分ではない
 ヤンゴンでは、都市の交通問題や廃棄物収集・処理の改善のための制度構築やオペレーション改善
について課題意識が高まっている。
 また、小売りや輸送等の面でより利便性のあるサービスを求める需要がある。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題15 01.ヤンゴン
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査16 S
ヤンゴンのモビリティ分野における課題
慢性的な道路渋滞の発生
道路交通需要の増加
事故の多発(事故渋滞)
既存の鉄道イン
フラの利便性が
低い
既存の道路イン
フラの質が低い
自動車輸入の
規制緩和による
、自動車普及率
の増加
弱い排水設備・
システム
信号の不適切
な設置
中央駅南側に
都市機能が一
極集中(交通需
要の局地的集中)整備された道路
が少ない、幅が
狭い
違法駐車
バス・タクシー
交通の増加
信号無視
経済発展に伴う
都市人口の増加交通ルールの不徹底
道路容量の不足
交通容量を上回る交通需要(自然渋滞)
鉄道インフラが
少ない(軽量高
架鉄道・地下鉄
がない)
国鉄・ヤンゴン環
状線の車両・線
路の老朽化によ
り、速度が遅い、
汚い
駐車場不足
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範 適切な交通量
調査が実施さ
れていない
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
運賃交渉のた
めの路肩停車
一般車道での
乗客の乗降SS
事故に対する
リスクを安易に
考えているSS17 ヤンゴンのごみ収集・処理分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ゴミの収集・処理サービスの未整備による冠水被害の発生
ゴミ捨て場の管理が不十分
ごみ収集サービスが不十分(ソフト面)
担当機関の能
力不足
不法投棄行為
が多い
ごみ廃棄量の増加
ごみ処理能力の不足(ハード面)
ゴミのポイ捨て
に対する取り締
まりが無い
財源不足によ
り増設が困難
住民がゴミ投棄
に対する意識
が低い
ゴミの廃棄方法が不適切
国全体でのゴ
ミ分別の
意識が低い
廃棄物管理に
あてる予算財
源不足
なり手不足
ライフスタイル
の変化により、
1人当りのゴミ
排出量増加
ゴミ収集用の
設備更新が高額ゴミ収集事業の
採算性が低い
ごみ処理施設の不足
渋滞や路地裏
等で適正に収
集できない
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
劣悪な労働
環境
施設計画のノ
ウハウがない
環境問題等に
対する意識が
低い
ゴミの収集に人
員を多数要するS SS SS
人口増加
ゴミの減量・リ
サイクルの
意識が低いSS S18 ヤンゴンの日常消費分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
流通網・システムの信頼性が低い
小規模個人商店が多い
オンラインショッピングが発達していない
外資開放後も
誘致に成功して
いない
従来外資による
SC運営が認め
られていなかった品ぞろえが悪い大規模SCが少ない
信頼性ある店舗が少ない
食品の鮮度
管理などに
対する意識
が低い
物流網が未整備 インターネット環境が不十分
インターネット
回線の整備の
遅れ
インターネットイ
ンフラ整備を進
める関連法律の
不備
物流関連システ
ム整備費用が
高額
道路インフラの
整備はまだ不十分サポートシステ
ム(GPS、受注
管理など)の不備運送サービス
のレベルが低
い(遅配、間違
え等)
品質が悪い(
偽物等含む)
ミャンマ―国内
の優良なパー
トナー企業が
少ない
国内に優良な
SC事業者が存
在しない
政治等の問題
で外資企業が
二の足を踏ん
でいる
サプライチェー
ンが未発達
オンライン決済
システムの遅れLevel 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
販売戦略の
未構築・方向
性の相違
S S S SSS19 01.ヤンゴン
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出20 主要課題に対するコメントとデータとの比較
課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
・交通分担における自動車負担率が
高く、慢性的渋滞が発生している。
渋滞を見越して早朝に家を出る必要
があり、帰宅時も渋滞によって自宅
到着が遅くなる。結果、移動に多大
な時間を要し、仕事にもしわ寄せがくる・都市計画が不十分であり、ミャン
マーで一番大きい幹線道路で片
道三車線。また、都心部での二輪
乗車も禁止されている。道路も以
前から拡張されてなく幅員がなく、
駐車禁止の取り締まりも未熟なた
め、渋滞が頻発している。
・1000人あたりモーター
バイク保有台数が40台
と15都市の中で最も低い・ゴミの収集・処理サービスが普及し
ておらず、住民がゴミ捨て場に自ら
運ぶ必要がある
・適切に処理されなかったゴミが排
水管に詰まり、雨季の市内の洪水の
要因となっている
・市職員の汚職によるゴミの不回
収も発生しているため、回収管理
の仕組みが必要。
・ゴミが排水溝に詰まり洪水が発
生するケースは局所的であり、ほ
とんどの原因は排水溝のキャパシ
ティによるものである。
・品質に信頼性があるスーパーが少
ない
・個人・家庭のインターネット環境が
十分に整備されていない。
・物流網やオンライン決済システム
の整備が十分ではない
・信頼できるスーパーは現地最大
手のCityMart(双日の提携先)、そ
れ以外は品質の信頼性が低い
・スマートフォンでの通信環境が安
価で提供されているため、利用し
やすい環境にある。
・郵便、Eコマースの時間指定がで
きず、到着・受取も不確実である。
・インターネット普及率が
19%と15都市の中で最
も低い(全国データ)
 ゴミの収集・処理サー
ビスの未整備
 利便性・信頼性ある
購買チャネルが十分
にない
 慢性的な渋滞によっ
て、仕事や私生活の
時間を圧迫
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。21 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
 ゴミの収集・処
理サービスの
未整備
 ジャストインタイム廃棄物収集
(IoTゴミ箱)
ゴミコンテナの量を察知したのち満
杯になってからの回収を実行。
サポートシステムの不備
(GPS、受注管理など)
運送サービスのレベルが
低い(遅配、間違え等)
 利便性・信頼
性ある購買チ
ャネルが十分
にない
ゴミのポイ捨てに対する取
り締まりが無い
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 配送ルート最適化システム
組合せ最適化、統計処理などの技
術を用いてラストワンマイルのルー
ト最適化のサービスを提供
実用例
住民がゴミ投棄に対する
意識が低い
Enevo Japan株式会社の
enevoはごみ箱に超音波セン
サーを設置することで、遠隔
監視でごみの堆積量を測定/
可視化し、回収が必要なごみ
箱のみを把握できることで、ご
み回収の効率化を実現。
株式会社オプティマインドの
Loogiaは「メタヒューリスティク
ス」という手法を用いて、短時
間で最適なルートを探索し、ラ
ストワンマイル配送地図の作
成を可能としている。
出典: https://enevo-lp.com/
出典: https://www.optimind.tech/service/22 生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
モノの移動(物流)について、ヤンゴン市内
では二輪車の乗り入れが禁止されている
ため、配送手段は四輪車・自転車・バス・
徒歩に限定されている。その影響もあるの
か、物流の効率性が低く、出荷・受取の確
実性について信頼性が低い。
近年は、シェアライド(Grab)を用いてフー
ドデリバリーのみならず、荷物の配送等も
試みている。
公的および民間含めて医療機関のソフト、
ハード含めてレベルが劣悪なため、適切な
医療が受けられない。
また、市民の健康に関する知識も乏しいた
め、言い伝えや慣習上の健康知識、お祈
りに頼る傾向がある。
 オープン型宅配ボックス
駅や商店街、モールなどの生活導線上
で荷物が受け取れる宅配ボックス
 タクシー便(貨客混載)
顧客送迎時やアイドルタイムにて、稼働
エリア内での宅配便の運搬を行う
 遠隔診療
PC付属のカメラにて、Online診療中のチ
ャットや必要なファイルの送受信が可能
 ホスピタルレーティング
他サイトでの患者の評価を総合的にレー
ティングした口コミサイトを評価する口コミサイト
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項23 02.マンダレー
- 各都市における主要課題の設定24 マンダレーの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• In summertime, we experience electricity cut out due to the lack of water in
hydropower dams.(1)
• Due to the poor sewage system, when it rains heavily, the city becomes flooded.
In the sewage canal, in the rainy season, mosquitos breed and they become
widespread.(1)
• Garbage collection services were initiated with a garbage collection cars and vehicles.
However, the timing needs to be regular and more systematic.(1)
• 電化率:39.4%
• 無収水率:50%
I. インフラサービスが不安
定・不定期であり、日常生
活や環境衛生に支障をき
たす
• Poor sewerage system(3)
• In public medical services, there is a problem of not having enough staff at hospitals.
In terms of the number of nurses and doctors per patient, the number is very low. This
leads to the poor patient care service. Sometimes, there are only 2 nurses for the
whole ward which hosts about 40 patients. The number of doctors working at the
government hospitals are also very few. Cost of health care is low at government
hospitals. The private hospital also faces the same issue of having limited number of
healthcare professionals. A lot of people from Mandalay go abroad for medical check-
ups.(1)-II. 市内の医療サービスの質
が低いため、域外(海外含
む)に行く必要がある
• Public hospitals can’t hold the capacity and individual ones have high prices.(2)
• Mandalay experiences lots of crime at night such as robbery, fighting, and attacking.
People do not go out anymore after 8pm in Mandalay if they have to ride motorbikes
because crime cases happen frequently during that time.(1)-III. 夜間に強盗や犯罪が多発
しており、危険である
• For leisure activities, there need to be more green spaces such as public parks and
recreation areas for relaxation. In the city, during weekend, it is hard to find a place
quiet to go and relax. (1)
- 主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• There is not so much trusted online shops and we can’t buy items directly from
amazon. (2)-25
マンダレーの主要課題
 マンダレーでは、下水施設や電力網等の基礎的インフラの安定的運用に課題意識が向けられている。
 また、上記のインフラの整備進展に伴い、課題意識が医療等や小売りサービス充実への需要が高まっ
ている。
 Smart Energy, Water
&Waste
 Smart Health
 市内の医療サービスの質が低いため、域外(海外含む)に行く必要がある
• 公的医療機関は、医師不足のためにサービスの質が低い。
• 民間医療機関は公的医療と同様の課題に加え、医療費が非常に高額となっている。
• 結果として、診察を受けるために海外の病院に行く必要がある。
 Smart Safety
 Smart Health
 夜間に強盗や犯罪が多発しており、危険である。
• セキュリティーシステムや監視システムが十分でなく、夜間は強盗や喧嘩が多発するため、
人々は夜間に外出しないようする。
ヒアリング結果の傾向
 インフラサービスが不安定・不定期であり、日常生活や環境衛生に支障をきたす
• 夏季において水力発電の水不足により停電が発生する
• 近年は下水設備は改善しつつあるが、雨季に市内の冠水が発生したり、蚊が大量繁殖する
• ごみ回収サービスが開始されたが、定期的・体系的に行われていない
関連カテゴリー
主要課題26 02.マンダレー
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査27 マンダレーのインフラサービス分野における課題
インフラサービスが不安定・不定期であり、日常生活や環境衛生に支障をきたす
インフラサービスが不定期(ソフト面)
国際組織など
からの援助に
頼ったインフラ
開発
従業員に対
する評価制度
が未熟
適正な維持
管理ができ
ていない
インフラの老朽化
インフラサービスが不安定(ハード面)
管理組織が限定的
サービスの質が悪い
組織人員・求
職者が少ない
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
設備更新に
対する財源
の不足
管理者がイン
フラを長寿命
化させる意識
が低い
サービス非提
供に対する罰
則がない
従業員の意
識が低い
(注記)インフラサービスとは、電力、上水道などを指す。
漏水電、盗水
電などによる
低い利用効率公務員の汚
職文化が深
刻で賄賂等
が横行
インフラの不足
公共工事に対
する財源の不足民間資金の
調達・活用が
できていない
法制度・枠組
みが整理され
ていない
対応可能な民
間企業が少ないLevel 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
適切な管理
マニュアルが
ない
維持管理を向
上させるため
の技術不足
気候(高温多
湿)に対する対
応ができてい
ない
施設のマネジ
メント人材の
育成ができて
いない
労働環境が
劣悪SSSS SSS28 マンダレーの医療分野における課題
市内の医療サービスが不足しているため、域外(海外含む)に行く必要がある
病院・医師・医療スタッフが不足
予防医療の
意識が不十分不可欠な医療機
材・薬品の供給
は、外部ドナー
の援助に依存し
ている
医療業務を
人海戦術に
て対応
高齢者の増加重症化するま
で医療機関を
受診しない
都市部への
人口流入
医療・臨床・研究環境のレベルが低い
定期的に健康
診断を受ける
習慣がない
医療機関の
収入源が限ら
れる
労働環境の悪化
都心部以外で
の病院運営の
ための条件が
厳しい
公立病院で大
半の症状につ
いての医療費
は無償
従業者の労
働負荷が過
大(長時間労働)専門教育を学
ぶ機会が少ない患者数の増加
医療教育水準が低い 既存医療施設の質が悪い
医者・看護婦
養成機関が十
分に整備され
ていない
軍政時代に教
育・研究環境は
破壊され、いま
でも改革の進
捗は遅い
医薬品・医療
機器が不十分施設の老朽化ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
職業の社会
的地位が低い給与が
低い
単純作業に
人手をかけ
ている
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範S SSSS SS29
マンダレーの社会安全分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
夜間に強盗や犯罪が多発しており、危険である
整備財源の
不足
犯行動機の形成要因(犯罪者)の増加
警備業務を民
間へ委託する
文化が未形成
勤務サポート
できる設備は
十分ではない
地域安全に関わる防犯
機能の不足
警察官の不正
行為(賄賂、涜
職など)が多発
世間での
評判が低い
志望者が少ない警察官の不足
職業の労働
環境・待遇が
悪い
雇用拡大の予
算がない
生活苦
社会情勢の変化
観光客
増加
防犯対策機能の不足
一般世帯での防犯対策
の遅れ
防犯設備が
高価である
防犯に対する
意識が低い
啓蒙活動やイ
ベント活動の不足民間セキュ
リティ会社
の不足
若年層の雇用
機会の減少
失業者の増加
都市部の人
口増加
生活保護等
のサポート
制度がない
長時間の肉
体労働
危険性が高い
業務が多い
防犯機能を安
価でつくる技術
不足
犯人特定のた
めの犯行証拠
の収集の技術・
設備不足
刑罰に対する
軽視SSSSSS30 02.マンダレー
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出31 主要課題に対するコメントとデータとの比較
課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 夏季において水力発電の水不足に
より停電が発生する
• 近年は下水設備は改善しつつあるが、
雨季に市内の冠水が発生したり、蚊
が大量繁殖する
• ごみ回収サービスが開始されたが、
定期的・体系的に行われていない
• 課題認識は概ね異論はないが、
冠水については下水施設にゴミが
溜まっていることで冠水が発生す
る。冠水は局所的だが、頻繁に発
生する地域もある。バイク利用者
が多いため、冠水がとりわけ問題
となる
• 公的医療機関は、医師不足のため
にサービスの質が低い。
• 民間医療機関は公的医療と同様の
課題に加え、医療費が非常に高額と
なっている。
• 結果として、診察を受けるために海
外の病院に行く必要がある
• 課題認識は現地市民と概ね同じで
あり、医療サービスはバンコクで受
ける方が良いと認識(バンコクの医
療レベルが高いのは、教育制度が
整備されているからと推測する)
• ただし海外の医療機関に行くこと
ができるのは、それなりの収入が
ある人に限られる
• セキュリティーシステムや監視システ
ムが十分でなく、夜間は強盗や喧嘩
が多発するため、人々は夜間に外出
しないようする
• 街中で喧嘩を目撃したことはない。
郊外では犯罪が発生していると聞
く。
• 市内に防犯カメラが設定されてい
るが、街灯はあまり設置されてい
ない
 医療サービスの質が
低いため、域外(海外
含)に行く必要がある
 夜間に強盗や犯罪が
多発しており、危険で
ある。
 インフラサービスが不
安定・不定期であり、
日常生活や環境衛生
に支障をきたす
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。32 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
 セルフメディカルチェック
ICT技術やアプリケーションを用い、
自分自身の健康状況を確認でき、
軽度な不調は自身の手当が可能
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 予測ポリシング
リアルタイムの顔認識やナンバープ
レートスキャンなどを組み合わせた
データを分析し、特定の日時に犯罪
が最も発生しやすい場所を特定
実用例
 医療サービスが
不足しているた
め域外・海外に
行く必要がある
 夜間に強盗や
犯罪が多発して
おり危険である
危険性が高い業務が
多い
犯人特定のための犯
行証拠の収集の技術
・設備不足
出典: https://www.shotspotter.com/missions/
米国ShotSpotter社の
ShotSpotter®FlexTMは、主要
な銃声検出、位置、および法
医学分析システムを用い、人
工知能による分析を使用して、
パトロール
ミッションと
戦術を戦略
的に計画し、
最大限の犯
罪抑止を支
援している。
米国Vivosens Inc.社のVivoo
は、スティック型の検査シート
を使って尿検査(1週間に1度)
をして120秒後に専用アプリで
スキャンするだ
けで健康診断を
受けられる。肝
機能や腎機能
など栄養状態
や体調に関す
る8項目に対応。
重症化するまで医療
機関を受診しない
定期的に健康診断を
受ける習慣がない
出典: https://vivoo.io/33 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
現在、宅配サービスが確立して
おらず、長距離バスが宅配を兼
ねている状態である。都市間輸
送だけでなく、より小回りの利く
輸送ビジネスが需要があると考
える。
(近年ようやく郵便サービスが開
始されたため、宅配サービスも実
現性が高まっていると想定)
 ラストワンマイル無人配送
宅配の自動化のことを指し、好きな場所で、好きな時間に荷物を受け取れる物流体制を構築。
ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、ソフトバンクが取り組む
出典:https://wired.jp/2019/02/13/softbank-
nuro-self-driving-investment/
出典: https://wired.jp/2019/01/29/amazon-
new-delivery-robot-scout/
出典: https://wired.jp/2019/09/06/bell-apt-70-
cargo-drone-test-flight/
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項34 03.ホーチミン
- 各都市における主要課題の設定35 ホーチミンの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• long hour driving due to traffic jam, any minor accident may cause longer hours to
arrive at workplace.(1)
• 1000人あたりオートバイ
数:756台
I. 交通ルール違反による渋
滞・交通事故が頻発し危険
なため、子どもだけでの通
学が難しい(親の送り迎え
が必要)
• 交通が渋滞で、交通参加者のマナーが悪く、交通事故が多発でとても不安である。とても危
ないため、子供を一人でバイク・自転車で遠く行かせられない。毎日学校までピックアップし
なければならないので、長年間、親にもストレスである(2)
• Traffic jams, and traffic accidents frequently happens, cause traveling troubles. (3)
• 多くの市民は交通ルールをちゃんと守らない。 交通事故が頻発して、ストレス。(4)
• 強盗、道路上のひったくりなど犯罪が多い(4)-II. 強盗やひったくり犯罪が多
発し危険である
• Shoplifting and Theft(3)
• Public medical service are almost over capacity, private medical service still not up to
required standard. No service outside of office working hours.(1)-III. 病院のサービス品質や業
務効率が悪く、快適な医療
サービスを受けられない
• 医療システムが全体的に悪い。病院施設がとても劣化している。民間医療があっても需要
に追い付けていない。多忙でストレスが多い職場かもしれませんが、医療従事者(医者、看
護士、スタッフ)の患者への対応が親切ではない(2)
• 公的な医療スタッフや医療機器が慢性的に不足、混雑で、時間がかかる。衛生の面にも心
配である。私立の医療機関はサービスがいいが、保険を適用しないことがある。
遠方からの人が大都市の病院に集まるため、病床不足。
オペレーションがアナログ作業が多く、も時間がかかる。(4)
• Goods are not deversitied due to limited supplier. Lots of big supplier such as Amazon
do not having shipping service to HCMC(1)-主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• ベトナムではLAZADA等のプラットフォームがあるが、個人がFACEBOOK等でOnline販売
する人が多いようだが、偽物かどうか不明で、品物の質を確かめられないので、あまり買え
ないと感じる。実物が見えて、手で触れる試せるOfflineのショップを選ぶ。(2)-36
ホーチミンの主要課題
 Smart Mobility
 Smart Safety
 Smart Safety
 Smart Health
 交通ルール違反による渋滞・交通事故が頻発し危険なため、子どもだけでの通学が
難しい(親の送り迎えが必要)
• 交通参加者のマナーが悪く、交通事故が多発しとても危険であるため、子供を一人でバイク・自転
車で遠く行かせられない
• 通勤する大人にとっても、ラッシュアワーの渋滞によって移動時間が長いことがストレスである
 強盗やひったくり犯罪が多発し危険である
• 都市としての防犯の仕組みが整備されておらず、強盗やひったくり犯罪が多く発生している
• 家庭レベルの防犯対策(ホームセキュリティーシステム等)が普及しておらず、家の安全が保障
されていない
 病院のサービス品質や業務効率が悪く、快適な医療サービスを受けられない
• 公立医療機関は民間病院よりも安価なために患者が集中し、医療スタッフと医療設備が慢性的
に不足している。またアナログなオペレーションのため業務効率が低く、待ち時間が長い
• 民間医療機関は価格帯によって提供サービスの質が様々であるが、一般のベトナム人が利用す
る高級ではない民間病院は軽度の病気にしか対応できない
 ホーチミンでは、急速な人口増加と経済成長に対して、インフラ整備や公共サービスの提供(警察含
む)が十分ではなく、交通環境や治安環境に関する課題が顕在化している。
 都市の経済成長に伴い、医療や社会福祉への意識も高まっている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題37 03.ホーチミン
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査38 SSロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ホーチミンのモビリティ分野における課題
交通ルール違反による渋滞・交通事故が頻発し危険なため、子どもだけでの通学が難しい
道路交通需要の増加 事故の多発
バスのサービ
ス品質が悪い
既存の道路イン
フラの質が低い
所得向上で
バイクから自動
車への乗換え
の増加
排水容量が低
いため、冠水が
生じる
信号の不適切
な設置
集団登下校が
ない
整備された道路
が少ない、幅が
狭い
バスの不規則な停車
(乗客を乗せるための
長時間の停車、バス停
でない場所での乗降)
バイクタクシー・
タクシー・配車
サービス交通
の増加
タクシーの停車
(交渉のための路
肩停車)
経済発展に伴
う都市人口の
増加
交通ルールの
不徹底
道路容量の不足
交通容量を上回る交通需要(自然渋滞)
鉄道インフラが
少ない
(地下鉄はまだ
建設中)
駐車場不足によ
り、路上駐車が
道路容量を圧迫
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範S安全な通学ルートが確保できない
歩道が整備されていない
財源不足Sルールを学ぶ
環境が整備されて
いないS通学路が管理されていないS自宅から近い学
校施設が少ないSSS SS39 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ホーチミンの社会安全分野における課題
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
夜間に強盗や犯罪が多発しており、危険である
整備財源の
不足
犯行動機の形成要因の増加
警備業務を民
間へ委託する
文化が未形成勤務サポート
できる設備が
十分ではない
地域安全に関わる防犯
機能の不足
警察官の不足
職業の労働
環境・待遇が
悪い
犯罪の増加に
対応できず、
未解決事件
が多い
世間での
評判が低い
雇用拡大の
予算がない
生活苦
社会情勢の変化
観光客
増加
防犯対策機能の不足
一般世帯での防犯対策
の遅れ
防犯に対する
意識が低い
啓蒙活動やイ
ベント活動の
不足
民間セキュリ
ティ会社の不足若年層の雇
用機会の減少失業者の増加都市部の人
口増加
生活保護など
のサポート制
度がない
長時間の肉
体労働
危険性が高い
業務が多い
防犯機能を安
価でつくる技
術不足SS
S S SSSS防犯設備が
高価である40 ホーチミンの医療分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
医療スタッフの業務効率が低い
地方病院の
医療レベルが
低い
予防医療の
意識が不十分アナログなオペ
レーションを実施高齢者の
増加
重症化するま
で医療機関を
受診しない
都市部の大
病院に患者が
殺到
公的医療の供給・施設環境が不十分
定期的に健康
診断を受ける
習慣がない
人員不足で労
働負荷が過大患者数の増加
病院のサービス品質や業務効率が悪く、快適な医療サービスを受けられない
先端設備を使
用できる専門
スキルがない
公立医療機
関の収入源
が限られる
医療設備が不十分・未更新
先端の医薬
品・医療機器
が不十分
施設の
老朽化
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
公的医療のサービス・品質が不十分
先端設備を扱
える人材教育
不足
精神的・肉体
的に負荷のか
かる労働環境
IT/電子医療設
備が不足/効率
的な代替手段
がない
適切な施設の
維持管理がで
きていないSS S S
医療保険制
度が公立病
院のみ適用さ
れるSS41 03.ホーチミン
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出42 主要課題に対するコメントとデータとの比較
課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
・交通参加者のマナーが悪く、交通
事故が多発しとても危険であるた
め、子供を一人でバイク・自転車で
遠く行かせられない
・通勤する大人にとっても、ラッシュ
アワーの渋滞によって移動時間が
長いことがストレスである
・地方からの転入超過が続いており、
都市規模が拡大しているが、ハノイ
に比べて、道路などの整備ができて
いないからである。また、Grab等の
サービスが普及している内に、自動
車が増えて、渋滞が増々深刻化だ
と思われる車台数も急。バイクによ
る事故が多い。
・バイク台数、車台数
・都市としての防犯の仕組みが整
備されておらず、強盗やひったくり
犯罪が多く発生している
・家庭レベルの防犯対策(ホームセ
キュリティーシステム等)が普及し
ておらず家の安全が保障されてい
ない
・ハノイに政府機関や役人が多いた
め、セキュリティーがしっかりしてい
るのに対して、犯罪は警察体制が
薄いホーチミン市に移転し、集中す
るようである。
・住宅街での強盗などのみならず、
路上での犯罪が多い。最近児童の
拉致事件も多くなっている
・公立医療機関は民間よりも安価
なため患者が集中し医療スタッフ・
設備が慢性的に不足している。ま
たアナログなオペレーションのため
業務効率が低く、待ち時間が長い
・一般のベトナム人が利用する高
級ではない民間病院は軽度の病
気にしか対応できない
・既存の公立病院の老朽化が急激
に進んでいる。給料が安く、過労し
ている医療従事者の対応も親切で
ないことが懸念されている。時間外
でクリニック等で兼業する人が多い)
・民間医療機関には保険がカバーさ
れていないため、公立病院に集中し
てしまう。
 強盗やひったくり犯罪
が多発し危険である
 病院のサービス品質
や業務効率が悪く、
快適な医療サービス
を受けられない
 交通ルール違反による
渋滞・交通事故が頻発
し危険なため、子どもだ
けでの通学が難しい(親
の送り迎えが必要)
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。43 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
 病院のサービ
ス品質や業務
効率が悪い
 強盗やひったく
り犯罪が多発
し危険である
 スマートドローン
敷地に設置したレーザーセンサー
が侵入者を検知し、警備員が緊急
出動するとともに、侵入者の位置情
報をドローンに送信する
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
実用例
アナログな
オペレーションを実施
都市部の大病院に
患者が殺到
危険性が高い
業務が多い
防犯機能を安価で
つくる技術不足
 待合効率化
電子カルテシステムと連携し患者は
診察状況や予約情報等を携帯で随
時確認できるため待ち時間の有効
活用や診察忘れの防止が可能
セコムIS研究所は世界初の
民間防犯用のセコムドローン
を開発した。KDDIとのスマー
トドローン ・ロボットが装備し
たカメラによる、スタジアム周
辺の警備等の実証実験実証
実験を重ねているが、未だ実
用化には至っていない。
富士通社のHOPE LifeMark-
コンシェルジュは電子カルテ
システムの予約情報と受付情
報との連携によりスマートフォ
ンで予約情報や受付後の診
察待ち状況の確認が可能。患
者は診察順番が近づいた際
にスマートフォンに通知を受け
ることができ、待合室以外でも
安心して待つことが可能。
出典: https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/healthcare/products/lifemarkconcierge/
出典: https://www.secom.co.jp/isl/research/drone/44 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
・ベトナム教育には「成績の病気」という点
数や成績を重んじすぎる課題がある。学生
が学校や塾で勉強し、夜中に帰る学生が
多い。(親が子供をバイクに乗せ、見送ら
なければならないまた交通への負担も重く
なる)。政府に対して、教科書、採点仕組
みなど教育制度のみならず、一般国民に
対して教育に関する価値観を変えないと難
しいので、「知識の大切さ」や「教育の役
割」を実施すべき。最近、日本型の幼稚園
や国際学校を通じて海外の教育価値観が
及び初めているがどんどん入れるべきだと
思われる。
・地方の行政機関にはアナログ作業が多く、
時間がかかりすぎる。案内が足りないので、
困惑を招く。
・汚職や腐敗の改善が進まない。交通警
察等一部賄賂が存在する。デジタルによる
電子政府が導入すれば、手続きもよりス
ムーズになり、かなり改善できると考える。
・改善するため行政サービスの監視仕組
みもあったら良いと思われる。
 ICTドリル
クラウド上に教科書や教材があり、自宅のパソ
コンからログインすると、地域と学年に合わせて
勉強すべきマルチメディア資料が登場し、予習・
復習ができる。
 オンラインラーニング
実力派講師によって解説される短くまとめられた
講義動画、図解説明の入ったわかりやすいテキ
スト、自分の苦手箇所がわかる到達度テストの
三点セットを提供。
 クラウド総合窓口
タブレットを使用した電子申請システムや手続
きナビゲーション、待ち時間予測表示などを用
いて、職員の負荷を軽減する
 電子署名
紙の書類に押印する印鑑やサインのような役割
を持ち、その書類が正式なものであり、かつ改ざ
んされていないことを証明
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項45 04.ハノイ
- 各都市における主要課題の設定46 ハノイの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• 今日は雨で、渋滞でありながら、洪水もあり、大気が汚染で全身が濡れて疲れる。(3)-I. 排水システムが不十分な
ため、雨季等の雨量が多
い時期に冠水が発生
• 雨季に洪水で道路に水が溢れること多発である。(4)
• City air pollution harming to health(1)-II. 大気汚染の悪化によって、
環境衛生が悪化
• Too many motorbikes on the street lead to polluted environment, traffic jam.
