-1-社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会第15回物流小委員会
平成29年12月14日
【道路計画調整官】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第15回物流小
委員会を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、
大変お忙しいところ、
お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日、進行を務めさせていただきます道路局企画課の水野と申します。よろしくお願い
いたします。
最初に、お手元の資料を確認させていただきます。本日の資料につきましては、まず議
事次第、配付資料の一覧、座席表、委員名簿、そして資料1といたしまして、今後の災害・
物流ネットワークについて、資料2といたしまして、答申の進捗状況、資料3といたしま
して、特車ゴールド制度の報告、資料4といたしまして、エスコート通行方式の報告、資
料5といたしまして、再配達削減実験の状況の報告、そして参考資料といたしまして、災害・
物流ネットワークの参考資料となっているところでございます。
過不足ございますか。
よろしいですか。
本日は、高岡委員におかれましては、所用によりご欠席と伺っております。また、上村
委員におかれましては、少しおくれてくるというご連絡があったところでございます。ま
た、道路局長の石川、次長の和田におきましては、公務により欠席とさせていただきます
ので、ご了承くださいますようよろしくお願いいたします。
それでは、開会に当たりまして、根本委員長にご挨拶いただきたいと思います。よろし
くお願いいたします。
【根本委員長】 本委員会の委員長の根本でございます。委員を代表して一言ご挨拶を
申し上げます。
この委員会では、一昨年、平成27年12月に、
「今後の物流政策の基本的な方向性等に
ついて」という答申を取りまとめました。その後、この委員会で、その答申に盛り込まれ
た物流施策の進捗状況をフォローアップしているわけですけれども、先月もダブル連結ト
ラック等について説明をお伺いしたところであります。
本日は、議事にありますように、特車ゴールド制度、長大トンネル等におけるタンクロ
ーリーのエスコート通行方式、
それから道の駅を活用した再配達削減実験の3つについて、 -2-現在の状況を報告していただきます。
さらにそれに加えまして、
「強い物流」の構築を目指すという意味で、災害・物流ネット
ワークのあり方についてもご議論いただきます。こちらも非常に重要な施策だと思います
ので、委員の皆様におかれましては、さまざまな視点から活発なご議論をよろしくお願い
いたします。
【道路計画調整官】 ありがとうございました。
これより先は、カメラ撮影につきましてはご遠慮いただきますので、ご協力をよろしく
お願いいたします。
それでは、以降の進行を根本委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたし
ます。
【根本委員長】 それでは議事を進めさせていただきたいと思います。まず、議事(1)
今後の災害・物流ネットワークについて、事務局より説明よろしくお願いいたします。
【道路経済調査室長】 道路経済調査室長の沓掛でございます。私から、右上資料1と
書かれました、今後の災害・物流ネットワークについて、これに基づいて説明をさせてい
ただきたいと思います。
最初に、この災害・物流ネットワークについての大きな考え方といいますか、思想を説
明した後、個別具体に課題等も含めて説明させていただきたいと思います。では、表紙を
おめくりください。右下2ページ目とございます。まず幹線道路ネットワークの主な経緯
というところでございますが、まず左側、整備に関しましては、昭和41年国幹道法の制
定によりまして、高速自動車国道、予定路線7,600キロの路線を決定してございます。
その後、昭和62年になりますと、今度は4全総が策定されまして、この中で高規格幹線
道路網1万4,000キロが決定したわけでございます。
その後、
平成6年には地域高規格
道路として高規格幹線道路と国道の中間的なサービスを提供する、
そういった道路の指定、
計画路線で約6,950キロが指定されております。
今日にわたって整備も進めておりまして、昨年度末現在で整備状況ですが、高規格幹線
道路は1万1,400キロ、全体計画1万4,000のうちの約8割。それから地域高規格
道路についても2,500キロということで整備が進んでおりまして、
今現在もネットワー
クの残る区間整備、あるいは4車化等を進めているところでございます。
一方、この道路の利用につきましては、主に供用済みの区間を対象としまして、これま
で幾つか計画が策定されています。まず平成8年、緊急輸送道路ネットワーク計画でござ -3-いますが、
こちらは災害等のときの応急活動のために重要な路線を指定するということで、
全国約10万キロメートル指定してございます。また平成13年には環境ロードプライシ
ングの導入としまして、こちら沿道環境を改善するという観点から、首都高あるいは阪高
の一部にロードプライシングの区間を導入しております。
また、平成26年には大型車誘導区間としまして、今度は道路の老朽化といったものへ
の対応としまして、
全国約3万5,000キロを指定しているということで、
利用に関しま
しては、主に供用済みの区間をそれぞれの目的に応じて指定してきているというような状
況でございます。
これに対していろいろ課題がございまして、
次の3ページ目でございますが、
まず左側、
災害時のネットワークでございますけれど、主な課題としまして、昨年4月に熊本地震が
起きましたけれども、
緊急輸送道路約2,000キロのうち、
50カ所で通行止めが発生し
ているというような事態が起きてございます。
また、平常時の物流等のネットワークも含めてなのですが、平常時のネットワークとし
てはトラックドライバーが高齢化し、あわせて深刻なドライバー不足が顕在化している。
また、ただでさえ不足している中、渋滞によってその労働力が消失しているというような
現状がございます。
こうした災害時、あるいは平常時にかかわるネットワークにつきまして、今後の方向性
としまして、災害時、平常時を問わない安全かつ円滑な物流の確保、これを充実したネッ
トワークを構築してはどうか。
今現在の広範で複雑なネットワーク、あるいは拠点、こういったものを絞り込みを行い
まして、
基幹となるネットワークについて、
供用しているところ、
それが計画路線も含め、
構築していってはどうか。
このようなネットワークに対して、一番下ですが、機能強化を図っていく。具体的に申
しますと、災害時の道路の啓開、あるいは復旧の迅速化を図る。あるいは生産性、あるい
は人手不足の観点から、トラックの大型化がどんどん進んでいますが、その大型化に対応
した道路構造の強化を図っていく。あるいは大規模施設、渋滞の観点からですが、沿道利
用のコントロールの強化を図る。
そういった機能の強化を図って実現していってはどうか。
その実現のために重点支援、あるいは投資をしていくというような形で今後のネットワー
クの方向性を考えていってはどうかというものでございます。
これにつきましては、その次の4ページ目でございますが、今年の7月に閣議決定され -4-ました総合物流施策大綱にも、その考え方、思想が記載されております。
以上が大きな考え方の部分でございますが、
では、
個別具体に見ていきたいと思います。
次の5ページ目をごらんください。まず災害時の課題のところでございます。緊急輸送道
路の現状とございますが、現在、地震直後から発生しますいろいろな緊急輸送を円滑に実
施することを目的としまして、平成8年以降、全国で約10万キロが指定されています。
供用中の道路を対象にしまして、左下の図にもありますとおり、拠点間を相互に連絡する
ように設定していまして、この拠点の特性に応じてネットワークを1次から3次まで区分
してございます。メーンとなるのが1次のネットワークでございまして、右側に指定の状
況がありますが、高速道路、それから直轄国道のほとんど、これが1次ネットワークに入
ってございまして、5万6,120キロが指定されているというような状況でございます。
そのネットワークの基となる拠点というのは、どのようになっているかと申しますと、
6ページ目をごらんください。
こちらにリストが出ていますが、
地方公共団体であったり、
あるいは特定行政機関の所在地であったり、
あるいは支援物資の備蓄拠点であったりなど、
約40種類にも及ぶ拠点が設定されているというのが現状でございます。
これらの拠点をネットワークで結んでいくというので、
思想としてはクリアなのですが、
実際の道路に当てはめるどうなっているかというのが7ページ目でございます。7ページ
目に熊本と福島の例をそれぞれ載せてございますが、ごらんのとおり非常に複雑なネット
ワークを形成してしまっているというような状況でございます。このネットワークが実際
の地震などのときにどうなったかということで、7ページ目の下、8ページ目をごらんい
ただきますと、熊本ですが、熊本県には2,000キロ緊急輸送道路がございました。先ほ
ども申しましたように、これが地震で50カ所が通行止めを発生してしまった。緊急輸送
道路ということで、すぐに使いたいといっても、なかなか使えないところが多々あったと
いうわけでございます。
また、この緊急輸送道路の1次ネットワーク、先ほど高規格あるいは直轄国道と言いま
したが、そもそも直轄国道についても、実は事前通行規制区間と申しまして、豪雨ですと
か地震のとき、土砂災害のリスクが高いところが全国約200カ所ございます。8ページ