Air pollution problems ( I have to go out much every day for sales activities but the
polluted air really make me tired and worried)(2)
• 今日は雨で、渋滞でありながら、洪水もあり、大気が汚染で全身が濡れて疲れる。(3)
• 大気汚染が大きな問題である。家ではすべての扉、窓を閉めなければならない。ニュースを
読むと、これらのちりとても毒害で、将来孫たちの健康へは心配している。政府がこれを改
善する方針など発表しておらず、対策も見込まないので、不満する。それで、最近、郊外の
住宅も購入し、引っ越しする予定である。(4)
• Polluted water supply problem. Need more safe water sources, need a monitoring
mechanism from the state-owned organization. (1)-III. 水道水が汚染されており
安全性が低い
• Polluted source of water ( at my old house, the water supply pipes are very old. They
make the water dirty, sometimes there were worms in the water)(2)
• 郊外の一部は水道がとても汚れている。例えば、私の高校は水道が汚かった。ビニルのゴ
ミが多いのはいやである。(3)
• 公的医療機関の不足が大問題である。古い病院施設でとても狭いが1ベットで2-3人を利用
することは多々がある。医者が患者さんへの熱心(思いやりなど)がないのもよくない。(3)
- 主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• 行政手続きが複雑、時間がかかりすぎて、窓口がバラバラで、色々な公的機関に足労し、
書類を揃わなければならないので、時間が無駄される。(3)-47
ハノイの主要課題
 Smart Energy, Water
& Waste
 Smart Energy, Water
& Waste
 Smart Mobility
 Smart Health
 Smart Energy, Water
& Waste
 Smart Health
 排水システムが不十分なため、雨季等の雨量が多い時期に冠水が発生
• 都市の拡大に伴い、降雨後の市内の冠水が悪化し、交通網が麻痺する
• バイク交通が多いため、道路の冠水によって全身が濡れる等のストレスがある
 大気汚染の悪化によって、環境衛生が悪化
• 交通量の増加に伴い、市民が健康への悪影響を懸念するほどに大気汚染が悪化
(郊外に引っ越す市民もいる)
 首都ハノイでは、道路等の基礎的インフラの整備が進められる一方で、都市の開発に伴う公害の悪
化や、災害リスクの高まりに対する課題意識が高まっている。
 経済成長に伴い、医療や社会福祉への意識も高まっている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題
 水道水が汚染されており安全性が低い
• 水道施設の劣化等による上水道の質の悪化(水が汚れている、虫が混在している)48 04.ハノイ
‐課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査49 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ハノイのインフラサービス分野における課題
排水システムが不十分なため、雨季等の雨量が多い時期に冠水が発生
排水インフラサービスのレベルが低い
排水インフラの不足
サービスの質が悪い
従業員に対す
る評価制度が
未熟
適正な維持
管理ができてい
ない
PPPや資金調
達に関する法
規制の整備が
不十分
実施主体が限定的
民営化の
進捗が遅い
従業者の稼働
効率が低い
予想負荷を超
えた長期間の
使用
サービス非提
供に対する罰
則がない
従業員の意識
が低い
排水インフラの
老朽化に対す
る管理予算が
ない
行政訴訟に関
する法制度の
整備が不十分
排水インフラの不足
公共工事に
対する財源の
不足
PPP等の民間
活用制度の不足法制度・枠組み
が整理されてい
ない
対応可能な民
間企業が少ない排水インフラの処理能力が低い
排水インフラ技
術の不足
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範 排水効率に関
するノウハウが
ないSS SSSS50
ハノイの環境衛生分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
大気汚染の悪化によって、環境衛生が悪化
自動車やバイクからの排出ガス量の増加
排出ガス量の増加
事業に伴う排出ガス量の増加
旧式バイクの使用が多い
工場の急増に
伴う排ガスの
増加
水力発電は天
候に左右され
、安定ではない旧式バイクの所
有者に対する買
替策(補助金等)
がない
旧式バイクを
排除措置の進
捗が遅い
人口増加に伴
う、バイクと自
動車数の増加
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
電力に代わる
エネルギーの
不足
代替交通手段
の不足
石炭火力発電
量の急速増加
大量生産
環境対策が十
分でない機器
の使用
汚染物質の使用・燃焼
循環装置の未利用 事業上安価な物質の利用
再生物資の利
用にコストを要
する
設置コストが
高額
安価な再生物
資創出のノウ
ハウがない
大気循環のノ
ウハウがないS SSSSSS51 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ハノイの生活分野における課題
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
水道水が汚染されており安全性が低い
上水管理が機能していない
適正な維持管
理ができてい
ない
上水菅の老朽化
上水インフラの機能性が低い
管理組織が機能していない
安全性確認ができていない
組織人員が
少ない
設備更新に対
する財源の不足管理者がイン
フラを長寿命
化させる意識
が低い
水質検査シス
テムのレベル
が低い
適切な上水処理がなされていない公共工事に対
する財源の不足民間資金の
調達・活用が
できていない
法制度・枠組
みが整理され
ていない
対応可能な民
間企業が少ない管理ノウハウ
がない
維持管理を向
上させるため
の技術不足
施設のマネジ
メント人材の
育成ができて
いない
労働環境が
劣悪SSS SS
高機能設備
設置コストが
高いS賃金が低い
適切な管理マ
ニュアルがないSS52
04.ハノイ
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出53 主要課題に対するコメントとデータとの比較
課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
・都市の拡大に伴い、降雨後の市
内の冠水が悪化し、交通網が麻
痺する
・バイク交通が多いため、道路の
冠水によって全身が濡れる等のス
トレスがある
・ホン河(紅河)の流域のデルタ地帯
に広がっている都市で、湖が多く、豊
富な水にかこまれながら生活できる
ハノイであるので、豪雨・都市洪水の
リスクがとても高い。・・交通量の増加に伴い、市民が健
康への悪影響を懸念するほどに
大気汚染が悪化
(郊外に引っ越す市民もいる)
・大気汚染は世界トップレベルで原
因はバイク、自動車の排気ガスや建
築工事で発生した粉塵や、周辺の畑
の野焼きと言われている。子供や高
齢者等の健康への悪影響が大きい
・水道施設の劣化等による上水道
の質の悪化(水が汚れている、虫
が混在している)。
・最近、水道水が悪臭で、廃油が混
入するなど、ニュースがあり、水道シ
ステムには問題がまだ残っている。・ 水質汚染・大気汚染
の悪化によって、環
境衛生が悪化
 水道水が汚染されて
おり安全性が低い
 排水システムが不十
分なため、雨季等の
雨量が多い時期に冠
水が発生
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。54 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
 排水システム
が不十分なた
め、雨季等に
冠水が発生
 危機管理型水位計
頻発・激甚化する河川の急激な水位
変化の計測に特化した水位計で河
川の水位をリアルタイムに計測
 水道水が汚染
されており安全
性が低い
 メンテフリー配管
配管の腐食、耐久年数、安全性面
の課題をランニングコスト不要、メン
テナンス不要にて対応可能
予想負荷を超えた
長期間の使用
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
実用例
排水効率に関する
ノウハウがない
株式会社グランドの完全防水
型磁気式水処理装置
「R.Water」は磁気流体力学
(MHD理論)反応原理により配
管内の水が電気励起作用で水
素イオンが増加し「錆・藻・苔・
スケール・有害不純物」付着の
改善と抑制に
貢献し、メンテ
ナンスフリー・
ランニングコス
トゼロを実現。
沖電気工業が開発した「危機
管理型水位計」は、昨年11月
に販売開始した「ゼロエナジー
超音波水位計」をベースにLTE
通信機能を実装し、ネットワー
ク接続配線工事不要でIoTクラ
ウドとの通信を可能
出典: https://vivoo.io/
出典: http://www.grandcorporation.co.jp/
維持管理を向上させる
ための技術不足
高機能設備設置コスト
が高い55 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
・高齢化がとても速く進んでおり、高齢者社
会向けにハードとソフトの整備が整ってい
ない。
・介護施設がとても足りていない。高齢者
向けのサービス(見守りサービス、トレーニ
ングサービス健康関連サービス)や娯楽
(趣味等)、商品(健康食品)等が不足して
いる。
・食品衛生がとても大きな課題である。屋
台や安い食堂の食材・食器の扱方に問題
があるのみならず、一般に市場に売られて
いる野菜等に農薬、お肉に肥育ホルモン、
生鮮に保存剤等注入が当たり前のように
とても多くてとても心配している。一般加工
食品も食品衛生の検査がされていないこ
とはとても心配している。中国に近いので、
中国から様々な危険な化学調味料、保存
剤、着色剤等がベトナム国内に流入しや
すいことに心配
 シニアホームセキュリティ
生活動線にセンサーを設置し「安否見守
りサービス」や「救急通報サービス」など
 腰補助用"マッスルスーツ
空気圧式の人工筋肉を使用し、人や物を
持ち上げる際の体の負担を大幅に軽減
 残留農薬検査センサー
揮発した残留農薬を迅速・特異的に空気
中から直接検知可能なセンサー
 クラウド型農業支援システム
農地の管理や作業履歴を辿った栽培管
理票の作成など、デスクワークを支援
出典: https://news.mynavi.jp/article/20170620-a090/
出典: https://www.kyoei.co.jp/product/division/robot/muscle.html
出典: https://www.secom.co.jp/homesecurity/
出典: https://water-cell.jp/
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項56 05.プノンペン
- 各都市における主要課題の設定57 プノンペンの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• Dirty, too many trash.
Health issue with trash. Need to have better management of collecting trash. (1)-I. ごみの収集・処理が徹底さ
れておらず、非衛生的環
境・悪臭がある
• Garbage collection service always has the problem during the public holiday as the
staff go back hometown. Improve the service of garbage collection and need to
categories the garbage.
There are many dust along the road while traveling via Motorbike.(3)
• We don’t believe the public and private medical service in Cambodia. It is cheap but
not reliable(1)-II. 医療サービスの信頼性・レ
ベルが低く、必要十分な治
療を受けられない
• Costing and limited trusty in public and private medical service. Need ethic and value
to serve the service and as well affordable for all in medical sector.(2)
• Public & private medical services in Cambodia are still limited. People still go for
abroad for the health treatment(3)
• It is too much dangerous for us to get loans. It is not balance compared with our
income and the pay back amount to the bank.(1)-III. 信頼性のある借入先が少
なく、返済不能や高金利負
担のリスクがある
• Too much loan with high interest rate(2&3)
• Home-delivery service (especially speed and quality) are still limited and has the high
cost. (3)
- 主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• Most of the ministries work very slow, only General Tax Department that work very
fast in order to collect the tax for the government. (3)-58
プノンペンの主要課題
 Smart Energy, Water
& Waste
 Smart Health
 Smart Health
 Smart Finance
 ごみの収集・処理が徹底されておらず、非衛生的環境・悪臭がある
• 路上にごみが散乱し、不潔である
• ゴミ収集車両のゴミの管理が不十分であるため、車両周辺の悪臭がひどい
• 休日・祝日はごみ収集サービスのスタッフが不在となり、ごみ収集が滞る
 医療サービスの信頼性・レベルが低く、必要十分な治療を受けられない
• 公共医療と民間医療のいずれについてもサービスの質が低く、利用者にとって信頼性が極めて
低い
• 医療サービスが限定的であるため、病気・症状によっては海外の医療機関に行く必要がある
 信頼性のある借入先が少なく、返済不能や高金利負担のリスクがある
• 事業主による運転資金等の借り入れについて、適切な借り入れスキームが少ない。
• 個人の住宅ローンの借入において、返済能力とバランスしない高金利の借入を提供する不動産
業者や貸金業者がおり、返済不能に陥る危険がある。
 近年急速な開発が進展しているプノンペンでは、都市基盤としてのハードインフラの整備が進むなか
で、公共サービスや医療等のソフトインフラに関する課題意識が高まっている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題59 05.プノンペン
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査60 プノンペンのごみ収集・処理分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ごみの収集・処理・管理が徹底されておらず、非衛生的環境・悪臭がある
ゴミ収集シムテムが不十分
ごみ収集サービスが不十分(ソフト面)
人口増加によ
るごみ量の増加ごみ廃棄量の増加
(キャパ超過)
ごみ処理能力の不足(ハード面)
ゴミのポイ捨
てに対する
取り締まりが
無い
財源不足により
増設が困難
ごみ置き場の
管理が不適切ゴミの廃棄方法が不適切
ゴミの分別ル
ールが存在
しない
一般人にご
みの適切な
廃棄習慣が
浸透していない行政サービ
スが確立さ
れていない
1人当たりに
ゴミ廃棄量が
増加
渋滞や狭窄
路地により定
期回収が困難ごみ処理施設の不足
ごみ回収サ
ービスが不
定期
空地や道端
に放棄される
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
ゴミのリサイク
ルに関する知
識がない
生産者及びメ
ーカーの排出
ごみ量の増加
環境配慮に対
する意識が低いS S SSSSS
リサイクル材
や食器の不使用S61 S
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
医療サービスの信頼性・レベルが低く、必要十分な治療を受けられない
医療機関の不足
(量的問題)
プノンペンの医療分野における課題
医療施設での疾患治療レベルが低い
(質的問題)
高度医療機
器の購入が
困難
既存設備の
老朽化が進
んでいる
医師のレベルが低い
医療機関・施設の不足
旧政権時代
の大規模
な静粛・破壊
高コストによ
り負担できない医療機関運
営の採算が
合わない
近年まで医師
免許制度が
存在していな
かった
医師免許を
有する医師
が少ない
医療設備の
適切なメンテ
ナンスや維持
が困難
病院の不足
保険制度・補
助制度が未
整備
無免許で営業
する個人が
多い
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
高度医療を
支払う患者
がいない
予防医療の
意識が不十分高齢者の増加重症化するまで
医療機関を受
診しない
都市部への
人口流入
定期的に健康
診断を受ける
習慣がない
患者数の増加による短時間診察SS SSS
医療従事者の不足
医療業界への
志望者が少ない
医療学校が
少なく、学費
が高いS62
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
プノンペンの金融融資分野における課題
信頼性のある借入先が少なく、返済不能や高金利負担のリスクがある
返済不能リスク 信頼性のある借入先が少ない
収入に対して家計債務
が膨らんでいる
企業向けの専門融資
銀行が限定的
高利貸しが横行マイクロファイナンスが主
流となっている
商業銀行の一般向けロー
ン商品が少ない
民間人に信用取
引が浸透してい
ない
複数の金融機
関(MFI等)か
ら借入
ライセンスを持
たない不法金
融事業者が存在貸金業に対す
る規制が不十分銀行口座の保有
率が低い
住宅ローンやオ
ートローンも限定的携帯電話を介し
た送金システム
が普及
貸出側の与信
審査が甘い
借入側の返済
計画が甘い
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
個人に対する
信用が低い
信用を測るノウ
ハウが確立され
ていないS SS63 05.プノンペン
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出64 主要課題に対するコメントとデータとの比較
プノンペンにおける課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 路上にごみが散乱し、不潔である
• ゴミ収集車両のゴミの管理が不十分
であり、車両周辺の悪臭がひどい
• 休日・祝日はごみ収集サービスのス
タッフが不在となり、ごみ収集が滞る
• 課題認識は現地市民と同様であるが、
そもそも焼却炉がないため、ごみの収
集・処理はきちんとなされておらず、不
潔である
・郊外エリアは収集自体がされないN/A• 公共医療と民間医療のいずれについ
てもサービスの質が低く、利用者に
とって信頼性が極めて低い
• 医療サービスが限定的であるため、
病気・症状によっては海外の医療機
関に行く必要がある
• 公的医療は質が低く、駐在員が病気
の際はタイやベトナムの医療機関に行
くとの認識である。
• 保険制度がないため、民間医療は全
額自己負担となり、アクセスしづらい。
• 現地市民は、病気の際は薬局で適当
に薬を購入するが、医薬品の質、薬剤
師のレベルも低く、あてにならない。N/A• 事業主による運転資金等の借り入れ
について、適切な借り入れスキーム
が少ない。
• 個人の住宅ローンの借入において、
返済能力とバランスしない高金利の
借入を提供する不動産業者や貸金
業者がおり、返済不能に陥る危険が
ある
• 銀行は企業貸付を基本とし、個人向け
貸付は利率10%で、担保を必要とする
等、アクセスしづらい。
• 住宅ローンは普及しておらず、あって
も貸付期間が短期で(約5~7年)、購入
価格の半分程度しかカバーしない。住
宅の購入は自己負担が一般的。
• マイクロファイナンスが普及している
(金利は20%程度)N/A 医療サービスの信頼
性・レベルが低く、必
要十分な治療を受け
られない
 信頼性のある借入先
が少なく、返済不能
や高金利負担のリス
クがある
 ごみの収集・処理が
徹底されておらず非
衛生的環境・悪臭が
ある
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。65 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
ごみ回収サービスが
不定期
 廃棄物分布分析
人工知能を用いた画像解析技術を
活用した廃棄物分布調査システム
重症化するまで医療機関を
受診しない
定期的に健康診断を受ける
習慣がない
ゴミのポイ捨てに対する
取り締まりが無い
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 オンライン診療
PC・スマートフォン付属のカメラに
て、Online診療中のチャットや必要
なファイルの送受信が可能
実用例
(株)ピリカのタカノメは人工知
能を用いた画像認識技術でポ
イ捨てごみの分布や深刻さを
計測することのできるシステ
ム。調査結果を活用してポイ
捨て防止施策
の効果測定や
改善コンサル
ティング、都
市開発、研
究などを行う。
(株)メドレーのオンライン診療
アプリ CLINICS は、カレン
ダーから空いている診察時間
の予約ができ、保険証はカメ
ラで撮影して提出。問診票も
アプリで回答可能。薬や処方
せんは登録した住所まで配送。
 ごみの収集・処理
が徹底されておら
ず、非衛生的環境・
悪臭がある
 医療サービスの
信頼性・レベルが
低く必要十分な治
療を受けられない
出典: https://corp.pirika.org/
出典; https://clinics.medley.life/66 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
 現在は郵便サービスがなく、宅配ビジネ
スも不便なので、改善を望む。
 上記の理由によって、現在はeコマース
の導入が難しい状態であるが、最近カ
ンボジア版UberEatsのサービスが開始
されたことを鑑みるに、需要はあると想
定する。
 義務教育において良質な教師の数が不
足しているように感じる。
 旧政権による教師や医師ら知識人に対
する弾圧により、知識階級が慢性的に
不足しているものと推察する。
 都市間バスを用いた貨客混載輸送(クロネコヤマト、UBER等)
カンボジア国内の郵便・宅配事情を改善するための貨客混載事業。都市間バスなどの活
用が可能。
 オンラインラーニング
義務教育で不足する学習について、オンラインで学習機会を提供することが可能。
出典: https://www.quipper.com/jp/services/quipper/
出典: https://www.yamato-hd.co.jp/news/h29/h29_125_01news.html
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項67 06.シェムリアップ
- 各都市における主要課題の設定68 シェムリアップの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• The road got bad condition and no exact sign on the road where I go to work or travel.
The traffic light and sign are not acceptable because the government does not take
care much.(1)
• There is no available bus transportation from one place to another place or tourist
destination.(1)
• There are no traffic stop along the road.(1)-I. 国内外の旅行客を惹きつ
ける観光地としての整備が
十分でない
• Traffic jam, Traffic accident because small road and some road is not good.(2)
• Traffic jam, difficult road, sometimes I take 30 minutes to 40 minutes to arrive work(3)• There are no sewerage system and garbage collection in town. It looks so dirty along
the road.(1)
• There are so many wastes along the road because household must put that wastes in
front of the house. It looks so dirty while driving along the road.(1)
• Electricity and water are expensive. Garbage service is not good service.(2)
• Waste take long time to collect(3)
• Security for tourists(3)
• The retail shopping center in community does not have because people still go to the
traditional one for shopping(1)-主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• Delivery service from market to home should be implement. It is more convenient for
people who do not need to bring that food or drink to home by themselves.(1)
• Goods are expensive that isn’t afford to salary(3)69 シェムリアップの主要課題
 Smart Mobility
 Smart Tourism &
Leisure
 Energy, Water &Waste
 Smart Safety
 国内外の旅行客を惹きつける観光地としての整備が十分でない。
• 市街から観光地、および観光地周辺に便利な交通手段(無料の観光バス等)が整備されていない• 道路の状態が悪く、また標識や信号機が適切に設置されていない
• 観光地周辺の回遊性を考慮した歩道整備がされておらず、車で移動する必要がある
• ごみ回収等の公衆衛生サービスが整備されておらず、路上や住居の前にゴミが散乱し不潔で
ある
• 清潔な上水の供給、下水処理サービスがなく非衛生的である
• 自然環境維持を重視する一方で、観光都市として景観改善への取り組みが不十分
• 市街および観光地周辺での治安維持対策が十分でなく、ひったくり、すり、置き引き等の犯罪被
害が多く発生している
• トゥクトゥクやマーケットでのぼったくりが発生しており、モノの購入やサービス支払いの際に警
戒する必要がある
 観光産業で発展しているシュムリアップは、交通インフラや公衆衛生サービス、治安維持対策の整備が
、観光客向けのサービス向上という点でも重要な課題として認識されている。
 観光業を永続的に発展させるために、観光収入の地元への還元も重要な課題として挙げられている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題70 06.シェムリアップ
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査71 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
シェムリアップの観光分野における課題(1/4)
国内外の旅行客を惹きつける観光地としての整備が十分でない
都市計画・道路
計画が不足
交通インフラの整備が
不十分で不便
信号機や標識等の必要設
備が不十分
財源不足
都市鉄道・公共バス網が
整備されていない
道路環境が悪い
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
観光客を狙った犯罪が
多く危険
公衆衛生サービスの整備
が不十分で非衛生的
観光地としての景観整備
が不十分S SS
バイクやルモー
モト等の安価な
交通手段に
依存
現地の重要な雇
用の一つになっ
ている
観光客の消費
単価が安いSP.74 参照
P.73 参照
地元経済への還元が不十分S地元での観光
消費が少ない
外国人団体
客の増加
外国資本の
店やホテルで
の消費
観光客向けの
外食やレジャ
ー施設の不足
観光地周辺を
ありのまま維
持することを
優先
観光収益が再配分され
ない
観光地の入
場料は税収と
なるS沿岸部や北
東部等の他
地域の観光
客の増加
外国資本によ
る開発の進展S特定の人が
利益を独占
回遊性を向上
させる歩道が
未整備
自然環境をあ
りのままに留め
ることを優先S72 1ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
シェムリアップの観光分野における課題(2/4)
国内外の旅行客を惹きつける観光地としての整備が十分でない
交通インフラの整備が
不十分で不便
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
公衆衛生サービスの整備が
不十分で非衛生的
観光客を狙った犯罪が
多く危険
地元経済への還元が
不十分
飲食が不衛生
ゴミ回収・処理サービスが未整備
ごみ収集サービスが
不十分
ごみ処理施設の不足
担当機関の
能力不足
財源不足に
より増設が困難施設計画の
ノウハウがないS
ゴミ減量・分
別、環境問題
への意識が
低い
廃棄物管理に
あてる予算財
源不足
なり手不足
ゴミ収集用の
設備更新が高額ゴミ収集事業
の採算性が
低い
劣悪な労働
環境
ゴミの収集に
人員を多数
要するSS SSゴミの不適切
な廃棄、不法
投棄が多いSゴミのポイ捨
てに対する取
り締まりが無い財源不足
設備管理に
関するスキ
ル・ノウハウ
が不十分
観光客の増
加に伴う急速
な需要増加
設備のメンテ
ナンスが不
十分
公務員の給
与が低く、
モチベーショ
ンが低い
上水道サービスが
不十分
上水道設備の不足S食中毒の発生
レストラン店
内が不潔
食材・食器・
調理後の管
理ができてい
ない
調理人の衛
生意識に問題73
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
シェムリアップの観光分野における課題(3/4)
国内外の旅行客を惹きつける観光地としての整備が十分でない
交通インフラの整備が
不十分で不便
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
公衆衛生サービスの整備
が不十分で非衛生的
観光客を狙った犯罪が多く危険
警備業務を民
間へ委託する
文化が未形成地域安全に関わる防犯機能の不足 警察官の不足
職業の労働
環境・待遇が
悪い
雇用拡大の
予算がない
防犯対策機能の不足
民間セキュリ
ティ会社の不足長時間の肉
体労働
危険性が高い
業務が多い
整備財源の
不足
業務の支援・
効率化の技
術・設備の不足犯行動機の形成要因の増加
生活苦
社会情勢の変化
観光客
の増加
都市部の
人口増加
生活保護など
のサポート制
度がない
S S S
地元経済への還元が
不十分
防犯システム
導入費用が
高額S74
06.シェムリアップ
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出75 主要課題に対するコメントとデータとの比較
シェムリアップにおける課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 市街から観光地、および観光地周辺
に便利な交通手段(無料の観光バス
等)が整備されていない
• 道路の状態が悪く、また標識や信号
機が適切に設置されていない
• 観光地周辺の回遊性を考慮した歩
道整備がされておらず、車で移動す
る必要がある
• ごみ回収等の公衆衛生サービスが
整備されておらず、路上や住居の前
にゴミが散乱し不潔である
• 清潔な上水の供給、下水処理サービ
スがなく非衛生的である
• 自然環境維持を重視する一方で、観
光都市として景観改善への取り組み
が不十分
• 市街および観光地周辺での治安維
持対策が十分でなく、ひったくり、すり、
置き引き等の犯罪被害が多く発生し
ている
• トゥクトゥクやマーケットでのぼったく
りが発生しており、モノの購入やサー
ビス支払いの際に警戒する必要がある• 道路インフラに関する課題認識は、
現地市民と同様である。観光地周
辺の道路は十分に整備されておら
ず、観光地までが遠く、アクセスが
悪い。
• 上下水道の整備やごみ処理サー
ビスも十分ではないとの認識であ
る。
• 治安については、スリやぼったくり
が発生していると聞くが、さほど悪
くはないという認識である。
• 景観については、観光地以外は農
村という様相であり、都市として景
観を改善する取り組みは見受けら
れない。理由として、観光地の自
然をそのまま残すことに価値があ
ると考えているからではないかと
思われる。N/A 国内外の旅行客を惹
きつける観光地として
の整備が十分でない
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。76 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
防犯システム導入費用が
高額
 AIセンシング
人の動きを詳細に認識・検知。分析
された高精細な情報は的確に判断
され、異変をスピーディーに通知
地元での観光消費が少な
い外国人団体客の増加
観光地まで行く無料のバ
スやその他利便性ある交
通手段がない
危険性が高い業務が多い
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 スマート相互送客(IT周遊パス)
加盟店と利用顧客が一緒に集客と
相互送客をするようになる複合的な
IoTサービス
実用例
 国内外の旅行客
を惹きつける観
光地としての整
備が十分でない
トーカイセキュリティ株式会社
の「AIガードマン」は、進化型
AI(人工知能・クラウド連携)
が、人の動きを詳細に認識・
検知し、店舗経
営をする上で、
常に晒される
万引きによるロ
ス対策を先進
のセキュリティ
で解決。
出典: http://www.tokaisecurity.net/pdf5/ai-guardman-
tokaisecurity.pdf
日本ユニシスはスマホアプリ
「Japan Local Card」で、デジ
タル周遊パスとキャッシュレス
決済サービスを提供し、県を
またいだ観光客の相互送客と
地域経済の活性化を支援。
出典:
https://www.unisys.co.jp/news/info_181217_
kyushusokin.pdf77 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューション案
 シェムリアップは世界的に有名な観光
地であるが、観光地の自然をそのまま
残すべきという方針があるため、都市整
備が進んでいないとの認識である。
 観光地としての魅力の維持と、環境保
護の両立させるために、「エコツーリズ
ム」の取り入れた都市整備と観光業促
進が有効ではないかと考える。
 観光収入が現地人へ還元されておらず、
地元の人々が恩恵を受けていないので
はないか。
 スマートシェアサイクル
オフロード対応のスポーツ自転車による環境配慮型の自転車シェアリング。保険も付与。
 スマートエクスカーション
IoTの活用により、観光ビジネスを核に地域の魅力を発信し、観光客の滞留時間拡大、周
遊性向上により集客力を高め、地域活性化を図る。
出典: https://cycletrip.jp/
出典: https://www.oki.com/jp/press/2017/04/z17004.html
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項78 07.ヴィエンチャン
- 各都市における主要課題の設定79 ヴィエンチャンの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• House design and constructon quality, commercial signs on roads are not safe with
heavy rain or with big wind.
Better regulation on building matterial and spectation for stronger foundation for
houses and building(2)-I. 建物の耐久性・安全性が
低いため悪天候や災害に
より倒壊事故が多発
• We do not know how to calculate the exactly meter that we use everyday. Some
month the fee of electrical and water supply is higher then previous fee which has no
reason(1)-II. 日用食料品及び水光熱費
の価格高騰により生活を
圧迫
• Retails shops are many, but prices are not control. Commonly set at high price, which
is much higher than Thailand, making the alternative for spending in thailand.
As Laos is small, especially around city area, many provide delivery service, but as
compare to other country, still not cheap, Petrol price is too high.(2)
• Food safety. Anything that can help making sure we are not consuming too much of
the chemical related stuffs.(3)-III. 食品に含まれる農薬や添
加物等、食の安全に関す
る不安がある
• Government service is still not very systematic, many paper works require long time to
process and corruption are still commonly everywhere. (2)-主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• We don’t consider we have many leisure places, expecially FOC one, mostly are café
and usually not cheap. We need more parks, however weather in laos in hot all year
round, we need more parks with big trees. (2)-80
ヴィエンチャンの主要課題
 Smart Safety
 Smart Buildings &
Living
 Smart Safety
 Smart Manufacturing
 Smart Retail &
Logistics
 Smart Energy, Water
& Waste
 Smart Buildings &
Living
 Smart Retail
 建物の耐久性・安全性が低いため悪天候や災害により倒壊事故が多発
• 住宅やビルの建材に関する規制、建物の基盤検査、商業広告等の道路上の設置物に関する規
制が十分ではなく、大雨や強風に対する安全性が低い
 食品に含まれる農薬や添加物等、食の安全に関する不安がある
• 食の安全に対する意識が高まっており、とりわけ中間層以上において食品添加物や農薬漬けの
野菜、輸入食品への懸念が強まっている
 日用食料品及び水光熱費の価格高騰により生活を圧迫
• 電気代や水道代、ガソリン代が高い
• 駐車場料金が高い
• タイ等の周辺国と比較して物価が高い
 ヴィエンチャンでは、道路網や電力供給等の基礎的なハードインフラが整備されつつあり、インフラの
さらなる品質向上や、医療や食品衛生等のソフトインフラに関する課題意識が高まりつつある。
 また、タイとの国境が近い立地ゆえに、消費活動や娯楽のニーズをタイで満たすことが可能であるが
、ヴィエンチャン市内でのサービスや娯楽の充実も課題として生まれつつある。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題81 07.ヴィエンチャン
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査82 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ヴィエンチャンの建築安全分野における課題
建物の耐久性・安全性が低いため悪天候や災害により倒壊事故が多発
法律が未整備
建築基準(単体
規定)が存在し
ない
許認可制度が
不透明
使用状態が悪い
建築レベルが低く、建物品質が悪い
都市計画許可
制度はあるが
運用が未徹底
ゼネコンの能力が低い
人材育成が
不十分
ノウハウが蓄積
されていない
施設維持管理
のノウハウが
ない
維持管理体制
が脆弱
容量超過や
過剰積載を伴う
使用
メンテナンス状態が悪い
ルールが統一されていない
運用が不透明
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
維持管理財源
の不足S SSS不適切な使用を
検知・警告する
システム/仕組
みがないS83
ヴィエンチャンの生活分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
日用食料品及び水光熱費の価格高騰により生活を圧迫
国内の農業
技術・設備が
不足
国内での生産が困難
日用食料品の価格上昇
耕作適地が
少ない
国内流通量の不足
雨季・災害等
による供給不足約70%は自
給自足用、
30%程度が
商業用
市場(取引マ
ーケット)の
不足
物流網の未
整備
電気代の上昇 住居費の上昇
供給量の不足
発電電力の
多くが近隣国
に輸出される
不動産価格の上昇
ヴィエンチャン中心地への
投資マネー
の流入
発電容量の
多くを外資主
導のIPPが所有Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
自家発電等
のノウハウが
無い
国内の電力
需要を割高な
輸入電力でま
かなっているSSSS
住宅供給の不足
都市人口の
増加
物件を効率
的に利活用
する仕組み
がないS経済成長に
伴う工業や
家庭用電力
消費の増加
省エネや節
電技術の活
用が不十分S84
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ヴィエンチャンの日常消費分野における課題
食品に含まれる農薬や添加物等、食の安全に関する不安がある
小規模個人商店および旧
来型市場が多い
食品安全管理が不十分
市場規模が
小さく外資
の参入が少
ない
品ぞろえが
悪い
優良SCが少ない
信頼性ある店舗が少ない
食品の鮮度
管理などのコ
ストになる手
間に対する意
識が低い
食品安全管理
体制が弱い
添加物等が含まれ
た輸入食品の流通
サプライチェ
ーンが未発達国内に優良
なSC事業
者が存在し
ない
商品の信頼
性・品質が
一定でない
非正規ルート
による輸入
農薬による汚染
無農薬農作
の手法を知
らない
農薬(粗悪
品)はコスト
が安い
食安全に関
わる法制度
の運用が順
守されていないLevel 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
出店の採算
が合わないSS S SSSS S85
07.ヴィエンチャン
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出86 主要課題に対するコメントとデータとの比較
ヴィエンチャンにおける課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 住宅やビルの建材に関する規制、
建物の基盤検査、商業広告等の道
路上の設置物に関する規制が十分
ではなく、大雨や強風に対する安全
性が低い
• 規制が十分ではないというより、建築基
準がないと認識。地震が発生しないため、
基準が緩いのではないかと想定する。し
かし建物の倒壊による死者が出ており、
問題になりつつある。N/A• 電気代や水道代、ガソリン代が高い
• 駐車場料金が高い
• 公設市場が機能していない
• タイ等の周辺国と比較して物価が高い• 概して物価が高く、貨幣経済で売買され
るものは高いとの認識。
• 社会主義国家のためインフォーマルセク
ターがないなかで、税金が高く、輸入関
税や中間税がかかる物品は高くなる。さ
らに国内産業が未発達で輸入品が多い
ため、結果として物価が高くなる。
• 電気は腐るほどあるが、なぜか高い
• ガソリンは輸入に依存し、かつ内陸まで
輸送するため高くなる。N/A• 食の安全に対する意識が高まって
おり、とりわけ中間層以上において
食品添加物や農薬漬けの野菜、輸
入食品への懸念が強まっている
• 輸入品が多く、概して物価が高いなかで、
一般市民でも購入できる程度の価格の
ものは品質が相当に低いのではないか
という不安があると思われる。N/A ユーティリティ料金や
物価が高く、生活費を
圧迫
 食品に含まれる農薬
や添加物等、食の安
全に関する不安がある 建物の建築基準が低
く、悪天候や災害に対
する耐久性・安全性
が低い
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。87 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
市場(取引マーケット)の
不足
 オンライン卸売市場
農家が出品した農作物を買い手(ス
ーパー飲食店)が入札で競り落とす
食品の鮮管理などの
コストになる手間に
対する意識が低い
添加物等が含まれた
輸入食品の流通
物流網の未整備
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 残留農薬検査センサー
揮発した残留農薬を迅速・特異的
に空気中から直接検知可能な
実用例
 日用食料品及び
水光熱費の価格
高騰により生活を
圧迫
 食品に含まれる
農薬や添加物等
、食の安全に関
する不安がある
マイファーム社のラクーザは、
売り手となる農家が買い手(小
売・飲食等)と直接交渉して価
格決定することができるサー
ビスを展開しインターネット上
に新たな
農産物流
通のBtoB
マーケット
を創設し
ている。
(株)サタケの「残留農薬測定
装置」は、農薬の中でも使用
量・検出事例が最も多く、毒性
が非常に強い有機リン系およ
びカーバメート系農薬を簡単・
確実・スピーディーに検査する
ことが可能
出典: https://racuuza.com/
出典: https://satake-japan.co.jp/products88 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
 人口が少なく、工業含め産業全般が発
展しておらず、観光地もヴィエンチャン
やルアンプラバン以外に目立った場所
がない状態であり、援助がなければ立
ち行かないとの認識である。現状は銅
輸出と水力発電による売電に依存して
いる。ダム建設を加速させており、公共
工事による債務も増加している。
×ばつテクノロジー、ス
マートアグリ等は需要があるのではない
かと想定する。
 EZ水耕
肥料が自動で溶け出し、収穫までの手入れは一切不要。肥料は苗植えから収穫するまで
に時間をかけて溶け出す仕組みになっている。
 アグリドローン
農薬散布量および箇所を最適化する。夜行性の害虫が活発になる夜間にドローンを飛ば
し、農薬を使わずに害虫駆除が可能。山間部や丘陵部でも対応可能
出典: https://crowd-marche.agri.mynavi.jp/stores/sept-agri
出典: https://www.agridroneservice.net/
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項89 08.バンコク
- 各都市における主要課題の設定90 バンコクの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• PM 2.5 (wear mask) (2) -
I. 大気汚染(PM2.5等)による
健康被害
• ラッシュアワーの渋滞(7:00-9:30及び17:00-20:00まで)(1) • 1000人あたり自動車数:
142台
• 政策において公共交通へ
のモーダルシフトを志向
II. 通勤に長時間を要するた
め非効率
• Heavy traffic jam because of read construction
• 名義変更等、事務手続きが遅すぎる。(1)-III. 快適な公共サービスが受
けられない
• Waiting so long, cannot have know-how(2)
• デパートしかない。ゆっくりできるところがほしい。散歩できる環境がない。(1) -
主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識91 バンコクの主要課題
 バンコクでは都中心部への人口流入や一極集中に伴い都市のスプロール化が進行し、都市部の住宅価
格が高騰している。
 慢性的な渋滞等に対する課題意識は依然としてあるものの、鉄道延伸により解決の糸口が見え始めて
いる反面、二次交通に対する質の低さやマナー、危険性などが課題として挙げられている。
ヒアリング結果の傾向
 Smart Health
 Smart Mobility
 Smart Manufacturing
& Construction
 Smart Mobility
 Smart Safety
 Smart Buildings &
Living
 Smart Government
 大気汚染(PM2.5等)による健康被害
• 工場や交通量が多い点や、乾季での少雨のため、PM2.5の濃度が世界保健機関(WHO)の環
境基準を超える日がある。
 通勤に長時間を要するため非効率
• ラッシュアワー時の激しい渋滞により通勤時間の把握が困難。
時間短縮のため、バイクタクシーを利用するケースが多いが、スピードを出しながら車間をすり抜
けていくため、運転が荒く危険性が高い。
• バンコク中心部の家賃高騰による郊外居住のため、通勤・通学の労力を要する。
 快適な公共サービスが受けられない
• ビザ申請や不動産登記等、申請のオンライン化が進んでおらず、申請時に大量の添付資料が必
要となり無駄が多い。
• アナログなオペレーションのため業務効率が低く、待ち時間が長い。
関連カテゴリー
主要課題92 08.バンコク
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査93 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
バンコクの環境分野における課題
大気汚染(PM2.5等)による健康被害
バンコク都市
圏の交通量の
増加
経済活動
自動車やバイクの
排気ガス
乾季は雨が降
らず、空気中
の汚染物質が
滞留しやすい
工事現場から
の粉塵
工場や石炭火力発
電所等のばい煙
季節要因
隣国からの煙害
ゴミや森林の
野焼きの発生
建築ラッシュが
発生
石炭火力発
電を多用
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
ミャンマー・ラ
オスからの汚
染物質の流入
規制が守られ
ていない
バンコク近郊
における多数
の工業団地
排ガス規制
が存在しない
野焼きによる
煙害
工場の排煙
浄化レベルが
低い
ディーゼル車
が多い
乾季における悪化
不十分な
工事監理
1トンピックア
ップ車両が多いディーゼル油
の価格が安い
「交通分野」
のツリーへS S94
バンコクの交通分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
通勤に長時間を要するため非効率
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
遠隔地・郊外の居住
交通渋滞の発生
中心地の住
居費が高い
遠隔地に住む
ことが多い家
族・親戚等と
の居住を優先
道路整備状況
が悪い
幹線道路以外
の一般道路が
少ない
ルールが徹
底されない
信号機が機
能していない
交通制御シ
ステムレベル
が低い
警察官の手
動による交
通整理
冠水による
通行不全(雨季)道路状況が悪い 交通マナーが悪い
交通ルール
教育が不十分SS S免許取得が
簡易S95
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
バンコクの公共サービス分野における課題
快適な公共サービスが受けられない
紙ベース・対面での対応
役所の対応・サービスが悪い
待ち時間が
長い
オンライン
化が進んで
いない
運営体制上の課題
役所の業務効率が悪い
案内や表示
が少なくわ
かりづらい
従業員の対応が悪い
予算が確保
されていない営業時間が
短い
申請手続き
が煩雑
マニュアルが
存在しない
接客・サービ
ス意識が乏
しい
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
対応窓口が
少ない
相談窓口が
存在しない
総合庁舎へ
の交通が不便出先機関等
での処理が
できないSSSS
人口増S SS96 08.バンコク
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出97 主要課題に対するコメントとデータとの比較
バンコクにおける課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 工場や交通量が多い点や、乾季で
の少雨のため、PM2.5の濃度が世界
保健機関(WHO)の環境基準を超え
る日がある。
• 渋滞が起因というよりインドや中国
からの外部要因と考えている。
• 現地人は恐怖を感じているが、駐
在員の状況はそこまで深刻でなく、
辛い症状がでた場合に、一定の外
出を控えるという形で対応している。
症状は花粉症に似ている。N/A• ラッシュアワー時の激しい渋滞により
通勤時間の把握が困難。時間短縮
のため、バイクタクシーを利用する
ケースが多いが、運転が荒く危険性
が高い。
• バンコク中心部の家賃高騰による郊
外居住のため、通勤・通学の労力を
要する。
• バンコク中心部の家賃が高く居住
できない現地市民が多いため、遠
方より路線を乗りつぎ時間をかけ
て通勤している。
• 交通死亡事故の大半はバイクタク
シーが原因。駐在員は利用しない。N/A• ビザ申請や不動産登記等、申請のオ
ンライン化が進んでおらず、申請時
に大量の添付資料が必要となり無駄
が多い。
• アナログなオペレーションのため業
務効率が低く、待ち時間が長い。
• 近年ワークパーミットはオンライン
申請に切り替わったが、ビザ申請
については未だオンライン化され
ておらず、アドミンスタッフが苦労し
ている。
• オペレーションが俗人的な場合が
あり、スタッフにより対応が異なる
場合が多い。N/A(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。
 大気汚染(PM2.5等
)による健康被害
 通勤に長時間を要
するため非効率
 役所サービス品質
や業務効率が悪く、
快適なサービスを
受けられない98 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
遠隔地に住むことが多い
家族・親戚等との居住を
優先
 リモートワーク
在籍する会社のオフィス以外の場
所で業務が可能となりそれぞれに
あった柔軟な働き方を実践できる
待ち時間が長い
申請手続きが煩雑
中心地の住居費が高い
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 電子政府(オンライン役所サービス)
行政サービスのあらゆる手続きの
オンライン化に、申請プロセスの簡
易化や待ち時間の短縮を実現
実用例
 役所サービス品
質や業務効率が
悪く快適なサービ
スを受けられない
 通勤に長時間を
要するため非効率米国シトリックス・システムズ
社の「デスクトップ仮想化」パ
ソコン本体を安全なデータセ
ンターや会社のサーバールー
ム内に配置し、利用者はパソ
コンの画面イメージだけが表
示されたデバイスのディスプ
レイを見ながら、ネットワーク
越しに遠隔地のパソコン本体
を仮想的に(あたかも手元に
あるかのように)操作が可能
出典: https://www.citrix.com/ja-jp/products/citrix-
virtual-apps-and-desktops/resources/vdi-solution-
virtualization-overview-jp.html
NTTデータ社の「WinActor」
はWindows端末上のアプリ
ケーションの操作を学習し、自
動実行するソフトウェア型ロ
ボット。プログラミングの知識
なしでロボットに定型処理を任
せ、あらゆる業務を自動化。
出典: https://winactor.com/99 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューション案
 夜間におけるゴミの野外長時間放置が
問題である。バンコク中心部の屋台や
ロードサイドのレストランでは、廃棄物を
道端に放置するだけでなく、ゴミの回収
が早朝となるため、夜間にねずみやゴ
キブリが大量に発生し、衛生的に良くな
い。
AI Incorporated
 電気代の高騰が課題である。水道代は
極端に安価であるが、電気代は水道料
金と比較し年々高騰している。
 自動運転ゴミ箱
設定した時間に自動で路傍に行き、トラ
ックの到着を待ち、人員なしで回収可能
 スマート害虫駆除
撮影された動画から害虫等の生息の有
無や出現ポイント害虫等の導線が確認
出典: https://www.aiincorporated.com/ 出典: https://www.semco.net/works/system/pestvision.html
出典: https://yamadahomes.jp/ir/pdf/news/20191001.pdf 出典: http://www.igrid.co.jp/company/news/170821.html
出典
 オフグリッド発電
送電系統(電線を伝って電力会社から家などに送られる電力網)と繋がっていない電力
システムで、停電時などでも家庭内や交通手段等の混乱などを回避することが可能
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項100 09.デリー
- 各都市における主要課題の設定101 デリーの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• There is no constant supply of water from the government. Water is supplied for only
few hours in the morning which needs to be stored for the rest of the day.(2)
• 無収水:45%
I. 上水サービスの利用時間
が制限されている
• Lack of garbage disposal regularly causes garbage to accumulate which creates a
pungent odour in the house.(1)
• Lack of proper garbage disposal facility leading to garbage being dumped on the
roads.(1)-II. ごみの廃棄・収集が適切に
実施されておらず、不衛生
である
• Delhi is a very dirty city with no provisions for garbage to be collected, recycled and
disposed properly. Similarly, no bins exist in public spaces. Citizens dispose garbage
on the streets and don’t take it back home.(2)
• ゴミのポイ捨てにより、街の道路が汚い(3)
• Air Pollution is a major problems which prevents people to go out of their home often
for leisure or exercise.(2)-III. 大気汚染により、外出の抑
制や健康被害につながっ
ている
• Shopping physically on the streets in Delhi becomes difficult due to price haggling.