の右側に図が出ておりますが、下のところには今年10月に宮崎県日南市で起きた規制区
間で崩れたというところでございます。こういったことが起きるということで、こういっ
たところも緊急輸送の必要になる可能性も高いというものでございます。
以上が災害時の課題でございますが、続きまして9ページ、平常時の課題をごらんくだ -5-さい。今現在、ごらんのとおり貨物の小口輸送化が進行してございます。左側のグラフを
見ますと、
物流件数をロット規模別に出しておりますが、
濃い青のところが0.1トン未満、
これが20年前からどんどん割合が増えているのがわかるかと思います。
また、eコマース、宅配便などの取扱量も急増しておりまして、右側のグラフは金額ベ
ースでございますが、
この直近10年もたたないうちに約2.6倍に増えているというよう
な状況でございます。
そういった貨物が増えていく中で、深刻なドライバー不足も進行してございます。10
ページ目でございますが、ドライバーはそもそも不足している上に、平均年齢もどんどん
上がっているというような状況で、非常になり手も不足しているというのが実態でござい
ます。
さらに、11ページ目でございますが、今度は道路の話でございますけれども、渋滞損
失というのも多く出てございます。すなわち、せっかく数少ないドライバーが物流をして
いても、渋滞に巻き込まれることによって、左側にもございますが、年280万人分の労
働時間に匹敵する時間が渋滞によって失われているというものでございます。
どのようなところに渋滞が発生しているかというので、右側をごらんいただきますと、
商業施設が渋滞の要因になっているのが、
全体の主要渋滞個所の中の1割ほどございます。
また、この大規模な小売店の店舗数が増えているというような傾向でございます。この周
りでどのような渋滞が起きているかというのは、皆さんの感覚でもわかると思います。経
験もあると思いますが、12ページ目にもあるとおり、店舗の駐車場に入るために待ち行
列ができてしまう。あるいは、右左折を繰り返すために、後ろの車が速度が著しく低下し
てしまうということで、店舗の開業後にいろいろな渋滞が発生しているというケースが多
発しているというような現況でございます。
さらにこれは渋滞だけではなくて、事故も発生しておりまして、次のページ、13ペー
ジ目でございますが、こちらは大規模な小売店舗、店舗面積約3万平米のものの立地前と
立地後を比較したものでございます。そもそも渋滞も、右側の上に書いてありますが、平
日で店舗が開く前と比較しますと4.4%、あるいは休日で5.5%渋滞損失時間が増えて
いますし、事故も、これは左側の図を見てもらいますとBというところに大規模が立地す
るところで、その前後、道路のAとC地点にそもそも主要渋滞ポイントがあった。その半
径500メートルのところで事故を見てみますと、
もともと渋滞ポイントであったA、C、それから店舗ができるB、そこで事故件数が軒並み増えているという実態もございます。 -6-このように、人手不足の中で渋滞が発生する、また事故も発生しているというようなこ
とが課題として平常時としては挙げられているというものでございます。
それに対して、どのようにしていくのかというものでございますが、14ページ目でご
ざいます。災害・物流ネットワークの基本的な設定のイメージでございますけれども、現
在、非常に広く複雑にネットワーク、あるいは拠点を結んでおりますが、その絞り込みを
行って、基幹となるネットワークを計画路線も含めて構築してはどうかというものでござ
います。下の図でイメージが書いてございますが、左側が現在のイメージでございますけ
れども、右側に基幹となる、軸となる道路を定めて、そこから拠点へアクセス路をシンプ
ルに接続していくというような形でネットワークを設定していってはどうかと考えてござ
います。
また、その結ぶ拠点でございますけれども、次の15ページ目をごらんください。先ほ
ど40種類の拠点とご説明させていただきましたが、それらの拠点のうち、空港ですとか
港湾、あるいは鉄道駅など、主要ものに絞り込んでいってはどうかということで、拠点設
定のイメージとして、主要な物流拠点、あるいは災害時の物流拠点として、こういったこ
とを検討していこうと考えてございます。
また、絞り込むだけではなくて、最近の緊急物資輸送体系にもちゃんと対応していこう
ということで、16ページ目に参考として書いてございますが、熊本地震のときなど、プ
ッシュ型の支援ということを行ってございます。その物資集積拠点、こういったものにつ
いては新たな輸送体系の拠点として考慮する必要があるだろうというものでございます。
さらに、それに対して機能強化ということで、17ページ目をごらんください。災害時
いろいろと土砂崩れなどで道路が通行できなくなるようなことがございます。直轄国道に
ついては、我々国が自ら乗り込んで行って、もちろんやるのですが、この表にありますよ