Online retailers sometimes take a long time to deliver the products/services.(1)-主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• Citizens often must succumb to bribing government officials to avail administrative
services. Even then there is no guarantee of the process to be finished. Fake news
has been a big hindrance to development and progress as well(2)-102
デリーの主要課題
 Smart Energy, Water
& Waste
 上水サービスの利用時間が制限されている
• 数時間のみ供給される水を貯水して日中に必要性をまかなったり、高いお金を払って水を購入し
なければならい。
• 公共の水供給の不足により、不正な手段で水を得ることが生じており(賄賂や盗水等)、公正・平
等な水へのアクセスが侵害されている。
 インドの首都であるデリーでは、都市化の進展により基礎的なインフラの整備が進んでいるが、ごみ
処理問題や大気汚染等、健康に関わる問題について意識が高まっている。
 もともとの地理的特性や都市化の進展により、インドにおける全国的な水不足が最も顕在している地
域でもあり、危機感が高まっている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題
 Smart Health
 Smart Mobility
 Smart Energy, Water
& Waste
 ごみが不法に投棄されており不衛生である
• 公共のゴミ箱が十分に設置されておらず、また市民はゴミを家に持ち帰らずにポイ捨てするため
、道路が非常に汚い
• ごみの定期的回収がないため、路上にごみが蓄積し、住居内でも悪臭がする
 大気汚染により、外出の抑制や健康被害につながっている
• 大気汚染の悪化により、極力外出を控えなければならず、運動や娯楽のために出かけることがで
きない103 09.デリー
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査104 上水サービスの利用時間が制限されている
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
デリーの水供給分野における課題
水資源の不足 供給能力の不足
需要の増加
貯水施設、・処理施設の
能力不足・低下
恒常的な農業分野で
の過剰利用
水資源の供給量の
不足
降雨量の
減少
地下水の過
剰利用による
地下水位の
低下
節水技術・ノウ
ハウが普及し
ていない
水の買占め
施設のメンテ
ナンス不足
家庭分野での非効
率な供給
効率的な散
水のノウハウ
がない
農業分野での
水利用制限が
不十分
(票田なため)
漏水率が
高い
水マフィア等
による盗水の
深刻化
メンテナンス不
足で配水管が
老朽化
事業者の意識
が低い
法規制、警察
の取り締まり
が不十分S SSSS
投資財源の
不足S都市人口の増加S105 ごみが不法に投棄されており不衛生である
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
デリーのごみ収集・処理分野における課題
ゴミ収集シムテムが不十分
家庭ごみの増加ごみ廃棄量の増加
ごみ処理能力の不足
ごみの不法廃
棄に関する法
規制が不十分ごみ置き場が設置さ
れていない
ごみの不適切な廃棄
ごみの分別ルールが
存在しない
ごみの適切な
廃棄の習慣
が浸透してい
ない
行政サービス
が確立されて
いない
渋滞や道路
状態により定
期回収が困難ごみ処理施設の不足
ごみ回収サービスが
不十分
空地や道端でのポイ
捨てや不法投棄
生産者及びメ
ーカーのごみ
排出量の増加
事業者の環
境配慮に対す
る意識が低いSゴミ排出抑制
やリサイクル
の法規制が
不十分
ごみ処理施設
への投資不足排出量抑制
やリサイクル
のノウハウ・
技術がない
都市人口の
増加SSS路上の牛や
野良犬の糞
尿放置が管
理できない
牛糞は信仰
上神聖なもの
とみなされて
いる106 大気汚染により、外出の抑制や健康被害につながっている
車両からの排気ガスの増加 事業活動からの排出抑制ができてない
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
季節行事での噴煙の排出
建築現場での粉塵
の排出
火力発電からの
排出ガス
農業からの排出ガス(
野焼き・焼畑)
CEV*2普及促進の
ための助成金やイ
ンフラ投資が不十分都市人口の増
加に伴う移動
の増加
排気ガスを抑
制する規制が
不十分
代替交通手段
の整備が不十分安価な化石燃
料(石炭)への
依存
排出抑制の規
制が不十分(
農家が票田の
ため)
排出抑制のノ
ウハウがない
再エネ促進策
や規制が不
十分
噴煙の排出関
する規制が不
十分
環境に対する
市民の意識の
低さ
環境に配慮し
た農業のノウ
ハウが不十分
クリーンな農業
を推進する助
成の不足
建築産業での
規制が不十分
デリーの環境衛生分野における課題
*1 ディーワーリーとは、ヒンドゥー教における新年を祝う祭であり、毎年10月末から11月初め頃に実施される。
*2 クリーンエネルギー自動車(Clean Energy Vehicle)の略。EVやPHV、燃料電池自動車などの総称。
S S SS107
09.デリー
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出108 主要課題に対するコメントとデータとの比較
デリーにおける課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 数時間のみ供給される水を貯水し
て日中に必要性をまかなったり、高
いお金を払って水を購入しなけれ
ばならい。
• 公共の水供給の不足により、不正
な手段で水を得ることが生じており
(賄賂や盗水等)、公正・平等な水
へのアクセスが侵害されている。
• 生活上水については、行政がエリアごと
時間を決めて配水を行っており、貯水作
業については各タンクごとに手動で行う
必要があるが、水が使えなくなったという
経験はない。
• 季節によって上水の変色・異臭が生じる
が、駐在員の健康被害の話はあまり聞
かない。盗水の話はよく聞く。
• 公共のゴミ箱が十分に設置されて
おらず、また市民はゴミを家に持ち
帰らずにポイ捨てするため、道路が
非常に汚い
• ゴミ箱にゴミを捨てる文化がなく、平気で
ポイ捨てをする。自宅の玄関までは清潔
だが玄関から外は自分の領域でないと
感じている。だだし、清掃は局所的に実
施され、清掃要員は足りていると感じる。
ゴミを捨てたくなる様な仕掛けが必要。
• ゴミ以外に牛の糞、野良犬の大群などが
不衛生。男性も道端で用を足す。
• 大気汚染の悪化により、極力外出
を控えなければならず、運動や娯
楽のために出かけることができない
• PM2.5が世界の中でも深刻であり、黒い
鼻水がでたり頭痛が発症し、がんリスク
も懸念されている。特に21時以降は都心
部への大型搬入車の出入りが可能とな
るため、早朝5時頃の大気汚染が最悪。
• 自宅では常に各部屋で空気清浄機がフ
ル稼働している。
 上水サービスが制限
されており、必要な
時に必要な水を利用
することができない
 路上にゴミがポイ捨
てされており、非衛
生的である
 大気汚染により、外
出の抑制や健康被
害につながっている109 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
ごみの適切な廃棄の習慣
が浸透していない
 スマート屋外ゴミ箱
蓄積状況は電話回線網を通じリア
ルタイムに報告され、効率的に回収
、また自動圧縮する機能を装備
環境に対する
市民の意識の低さ
排出抑制の
ノウハウがない
排出量抑制やリサイクル
のノウハウ・技術がない
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 汚染大気コンバーター
ディーゼルモーターから排出された
汚染物質をレトロフィット排出制御
装置により業務用インク等に変換
実用例
 大気汚染により、
外出の抑制や健
康被害につなが
っている
 ごみが不法に投
棄されており不衛
生である
日本システムウエア株式会社
の「BigBelly Solar」はゴミ箱
ごとの回収状況がわかるため、
ゴミがあまり溜まらない場所
にあるゴミ箱を撤去したり、ゴ
ミが溜まりやすい場所にゴミ
箱を増設
するなど、
ゴミ箱の配
置を最適
化が可能。
出典: https://www.nsw-
cloud.jp/cloud/service/m2m/bigbellysolar/
インドのチャクラ・イノベーショ
ン社は、世界で初めてディー
ゼル発電機から排出された汚
染物質を回収する後付け型
の排出ガス制御装置、「チャク
ル・シールド」を開発。ディー
ゼル発電機から排出されたす
すをインクに変換する。同製
品はディーゼル発電機から排
出された粒子状
物質の90%以
上が捕獲可能
出典: https://chakr.in/110 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
 デリーではレイプの被害が深刻であり、
4時間に1件生じていると言われている
政府は厳罰化に舵を切ってはいるよう
だが、宗教上や男性優位のインド社会
が背景としてあると思われるが、治安悪
化の話が後をたたない。
 ヨガの盛んな健康大国のイメージがあ
る一方、世界でも屈指の糖尿病大国で
もある。菜食主義者も多いが、それでも
油と砂糖の多く入った食事を好む人が
多い。現地の人は、1日に必ず2度は
チャイを飲む。健康に関する知識の欠
如が問題であると考える。
 夕食を午後10時以降にとって直後に寝
る食習慣もあり、また過酷な気候や大
気汚染による屋外運動の妨げも原因だ
と考える。 出典: https://www.linkncom.co.jp/news/press/67/
 痴漢レーダー
被害をマップ上で被害件数を表示するだ
けではなく、個別の被害発生状況を表示
 スマート通報
被害者がスマホ画面の通報ボタンを押す
と号車番号と位置が車掌の端末に表示
 スマートフィットネス
毎日の食事や運動・睡眠などのライフログが簡単に記録できるのと同時に、アルゴリズム
・AIによるパーソナルなアドバイスがリアルタイムに提供
出典: https://chikanradar.qccca.com/ 出典: https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200204_ho02.pdf
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項111 10.ムンバイ
- 各都市における主要課題の設定112 ムンバイの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• During rains in Mumbai there is water clogging on the roads and commuting to work
becomes very difficult(1)-I. 大雨によって洪水が発生し、
交通網が麻痺する
• Every year Mumbai faces huge disruption in transportation during Monsoon time(2)
• Mumbai is the house to biggest slums in Asia, and office areas are very near to slums(2)-
II. 都市部のスラム街の影響
により衛生面および治安面
に懸念がある
• Lack of good gyms in my locality to workout at.(1)
• There are hardly any public parks in the city for one to go and relax at during the day.(1)-
III. 健康維持に必要なストレス
発散や運動ができる公共
空間や運動施設が十分に
ない
• As the city has a lot of working professionals, we end up usually ordering groceries
online. However the existing companies take a long time for delivery.(1)-主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
*1:" Mumbai Population 2020" World Population Review (https://worldpopulationreview.com/world-cities/mumbai-population/)113 ムンバイの主要課題
 Smart Mobility
 Smart Safety
 Smart Energy, Water
& Waste
 大雨によって洪水が発生し、交通網が麻痺する
• 毎年モンスーンの時期には、大雨によって冠水が発生する。それによって交通が断絶し、
通勤も非常に困難になる
 ムンバイは近年の経済発展に伴い、高層ビルの建設ラッシュや流入人口の増加等、急速な都市化が
進展している。一方で基礎的な都市インフラの建設や都市計画の整備が十分に実施されておらず、
市民のQOL向上に大きなニーズがある。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題
 Smart Health
 Smart Tourism &
Leisure
 Smart Buildings &
Living
 Smart Safety
 都市部のスラム街の影響により衛生面および治安面に懸念がある
• ムンバイにはアジア最大のスラム街が存在し、それらがオフィス街と隣接している。スラム街は
衛生環境が悪く、かつ犯罪が多発する等の治安面の懸念もある
 健康維持に必要なストレス発散や運動ができる公共空間や運動施設が十分にない
• 適度な運動をするためのジムがない
• 公園などの、リラックスできる公共空間がない114 10.ムンバイ
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査115 大雨によって洪水が発生し交通網が麻痺する
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
ムンバイの災害対策分野における課題
治水インフラ(ダム)の
処理能力不足
施設の適正な維
持管理が不十分施設の維持管
理のノウハウが
不十分
インフラの整備・
老朽化対策の
財源が不十分
既存のダムの処理能
力の低下
政府の品質管
理が不十分
洪水が発生しやすい地形(
低い湿地帯である)
担当機関の意
識が低い
政府が地下鉄
や港湾インフラ
、不動産開発等
を優先
排水インフラの
重要性に対する
意識の低さ
インフラ整備に
関するノウハウ
が不足
品質管理のノウ
ハウが不十分S排水インフラの処理能力不足
不規則な集中的豪雨
の発生
気候変動
新しいダム施設の整
備不足
ダム開発には多
大な時間・労力
を要する
既存の排水インフラの維
持管理が不十分SSS道路の状態が
悪い
都市鉄道路線
数が少ない
通勤手段の不足
災害による影響
を予測できないS116
都市部のスラム街の影響により衛生面および治安面に懸念がある
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
ムンバイの環境衛生分野における課題
貧困層の増加 基礎的な生活インフラの未整備
都市計画が未成熟
スラム住民への
経済的支援の
不足
都市の発展に
伴う都市流入人
口の増加
地価上昇による
一般的居住地
の家賃高騰
スラム居住者の
定着
(第二世代の増加)スラム街を整備
するための財源
不足
スラム街整備に
関する政策が不
十分
スラム街の再開
発に対するスラ
ム住民の反発
スラム街での非
正規の仕事へ
の依存
都市計画の
ノウハウ不足SS
低所得者向け
住宅の不足
犯罪の増加
用途地域の区
分が曖昧
生活苦 社会情勢の変化
警備業務を民
間へ委託する
文化が未形成
防犯機能の不足 警察官の不足
職業の労働
環境・待遇が
悪い
雇用拡大の
予算がない
民間セキュリ
ティ会社の不足危険性が高い
業務が多い
整備財源の不足業務の支援・
効率化の技
術・設備の不足S S
防犯システム
の機能性が低いS117 健康維持に必要なストレス発散や運動ができる公共空間や運動施設が十分にない
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
ムンバイの健康分野における課題
公園等の公共施設の整備が不十分 運動施設(民間)の整備が不十分
公共施設の運用サービスが
不十分
土地の不足
公共施設の運
用・管理の財
源の不足
公共施設の整
備に関する法規
制の整備が不
十分
オフィスビル等
の商業施設開
発が優先されて
いる
担当機関のノウ
ハウの不足
公共空間の
重要性に対する
担当機関の意
識の低さ
行政サービスの
整備が不十分
サービス提供会社が少ない
サービスを利用
できる消費者が
まだ限定的
事業の採算性
が合わない
健康意識が高
い市民がまだ多
くない
狭いスペースを
活用した施設運
営のノウハウが
少ない
都市人口の増
加に伴う需要ひ
っ迫SSSS
外で運動できない
大気汚染
気温が高温
デリー「環境衛
生分野」のツリ
ーへSS118 10.ムンバイ
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出119 主要課題に対するコメントとデータとの比較
ムンバイにおける課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 毎年モンスーンの時期には、大雨に
よって冠水が発生する。それによって
交通が断絶し、通勤も非常に困難に
なる
• 毎年の大雨によって道路が冠水する
ため、排水システムの改善が必要。
• 大雨によって道路の状態が悪くなり、
補修されず急速に劣化している。路面
には多数のくぼみができ、歩行すら大
変危険である。雨季には通勤できず
在宅せざるを得ない人も多い。
• 排水処理率:63%*1
• ムンバイにはアジア最大のスラム街
が存在し、それらがオフィス街と隣接
している。スラム街は衛生環境が悪く、
かつ犯罪が多発する等の治安面の懸
念もある
• 実際にスラム街がオフィス街に近接し
ており、ビジネス面で様々な問題を引
き起こしかねない。例えば、クライアン
トが自社オフィスへの訪問を忌避する、
清潔さが維持できない、食事できる場
所がない、等。
• スラム人口割合:41%*2
• 適度な運動をするためのジムがない
• 公園などの、リラックスできる公共空
間がない
• ムンバイに公共の公園はほとんどなく、
わずかに存在する公園もメンテナンス
は実施されていない。
• ムンバイで人気があるリラックスス
ポットはビーチであるが、混雑している
ことが多く、メンテナンスも十分でない。N/A 大雨によって洪水が
発生し、市民生活が
麻痺する
 大規模なスラム街が
オフィス街近くにあり
、衛生面および治安
面に懸念がある
 健康維持に必要な
ストレス発散や運動
ができる公共空間や
運動施設が十分に
ない
*1 https://www.hindustantimes.com/mumbai-news/now-that-sanitation-rates-have-improved-can-sewage-treatment-get-attention/story-lEqyddK2hwpqpTY4mlsVrM.html
*2 http://worldpopulationreview.com/world-cities/mumbai-population/120 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
排水インフラの重要性に
対する意識の低さ
 スマート下水監理
広域監視を中心に映像監視、設備
管理、管路管理などの各種サービ
スをワンストップで提供
健康意識が高い市民が
まだ多くない
外で運動できない
品質管理のノウハウが不
十分
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 エアモニタリング
大気汚染情報をリアルタイムに提
供し、外出時の人体への影響につ
いてアラートを行う。
実用例
 ストレス発散や運
動ができる公共
空間や運動施設
が十分にない
 大雨によって洪
水が発生し市民
生活が麻痺する
明電システムソリューション株
式会社の「アクアスマートクラ
ウド」は処理水を放流する前
に水質を計測値で確認すると
ともに、放流
後の水質を
映像で目視
確認するこ
とで2重確
認を行うこ
とが可能。
出典: https://www.meidensha.co.jp/
mss/system/sys_03/sys_03_03/index.html
IQAir AG社の「AirVisual」は
過去、現在、未来の大気汚染
データ:80か国10,000都市以
上の汚染物質に関する詳細
な数値を知
ることが可。
また、72時
間先までの
大気汚染及
び天気予報
についても
提供。
出典: https://www.airvisual.com/121 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
 ムンバイの地上の鉄道(ムンバイ近郊
鉄道)は、ムンバイで最も利用者が多い
交通システムであるが、供給が需要に
追いつかず、ラッシュアワー時の利用は
大変混雑するため、危険である。こうし
た混雑によって、社内・駅構内での盗難
の多発、電車からの転落による死亡事
故等も発生している。電車の供給量の
強化ならびに、サービスクオリティや利
便性の向上が必要である。
 また、線路を横断する、我先に乗ろうと
して押し合いになる、車内トラブル等、
乗客のマナーが悪いため、規則を強化
すべきである。
 上記のような鉄道へ需要集中を緩和す
るために、地下鉄や道路交通の整備・
改善も必要である。
 人流解析
移動する人の動きを計測し、建物全体で
の人の流れの再現。動線の最適化、乗
客の誘導支援、最適なダイヤ作成の支
援等に活用
出典: https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2016/10-
11/03/index.html?WT.mc_id=ksearch
 異常状態検知システム
カメラ映像とAIを活用して、踏切内への
立入の検知し、事故を未然防止。
同様の技術を用いて、「怒り」の表情検
知による乗客のトラブル防止、姿勢の異
常状態検知による転落防止等に活用
出典:
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP528554_W0A200C2000000/
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項122 11.コロンボ
- 各都市における主要課題の設定123 コロンボの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• Face to traffic jam everyday while commuting to work and traveling to home. Unable
to report to work timely. Difficulties on finding fastest route while driving.(1)-I. 渋滞時における混雑状況
を把握できない
• 定刻通りに運行される快適なバス交通を整備してほしい。バスの運行状況がリアルタイムで
わかる情報サービスもほしい(2)
• 渋滞は激しいが、仕方ないことである。仕事にもよく遅れる。Google Mapの渋滞情報も正
確ではない。
• 到着時間を分かるようにしてほしい。(4)
• Inefficiencies in releasing factory contaminants to the environment. Late collection of
Garbage cause adverse effects.(1)-II. ごみ分別が不十分かつ未
回収が頻繁に発生し、環
境に悪影響を及ぼしている
• 家庭ごみは家の前に出すことになっているが、ごみ収集サービスが所定の時間に収集しに
来ないことがあり、放置されて不潔である。(2)
• ゴミをあまり分別しなかった。最近、ルールがあるが、全ては守らない。(3)
• Lack of leisure areas in the city. Inadequate time available for the leisure.(1)-III. 自然資源を保護し活かしたい• スリランカの観光情報に関する情報が少ない。(2)
• 観光スポットはあるが、その周辺に飲食や買い物ができる商業施設が発達していない(2)
• 世界遺産、歴史を持っている他に、仏教としても良い国など、景色、自然を保全してほしい。(4)• 自然が大事である。環境保全対策が欲しい。(4)
• 商業店舗は個人商店が多いため、商品の品質がバラバラである。自宅近くの商店はあまり
品質が良くない。一方できれいなスーパーは自宅から遠いため徒歩で行きづらいが、車で
の移動は渋滞のため時間がかかる.(2)
- 主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• 物価が高いので、給料が低いので、問題する。仕事が見つかりにくいので、銀行の融資条
件に達さないことがおおい。しかも、利息が高い(7%〜10%)借りられない。(3)-124
コロンボの主要課題
 Smart Mobility
 Smart Retail
& Logistics
 Smart Energy, Water
& Waste
 Smart Tourism
& Leisure
 渋滞時における混雑状況を把握できない
• 渋滞やバス等の運行状況がリアルタイムでわかる情報サービスがないため、正確な到着時間を
把握できない。
• 目的地まで最短で到着する交通手段やルートを提示してくれるサービスが少ない。
 ごみ分別が不十分かつ未回収が頻繁に発生し、環境に悪影響を及ぼしている
• 廃棄物の適切な処分やリサイクル等の環境保護への意識が低い。
• ごみ収集サービスが所定の時間に収集しに来ないことがあり、放置されて不潔である。
 自然資源を保護し活かしたい
• 豊かな自然をレジャー施設や観光資源へと有効に活用できていない。
• 観光スポットの周辺にゆっくり過ごせる飲食店やお土産店がない。
• 都市の中心部にレジャー施設が少なく、余暇を過ごす場所がない。
 コロンボは教育費・医療費無償等コロンボの福祉制度は手厚く現地市民の満足度が高い一方で、渋
滞時の運行状況把握やごみの分別及びリサイクル推進に対する課題意識が高まっている。
 また、豊かな自然環境に対して誇りを持ち保護に対する意識が強い反面、排ガス等の処理が適切か
つ効率的になされておらず、またそれらを観光資源へと有効に活用できていない意見がある。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題125 11.コロンボ
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査126 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
コロンボの交通分野における課題
渋滞時における混雑状況を把握できない。
運行状況の把握が難しい
リアルタイム交通データ分析ができない
システム整備
に対する財源
不足
リアルタイム交通データがとれない
交通情報提供手段が少ない
情報受信環境を備えていない
計測機能のレ
ベルが低い
計測データ
が少ない
計測器の不足
テレビ・ラジオ
から情報収集
する習慣がない
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
アプリ開発に
対する事業性
が乏しい
提供機関・媒体がない
データを一部
計測し損ねて
いる
分析システム
のレベルが
低いS最新のシステ
ムが導入され
てない
統計情報
(オープンデー
タ)は国・民間
企業が非公開SS
情報提供機関
の体制が非効率アプリケーショ
ンがないS SS
オープンデータ
が整っていない127
コロンボの環境分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ごみ分別が不十分かつ未回収が頻繁に発生し、環境に悪影響を及ぼしている。
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
収集計画が非効率
未回収が頻繁に発生
収集車の台数不足
分別が不十分
分別ルールが存在しない
回収後の処理施
設の不足
施設計画の敷地
がない
ごみ置き場の
掲示・回収方
法が不適切
資源毎のゴミ
箱・置き場が
ない
施設計画のノ
ウハウがない
台車購入の予算
不足
不法投棄行為が多い
投棄に対する
取り締まりが
無い
収集ルートが
最適化されて
いない
収集ルートと
なる道路が整
備されていないゴミを堆積す
る習慣
収集ルートの
分析ノウハウ
がないSSS一般人にご
みの適切な
廃棄習慣が
浸透していない回収実績が
管理されてSゴミのリサイク
ルに関する知
識がないSリサイクルコス
トが高額SS
環境保護へ
の意識が低いS
マネジメント
人材が不在128 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
コロンボの観光分野における課題
自然資源を保護し活かしたい
施設を整備できない 施設の老朽化
自然を活かしたレジャー施設が少ない
施設整備が環
境破壊に繋が
る懸念
施設整備の需要が少ない
観光交通(シャトルバス等)
が整備されていない
道路整備に
対する財源不足貴重な資源との認知が
されていない
観光資源の
選別ができ
ていない
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
環境に配慮し
た施設整備ノ
ウハウがない
施設や自然
の維持管理
ができていない設備更新に
対する財源
の不足
管理者が施設
・自然を長寿
命化させる意
識が低い
植栽管理マ
ニュアルがない維持管理を向
上させるため
の技術不足
施設のマネジ
メント人材の
育成ができて
いないSS
公共工事に対
する財源の不足民間資金の
調達・活用が
できていない
法制度・枠組
みが整理され
ていない
対応可能な民
間企業が少ないS
外の気温の
上昇
環境問題に
対する教育不足車両整備に対
する財源の不足自然保護・
管理ができ
ていないS観光資源に
向かない
観光ルートが
整備されてい
ないSマスタープラン
・観光戦略の
未整備
観光・レジャー産業が発展していない129 11.コロンボ
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出130 主要課題に対するコメントとデータとの比較
コロンボにおける課題に対する見解
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 渋滞やバス等の運行状況がリアルタ
イムでわかる情報サービスがないた
め、正確な到着時間を把握できない。
• 目的地まで最短で到着する交通手
段やルートを提示してくれるサービス
が少ない
• 渋滞やバスの運行状況がリアルタ
イムでわかる情報提供サービスや、
ルート案内サービスはない。
• ただし、ここ数年で渋滞は改善して
きているとの印象。ピックミー(ber
に類似するサービス)に、一般的タ
クシーだけでなく、トゥクトゥクも登
録されており、便利である。N/A• 廃棄物の適切な処分やリサイクル等
の環境保護への意識が低い。
• ごみ収集サービスが所定の時間に
収集しに来ないことがあり、放置され
て不潔である
• それほどごみが溢れかえっている
という印象はない。
• 公的機関では、ごみを分別するよ
うにゴミ箱が設置されており(実際
に分別できているかは別として)、
ごみ処理に対する意識は以前より
高まっているように思われる。
・ゴミ処理率を確認する
• 豊かな自然をレジャー施設や観光資
源へと有効に活用できていない。
• 観光スポットの周辺にゆっくり過ごせ
る飲食店やお土産店がない。
• 都市の中心部にレジャー施設が少な
く、余暇を過ごす場所がない
• 余暇をすごす場所ヤレジャー施設
はあまりない。高級なデパートが
少しある。
• 欧米や日本からの駐在員は、休日
はホテルで過ごしていることが多
い印象。N/A 工場からの汚染物質
の放出やごみ収集の
遅延により環境に悪
影響を及ぼしている
 自然資源を活かした
観光・レジャー産業の
整備・活性化ができ
ていない
 渋滞時における混雑
状況や公共交通の運
行情報を提供するサ
ービスが少ない131 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
データを一部計測し損ね
ている
 ルート最適化
タイムテーブルと公共交通機関の
IoTデータの組み合わせを使用して
、最適な移動方法を提供
資源毎のゴミ箱・置き場が
ない
ゴミを堆積する習慣
最新のシステムが導入さ
れてない
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 スマートゴミステーション
ステーションの位置、周辺道路情報
や取扱廃棄物などの属性情報を登
録によりステーションの状況を把握
実用例
米国のDatumix株式会社は
過去の配送ルートや走行履歴
などから、道路における混雑
状況や事故の発生件数など
を分析し、AIによる状況に応
じたルートの決定を行い、渋
滞や事故多
発地点の経
由の事前の
回避を提供。
出典: https://datumix.co.jp/optimus/route-optimization/
富士通エフ・アイ・ピー株式会
社の「CLENALIFE」は電子地
図上に、一般家庭から出る可
燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみ
を集める集積場(ごみステー
ション)に加えて、そのごみス
テーションの属性情報(取扱い
廃棄物、収集スケジュール、
管理元自治会等々)を登録す
ることにより、ごみステーショ
ンの状況を地図上で一目で見
ることが可能
出典: https://www.fujitsu.com/jp/group/fip/solutions/industry-
solutions/public-sector-
solution/administration/waste/garbagestation/
 渋滞時における混
雑状況を把握でき
ない
 ごみ分別が不十分
・未回収が頻繁に
発生し環境に悪影
響を及ぼしている132 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューション案
 コロンボでは比較的介護施設が整備さ
れていて、介護施設で入居者の情報が
紙で管理されている。
 人員は足りているようだが、事務作業の
効率が低く、また情報量、他の機関との
連携が難しい。サービスにもホスピタリ
ティ少なく、無駄が多い。
 RPA(介護)
介護の事務作業、介護報酬請求業務
や経理業務などのオートメーション化
 AI介護ロボット
物体の検知や移動、物品の運搬や見
守り、運搬、緊急対応などに貢献
出典: https://rpa-technologies.com/insights/rpa-medical/ 出典: https://robotstart.info/2019/06/06/aeolus-orix.html
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項133 12.クアラルンプール
- 各都市における主要課題の設定134 クアラルンプールの主要課題
*1:"Sugary drinks tax important first step, but obesity in Malaysia demands further action" WHO, 3 May 2019. (https://www.who.int/malaysia/news/commentaries/detail/sugary-
drinks-tax-important-first-step-but-obesity-in-malaysia-demands-further-action)
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• Currently only 1 bus line at the area I stay and there is no fixed bus schedule.
• Most of the family have multiple cars, congested traffic, especially during peak hour
and insufficient parking. (1)
• 政策において公共交通へ
のモーダルシフトを志向
I. 通勤・通学が不便である
• Time consuming – 1.5 to 2 hours per day on traveling back and forth
Unpredicted traffics jam during rush hours if driving
Occasion train breakdown causing late arrival to work/meetings(2)
• The commute to KL takes more than 1 hour if I leave after 7am. So I typically wake up
before 6am and leave home by 6:15am to avoid traffic.
The public transport for KL has improved but there is still a need of better bus-to-train
or parking near train systems to enable more consumers to use the new train system.(3)• Garbage not thrown at the designated bins, sometimes thrown directly from the
house of a few level high. People lack of awareness of sorting and recycling waste.
Rubbish thrown into drains causing blockage.(1) -
II. ごみが適切に処理されて
いない
• Garbage seregation is promoted but is not properly handled at central collection point.(2)• High percentage of obesity in Malaysia
• 東南アジアで肥満率が最
も高く、砂糖税等の政策も
導入*1III. 肥満率が高く糖尿病患者
が増加している
• Some of the private school secondary education qualification like UEC not recognized
by public tertiary institution(1)
- 主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• Race-based public education quota systems need to be eliminated(3) -135 クアラルンプールの主要課題
 Smart Mobility
 Smart Waste
 Smart Health
 通勤・通学が不便である
• パークアンドライドスペースが少ない。
• 公共バスのバス停には路線図も時刻表もないため、どこへ行くかもいつくるかも分からない。
 ごみが適切に処理されておらず悪臭が発生
• 一般の人々はごみの分別やリサイクルに対する認識が乏しい。
• 指定された場所へ捨てずに、他の場所や不法に投棄してしまう。
 肥満率が高く糖尿病患者が増加している
• 高カロリーの食糧摂取が多くみられ、世界の中でも肥満率が突出している。
• 車社会と高温多湿の環境により運動機会が少ない。肥満率は東南アジアで最高レベル
 ASEANの中でも比較的都市化が進んでいるクアラルンプールでは、通勤・通学に便利な公共交通手
段が不足している。
 また、車社会、高温多湿、高カロリー料理などの要因から肥満率が高くなっている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題136 12.クアラルンプール
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査137 クアラルンプールの交通分野における課題
通勤・通学が不便である
パークアンドライドが進まない
遅延が生じる
ため時刻を
正確に予想
できない
ラッシュアワーでの渋滞
リアルタイム運
行情報が非公
開のため、アプ
リ開発ができないパークアンドラ
イド設備が不
十分
鉄道・バスが不便
フィーダーバス
網(駅から自宅
)が不足
時刻表がない検索サービス
がない
民間企業に委託
されており採算
が合わない
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
路線の改
廃が多い
不採算路
線が廃線と
なる
Prasaranaが
独占している
採算性が合
わない
都市鉄道は
郊外エリアは
未整備
根強い車社
会により民間
事業者では
採算がとりず
らい
国鉄は運行
数少なく不便
自動車通勤が主流 鉄道・バスのイメージが悪い
低所得者層
の乗車率が
高い
整備敷地を
確保できないSSS138 クアラルンプールのごみ収集・処理分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ごみが適切に処理されておらず悪臭が発生
リサイクル技術の
不足
リサイクルが普及していない
人口増加
ごみの適切な
分別習慣が浸
透していない
ごみ廃棄量の増加
指定場所にゴミが捨てられていない
ゴミのポイ捨
てに対する
取り締まりが
無い
財源不足により
増設が困難
ゴミが分別さ
れていない
ゴミの廃棄方法が不適切
プラスチックご
みの輸入量の
増加
ごみ処理施設の
不足
ゴミがリサイ
クルできる状
態になってい
ない
適切な収集
場所へ廃棄さ
れない
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範 ゴミのリサイク
ルに関する知
識がない
生産者及びメ
ーカーの排出
ごみ量の増加
環境配慮に対
する意識が低いごみ置き場の管理
が不適切
リサイクルマナー
の不足
リサイクル施設
が不足S SS S139 クアラルンプールの健康分野における課題
肥満率が高く糖尿病患者が増加している
運動不足
車社会で歩く機
会が少ない
健康的な食事習慣の欠如
外食機会が多い
外食費が安く、
自炊よりも手軽
である
運動機会が少ない
食事が高カロリー 運動できる環境が少ない
マレーシアの料
理は油が多く、
飲料も砂糖が
多い
公園や運動施
設が整備され
ていない
高温多湿で外で
過ごしにくい
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
栄養や健康食
品に対する意識
が低い
家庭や学校で
の教育が少ない健康面よりも
安い食材を重視運動対する意
識が低い
家庭や学校で
の教育が少ない学校給食がない歩道の整備が
遅れている
「交通分野にお
ける課題」のツ
リーへ
S S S140 12.クアラルンプール
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出141 主要課題に対するコメントとデータとの比較
クアラルンプールの課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
・自動車台数増加による駐車場不足、
パークアンドライドスペースが少ない
・バス停には路線図も時刻表もない
ため、どこへ行くかもいつくるかも分
からない。
・企業とのアポの際に、駐車場を
見つけるのに10分かかる。
・電車だけで行ける場所が少ない。
車文化で駅から10分歩くのは考え
られない。電車網でカバーできて
いないエリアが多い。N/A・一般の人々はごみの分別やリサイ
クルに対する認識が乏しい。
・指定された場所へ捨てずに、他の
場所や不法に投棄してしまう。
・他の東南アジア諸国よりは優れ
ていると感じるが、ゴミの分別はな
されていない。
・プラスチックの輸入ゴミが問題と
なっている。N/A・外食費が安く自炊よりも手軽。
・料理は脂っこく健康面にはよくない。
・高温多湿で日中は外に出たくない。
また、歩くことも避けたい。
・ふくよかな方が、裕福の象徴にな
ることから、痩せるインセンティブ
が働いていないのではないか。
・東南アジアの中で肥満
率が最も高い
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。
 通勤・通学が不便で
ある。
 ごみが適切に処理さ
れておらず悪臭が発生 肥満率が高く糖尿病
患者が増加している142 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
遅延が生じるため時刻を
正確に予想できない
環境配慮に対する意識が
低い
ゴミがリサイクルできる状
態になっていない
リアルタイム運行情報が
非公開のためアプリ開発
ができない
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
実用例
 ごみが適切に処
理されておらず悪
臭が発生
 通勤・通学が
不便である
トヨタ自動車の「my route」は
バス・電車・タクシー・サイクル
シェア・レンタカー等を組み合
わせ移動ルート選択肢を提供。
出典: https://www.myroute.fun/index.html
JFEエンジニアリング株式会
社の「ガス化溶融炉技術」ご
みとともにコークスと石灰石を
用いて、高温でガス化・溶融
することに
より、ごみ
をスラグ・
メタルとい
った有効利
用可能な資
源に変える
システム
出典: https://chakr.in/
 マルチモーダルナビゲーション
公共交通、徒歩、自動車、シェアサイク
ル、デマンドバスなどを組み合わせた
マルチモーダルナビゲーション
 高温溶融
ゴミを高温で溶かし、減容化・無害化す
る日本独自のゴミ焼却方法。焼却後の
物質はリサイクル可能143 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューションニーズ
・Eコマースを頻繁に利用し、主にLAZADA
を使っているが、発注してから1週間ぐらい
要する、また、届いていないのに届いてい
る設定になっている。
・Grabフードは頻繁に使っているが、配達
も正確性も高く、満足度も高い。た 配送トラッキング
国内外の主要な宅配便サービスのトラッ
キング(配達状況追跡)を提供
 置き配
置き配バッグと端末アプリを使った物流
システムで宅配の再配達問題を解決
出典: https://www.parcelmonitor.com/jp-track-japan/ 出典: https://www.yper.co.jp/
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項144 13.ジャカルタ
- 各都市における主要課題の設定145 ジャカルタの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• Traffic jam and limited option for commuting to work.(1)
• Peak hours varies and unpredicted, making people like to spend their time at the
office until late night to go home.(1)
• 1000人あたりオートバイ
数:419台
• 1000人あたり自動車数:
198台
I. 渋滞により通勤に長時間
を要し疲弊する
• Heavy traffic, congestion frequently happened. Work construction (toll development) is
contributing to heavier traffic congestion. Trucks and containers (long vehicle) are
worsening the traffic.(2)
• Tired, exhaustive because of the traveling to and from office to home.(2)
• Too many vehicles, amount of road are not enough to facilitate number of vehicles,
public transportation is not enough and unreliable(almost late). Number of train line is
are few. It takes about 30mins to the nearest train station from my home.(3)
• Flood frequently occurs especially when heavy rain comes.(3) • 2019年末に発生した洪水
により60名以上の死者が
発生*1II. 大雨によって大規模な洪
水が発生し、多数の死傷
者を発生させる
• Flood warning system, drainage quality(2)
• Unclear medical security by the government (who pays how much and what do we
get) and the tracking – based on our ID.(1)
• 2014年に国民皆保険制度
を導入*2III. 国民皆保険制度が不十分
である
• Government health insurance (BPJS) is very challenging (high demand, low services)(2)• There is no National health insurance like in Japan(3)
• Home for newlyweds, especially in the Jakarta area is expensive. Need affordable
housing program with financial aid for the young people to afford their first house(1)
- 主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• Voting system in questions, in terms of quality, fairness, validity (2) -
*1:"66 people now killed by flooding in Jakarta, and more rain appears to be on the way" CNN, January 6 2020. (https://edition.cnn.com/2020/01/06/asia/jakarta-floods-intl-
hnk/index.html)
*2: "Deloitte Indonesia Perspectives: First Edition September 2019" (https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/id/Documents/about-deloitte/id-about-dip-edition-1-full-en-
sep2019.pdf)146 ジャカルタの主要課題
 Smart Mobility
 渋滞により通勤に長時間を要し疲弊する
• 公共交通が少なく、信頼性が低いため、自家用車(とりわけ二輪車)が非常に多い。
さらに道路状態の悪さ、交通ルールの不徹底、駐車場不足による路上駐車の横行、道路の整備
・拡張より商業施設開発を優先、トラックやコンテナ車のような大型車両の増加、等により渋滞が
悪化。結果、数十キロに2時間を要する場合もあり、通勤に多大な時間を要し、疲弊させる。
 世界でも有数の渋滞問題を抱える都市であるジャカルタでは、都市鉄道の整備を進めている。他方、
公共整備よりも経済成長を優先するケースがよく見られる。
 また、医療制度については健康保険制度の導入が進んでいるが負担額等の情報開示が不透明ため
、満足度が低い。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題
 Smart Health
 Smart Buildings &
Living
 大雨によって大規模な洪水が発生し、多数の死傷者を発生させる
• 大雨が降ると、頻繁に洪水が発生する。さらに洪水によって、街の水没や、多数の死者・避難民
の発生等、大きな被害が出ている
 国民皆保険制度が不十分である
• 国民医療保険制度の導入が開始されているが、十分に整備されておらず、コストとメリットが明確
ではない。また支払った額と受けられるサービスに関する情報がきちんと管理されていない(確認
することができない)。
• 医療保険制度に対する需要は高いが、受けられるサービスが不十分である147 13.ジャカルタ
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査148 S
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ジャカルタの交通分野における課題
渋滞により通勤に長時間を要し疲弊する
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
道路交通需要の増加
事故渋滞
利便性ある鉄道イ
ンフラの不足
道路の状態が
悪い
自家用車の
増加
道路が少ない、
幅が狭い
トラック・コンテ
ナ車の増加
経済発展に伴
う都市人口増加道路容量の不足
交通容量を上回る交通需要(自然渋滞)
路上駐車が道
路容量を圧迫
交通量調査に基
づく最適な道路
インフラの整備
不十分
事故防止のシステム・仕
組みが不十分
所得向上によ
る自動車保有
率の
向上
電車を定時運
行させる技術・
ノウハウが不
十分
鉄道網を拡
張するため
の財源不足
商業施設開
発を優先
交通違反の取
締りが不十分
交通ルールを
習得させる免許
制度の整備が
不十分
駐車場が少ない交通ルールの不徹底
交通事故防止
に関するノウハ
ウが
不十分S信号や標識が適切に
設置されていない
交通インフラ
を整備する
財源不足SSS汚職によりイン
フラ開発を優
先しない149 S
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ジャカルタの災害対策分野における課題
大雨によって大規模な洪水が発生し、多数の死傷者を発生させる
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
排水インフラの不足
排水路のごみ
詰まり
予想負荷を
超えた長期
間の使用
公共工事に対
する財源の不足既存の排水インフラの処理
能力が低い
新しい排水インフラの整
備が不十分
地形の問題・変化
上流域の自然消失に
よる保水力低下
適切な水資源
の利活用に関
するノウハウ
が不足
生活用水のた
めの過度な地
中掘削
降雨量の増加
開発の進展に
伴う集水域の
減少
首都地域の地
盤沈下
排水インフラの
重要性に対す
る担当機関の
意識の低さ
設備の適切な
維持管理のノ
ウハウが不十分S SS水が溜まりやすい
地形
海抜が低い(
市街地の約 40
%は海抜下)
洪水リスクのあ
る多数の川に
囲まれているSS
人口増によりリ
スクの高い開
発規制が困難
リスクの低い高
台への転居は
経済的に困難150 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ジャカルタの医療分野における課題
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
国民皆保険制度が不十分である
医療サービスが不十分
制度設計が不十分
個人の登録内容や支
払い状況等の情報管
理が不十分
制度内容に
関する情報
発信の不足
医療施設のキャパシ
ティー不足
個人情報管
理のノウハウ
不足
制度の持続性が不透明制度内容が複雑・不
明瞭
民間保険に加入済
みの富裕層は二重
で加入するメリット
が少ない
低賃金労働者
が多く、支払い
が不安定
保険料収入が
不安定、加入
率の伸び悩み
医療サービス・品質
が不十分
情報基盤の整
備のための財
源不足
公立医療機
関の収入源
が限られる
先端の医薬
品・医療機器
が不十分
施設の老朽化適切な施設
の維持管理
ができていない医療人材の
不足S S医療教育の
不足(募集人数
が少ない、学費
が高い)
業務効率化、
サービス向上
のノウハウが不
十分SSSS
患者数の増加予防医療の
知識の不足S151
13.ジャカルタ
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出152 主要課題に対するコメントとデータとの比較
ジャカルタにおける課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 公共交通が少なく、かつ信頼性が低
いため、自家用車が非常に多い。
• 道路の状態が悪く、交通ルールも徹
底されていないため、渋滞が発生。
• 会社まで十数kmでも2時間を要する
等通勤に多大な時間を要し疲弊する。
• 大型車両の走行、道路の拡張・整備
ではなく商業施設開発が優先されるこ
とによって、渋滞が悪化
• 地下鉄が整備されたが限定的。
ローカルは自家用車かバイクタク
シーであり、渋滞による遅刻は当
然との思考。
• 商業施設開発優先によりインフラ
整備が遅延しているのではなく、
汚職等により都市計画を無視し
無作為に施設を開発している傾
向がある。N/A• 大雨が降ると、頻繁に洪水が発生す
る。さらに洪水によって、街の水没や、
多数の死者・避難民の発生等、大き
な被害が出ている。
• 左記の通り。洪水が発生すると、
企業活動ができなくなり、停電も
発生するなど、日常生活に大きな
影響が出る。N/A• 国民医療保険制度の導入が開始され
ているが、十分に整備されておらず、
コストとメリットが明確ではない。また
支払った額と受けられるサービスに関
する情報がきちんと管理されていない
(確認することができない)。
• 医療保険制度に対する需要は高いが、
受けられるサービスが不十分である
• 企業に加入を義務付けた保険で
あるが、診療が受けられる病院が
指定されている。指定先は企業
の最寄や居住地によって決まり、
病院によっては受診できる医療レ
ベルが変わってくるため不平等さ
はある。資規制により医療を輸入
できないため、医療の進化が遅い。N/A 大雨によって大規模
な洪水が発生し、多
数の死傷者を発生さ
せる
 国民皆保険制度が不
十分である
 渋滞により通勤に長
時間を要し疲弊する
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。153 日本電気株式会社の「リアル
タイム氾濫予測システム」は
中小河川を含む全国の河川
を対象に、災害発生の危険性
を察知する河川水位の予測
のみならず、越水後の氾濫状
況までを
リアルタ
イムに予
測するこ
とが可能。
課題の原因分析とソリューションの提言(2事例)
主要課題に対する因子分析とソリューション
交通量調査に基づく最適
な道路インフラの整備不
十分
 リモートワーク
場所の制約をなくし仕事に必要なデ
ータやコミュニケーションの場を集
約によりどこでも働ける環境を整備
設備の適切な維持管理の
ノウハウが不十分
洪水リスクのある多数の
川に囲まれている
電車を定時運行させる技
術・ノウハウが不十分
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 リアルタイム氾濫予測
地形データ等を基にメッシュに分割
し、リアルタイムの雨量データを用
いて河川の増水や氾濫状況を予測
実用例
 大雨によって大
規模な洪水が発
生し、多数の死傷
者を発生させる
 渋滞により通勤
に長時間を要し
疲弊する
サイボウズ株式会社の「キン
トーン」はキントーンは、あな
たの「その仕事」に合わせたク
ラウドサービスで、IPアドレス・
クライアント証明書で接続端
末を制限、外出先でも安全に
使用可能。緊
急時には管
理者が遠隔
でアクセス権
を停止できる。
出典: https://kintone.cybozu.co.jp/purpose/remotework.html
出典: https://jpn.nec.com/press/201906/20190628_02.html154 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューション案
 都市部と地方で受けれる教育水準に格
差がある。地方では、汚職の関係で学
生に教科書が届かない事態も存在して
いるという。
 農村部では農業に従事する人口が多く、
子供を学校に行かせずに働かせる親も
少なくないと聞く。
 デジタル教科書
一体的に使用することでより効果的な学
びを実現できる学習者用デジタル教材
 オンラインスクール
全国の学校の教科書に対応した動画で
学習でき、授業の予習・復習をサポート。
出典: https://www.tokyo-shoseki.co.jp/ict/dkyokasho_el/ 出典: https://school-tv.jp/about
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項155 14.マニラ
- 各都市における主要課題の設定:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査156 マニラの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• Long travel time going from workplace to home leaves very minimal time for rest and
sleep. Takes on the average 2.5 to 3.5 hours to travel from home to work given the
severe traffic conditions from home to the workplace.(1)
• Work tasks tend to oftentimes be highly stressful and outputs need to be urgently
accomplished.(1)-I. 高い仕事の負荷および長
い通勤時間によって、ワー
クライフバランスが悪い
• Heavy Traffic, especially along C5 Road. It takes 2 hours from home to office.(2)
• Need work life balance, rules on how long meetings should be, no overtime work(2)
• Heavy traffic during weekends are the challenges encountered going to church and
mall and spending time with family outside home.(3)
• Traffic is very unpredictable and terrible more often than not. When I need to go to my
kid’s school, I tend to leave overly early just so I will not get caught up in possible
heavy traffic. It is stressful.