うな補助国道、あるいは地方道といったような、地方が管理している道路について、国が
今乗り込もうとしても、例えば、道路啓開の際、発生直後は相手側の行政機能が壊滅的に
失われた災害に限定となってございます。裏を返すと、壊滅的に打撃を受けないと国が乗
り込んでいけないということなので、これに関しては迅速な救急救命活動、あるいは復旧
活動を支えるという観念から、もう少し国が乗り込んでいける対象の範囲を拡大していっ
たらどうか。これを発生直後の道路啓開あるいは災害復旧で拡大していく、そのようなこ
とを考えてはどうかというものでございます。
さらに機能強化としまして、18ページ目でございますが、災害時の啓開・復旧の迅速 -7-化です。先ほども申しましたが、直轄国道であっても、事前通行規制区間などで少し災害
などに弱いところもございます。先ほど宮崎県日南市と言いましたが、まさにそのところ
でございますが、直轄が管理している海沿いのところですけれども、こちらは10月28
日から全面通行止め、写真のような被害を受けまして通行止めになりました。その際、県
道の28号が迂回路として代替路として使われたわけでございます。右下にグラフが書い
てございますが、
被災を受けた直轄が約4,500台減る一方、
代替路となった県道28号
は5,500台増えるということで、代替路としての機能は満たしている。
なので、このような脆弱性が懸念されるような区間につきましては、あらかじめ代替路
を明確化しまして、啓開ですとか復旧の迅速化を図っていってはどうかと考えているとこ
ろでございます。
さらに機能強化としまして、今度は19ページ目でございますが、渋滞の観点から、大
規模施設等の沿道利用のコントロールの強化というものを考えていくのはどうかと考えて
ございます。これに関しましては、イメージとして20ページのほうがわかりやすいかと
思いますので、ごらんいただければと思いますが、今現在は沿道利用に関しては自動車専
用道路、こちらは沿道利用は全部原則禁止となっております。一方、一般道は沿道利用は
自由にできるということで、
原則禁止か自由かという両極になっているわけでございます。
それに対して、もう少し中間的な位置づけがあってもいいのではないかと。ある程度、空
港とか港湾などのアクセス道路など、
交通量があると見込まれるようなところであっても、
きちっとした対策を行った上で、大規模施設、商業施設、そういったものの連結が可能に
なるというようなものを考えていってはどうかということで、新たな連結許可というもの
を考えていこうと考えてございます。
具体的には21ページに、連結許可制度のフローとしまして、これから整備される道路
についてなのですが、連結許可を大規模施設の施設設置者が事前に交通影響の予測ですと
か、あるいは事前の渋滞対策等をあわせて申請してくる、それを道路管理者が審査した上
で、許可条件で事後対策といったものの実施を義務づけた上で連結許可をする。立地後、
モニタリングをして、何か追加対策が必要であれば、例えば追加対策をする、そのような
新たな連結許可制度というものを考えていってはどうかと考えてございます。
最後の機能強化としまして、トラックの大型化に対応した道路構造の強化としまして、
22ページ目をごらんください。近年、世界的に国際海上コンテナ、40フィート背高コ
ンテナが増えてございます。左下のグラフにもあるとおり、20年前と比べますと、ひと -8-きわ大きく伸びている赤いものが40フィート背高コンテナでございますが、こういった
ものが今、特車の許可台数に示す割合で14%ほどを占めてきているというようなもので
ございます。
今現在ですと、この40フィート背高コンテナを道路を通ろうとしますと、全て特車の
許可が必要になってくる。我々としても特車の期間を短くするような努力はそれなりにし
てはいるのですが、そもそも特車の許可をなくして、効率的に輸送できる、そして生産性
を向上させたり、あるいは国際競争力の強化に資する、そういったネットワークを構築し
ていくべきではないかというものでございます。
次の23ページ目に、特車の許可制度の概要が出てございます。今現在、左側の図に書
いてあるような車輌の一般的な制限を超える場合は、右側のフローにあるような特車の通
行許可というものを受けないと通行できないというような状況になってございますが、一
般的制限値を国際的に比較して見てみますと、24ページにその一覧表が出てございます
が、幅については日本は今2.5mに対して、イギリスやドイツ、フランスもほとんど大差
はないのですが、
高さについていいますと今現在3.8m、
高さ指定道路につきましては既
に4.1mになってございますが、
これに対してイギリスやフランスは規定なしというよう
な状況になっています。また、長さに関しては12m、高速道路については16.5mにな
ってございますが、基本は12mに対して、イギリス、ドイツ、フランスいずれも16.