• Traffic is really the problem. We tend not to go out anymore knowing we’ll spend more
hours in traffic. (4)
• Water supply is rotational (cut off at night). Effective water supply system is a must
and check the possibility of opening a new source of water supply (dams).(3)
• 無収水率:30%
II. 水の供給が定期的に止ま
るため、家事に支障が出る
• Rotational scheduling of water availability thus making it hard to accomplish chores
like laundry and washing dishes(4)
• Water supply is constantly unavailable.(5)
• Speed and quality of logistics systems vary significantly(1)-III. 物流管理・物流網が十分
に整備されておらず、配送
サービスの遅延が常態化
• Late deliveries are very common due to high volume unmanaged (demand and supply
ratio). (3)
• Unreliable food delivery (incomplete orders, late delivery)(4)
• Banks are still too conservative and have created one-sided arrangements. Banks,
especially government banks, need to provide friendlier loan options.(5)
- 主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• Unsecured transactions due to scams and private information leak. Need effective
security measures to make sure no private information is leaked.(3)-157
マニラの主要課題
 Smart Mobility
 Smart Energy,
Water & Waste
 Smart Retail
& Logistics
 高い仕事の負荷および長い通勤時間によって、ワークライフバランスが悪い
• オフィスワーカーは勤務時間が長く、個人の休息や家族との時間が圧迫されている
• 安価で信頼できる公共交通が発達していないこと、慢性的な渋滞もワークライフバランス悪化の
一要因となっている
 水の供給が定期的に止まるため、家事に支障が出る
• 水の供給が定期的に止まるため、洗濯や洗い物等の家事を終えることができない
 物流管理・物流網が十分に整備されておらず、配送サービスの遅延が常態化
• 需給の分析、渋滞も考慮したうえでの配送時間の管理ができておらず、配送サービスやフードデ
リバリーの遅延が常態化している
 マニラではワークライフバランスの改善に関して意識が高まっている。主な要因として、渋滞によって
通勤時間が長くなり、結果的に仕事に割く時間やストレスが増大していることが意見として挙げられて
いる。
 また、マニラ特有の課題として、安定的な水の供給が共通課題として認識されている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題158 14.マニラ
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査159 マニラのモビリティ分野における課題
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
遠隔地居住に伴う長時間通勤
渋滞による長時間通勤
中心地の住
居費が高い
高い仕事の負荷
遠隔地に住むこ
とが多い家族・
親戚等との居住
を優先
人員不足で
労働負荷が
過大
通勤時間が長い
高い仕事の負荷および長い通勤時間によって、ワークライフバランスが悪い
専門スキル
を持つスタッ
フが少ない
仕事量の増加
経済成長に
伴う仕事量
の増加
道路整備状況
が悪い
都市鉄道の
故障や低速
が頻発
人口流入に
よる交通量
の増加
幹線道路以外
の一般道路が
狭くアクセスが
悪い
公共交通の整
備が不十分
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
一人乗り車
両が多い
信号機が機
能していない
交通制御シ
ステムレベル
が低い
交通整理を
実施する警
察官が機能
しないSSSSS S160
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
マニラのエネルギー分野における課題
水の供給が定期的に止まるため、家事に支障が出る
水源の不足
需要増加
ダム整備の不足
ダム容量の
不足
施設整備計
画が進んで
いない
ダム数の不足都市人口の
増加 盗水の発生
メンテナンス
がなされてお
らず配水管が
老朽化
供給容量が不足
水道会社の供給能力不足
節水意識の
不足
無収水率が高い
漏水の発生
給水対象住
戸が過剰
家庭消費量
の増加
降水量不足
季節要因の
管理ができ
ていない
他エリア管轄給
水会社との連携
不足
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
洗濯・食洗等家事
における水使用量
の増加
浄化槽の
不足
汚泥・下水
処理能力が
高くない
S S SSS SS SS161 マニラのロジスティクス分野における課題
物流管理・物流網が十分に整備されておらず、配送サービスの遅延が常態化
物流システムが飽和状態
渋滞の発生
配送会社の質が低い
配送サービスが不十分
滑走路不足
(NAIA)
空輸および海輸の許容量超過
ストレージ・コ
ンテナヤード
不足
NAIAおよび
マニラ港への
一極集中
道路計画が
不十分
陸上輸送がトラック輸送頼み
事故の多発
過積載
周辺港湾/空
港が脆弱
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
民営化されて
ない
鉄道貨物輸
送が存在しない交通マナー
が悪い
低賃金
MVUC法に基
づく重量規制・
罰金の
存在
配達員が時間を
守らない
モチベーションが
低い
配達員は自
転車か徒歩
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
S S SSSS162
14.マニラ
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出163 主要課題に対するコメントとデータとの比較
課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
・オフィスワーカーは勤務時間が長く、
個人の休息や家族との時間が圧迫
されている
・安価で信頼できる公共交通が発達
していないこと、慢性的な渋滞もワー
クライフバランス悪化の一要因となっ
ている
・多くのフィリピン人スタッフは定時
に帰宅する傾向にあるように感じ
る。
・通勤時間は長い。郊外エリアに
住み、長距離バスを使い片道2時
間程度かける風景は一般的であ
る。
・水の供給が定期的に止まるため、
洗濯や洗い物等の家事を終えること
ができない
・2019年前半に大規模な計画断
水が発生したこともあり、人々の
印象に強く残っているものと考えら
れる。
・ダムのキャパシティ不足や上水
供給計画の見通しが甘いのでは
ないか。
・上水道普及率は94%
と高いものの、無収水率
は30%あり、調査対象
国の中ではミャンマー・
インド・ジャカルタに次ぎ
悪い数値。
・需給の分析、渋滞も考慮したうえで
の配送時間の管理ができておらず、
配送サービスやフードデリバリーの
遅延が常態化している
・ネット通販時に商品が破損してい
たり、遅配が発生することは普通
にあり、改善を希望する。
 水の供給が定期的に
止まるため、家事に
支障が出る
 物流管理・物流網が
十分に整備されてお
らず、配送サービス
の遅延が常態化
 高い仕事の負荷およ
び長い通勤時間によ
って、ワークライフバ
ランスが悪い
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。164 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
中心地の住居費が高い
 リモートワーク支援(仮想オフィス)
場所や時間の制約にとらわれずに
業務を遂行。
配達員が時間を守らない
渋滞の発生
遠隔地に住むことが多い
家族・親戚等との居住を
優先
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 配送トラッキング
国内外の主要な宅配便サービスの
トラッキング(配達状況追跡)を提供
実用例
米国Citrix社のデスクトップ仮
想化技術はネットワーク越し
に遠隔地のパソコン本体を仮
想的に操作する利用方式を
提供している。
(株)ウケトルのウケトルとは、
ECショップで購入した商品の
再配達における物流企業・EC
ショップ・顧客の労力・時間な
どのコストの削減に貢献し再
配達コスト削減・EC成長に貢
献・CO2削減に寄与している。
 仕事の高負荷お
よび長時間通勤
によりワークライ
フバランスが悪い
 物流管理・物流網
が十分に整備さ
れておらず配送
の遅延が常態化
出典: https://www.citrix.com/ja-jp/
出典: http://uketoru.net/165 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューション案
・とにかく渋滞がひどい。駐在員の多くは
安全面から車通勤であるが、朝早く出発し
ないと渋滞に巻き込まれ定時に到着でき
ない。鉄道やバスはあるものの、安全且つ
便利に利用することはできない。
・信号が機能していない。警察官が交通整
理をしているケースもあるが、交差点の交
通処理が非常に低レベル
・河川が非常に汚く、異臭を発している。下
水処理が適正に行われておらず、汚水雑
排水が河川・海に垂れ流しとなっている。
 スマート信号システム(ARTEMIS)
流入交通量を正確に予測し、適切な信号制御
により渋滞を抑制する
 車両監視ソリューション(NTT)
交差点をモニタリングし交通量や通行車両を分
析し、渋滞解消や盗難車検知などにつなげる
 小型浄化槽
個別住宅やコミュニティエリアでの汚水処理を
行う技術
 スマート下水汚泥処理
下水汚泥の焼却に伴う環境負荷を低減し、同
時に高効率な発電も可能とする
出典: https://www.kyosan.co.jp/company/overview.html 出典: https://www.ntt-at.co.jp/product/verintsmc/
出典: https://www.fujiclean.co.jp/fujiclean/product/small/cen.html 出典: http://www.jfe-eng.co.jp/news/2019/20190806093726.html
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項166 15.ダッカ
- 各都市における主要課題の設定167 ダッカの主要課題
ヒアリング結果 (カッコ内の番号:各都市の回答者番号) 関連データ・政策等(参考) 主要課題
• Due to traffic jam it is very hard to schedule meeting away form office. It is almost
impossible to guess how much time it would take the reach to the desired location.(1)- I. 渋滞や事故の発生が多い
• Pedestrian and drivers are not maintaining the Traffic rules. Pedestrian crosses the
roads every where.(2)
• 渋滞がすごい。タクシーよりウーバーのほうが便利。人が多すぎるのに道は少ない。(3)
• Traffic congestion(4)
• I feel the garbage collection can be more efficient sorting wet, paper and plastic and
electric waste at the source so that a significant portion of it can be recycled.(1)-II. ゴミの収集が資源ごとにな
されておらず、効率的な回
収ができていない
• Garbage collection service are not good at all. There is a planning problem. Always
they do for a very short period or project basis not sustainable manner.(2)
• ゴミ問題もたくさんある。ゴミが排水に詰まって冠水する。(3)
• Garbage Collection(4)
• Dhaka have several parks, but considering the population it is less. Usually the leisure
facilities is not that much here. Aesthetical standard for Dhaka is currently low.(1)-III. 都心部における公園・レ
ジャー施設が不足している
• In the city there is a limited leisure facilities(2)
• Not good leisure facilities in the city. Need to build more parks, leisure facilities like
cinema hall, theme park for children.(4)
• The banks asks so many papers and high interest and also hidden charges.(2) - 主要課題として設定しないが、
インタビューを通じて提起
された課題認識
• Online shopping are mostly provide les quality of the product with high price for that I
am trying to avoid. Shops are many but no price and quality control.(2)-168
ダッカの主要課題
 Smart Mobility
 Smart Safety
 Smart Energy, Water
& Waste
 Smart Tourism &
Leisure
 渋滞や事故の発生が多い。
• 歩行者がルールを守らず道路上の至るところを横断するため、危険である。また、歩道上の物売
りも取り締まりが行われておらず、結果歩行者が道路に溢れることとなっている。
 ゴミの収集が資源ごとになされておらず、効率的な回収ができていない。
• 紙、プラスチック、電気の廃棄物等を資源ごとに効率的に分別ができていない。
• ゴミサービスの展望が短期的で持続可能な計画となっていない。
 都心部における公園・レジャー施設が不足している。
• 水辺等と調和したオープンスペースが不足している。
• また、公園・レジャー施設の利用者や観光客に対するインフォメーションの機能が少ない。
 世界で最も人口密度の高い国の一つであるダッカは、基礎的なインフラが整備されつつあるが、環境汚
染やゴミの問題、さらには高密な都市環境に対応した施設や歩行・道路空間の整備が求めれている。
 また、その空間を使用する際のルールの設定や遵守について課題意識が向けられている。
ヒアリング結果の傾向
関連カテゴリー
主要課題169 15.ダッカ
- 課題の複合化が都市に与える影響の調査:
ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査170 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ダッカの交通分野における課題
渋滞や事故の発生が多い。
財源不足
交通インフラの整備が未熟である
交通管制が機能していない
都市鉄道が
ない
違反者の管理
体制が機能し
ていない
マストランジットが不充分
歩道・車道が狭い
交通ルールが守られない
違反に対する罰則が厳しくない
罰則に対して
違反金を支
払わない
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
交通教育が
なされていないお金がなく支
払えない
犯罪者の逃
亡が簡単に
できる
事故に対する意識が低い
信号がない バス台数の
不足
賠償額が少額信号の不適
切な設置
適切な交通
量調査の未
実施
物売りの販
売規制がで
きてない
規制の未制定SS S効率的な管理
システムが導
入されていない171
ダッカの環境分野における課題
ゴミの収集が資源ごとになされておらず、効率的な回収ができていない。
収集計画が非効率
回収効率が悪い 分別された廃棄ができてない
回収作業に時間を要する
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
分別ルールが存在しない
ごみ置き場の
掲示・回収方
法が不適切
資源毎のゴミ
箱・置き場が
ない
不法投棄行為が多い
投棄に対す
る取り締ま
りが無い
一般人にご
みの適切な
廃棄習慣が
浸透してい
ない
ゴミのリサイク
ルに関する知
識がないSリサイクルコス
トが高額SS
環境保護へ
の意識が低いS
収集ルートが
最適化されて
いない
収集ルートとな
る道路が整備さ
れていない
収集ルートの
分析ノウハウ
がないSS
回収場所が
多いS袋に纏めて
捨てられてい
ない
回収作業人
員が少ない
ゴミ回収車の台
数不足
ゴミ出しのル
ールがない
業務が重労働ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査172 ロジックツリーを用いた都市課題の分析調査
ダッカのレジャー分野における課題
都心部における公園・レジャー施設が不足している。
運動やレジャーを楽しめる環境がない
施設の整備が不十分
利用料金が高い アウトドア施設で活動しない
治安が悪い
Level 3.
Level 2.
Level 1.
問題
内部要因
(ソフト等)
外部要因
(ハード等)132主要課題
財源
知識
技術
その他
法・社会規範
施設を建設できない 施設の老朽化
適正な維持
管理ができ
ていない
設備更新に
対する財源
の不足
清掃が不十分
適切な管理
マニュアルが
ない
維持管理を向
上させるため
の技術不足
施設のマネジ
メント人材の
育成ができて
いないSSSS
国際組織など
からの援助に
頼ったインフラ
開発
公共工事に対
する財源の不足施設が不潔
外の気温の
上昇
不労者の常駐公共施設の
利用ルール
がない
温室効果ガス
放出量の増加
犯罪者の増加S
民間ノウハ
ウが導入さ
れていない
施設の収益
率が低い
施設運営に対
する補助金が
ないS173
15.ダッカ
- スマートシティの手法による解決策の提案
- 現地市民に認識されていないが生活の質
(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出174 主要課題に対するコメントとデータとの比較
ダッカにおける課題に対する見解
現地市民に対するヒアリング 左記課題に対する
外国人駐在員の見解
関連データとの比較
主要課題項目 課題に対する見解
• 歩行者がルールを守らず道路
上の至るところを横断するた
め、危険である。また、歩道上
の物売りも取り締まりが行わ
れておらず、結果歩行者が道
路に溢れることとなっている。
• 事故の主な原因は自動車ドライバーが
交通ルールを守らないことである。車線
を平気で越境したり、車間距離も安全な
間隔をとらない。
• 信号の設置数がそもそも少なく、信号が
あったとしても、信号を守らない。信号よ
りも警察が立っているのが効果的。N/A• 紙、プラスチック、電気の廃棄
物等を資源ごとに効率的に分
別できていない。
• ゴミサービスの展望が短期的
で持続可能な計画となってい
ない
• 市民のゴミの捨て方に問題があると考
えている。ゴミ箱があればそこに捨てる
習慣はあるが、溢れていたとしても平気
で捨てる。分別の意識はない。
• 近年プラスチックバックの配布が禁止に
なる等、ゴミに対する環境問題への意
識は醸成されつつある。N/A• 水辺等と影向したオープンス
ペースが不足している。
• また、公園・レジャー施設の利
用者や観光客に対するイン
フォメーションの機能が少ない
• 高級住宅街には公園や広場等、公共ス
ペースが多数存在するが一般住宅街で
はわからない。しかし、空間は清潔では
なく、水辺等も異臭を発し不潔である。
• 一般的には公園では散歩等の運動に
は空間が使われているが、ダッカの子
供は危険を回避し外で遊ばない。N/A ゴミの収集が資源ご
とになされておらず、
効率的なリサイクル
ができていない。
 都市人口に対する公
園・レジャー施設が不
足している。
 歩行者や物売りが交
通ルールを厳守せず
、渋滞や事故発生の
原因となっている。
(注記)下線は現地市民・外国人駐在員の見解がおおよそ一致、赤字は見解の相違を示す。175 課題の原因分析とソリューションの提言
主要課題に対する因子分析とソリューション
資源毎のゴミ箱・
置き場がない
 スマートリサイクル
回収機のタッチパネルを押して、廃
棄するごみの種別を選択しゴミを投
入すると回収費がキャッシュバック
維持管理を向上させるた
めの技術不足
施設が不潔
清掃が不十分
ゴミのリサイクルに
関する知識がない
対応ソリューション
現地市民の
主要課題
主要課題の
因子
 AI清掃ロボット
通行人や障害物を認知し、入り組
んだ路地や公園などの自動清掃に
より清掃コスト全体を大きく削減
実用例
 都心部における
公園・レジャー施
設が不足している
 ゴミの収集が資
源ごとになされて
おらず効率的な
回収ができない
中国・重慶の小黄狗環保科技
社の小黄狗(Xiaohuanggou)
は回収機とオンライン上での
アプリが連動しており、利用者
はタッチパネルを押してごみ
の種別を選択し、画面上にあ
るQRコードをスキャンして対
応する回収箱
にゴミを投入す
ると回収費がキ
ャッシュバック。
出典: https://www.xhg.com/
盈峰環境ハイテクグループ製
造の「都市清掃ロボット」は通
行人や障害物を認知し、よけ
ながら路地、公園、歩道、商
業区、空港や地下鉄内の広
場、学校敷地内といった人通
りが多く入り組んだ場所を効
率よく安全に
清掃すること
ができる全天
候型で、除雪
除氷も可能。
出典: http://www.inforeenviro.com/en176 その他追加課題に対する
駐在員のコメント
ソリューション案
 アジア最貧国と呼ばれているバングラ
デシュだが、驚くべきことに肥満率が高
い。日本の肥満率と比較するとまだまだ
低い状況ではあるが、貧困層の栄養失
調とミドルアッパー層の肥満という状況
に直面している。基本的にはダッカの中
年はみんな太っている。主な肥満の理
由は、食の欧米化に伴うジャンクフード
(油もの)の摂取増加や運動不足が考え
られる。
 上水の安全性が低すぎる。飲料水はも
ちろんのこと、歯磨きもミネラルウォー
ターを使用している。現地人でもそのよ
うな対応をしなければ、腹痛を発症する
人も中には存在する。
 IOT家庭用浄水器
モバイルで使用浄水量、カートリッジの
残量と交換予想日を表示
 スマートフィットネス
日々の歩数・食事・体重データをもとにAIパーソナルコーチングを受けることが可能。
中には歩くたび景品と交換可能なポイントが貯まるインセンティブ機能もあり。
出典: https://moviefit.happy.jp/static/howabout 出典: https://finc.com/
 スマート浄水場監理
浄水場における配水量・取水量や、水質確保
に使用する薬剤注入量を予測し、ガイドする。
出典: https://shop.cleansui.com/special/iot/ 出典: https://www.ye-digital.com/jp/product/ai/mmguidewater/
生活の質(QOL)の向上に資する潜在的なニーズの抽出
現地市民のアンケートでは挙げられなかったが外国人駐在員から指摘のあった事項177 複合的課題に対する一体的な解決策の提案178 # 名称 分類 主なサービスメニュー 解決に寄与すると想定される主な課題1アリババ
「City Brain」
プロダクト
リアルタイム交通情報
公共データサービス
交通マネジメント
公共機関最適化
ヤンゴン:慢性的な渋滞によって移動に多くの時間を割かれ、仕事や私生活の時間を圧迫
バンコク:役所サービス品質や業務効率が悪く、快適なサービスを受けられない
ホーチミン:強盗やひったくり犯罪が多発し危険である
マニラ:物流管理・物流網が十分に整備されておらず、配送サービスの遅延が常態化2シスコ
「Smart City
Solution」
プロダクト
都市データ分析
交通マネジメント
スマート農業、遠隔医療
セキュリティ監視
ホーチミン:病院のサービス品質や業務効率が悪く、快適な医療サービスを受けられない
マンダレー:夜間に強盗や犯罪が多発しており、危険である。
ヴィエンチャン:食品に含まれる農薬や添加物等、食の安全に関する不安がある
デリー:路上にゴミがポイ捨てされており、非衛生的である3NEC
「Safer Cities」
プロダクト
デジタル行政サービス
MaaSオペレーター
セキュリティ監視
IoTヘルスケア
バンコク:役所サービス品質や業務効率が悪く、快適なサービスを受けられない
ホーチミン:強盗やひったくり犯罪が多発し危険である
コロンボ:渋滞時における混雑状況や公共交通の運行情報を提供するサービスが少ない
プノンペン:医療サービスの信頼性・レベルが低く、必要十分な治療を受けられない4グーグル
「Side Walk
Labs」
スーパー
シティ
都市データ分析
セキュリティ監視
交通マネジメント
エネルギーマネジメント
コロンボ:渋滞時における混雑状況や公共交通の運行情報を提供するサービスが少ない
マンダレー:夜間に強盗や犯罪が多発しており、危険である。
マンダレー:インフラサービスが不安定・不定期であり、日常生活や環境衛生に支障をきたす
ヤンゴン:オンライン・オフラインショッピングにおける流通網・システムの信頼性が低い5ヘルシンキ
「MaaS City」
スーパー
シティ
交通マネジメント
マルチモーダル
MaaSオペレーター
ライドシェアサービス
ヤンゴン:慢性的な渋滞によって移動に多くの時間を割かれ、仕事や私生活の時間を圧迫
KL:通勤・通学時に便利な公共交通および関連施設が不足している
コロンボ:渋滞時における混雑状況や公共交通の運行情報を提供するサービスが少ない。
ジャカルタ:渋滞により通勤に長時間を要し疲弊する6トヨタ
「Woven City」
スーパー
シティ
MaaS、自動運転
ゼロエミッション
カーボンニュートラル
道路交通マネジメント
デリー:大気汚染により、外出の抑制や健康被害につながっている
プノンペン:ごみの収集・処理が徹底されておらず、非衛生的環境・悪臭がある
コロンボ:渋滞時における混雑状況や公共交通の運行情報を提供するサービスが少ない。
マンダレー:インフラサービスが不安定・不定期であり、日常生活や環境衛生に支障をきたす
複合的課題に対する一体的な解決策の提案 - 包括的ソリューションの提案
各都市の主要課題に対しスマートシティの手法によって一体的・包括的に解決可能な策案を「包括的スマートソリューション」として提案179 実施主体 アリババグループ
主要商品 ET・シティブレイン(ET City Brain)
商品概要
ET City Brainは、都市の課題解決に向けたAIプラットフォームである。現時点では、交通渋滞の解消や、事
故への早期対応などに主眼があり、バスやタクシーなど都市交通の効率化を目指している。スマートシティは、
中国政府が推進する「次世代AI発展計画」における重点分野の1つで、アリババは同分野のけん引役を担う
企業に指定されている。
実装エリア 中国・杭州市、中国・蘇州市、マレーシア・クアラルンプール
(注記)国土交通省参照
包括的ソリューション180 実施主体 Cisco
主要商品 Smart City Solution
商品概要
種類 名称 概要
主な実装
エリア
都市管理
Kinetic
For Cities
街中のセンサー
からデータ集約・
一元管理
バルセロナ
京都府等防犯カメ
ラシステム
映像管理
システム
Cisco
Video
Surveillance防犯カメラ・映像
解析 京都府、
日本橋室
町 等
街灯
スマート化
Smart
Lighting
リアルタイム監
視・省エネ効果
京都府
豪アデレード、
デンマークアルツ
バーツルンド市等観光客
利便向上
Smart
Signage
観光情報
リモート
コンシェル
ジュ
多言語
京都府
幕張、蘇我
印ジャイ
プール市等
種類 名称 概要
主な実装
エリア
スタジアム
付加価値
提供
Cisco
Vision
リアルタ
イムライブ
映像、
デジタル
配信
福岡スタジ
アム等
先進的
教育環境
Cisco
Webex
遠隔授業、国
際交流
企業等多数遠隔診療
Cisco
Webex
遠隔診療、ライ
ブ診断
前橋赤十
字病院 等
農業IoTCisco
Meraki
IoT監視型農
業最適化 北海道
岩見沢市等包括的ソリューション181 実施主体 NEC
主要商品 NEC Safer Cities
商品概要
カテゴリー 概要 主なソリューション
主な実装
エリア
Public Safety
人やモノ、あらゆる動きをリアルタ
イムに把握し、犯罪や災害等の
事前予測や発生後の支援を実
施。
・映像監視ソリューション
・生体認証、顔認証、指紋認証シス
テム
・リアルタイム氾濫予測システム 等
アルゼンチン ティグレ市
印スーラト市 等
Digital
Government
デジタル化による行政サービスの
効率化
・地方公共団体向け 総合ソリュー
ション「GPRIME」
・窓口サービスデジタル化
・業務自動化RPA 等
埼玉県、名古屋市、ポ
ルトガルリスボン市 等
Smart
Transportation
飛行機、鉄道、バス、自動車か
ら新しいモビリティまで、あらゆる
交通手段をシンプルな手続きで
シームレス化
・鉄道設備メンテナンス分析
・AFC(ICカードシステム)
・MaaSプラットフォーム
・自動運転・オンデマンドバスシステム
印アーメダバード市、星
SMRT社 等
City Management
自治体・地域協議会・民間事
業者間の垣根を超えたデータの
利活用やサービス連携
・多言語音声翻訳
・スマート街路灯
・スマートシティ用オープンプラットフォーム印グルグラム市、印フブ
リ・ダールワッド市、杉並
区 等
Digital
Healthcare
AIや生体IoTなどICTを活用し
たヘルスケア
・歩行センシング、感情分析
・電子カルテ、地域医療連携システム
・24時間見守りサービス
国内病院、医療法人等
多数
包括的ソリューション182 実施主体 Google (Side Walk Labs)
名称 Sidewalk Toronto
商品概要
ありとあらゆる場所、ヒト・モノの動きをセンサーで把握し、ビッグデータを活用した街づくり。
⓵モビリティに関する構想
・信号が絶えず人、自転車、車の動きを追跡
・公共の自動運転車、用途に応じて変化する道路
⇒データに基づきリアルタイムに交通を最適化し、
人にも車にも最適な移動時間を提供
2物流、インフラに関する構想
・共同溝の物流網化
・公益サービス用の地下道ネットワーク
⇒地下を掘り返す手間を省き、埋設物が新たに
追加されても、柔軟にアップデート
3建物に関する構想
モジュール化されたパーツを組合せ、車を組立てるように建築
⇒用途を事前に規制せず、短期間で安価な建物が、住宅やオフィス等オンデマンドに利用可能
実装エリア カナダ・トロント市郊外
包括的ソリューション183 実施主体 MaaS Global
名称 Whim
商品概要
・公共交通、タクシー、カーシェア等の様々な交通手段について、移動計画〜予約〜決済までワンストップで完
結できるアプリサービス。
・複数の交通手段を用いても、シームレスで効率的かつ自由な移動が可能。
⇒ユーザーが公共交通機関を使用する割合が大幅に増加したという調査結果もあり、環境に優しい交通手
段の活用を促す効果も考えられる。
・フィンランド政府(技術庁、運輸通産省)が助成し、MaaS Global社が開発。トヨタの金融子会社も出資。
実装エリア フィンランド・ヘルシンキ、イギリス・バーミンガム、ベルギー・アントワープ 等
(注記)国土交通省参照
包括的ソリューション184 実施主体 トヨタ
名称 Wooven City
商品概要
人々が生活を送るリアルな環境のもと、自動運転、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)、パーソナルモビリ
ティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などを導入・検証できる実証都市。
・街を通る道を3つに分類し、それらの道が網の目のように織り込まれた街を作る。
1)スピードが速い車両専用の道として、完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティのみが走行する道
2)歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道
3)歩行者専用の公園内歩道のような道
・街の建物は主にカーボンニュートラルな木材で作り、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境との調
和やサステイナビリティを前提とする。また、インフラはすべて地下に設置。
・住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証するほか、センサーのデータを活用するAIにより、健康状態を
チェックしたり、日々の暮らしに役立てたりするなど、生活の質を向上させることが可能。
実装エリア 静岡県裾野市
包括的ソリューション185 Appendix186 スマートソリューション一覧
スマートシティの手法による解決策の一覧
NO. セクター属性
サブ
セクター
内容・目的・定義 ソリューション(ビジネスモデル)名称 ソリューション内容 具体事例 国 提供企業 URL
スマートパーキング1 (空所検索) 最寄りの無料駐車スペースとその価格(選択肢)に関するリアルタイムの情報をドライバーに提供 akippa J akippa株式会社 https://www.akippa.com/
スマートパーキング2 (有効活用)
オフィスや企業の私有駐車スペースの有効活用。夜間や週末に劇場や美術館の見学者が利用できるように、ビジネスの駐車スペースを確保スマートパーキング J 株式会社シード https://smart-parking.jp/lab/
ピアツーピアライドサービス 未使用の車両を活用し、デジタルプラットフォームとスマートアプリを用い個人が交通機関を必要とする人々に乗り物を販売 Uber、Lyft 他 J ウーバー・テクノロジーズ 他 https://www.uber.com/jp/ja/
ルート最適化 タイムテーブルと公共交通機関のIoTデータの組み合わせを使用して、最適な移動方法を提供 Datumix 米国 Datumix株式会社 https://datumix.co.jp/optimus/route-optimization/
マルチモーダルナビゲーション 公共交通、徒歩、自動車、シェアサイクル、デマンドバスなどを組み合わせたマルチモーダルナビゲーション my route J TOYOTA、西日本鉄道、JR九州 https://www.myroute.fun/
スマート交通管制(スマート信号システム)
市内の交通流のリアルタイムできめ細かいデータにより、信号やその他の信号を調整して交通流を最適化
流入交通量を正確に予測し、適切な信号制御により渋滞を抑制するHTMSARTEMISJ三菱重工機械システム
(株)京三製作所
https://www.mhi-ms.com/jp/products/its/htms/
https://www.kyosan.co.jp/company/overview.html
コネクティッドカー
インターネットへの常時接続機能を具備した自動車である。自動車のIT化により、快適性や安全性の向上が実現され、センサーと内部の
ネットワークにより実現できることだけでなく、クラウドと接続することにより、様々な情報サービスを受ける事が可能になる。
MSPF J トヨタ自動車、トヨタコネクティッド https://www.toyotaconnected.co.jp/service/connectedplatform.html
カーシェアー 自動運転車の使用を共有経済の原則と組み合わせることで、市内の自動車と駐車スペースの総数を大幅に削減 dカーシェアー 他 J NTT DOCOMO https://www.nttdocomo.co.jp/service/dmarket/carsharing/
MaaS専用EV 移動、物流、物販など多目的に活用できるモビリティサービス(MaaS)専用次世代電気自動車(EV)。日本ではトヨタ車が先導 e-パレット J トヨタ自動車 https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/29933339.html
AIオンデマンド交通
デマンド配車型自動運転タクシー等、無人自動運転車両の乗り合い交通により、町内移動や、隣接地域と協力した帰還住民への移動サー
ビス
NAVYA ARMAaimoJ
SBドライブ株式会社
Willer株式会社
九州大学
https://www.softbank.jp/drive/#service
http://www.willer.co.jp/business/maas/
https://aimo.mobi/
ロードヒーティング
画像認識・ディープラーニング技術を用いて積雪状況を自動判別しヒーティングデバイスをコントロール。降雪地域におけるエネルギー
コストの最適化
ロードヒーティングオプティマイザー J ティ・アイ・エル https://tilab.jp/
スマート街路灯
エネルギー消費を削減できるだけでなく、市民の安全を高めることもできます。たとえば、街灯は動きが検出されたときに明るくなる可
能性があるため、遠くからトラフィックが近づいていることが明らかになります。
スマート街路灯 J NEC https://jpn.nec.com/streetlight/index.html
スマートドローン 無人機技術を使用することによって、人間を送る前に危険を評価するために画像を集めることは可能 セコムドローン J セコムIS研究所 https://www.secom.co.jp/isl/research/drone/
予測ポリシング
リアルタイムの顔認識やナンバープレートスキャンなどの手法と組み合わせたデータ分析を使用して、特定の日時に犯罪が最も発生しや
すい場所を特定。
Hunchlab
ShotSpotter®FlexTM米国
Azavea社
ShotSpotter社
https://www.hunchlab.com/
https://www.shotspotter.com/missions/
危険音察知
建物の屋上に設置された都市全体の音響センサーネットワークは、正確に発砲を検出し、発砲が10個のセンサーによって検出された場
合、発砲が傍観者によって報告される前であっても、発砲の正確な位置を直ちに決定。
音響監視システム米国
NASA、ボッシュ
https://www.technologyreview.jp/s/170294/nasa-will-use-a-robot-to-
listen-out-for-danger-on-the-iss/
危機管理型水位計
IoTクラウドとの通信が可能なLTE通信機能を備え、頻発・激甚化する河川の急激な水位変化の計測に特化し、オールインワンの水位計で
河川の水位をリアルタイムに計測
危機管理型水位計 J 沖電気工業株式会社 https://www.oki.com/jp/dps_core/watergage/
AIセンシング
進化型AI(人工知能・クラウド連携)が、人の動きを詳細に認識・検知。分析された高精細な情報は的確に判断され、異変をスピー
ディーに通知
AIガードマン J トーカイセキュリティ株式会社 http://www.tokaisecurity.net/pdf5/ai-guardman-tokaisecurity.pdf
ウェザーセンシング
気象情報のクラウドセンシングネットワークをウェザーリポーターと共に実現し、観測データを気象予測に組み込むことで、実況精度お
よび予報精度向上につなげ
WxBeacon2 J 株式会社ウェザーニューズ https://jp.weathernews.com/news/16830/
シニアホームセキュリティ
生活動線にセンサーを設置し、一定時間動きがないと通報される「安否見守りサービス」や、急病やケガなどの際は「握るだけ」で救急
信号を送れる「救急通報サービス」など
セコムホームセキュリティ J セコム株式会社 https://www.secom.co.jp/homesecurity/
プライバシー保護ディープラーニング
複数の業種や組織が有するビッグデータを統合・利活用する際に暗号技術と人工知能技術を活用し、プライバシーを保護した状態で高速
にデータ分析や異常検知を行う技術。
プライバシー保護ディープラーニング J 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
http://www2.nict.go.jp/csri/plan/H30-symposium/pdf/letrieuphong.pdf
スマート通報 被害者がスマホ画面の通報ボタンを押すと号車番号と位置が車掌の端末に表示 痴漢通報システム J JR東日本 https://www.jreast.co.jp/press/2019/2200204_ho02.pdf
痴漢レーダー 被害をマップ上で被害件数を表示するだけではなく、個別の被害発生状況を表示 ChikanRadar J QCCCA Inc. https://chikanradar.qccca.com/
ハッキング・情報漏洩防止プログラム
ビッグデータ分析を使用して、特定の分野における犯罪の蔓延の最も可能性の高い原因を特定できます。これらの洞察は、政府機関がそ
れらの近隣や原因に関するキャンペーンをターゲットにするために使用できます。
DeepProtect J NICT、神戸大学、エルテス https://scan.netsecurity.ne.jp/article/img/2019/02/04/41917/26444.html
リアルタイムの交通
規制や交通情報の提
供、個人の交通手段
の最適化、全体とし
ての交通量の最適化
Smart Mobility
防犯対策、リスクの
予測・診断
1 ーーSmart Safety2187
スマートソリューション一覧
スマートシティの手法による解決策の一覧
NO. セクター属性
サブ
セクター
内容・目的・定義 ソリューション(ビジネスモデル)名称 ソリューション内容 具体事例 国 提供企業 URL
UVGI方式空気感染対策 高い殺菌効果を持つ紫外線波長「UV-C」ランプを使用た空気環境対策 エアロシールド J エネフォレスト http://www.eneforest.co.jp/
マイクログリッド
地域的なエネルギー源と地域的な負荷を持つ地域規模のグリッドで、全国規模のグリッドの一部として機能するだけでなく、全国規模の
グリッドから切り離されたスタンドアロンベースでも運用
マイクログリッド J 明電舎
https://www.meidensha.co.jp/products/water/prod_01/prod_01_02/prod_
01_02_04/index.html
オフグリッド発電
送電系統(電線を伝って電力会社から家などに送られる電力網)と繋がっていない電力システムで、停電時などでも家庭内や交通手段等
の混乱などを回避することが可能
ネクシス
オフグリッド電力供給サービスJ株式会社ヤマダホームズ
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズhttps://yamadahomes.jp/ir/pdf/news/20191001.pdf
http://www.igrid.co.jp/company/news/170821.html
スマートメーター
1時間以下の間隔で電力量の消費を記録し、このデータを電力会社に伝えます。これにより、電力会社は季節と時間帯に基づいて価格差を
付けることができます。
スマートメーター J TEPCO 他 http://www.tepco.co.jp/ep/private/smartlife/smartmeter.html
エナジーストック(STES)
都市のほとんどのオフィスビルは夏季に過剰な熱を発生します。この熱は夏には地下に蓄え、冬には汲み上げることができます。このよ
うにして、過去に発生した熱を再利用することでエネルギー消費量を減らすことができます。
革新的蓄電 J CONNEXX SYSTEMS https://www.connexxsys.com/
漏水探知
損失を最小限に抑えるために、水道事業者は配水管網にセンサーを装備して、圧力、流量、品質に関するリアルタイムの洞察を提供でき
ます。このデータ、特に通常の消費量が最小限に抑えられる夜間の流れを分析することによって、漏れを検出
スマートセンサー J プラススタイル株式会社 https://plusstyle.jp/shopping/item?id=353
汚染検出 地表水をカバーするセンサーのネットワークによるリアルタイムの水質モニタリングは、都市資源の持続可能性に大きく貢献 ClonePixTM J モレキュラーデバイスジャパン株式会社 https://www.moleculardevices.co.jp/applications-cat/appli-cation
スマート浄化槽 GIS機能を搭載した浄化槽台帳機能 スマート浄化槽 J 一般社団法人全国浄化槽団体連合会(全浄連)
http://www.zenjohren.or.jp/enterprise/documents/cloud.pdf
スマート下水汚泥処理 下水汚泥の焼却に伴う環境負荷を低減し、同時に高効率な発電も可能とする OdySSEA(オデッセア) J JFEエンジニアリング(株) http://www.jfe-eng.co.jp/news/2019/20190806093726.html
メンテフリー配管 配管の腐食、耐久年数、安全性面の課題をランニングコスト不要、メンテナンス不要にて対応可能 R.Water J 株式会社グランド http://www.grandcorporation.co.jp
スマート浄水場監理
過去のプロセスデータ((注記)1)や運用実績を機械学習し、浄水場における水質と薬剤注入量の関係を自動でモデル化。それにより熟練者の
ように薬剤注入量や取水量、配水量を予測し、ガイドする。
MMGuide Water J 株式会社YE DIGITAL https://www.ye-digital.com/jp/product/ai/mmguidewater/
スマート下水監理
広域監視を中心に映像監視、設備管理、管路管理などの各種サービスをワンストップで提供
異常運転状態を検知し通知することで、設備監視業務の効率化と、設備トラブルの未然防止を図る
マンホールポンプAIサポートシステム
アクアスマートクラウドJ株式会社クボタ
明電システムソリューション株式会社
https://www.kubota.co.jp/new/2019/19-27j.html
https://www.meidensha.co.jp/mss/system/sys_03/sys_03_03/index.html
リアルタイム氾濫予測
地形データ等を基に日本全国を4秒メッシュの解像度(×ばつ100m)に分割し、リアルタイムの雨量データを用いて河川の増水や氾
濫状況を予測するシステム
全国版リアルタイム氾濫予測システム J 日本電気株式会社 https://jpn.nec.com/press/201906/20190628_02.html
IoT浄水器
モバイル端末にて使用浄水量をリアルタイム表示し、カートリッジの残量と交換予想日を表示、またカートリッジの交換情報をアラート
でお知らせ
家庭用IoT浄水器 J 三菱ケミカル・クリンスイ株式会社 https://shop.cleansui.com/special/iot/
災害アラート
地理的データと組み合わせた天気予報データの予測分析を使用して、推定洪水ゾーンと時間を予測できます。これはトラフィックを再
ルーティングし、危険にさらされているゾーンの住民に予防的に警告するために使用できます。
DR-Info J PASCO https://www.pasco.co.jp/products/drinfo/
ジャストインタイム廃棄物収集 ゴミコンテナの量を察知したのち、満杯になってからの回収 ジャストインタイム回収 J
Enevo Japan株式会社
KDDI、UPR
https://enevo-lp.com/
https://www.upr-net.co.jp/case/iot/usecase-38.html
廃棄物分布分析
人工知能を用いた画像認識技術でポイ捨てごみの分布や深刻さを計測。河川/港湾に浮遊するプラスチックを調査するプロジェクトを通じ
て海洋プラスチック問題の抑止
タカノメ J ピリカ https://corp.pirika.org/#home
廃棄プロセス分析 革新的なセンサーと分析プラットフォームを利用して、時間ごとの詳細な廃棄物とリサイクルの発生傾向と収集を測定。 EnevoONe J Enevo Japan https://www.enevo.com/
スマート廃棄物分別 画像認識、機械学習、モーションコントロールのインテリジェントを組み合わせ自動廃棄物分別を実現 ZENBRAIN
フィンランド
(日本)
ゼンロボティクス
(大東商事株式会社)
https://zenrobotics.com/
スマートリサイクル
回収機と、オンライン上でのアプリが連動しており、利用者は回収機のタッチパネルを押して、廃棄するごみの種別を選択し、画面上に
あるQRコードをスキャンして対応する回収箱にゴミを投入すると、回収費がキャッシュバックされる
小黄狗(Xiaohuanggou) 中国 小黄狗(重慶)環保科技 https://www.xhg.com/index.html
スマートゴミ箱(屋外)
蓄積状況は携帯電話回線網を通じてリアルタイムに報告されるため、ゴミを効率的に回収でき、またゴミを自動圧縮する機能を装備して
おり、回収頻度の削減を実現。さらに、太陽光ソーラーパネルによる発電のため、CO2を排出せず環境にやさしい構造を採用
BigBelly Solar J 日本システムウエア株式会社 https://www.nsw.co.jp/corporate/index.html
スマートゴミステーション
電子住宅地図を利用して、ごみステーションの正確な位置、周辺の道路情報や取り扱い廃棄物などの属性情報を登録することで、ごみス
テーションの状況を的確に把握する
CLENALIFE J 富士通エフ・アイ・ピー株式会社
https://www.fujitsu.com/jp/group/fip/solutions/industry-
solutions/public-sector-solution/administration/waste/garbagestation/
スマートゴミ箱(家庭用) 自動梱包・自動交換、手を汚さないスマートごみ箱 townewスマートごみ箱 J Makuake Incubation Studio https://www.makuake.com/project/townew/
自動運転ゴミ箱 設定した時間に自動で路傍に行き、トラックの到着を待ち、人員なしで回収可能 自動運転ゴミ箱 カナダ AIインコーポレイテッド https://www.aiincorporated.com
スマート害虫駆除 撮影された動画から害虫等の生息の有無や出現ポイント害虫等の導線が確認 Pest-Vision J 環境機器株式会社 https://www.semco.net/works/system/pestvision.html
エアクオリティモニタリング
世界中の空気質に関するビッグデータ(PM2.5、NO2、SO2、オゾン、花粉等)をAI に基づいた独自の分散アルゴリズムによる空気質の
解析データをリアルタイムで分析・予測・追跡
BreezoMeter J 株式会社ユビキタスAIコーポレーション https://www.ubiquitous-ai.com/products/BreezoMeter/
エアコンバート(汚染大気転換)
ディーゼル発電機用のレトロフィット排出制御装置。エンジンに悪影響を与えることなく、ディーゼル発電機の排気から粒子状物質の排
出の最大90%を捕捉し、集められたススに処理が加えられてプリンタのインクに転換
Chakr Shield インド Chakr Innovation https://chakr.in/
高温溶融 ゴミを高温で溶かし、減容化・無害化する日本独自のゴミ焼却方法。焼却後の物質はリサイクル可能 ガス化溶融炉技術 J JFEエンジニアリング株式会社 http://www.jfe-eng.co.jp/products/link/t06.html
廃棄物冷凍
生ゴミ、乳幼児や高齢者のおむつ、ペットのトイレシートなどを凍らせて常時冷凍保管することで、不快な匂いや内容物の腐敗、小型昆
虫の発生、ゴミ取出し時の衛生的・精神的不快感を低減
冷凍ゴミ箱 J NKC中西金属工業 https://www.nkc-j.co.jp/
エネルギー需給の削
減・最適化、エコ化
水消費量の削減・最
適化、安全な水の供給資源の再利用、適宜
適切なごみの収集・
ごみの削減、ごみの
リサイクル
Smart Energy,
Water &Waste3Energy
Water
Waste188 スマートソリューション一覧
スマートシティの手法による解決策の一覧
NO. セクター属性
サブ
セクター
内容・目的・定義 ソリューション(ビジネスモデル)名称 ソリューション内容 具体事例 国 提供企業 URL
デジタルグリッド IoTテクノロジーを活用した未電化地域の人々への電力サービスの提供。 Digital Grid Solutions J レンタルLEDランタン http://www.wassha.com/index_jp.php
クラウドソーシング 建築・インテリア関連のお仕事を全国の専門家に依頼できるWEBサービス STUDIO UNBUILT J スタジオアンビルト https://www.studiounbuilt.com/
クラウド現場工程管理 現場工程管理クラウドサービス ダンドリワーク J ダンドリワークス https://www.dandoli-works.com/
建材マッチングサービス
各社が作成している紙のカタログを並べて選択を行っていた行為をウェブ上で行える、設計条件にあった建材の検索がはじめて可能に
なったクラウドサービス。
truss J トラス https://company.truss.me/
廃プラスチック道路技術
廃プラスチックを道路舗装材に活用するリサイクル。アスファルト舗装の路面は、正確にはアスファルトに骨材を混ぜた「アスファルト
混合物」が敷かれている。
廃プラ道路 イギリス MacRebur https://www.macrebur.com/
BIMプラットフォーム
建物のBIMモデルに、様々な情報やデータを集約し、管理対象となる各種設備機器の稼働状況や維持管理情報や、建物ユーザーが感じて
いる「暑い、寒い」など現実に起こっていることをデジタルデータとして重ね合わせ、再現することで、活きたデジタルツインの構築を
可能とする。
BIMWill J 大林組 https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20190613_1.html
Remoty
Sococo
キントーンJ株式会社ソニックガーデン
(株)テレワークマネジメント
サイボウズ株式会社
https://www.sonicgarden.jp/
https://kintone.cybozu.co.jp/purpose/remotework.html
デスクトップ仮想化 米国 シトリックス・システムズ 出典: https://www.citrix.com/ja-jp/
液体火葬 アルカリ性の水溶液で分解。発生する二酸化炭素も火葬の4分の1で必要なエネルギーも8分の1で済む Resomation英国
リソメーション社 https://resomation.com/
HEMS 電力のピーク需要コントロールとユーザの快適性向上を実現するIoTプロダクト Nature Remo J Nature 株式会社 https://nature.global/
ロボット義足 ロボット工学を応用し、様々なセンサーによって姿勢や動作を認識。生体工学に基づいた制御を行い、ユーザーの動きをアシスト。
パワード膝継手、
パワード足部
J BionicM http://www.bionicm.com/product/
ホスピタルレーティング 医学生、医師が評価する病院データを掲載 ホクトレジデント J ホクト https://www.hokto.jp/
遠隔診療 医師はパソコンを、患者はスマートフォンを使って、予約から診察、処方箋の受け取りまでをオンラインで完結
curon(クロン)
CLINICSオンライン診療J情報医療(MICIN, Inc.)