5m。
16.5mというのは、
先ほど40フィート背高コンテナの長さが16.5mでして、
このような形になっているというものでございます。車輌総重量につきましては20トン
ということで、
大分諸外国と比べると見劣りがしているというような状況でございまして、
こういったものについて少し対応していく必要があるのではないかということでございま
す。
次の25ページは、国際海上コンテナ車の輸送状況でございますが、ここ5年間で許可
台数は1.5倍に増えています。
どんどん増えているというような状況でございますし、車両の総重量も40トン以下が大体台数の7割を占めているというような状況でございます。
また、コンテナ車、全国を広く通行してございます。26ページに、大体申請経路が3万
以上のものを日本地図に緑色で塗ってございますが、このような全国的なネットワークで
いろいろと走っているというような状況でございます。
これに関して、少し基準を引き上げることによって、特車の許可なくして通れるように
できないかということで、27ページでございますが、基準の引き上げと運用の方向性と -9-しまして、今現在、全体として道路があります。項目の災害・物流ネットワークというも
のを構築していこうと考えてございますが、災害・物流ネットワークの新設・改築に適用
する道路構造基準、これについては、40フィートの背高コンテナが特車の許可なく通行
可能となるような水準まで引き上げていってはどうか。
また、供用中の道路で災害・物流ネットワークの一般的制限値については、道路構造の
観点から支障のない区間に限定した上で、40フィート背高コンテナに対応する水準まで
引き上げていってはどうかというものでございます。
下の三角形のグラフのうち、ピンクのところが災害・物流ネットワークですが、そのう
ち、この赤い線で囲んであります一部については一般的制限値の引き上げを図っていこう
と。
国際コンテナの走行が多いところも指定しまして、
特車の許可手続は不要にしようと。
ただ、そうしますと、ちゃんとそこのルートを走っているか、あるいは重量が問題ないか
というのは確認しなければ、構造物を傷めてしまうということですので、走行経路あるい
は重量といったものを確認できる車両に限定するといったことで、こういった対応ができ
ないかということを考えております。
既存の物流関連のネットワークいろいろございますので、イメージとして28ページに
図を書いてございますが、緑色と、それからオレンジ色、高さ指定道路が4万9,000、
あるいは重さ指定道路が6万2,000、
それぞれ指定されております。
そういったものと、
おそらく重複するところは多々あると思いますが、赤い太線で書いてある災害・物流ネッ
トワークというものを構築していこうと。その中でも、今ピンクで丸く書いてございます
が、そこの部分については40フィート背高コンテナの特車の許可を不要にしていくとい
うようなことを考えているところでございます。
最後、参考でございますが、実は、重さですとか、そういったものをモニタリングでき
るようにした上で、車両重量の緩和をしているという事例は海外にもございまして、29
ページ目はオーストラリアの例でございますが、より緩和された重量規制、左側にありま
すが、もともと一般的な重量規制として表に書いてございますけれど、それよりもより緩
和した重量規制、赤枠で囲んである、こういったものの制度を緩和された重さで運ぶ際に
は、車両の位置情報あるいは重量のモニタリングシステムを提供するサービス事業者と契
約する、そういったことをした上で、緩和した形で提供することができるというような制
度でございます。
さらに、30ページでございますが、SOLAS条約による海上コンテナの総重量の確
-10-
定ということで、昨年の7月に発効したものですが、そもそもコンテナの重量について明
確化しなさいという条約が、昨年の7月に発効してございます。海上コンテナにつきまし
ては、そもそも輸出国においてコンテナの総重量の確定が義務づけられている、こういっ
た国際的な流れも踏まえて、今回こういった新しいネットワークといったものの構築をし
ていくことについて、今検討しているというところでございます。
説明は以上でございます。
【根本委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明に対して、ご意見、ご質問があれば、よろしくお願いいた
します。いかがですか。
【朝倉委員】 早めに発言したほうが楽なので、早めに発言します。2つ、3つあるの
ですけれど、1つは、ネットワークをめり張りをつけた形で機能強化しましょうというこ
とについてであります。そのこと自身については、私もそれがよいアイデアだと思うので
すけれども、とは言うものの、ネットワークは壊れることがあるので、ネットワークは壊
れることもあるということを前提にしたネットワーク形成というのも、あわせてご検討い
ただきたいと思います。ネットワークは絶対壊れないようにつくってしまうのは、必ずし
も機能しない可能性があるので、基本的にはめり張りのある機能強化をするのだけれど、
とはいえ、
壊れる可能性もあるので、
そのときに、
どのような形でそれをサポートするか、
ある意味では冗長性というか、信頼性というか、そういったファクターを入れていただい
てもいいかと思いました。
それから2つ目は、ハードとしてのネットワーク形成を図るということは、もちろん重
要なのですけれども、実際の物資を輸送するということになると、どのようなオペレーシ
ョンをするかということが非常に密接に関連してくると思います。この辺は、道路局のお
仕事とは必ずしもいえないかもしれないけれども、ネットワークが実際どのように災害時
に使われるのかということもあわせて、ネットワークの形成を考えていただくことが非常
に重要なのかなと思いました。
それから3つ目は、ここでご提案されているのは、もっぱら物資の輸送ということが主
なフォーカスだと思うのですけれども、これはそうそうあることではないですけれども、
人のほうです。広域的に人が避難しないといけない、動かないといけないことも考慮しな
いといけなくて、例えば特定の火山であるとか、あるいは、あまり広くないかもしれない
けれど、大規模な水害です。例えば江東5区に200万人住んでおられて、その方々を、
-11-
例えばほんとうに24時間以内に避難してもらわないといけないというときに、例えば道
路がボトルネックになって動けませんというのは当然あり得ると思うので、そういったこ
とも考えなければいけないとは思うのですけれど、それを本日の広域のネットワークとあ
わせて議論するべきかどうかは別として、
災害のネットワークということに関していえば、
物流だけではなくて、人のほうもある程度考えておかなければいけないのかなということ
であります。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございました。
それでは、ご意見は。どうぞ。
【羽藤委員】 ご説明ありがとうございました。今後の災害・物流ネットワークを一律
全て拠点ベースで見て、機能強化と重点支援投資をやっていくというのは、まっとうな、
ぜひやっていただきたい方法論であると認識しました。
ただ、
その一方で、
緊急輸送道路がほんとうに緊急時に動くかというところについては、
熊本地震のときに認識いただいたように、動かない場合もあるということです。そこを何
とかするというときに、大型車通行許可を電子的にやったのでいいのかというと、例えば
首都直下が起こる、南海トラフが起こるといったとき、道路が一部閉塞してしまうと、著
しく通過車両の量が限定的になります。どういった車に許可を出して、もの、人を運べば
いいのかということに関して、より柔軟に対応しようとすると、電子的な手続を標準化し
ておくというところがないと、以前、東日本大震災のとき東北に向かうときに、許可が下
りる、下りないで、苦労した覚えがありますので、普通車でも、トラックでも手続ができ
るようにしておくことが、緊急輸送道路を生かすという意味では、災害のレベルによって
は必要不可欠なのではないかと思いました。
あとは、これも前から言っているのですが、緊急輸送道路のところで、休憩したり、自
衛隊さんですと兵站拠点のようなものを輸送路に置いておくわけですけれど、道の駅でも
構いませんし、緊急輸送道路が拠点と拠点を結ぶというだけではなくて、途中にトラック
であるとか、一般車がちゃんと休めるようなところに行けば災害の状況がわかって、どこ
に行けばいいかが一旦わかるというような拠点は、あわせて必要なのではないか。
熊本のときに、私も現地に何回か行ったのですが、道の駅が益城町にはなかったもので
すから、どこで一旦情報を取ったらいいのか混乱しておりました。拠点を設けるという、
別の形の拠点という表現になるかと思いますが、そういったことも大事ではないかと思い
-12-
ました。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございました。
ほか、いかがですか。どうぞ。
【苦瀬委員】 苦瀬でございます。ありがとうございました。3つほど。まず第1番目
は緊急車両の通行のことで、羽藤先生がおっしゃっていたように、また朝倉先生がオペレ
ーションとおっしゃっていましたように、通行のプライオリティーというのはどこかで想
定して、うまく瞬時に処理できるような仕組みがほしいというのが1点目であります。
それから2つ目は、資料の6ページのところの支援物資の備蓄拠点の広域防災拠点に入
るのかもしれませんし、14ページのところでもアクセス路と書いてあるわけであります
が、この主要物流拠点というのが、私の聞き間違いかもしれませんけれども、トラックタ
ーミナルとか市場とか倉庫とかというように聞こえてしまったのですけれども、今までの
大きな災害では体育館だとか、展示場だとか、運動場だとかというのが使われていたわけ
でありました。ですから、その辺で少しそのようなものも含めて、幅広にアクセスという
ものを考えていただくと、ラストワンマイルがうまくいくのではないかと思いました。も
し、そのようにお考えであれば、私の誤解でございますので、無視して構いません。
それから3つ目は、大店の広域施設の話はどこでしたか。
【根本委員長】 20ページにあります。
【苦瀬委員】 そうですね。ありがとうございます。これなのですけれども、このよう
なことで、沿道沿いに大型施設ができた結果、道路に負荷をかける、これは困ったものだ
と、このようなことは全くそのとおりだと思います。ただ、大店立地法があって、そこで
多分コントロールされているのが不十分なのだとしたら、そちら側ともうまく連携を取っ
ていただければありがたい。
私が昔、このようなものでお手伝いしたときは、駐車場の入り口をずっと奥に引っ込ん
で、渋滞を敷地内にためるというようなことをやったり、いろいろな工夫をした覚えがあ
りますので、そのようなことでお考えいただければありがたいと思いました。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございます。
ほか、いかがですか。
【兵藤委員】 2つあるのですが、何度も今、意見が出ていますけれども、14ページ