株式会社メドレー
https://micin.jp/
https://clinics-cloud.com/online/
オンライン通院 予約・診察・会計・処方箋までワンストップでオンラインにて提供。ビデオチャットにて診察を実現。 CLINICS J メドレー https://www.medley.jp/
生体情報自動収集 早く正しい救急医療実現のためのスマートな患者情報収集・処理・共有システムの開発 Smart119 J Smart119 https://www.smart119.biz/project/
オーダーメイドサプリメントサーバー
ユーザの身体をセンシングまたはスマートフォンアプリから行動の情報を入力し、医学博士と管理栄養士が監修したアルゴリズムで、体
調や前後の行動に合わせオーダーメイドに栄養素を組み合わせて提供するデバイス・サービス
healthServer J ドリコス株式会社 https://dricos.jp/healthserver
クラウド型電子カルテ
オーダーエントリーシステムの実績を基盤としたシステムで、完全一体型電子カルテシステムとして、医事会計情報、オーダー、カルテ
情報のデータの整合性を保つ。
Cube-Smart 他 J 株式会社両備システムズ https://www.ryobi.co.jp/products/hc-cube-smart
メンタルヘルスアラート
アルゴリズムを算出し、企業が所持しているデータから潜在化しているメンタルヘルスのリスク度高い従業員をアラートするAI診断シス
テム
ELPISシリーズ J 株式会社メンタルヘルステクノロジーズ https://mh-tec.co.jp/
リアルハプティクス技術 遠隔地にいるロボットが自分のアバター(分身)となり、まるで自分が現地にいるかのように手術を実施する。 ロボットハンド J モーションリブ株式会社 https://www.motionlib.com/
AI介護ロボット 物体の検知や移動、物品の運搬や見守り、運搬、緊急対応などに貢献 アイオロス・ロボット J オリックス・リビング株式会社 https://robotstart.info/2019/06/06/aeolus-orix.html
マッスルスーツ
モータではなく、非常に強い力で収縮する、空気圧式の人工筋肉を使用し、これが身体を動かす原動力となり、人や物を持ち上げる際の
体の負担を大幅に軽減
腰補助用マッスルスーツ J 株式会社イノフィス https://www.kyoei.co.jp/product/division/robot/muscle.html
スマートフィットネス
毎日の食事や運動・睡眠などのライフログが簡単に記録できるのと同時に、アルゴリズム・AIによるパーソナルなアドバイスがリアルタ
イムに提供
カラダわかるNAVI
MoviefitFiNCJ
株式会社リンクアンドコミュニケーション
DIGIMERCE Inc
FiNC Technologies
https://www.linkncom.co.jp/news/press/67/
https://moviefit.happy.jp/static/howabout
https://finc.com/
スマートメディカルチェック ICT技術やアプリケーションを用い、自分自身の健康状況を確認でき、軽度な不調は自身の手当が可能 Vivoo(尿検査アプリ)米国
Vivosens Inc.
https://vivoo.io/
無人診断 電話ボックスサイズの無人診療ボックス。横には薬の自販機が併設されている。 一分鐘診所(ワンミニッツクリニック)中国
平安保険 https://news.yahoo.co.jp/byline/takizawayoriko/20190826-00139865/
待合効率化
電子カルテシステムと連携することで、患者は診察状況や予約情報などをスマートフォンで随時確認できるため、診察までの待ち時間を
有効活用することや診察忘れを防止することが可能
HOPE LifeMark-コンシェルジュ J 富士通 他
https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/healthcare/products/lifem
arkconcierge/
オンラインラーニング/スクール
実力派講師によって解説される短くまとめられた講義動画、図解説明の入ったわかりやすいテキスト、自分の苦手箇所がわかる到達度テ
ストの三点を提供。
スタディサプリ
Quipper
スクールTVJ英国
リクルート
Quipper
株式会社イー・ラーニング研究所
https://www.quipper.com/jp/services/quipper/
https://school-tv.jp/about
デジタル教科書/問題集
実績ある信頼の教科書/問題集を、タブレット端末上でまるで紙の参考書とおなじような感覚で利用可能。IT技術をフル活用し、皆様がよ
り効果的に勉強できるように科学的にサポート
Libry
デジタル教科書J株式会社Libry
東京書籍
https://about.libry.jp/company/
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/ict/dkyokasho_el/
マンツーマンプログラミング
日本で唯一の専属講師によるマンツーマンのプログラミングレッスンを開始。イノベーション人材を輩出すべく、あなたの目的に合った
カリキュラム、インストラクター、キャリアビジョンを提案
Samurai Engineer J 株式会社侍 https://corp.sejuku.net/service/
アクティブラーニング クラウド型のアンケートの実施・収集、意見の投稿・閲覧機能 Clica J Clica http://clica.jp/LP/
教室行動管理
生徒の回答に対するためらいやインタラクティブ(双方向)活動での感情、教室をこっそり抜け出すときの表情まで、教師がAI技術を
活用して教室の雰囲気や生徒の学習状況を把握
スマート教室行動管理システム 中国 アリババグループ 他 https://toyokeizai.net/articles/-/221412
スマート教室 コンテナ式移動スマート教室。黒板は電子ホワイトボードで、学生はVRゴーグルを装着し、タブレットPCを手にし授業を受講する。 Pop-up Classroom 中国 網竜網絡公司 https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20190504016/
ICTドリル
クラウド上に教科書や教材があり、自宅のパソコンからログインすると、地域と学年に合わせて勉強すべきマルチメディア資料が登場
し、予習・復習ができる。
flow J flowlearning(フローラーニング) https://flow-ict.jp/
教育機会の拡大・普
及、教育の多様化ーSmart
Education
建物・住宅のエネル
ギー消費の削減・最
適化、生活の利便性
向上ーBuildings
Living
個人の健康管理の支
援・促進、医療サー
ビスの支援
Smart
Buildings
& Living4Smart Health5リモートワーク
自宅やレンタルオフィスなど、在籍する会社のオフィス以外の場所で業務をする勤務形態。場所や時間の制約にとらわれずに業務を遂行
できるため、社員それぞれのライフスタイルにあった柔軟な働き方を実践できる勤務形態6189
スマートソリューション一覧
スマートシティの手法による解決策の一覧
NO. セクター属性
サブ
セクター
内容・目的・定義 ソリューション(ビジネスモデル)名称 ソリューション内容 具体事例 国 提供企業 URL
ポイントマネジメント 外国為替(米ドル) / REIT / 投資信託 / 仮想通貨など、個別株式銘柄以外の金融商品でもポイント運用が可能 STOCK POINT J STOCK POINT 株式会社 https://www.stockpoint.co.jp/
ソーシャルレンディング ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい会社(借り手)とお金を運用して増やしたい人(貸し手)をマッチングするサービス READYFOR J READYFOR株式会社 https://readyfor.jp/corp#info
モバイル決済 スマートフォンやタブレット端末を使って商品代金を支払う決済サービスの総称で、大きく分けると4つの種類があり QuickPay 他 J JCB https://www.quicpay.jp/shoplist/
サラリーキャッシング 給与日を待たずに働いた分の給与を受け取れるようにする給与即日払いサービス Payme J 株式会社ペイミー https://corp.payme.tokyo/
金融データベースリスク分析
金融サービスプロバイダーは、リスクを推定する能力に大きく依存しています。データ分析や人工知能などの新しいテクノロジーと組み
合わされたデータ量の増加により、リスク評価を改善する機会が生まれます。
RDB DynaMIC J 日本リスク・データバンク株式会社 https://www.riskdatabank.co.jp/service/
スマートプライシング 需要に合わせて競争力ある料金設定に調整 行動ベースの保険料設定 J FPT Software https://www.fpt-software.jp/fpt_ai_solutions_in_insurance/
モバイルバンキング
インターネットバンキングサービスや顧客情報システムなど他の既存システムとAPI接続などにより、スマートフォンアプリ等のお客様
チャネル間の通信を中継することで、スマートフォンアプリやSNSで残高や入出金明細が照会できるサービス、スマートフォンの画面上
で実際の通帳イメージによる取引履歴の閲覧・保存が可能なサービスなどを実現
スマートデバイスビジネスコネクター J 沖電気工業株式会社 https://www.oki.com/jp/enterprisedx/service/smartbanking/
クラウドファクタリング 「入金待ちの請求書」(売掛金)を売却して、早期に運転資金を調達する「借りない資金調達」 OLTAクラウドファクタリング J OLTA株式会社 https://www.olta.co.jp/
e-KYC(本人確認APIサービス)
electronic Know Your Customer」の略称。KYCは銀行口座開設などで必要な本人確認手続きの総称を指し、これを"電子的"に行なう仕
組み
TRUSTDOCK J 株式会社TRUSTDOCK https://biz.trustdock.io/
スコアレンディング ビッグデータとAIによって算出された点によりAIスコアによって貸付利率・契約極度額を決定 AIスコア・レンディング J 株式会社J.Score https://www.jscore.co.jp/company/corporate/
バーチャル口座
事業主が法人口座に紐づく振込専用の仮想の口座番号を銀行に申込み、銀行が事業主様に貸出しするもの。バーチャル口座は2種類あり、
1つは、注文ごとに異なる口座番号を割当てる方法。もう1つは、お客様ごとに口座番号を割当てる方法。
バーチャル口座 J GMOペイメントゲートウェイ https://www.gmo-pg.com/service/mulpay/virtual/
情報銀行
行動履歴や購買履歴といったものを含む個人情報にひも付いたITデータを個人から預託され、他の事業者とのマッチングや匿名化したう
えでの情報提供、一元管理する制度、あるいは事業者を指す。
MIDATA 英国 MIDATA https://www.midata.coop/en/home/
アルゴリズム投資 人工知能を活用した金融商品等のシステムトレードアルゴリズムプラットフォーム。 QuantX J 株式会社Smart Trade https://smarttrade.co.jp/
アカウント一括管理 銀行口座、クレジットカード、電子マネー、ポイント(共通ポイント・ファッションポイントなど)を一元管理 マネーツリー J マネーツリー株式会社 https://moneytree.jp/
オーディオトラベルガイド あらゆる旅先でのオーディオトトラベルガイドを制作 on the trip J on the trip https://on-the-trip.com/
モバイルバッテリーシェア 持ち運び可能なスマホ充電器のシェアリングサービス。「どこでも借りられて、どこでも返せる」 CHARGE SPOT J 株式会社INFORICH https://inforich.net/
クロークスペースシェア 「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」をつなぐシェアリングサービス ecbo cloak J ecbo株式会社 https://ecbo.io/services/
多言語AIチャットボット
観光分野に特化した、国内外の顧客の問合せ対応、予約・販売、会員サービスを自動化する多言語AIチャットボット「Facebook
Messenger」「LINE」「微信(WeChat)」全てに対応。
talkappi J 株式会社アクティバリューズ https://activalues.com/services
多言語プロダクト説明 海外からの消費者が商品の「バーコード」をスマートフォン・タブレットでスキャンし、多言語で商品の使い方、成分、価値を伝える Payke J
株式会社Payke
https://payke.co.jp/company
オンラインVisa管理 在留資格 (ビザ) 申請に必要な書類を自動で選定、書類の自動作成 one visa J 株式会社Residence https://onevisa.jp/
eスポーツ支援 プロプレイヤーを支援する取り組み等 ー J アルヴァ、ウェルプレイド
http://alva.company/
https://wellplayed.jp/
レジャースペースシェア 所有地をキャンプスペース等のレジャースペースとしてシェア ExCAMP J forent株式会社 https://forent.co.jp/
AI清掃ロボット 通行人や障害物を認知し、入り組んだ路地や公園などの自動清掃により清掃コスト全体を大きく削減 AI清掃ロボット 中国 盈峰環境ハイテクグループ http://www.inforeenviro.com/
スマートエクスカーション
周遊性の課題を解決するために、IoTの活用により、観光ビジネスを核に地域の魅力を発信し、観光客の滞留時間拡大、周遊性向上により
集客力を高め、地域活性化を図る
スマート@ツーリズムシティ J 沖電気工業株式会社 https://www.oki.com/jp/press/2017/04/z17004.html
スマート相互送客 加盟店と利用顧客が一緒に集客と相互送客をするようになる複合的なIoTサービス Japan Local Card J 日本ユニシス https://www.unisys.co.jp/news/info_181217_kyushusokin.pdf
サブスクリプション
利用者はモノを買い取るのではなく、モノの利用権を借りて利用した期間に応じて料金を支払う方式。コンピュータのソフトウェアの利
用形態として採用されることも多い。
Amazonプライム J Amazon https://www.amazon.co.jp/amazonprime
スマートシェアサイクル オフロード対応のスポーツ自転車による環境配慮型の自転車シェアリング。保険も付与。 CycleTrip J ZuttoRide Sharing 株式会社 https://cycletrip.jp/
モビリティステイ 低未利用のバンを宿泊施設等として提供。オーナーとユーザーをつなぐプラットフォームを構築。 Carstay J Carstay https://carstay.jp/ja/stay
Smart Finance ー7資金調達と資金決済
のデジタル化、金融
や保険業に係るリス
クの予測・診断
IoTやAIを活用した
観光業の発展、娯楽
の多様化8Smart Tourism
& Leisure
Tourism
Leisure190 スマートソリューション一覧
スマートシティの手法による解決策の一覧
NO. セクター属性
サブ
セクター
内容・目的・定義 ソリューション(ビジネスモデル)名称 ソリューション内容 具体事例 国 提供企業 URL
3D計測 独自のアルゴリズムで、3Dデータを すばやくマッチング。 3Dフットスキャナー J フリックフィット https://flicfit.com/
アイドルタイムプロモーション ショップやレストラン等のアイドルタイムを分析・活用し、顧客に低価格にてサービスを提供 タイムバンク J タイムバンク https://info.timebank.jp/
ショップチャット
気になるアイテムについて、ショップ店員に直接メッセージで質問が可能。オンラインと同じように商品情報の確認やメッセージ、お気
に入り登録が可能。
FACY J スタイラー株式会社 https://styler.link/company/
パーソナルコーディネート
自分の洋服とお店の洋服を自由に組み合わせてコーディネートできるデジタルクローゼットサービス。簡単な質問に返答すると、AIが自
動的に自分の好みを学習し、それに合ったコーディネートを提案。
SENSY CLOSET J SENSY株式会社 https://closet.sensy.ai/
ベンダー分析
Vending Analyticsは、強力なAI駆動エンジンを使用して、フリート内の各マシンの製品、スペース、価格の組み合わせを最適化。 少数
のデータ変数のみを考慮して、利益を最大化する推奨事項を作成。
ー 豪州 HIVERY https://www.hivery.com/
クラウド在庫管理
QRコードを活用し 「シンプルな在庫管理」「スムーズな情報共有」を実現。機器の一元管理の達成だけでなく、利用状況を的確に把握
することで、機器管理におけるコンプライアンス向上。
ZAICO J ZAICO https://www.zaico.co.jp/
配送ルートの最適化
組合せ最適化、統計処理などの技術を用いて、「どの車両が、どの訪問先を、どの順に回ると最適か」というラストワンマイルのルート
最適化のサービス
Loogia J 株式会社オプティマインド https://www.optimind.tech/
貿易バリューチェーン管理 発注、商品、船積みの関係をヴィジュアル化。エクセルにはない操作性で、分納、積残し、オーダー残、CBMの管理が可能。 Zenport J Zenport https://zenport.io/ja/product/
置き配 置き配バッグとスマートフォンアプリを使った物流システムで宅配の再配達問題を解決。 OKIPPA J OKIPPA https://www.yper.co.jp/
配送トラッキング 国内外の主要な宅配便サービスのトラッキング(配達状況追跡)を提供
ウケトル
パーセルモニターJシンガポール
(株)ウケトル
Parcel Perform Pte
http://uketoru.net/
https://www.parcelmonitor.com/jp-track-japan/
貨客混載(タクシー便) タクシーやバス、旅客列車が荷物を運ぶ 貨客混載 J
佐川急便
三和交通
https://www.sagawa-exp.co.jp/csr/SDGs/pdf/cargo-loading.pdf
https://www.sanwakoutsu.co.jp/service/taxi/index.html
スマート宅配ポスト 室内やエクステリア空間とスマートフォンを繋ぎ、複数個の荷物受け取りや集荷依頼も可能とするIoT宅配ポスト スマート宅配ポスト J LIXIL https://www.lixil.co.jp/lineup/gate_fence/smartpost/
ラストワンマイル無人配送
宅配の自動化のことを指し、好きな場所で、好きな時間に荷物を受け取れる物流体制を構築。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便が取り組むScout J Amazon https://japan.cnet.com/article/35141039/
RPA 常的な作業や危険な作業を自律的に実行できる自動化された機械。低スキルで低賃金の人間の製造業の雇用を減らす可能性があります。 BizRobo! J RPAテクノロジーズ株式会社 https://rpa-technologies.com/about/
アディティブマニュファクチャリング 3D印刷とも呼ばれ、従来の製造技術で使用される減算ではなく加算によってオブジェクトを生成する製造技術 アディティブマニュファクチャリング J 米沢工機 http://www.yonek.co.jp/product/industrialmachine06/
テレイグジスタンス 遠隔地にいるロボットが自分のアバター(分身)となり、まるで自分が現地にいるかのように業務を実施する。 アバターイン 他 J 全日本空輸 https://avatarin.com/
クラウド型農業支援システム 農地の管理や作業履歴を辿った栽培管理票の作成など、デスクワークを支援 agri-note J ウォーターセル株式会社 https://water-cell.jp/
残留農薬検査センサー 揮発した残留農薬を迅速・特異的に空気中から直接検知可能なセンサー 残留農薬測定装置 J
株式会社サタケ
神奈川県立産業技術総合研究所 他
https://satake-japan.co.jp/products/analyzer/taste_tester/000590.html
EZ水耕 肥料が自動で溶け出し、収穫までの手入れは一切不要。肥料は苗植えから収穫するまでに時間をかけて溶け出す仕組みになっている。 EZ水耕 J 株式会社セプトアグリ https://crowd-marche.agri.mynavi.jp/stores/sept-agri
アグリドローン
農薬散布量および箇所を最適化する。夜行性の害虫が活発になる夜間にドローンを飛ばし、農薬を使わずに害虫駆除が可能。山間部や丘
陵部でも対応可能
アグリドローン J 株式会社あアグリドローンサービス 他 https://www.agridroneservice.net/
オンライン卸売市場 インターネット上で売り手が自由に値決めした上で出品した商品を買い手(スーパーや飲食店)が入札で競り落とす仕組み。 ラクーザ J マイファーム https://racuuza.com/
特許性評価 WebアプリケーションにてAIが自動で特許調査を行い特許性を評価 AI Samurai J 株式会社 AI Samurai https://aisamurai.co.jp/
マテリアルサイエンス
「宇宙時代」材料の第1世代の例には、炭素繊維、ナノ材料、新しい素材が生み出されるにつれて、古い素材は、かつては最も進歩的で大
きな価格に敏感でないメーカー以外には到達できなくなった
サクラン 他 J グリーンサイエンス・マテリアル株式会社 https://www.gsmi.co.jp/
ポリシーメイキングクリアランス
高度なデータ分析技術と組み合わせたビッグデータの可用性は、これらの分析の予測力を高めます。さらに、データの急増により、非政
府組織は社会問題の分析に積極的になり、この分野で競争が生じています。
- J Cobe Associe https://www.cobe-associe.org/
ブロックチェーン分散型政府 デジタルプラットフォームおよびモバイルアプリを使用すると、明確に定義された政府のタスクを政府外のアクターに分散 ブロックチェーン 中国 MYSグループ
http://www.sankeibiz.jp/business/news/191206/cpc1912060705001-
n1.htm
電子署名 紙の書類に押印する印鑑やサインの役割を持ち、その書類が正式なものであり、かつ改ざんされていないことを証明 DocuSign e-Signature 他 米国 DocuSign Inc., https://www.docusign.jp/
電子政府(オンライン役所サービス) 行政サービスのあらゆる手続きのオンライン化に、申請プロセスの簡易化や待ち時間の短縮を実現 WinActor J NTTデータ https://winactor.com
クラウド総合窓口
タブレットを使用した電子申請システムや手続きナビゲーション、待ち時間予測表示などを用いて、職員の負荷を軽減しながら、住民満
足度を高める「総合窓口」の実現
WonderWeb LG J Computer Engineering & Consulting https://public.cec-ltd.co.jp/solutions/counter/
RPA(ふるさと納税) 普段の業務をRPAに任せることで、作業時間やコストの削減、業務の品質向上 WinActor J NTTデータ https://winactor.com/
オンライン投票 様々な団体にて総会の出欠連絡、役員選挙や従業員代表選挙の投票 e投票 J 株式会社グラント https://www.e-tohyo.com/
電子市民 国外政府の電子プラットフォームを自国民のみならず、外国人向けに開放したプログラム e-Residency エ エストニア政府 -
Smart
Government
11 ー
政策の立案・実施の
高度化・効率化、ガ
バナンスおよび情報
へのアクセスの向上910 ー
消費者の購買行動の
デジタル化やキャッ
シュレス化、実店舗
とオンライン情報の
連携によるマーケ
ティング強化
物流プロセスの効率
化・短縮化
Retail
Logistics
Smart Retail
& Logistics
生産計画・在庫管理
の改善、品質向上、
業務の効率化・自動
化、ナレッジ管理、
顧客サービス向上
Smart
Manufacturing191 17
令和元年度 海外都市開発におけるニーズ及び実態調査業務
報告書
令和2年3月
発 行 国土交通省都市局 総務課
連 絡 先 〒100-8918
東京都千代田区霞ヶ関 2-1-3
電 話 03-5253-8111(代表)
F A X 03-5253-1589
調査受託機関 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社
東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋ビルディング

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