-13-
の右側は、若干誤解を与えるような書き方だと思います。つまり、ネットワークを絞って
しまって、この真ん中の縦線が潰れたらどうなるかという不安を与えます。そのような素
朴な印象を持つので、絵の描き方を工夫していただいて、広域で見てみると、ここで描か
れている基幹道路自体も、ネットワークの一部になっているというイメージを持っていた
だいたほうがいいのかなという気がいたしました。
それから2つ目は、27ページの特車の話で、基準の引き上げが書かれていますが、こ
こではあくまでも道路のネットワークということであり、
実際には海上コンテナが通れる、
通れないというのは、交差点の右折、左折の折進条件といいますが、それに抵触すること
が多かったと思うのです。そのような意味では、ネットワークやリンクだけではなくて、
交差点だからノードでしょうが、それをどのように改良したり、交差点のあり方をどのよ
うに考えていくか、そういった視点も必要だという印象を持ちました。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございます。
どうぞ。
【上村委員】 遅れまして、済みません。今日は雪で新幹線が思う以上に徐行運転が長
かったものですから、遅れまして申しわけございませんでした。このようなものも緊急の
移動ということで、いろいろ慌てたりすることも多ございました。
お話のご説明は全部聞かずに言ってしまって、的外れであれば申しわけないのですけれ
ども。道路についての緊急輸送ということで、一般論になるのかもしれませんけれども、
情報の一元化というのを誰がコントロールするのか、どこがコントロールするのか、これ
が一番緊急時には困ることです。災害の規模にもよりますけれども、災害が起こる、大き
く高い震度の地震が起こったり、最近は大雨も多いですけれども、発生しますと、内閣府
本部で対策本部ができ、そしてそれが県に行き、また県をまたぐ場合には整備局に行った
りするのか、どのような形で、いざというときにどのような情報が、どこで一元化されて
いくのかということを平時で考えておく必要があります。そして5ページの図の中で、な
ぜ一元化かといいますと、緊急輸送物資は結構港から上がることが多いのです。今回の熊
本地震でも、緊急で八代港で代替処理したと思うのですけれども、港湾と道路をどのよう
につなぐ、一般道路をどのようにつなぐ、高規格道路をどのようにつなぐ、それをどのよ
うな形で一元的に情報がみんなに共有されて決定されていくのかという、そこを平時にシ
ミュレーションをいろいろしておく必要があると思います。
-14-
それから、高規格道路の場合は道路をストップするのは警察と協議しないといけないの
だけれど、緊急の場合にはそれを超えるのかどうかというのも、日頃から協議しておかな
いといけないですし、それから市町村県もいろいろなBCPをつくっているのですが、も
ちろん道路もつくっている、港湾もつくっている、空港もつくっているのだけれども、そ
れぞれの企業ももちろんBCPをつくっているのですが、そのようなBCPが、これも一
元的にどこかで情報の整合性があるようにしておかないといけないということだと思いま
す。
それから道路に関しては、復旧をどのようにしていくのかというのも、同時に復旧のと
きの対策、対応、それから発注方法とか、これはネットワークを超えた次の問題になるの
かもしれませんけれども、そのようなこともあらかじめ決めておきませんと、復旧できな
いと思います。地震だけではなく、それ以外のいろいろな事故が多いので、そのようなも
のももう少し個別に、大雨の場合、それから雪崩の場合、いろいろな中で緊急輸送道路と
いうのは、もう少し幅広く考えて、これを一歩進めていくためにはいろいろなオケージョ
ンを考えておかないといけないのではないかと感じました。
【根本委員長】 ありがとうございました。
よろしいですか。
【大串委員】 プッシュ型の輸送のときの話が16ページに書いてありますが、例えば
何がどこにあるかというストックの情報も、
どれだけ消費されつつあるのかというような、
ストックが時間を得てフローになっていく情報=在庫が減少していくというのを捉えてお
く必要があると思います。熊本地震のときには支援物資がどんどん来て、その保存で大変
だったという話がありますので、できれば現状を、何が、どこに、どのように保全されて
いるのかということを通常から情報共有しておくとともに、使われた場合の情報更新と新
情報の共有も行われる体制が必要です。さらに、賞味期限管理をしっかりしていないとこ
ろも結構あるのです。普段は、フードバンクと提携して、賞味期限切れになる前に有効活
用してもらうようにし、無駄のない備蓄が行われるようにお願いします。そのようなこと
を含めて、きちんと情報が一元化されている、道路の流れ、ものの流れ含めた、物流の流
れをうまいこと災害時で構築していただければありがたいと思いました。
もう1点は、先ほど大型商業施設の話が出ていましたが、地方では病院の統廃合が進ん
でいまして、幹線道路のすぐ近くに大型の病院を建てるという話が、土地利用の審議会な
どでよく出てまいります。病院も田舎では車を使って来院される方が多くて、うちの大学
-15-
の病院もものすごい渋滞を常々引き起こしたこともありまして、大学の周辺が駐車場だら
けになるぐらい院内駐車場を敷設して、やっと9時前に何とか渋滞が一旦引くというよう
な状態が起きたりしていますので、商業施設に限らず、大型施設で非常に流量が入るよう
な、人を呼び込みそうな施設に関して、事前にしっかり検討していただければと思いまし
た。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございました。
私も2つばかり。28ページの図ですけれども、赤い災害・物流ネットワークの中に大
型車誘導区間があって、それから、その中に国際海上コンテナの許可不要ネットワークが
あって、きれいな包含関係になっている。これはわかりやすくていいと思うのです。
ただ、このことに関して気になるとすれば、港湾区域の中で港から出るラストマイルが
大型車誘導区間に含まれていないようなものが、まだ残っているわけですけれども、この
図の意味するところは、そのようなことのないように、海上コンテナが出るところ全部が
大型車誘導区間に含まれていますということですから、
この絵のとおり実現できるように、
どんどんラストマイル指定してほしいということです。
それから、もう1つは、重さ指定道路というのは、この図の中で結構複雑な関係になっ
ていて、重さ指定道路に含まれているけれども、大型車誘導区間に含まれていないとか、
あるいは災害・物流ネットワークに含まれていないというところがあります。これは何か
というと、
多分
「現実はまだこのようになっています」、実際に今年、
来年指定するときに、
「このようなことが起きます」という話だと思うのです。当面そのようなことが起きてし
まうということはあると思う。
ただ、これは計画論として、ネットワークのあり方としては、このような包含関係でな
く、もっとわかりやすくやっていきたいというメッセージを出していくべきではないか。
だから、今この赤丸、ピンク丸、点々は計画論でいっているのだけれど、黄色はどちらか
というと現実論でこのようになっているという話をしているように感じました。両方もち
ろんあると思うのです。計画の考え方としてはこうだというのと、それから、当面現実で
は例外のようなものが出てくるけれども、それは将来的には解消するのだとか、その辺の
整理をしていただきたいと思いました。
以上です。
【苦瀬委員】 1つだけ、追加させてください。これは質問でも何でもないのですけれ
-16-
ど、言い忘れたことがあります。先日、マーケティングの先生と話していたら、アメリカ
では大規模商業施設のことを昔はノーパーキング、ノービジネスだと。要するにパーキン
グがなかったら、お客さんは来ないと、このようにいっていた。ところが最近は、ノーデ
リバリー、ノービジネスだと。つまり、ウォールマートとか、そのような大型店舗が、郊
外型がどんどん店を減らしているというような話になって、日本はどうなるのだろうとい
う話になって、それはこれからわかりませんねという話をしたということだけを言ってお
きたかった。
以上です。
【根本委員長】 それでは、たくさん出ましたけれども、お答えお願いします。
【道路経済調査室長】 いろいろご指摘、ありがとうございます。多くの方からいただ
きました緊急輸送道路のところでございますが、確かに今日は少しインフラ的な観点から
構造を強化するというような話もさせていただきましたが、オペレーションであったり、
情報の一元化であったり、あるいはどのような車を通行許可するかという手続の標準化で
あったり、そのようなソフトの部分、使い方の部分と組み合わせながら考えていく必要が
あるのだと思いました。なので、思想として、このようなことを考えていきながら、また
実際の使われ方を意識していきたいと思います。
そういったときに、また拠点の話もございました。拠点などについては、今後地域の実
情に合わせて、地域の防災会議等でいろいろと議論した上で決めていく必要があるかなと
思っていますので、そのようなところを今後丁寧にいろいろやっていきたいと思ってござ
います。
それから、ネットワークについて、壊れることもあるというのを前提に考えていかない
と、確かに全て壊れないようにつくるのはできませんので、先ほども例で言いました代替
路とか、そのようなことも考えながら、そういった前提に考えを進めていきたいと思って
おります。
また、拠点については、あわせて途中に休めるような情報拠点等も必要だというご指摘
もございました。そういったものも今後地域の実情に合わせながら検討していきたいと思
っておりますし、
それからあと、
ネットワークの描き方についてもご指摘いただきました。
確かに14ページの描き方ですと、1本だけぶら下がっていて、これが切れたらどうなる
のだというように見えます。実際は高規格と並行して直轄等もあるものですから、そのよ
うなことがネットワークとしてわかるような、だけどシンプルにしていくのですというよ
-17-
うな図の描き方なり工夫はしていきたいと思っております。
それから、あとたくさんいただきましたが、大規模商店の関係ですけれども、大店立地
法との連携、ぜひ、このようなこともしていく必要があると思います。主に大店法は敷地
内でのいろいろな工夫という話でしたが、渋滞をなくすと便益を受けるということで、少
し外も含めて、その辺、連携はきちっとやっていきたいと思ってございます。
それから、委員長からご指摘がありました港湾、港のラストワンマイルのところ、おっ
しゃるとおり、港湾の最後のところは港湾管理者が決めているところもございます。大部
分の内陸は道路管理者が決めているということはあります。その辺は、うまく連携ができ
るよう、今後きちっと検討していきたいと思っております。
それから、ベン図のところ、確かにこれは現状を書いていたものですから、思想として
今後このようになっていくのだというのを少し整理はしていきたいと思ってございます。
私からは以上でございます。
【根本委員長】 全部はお答えできなかったところもありますが、どうしてもこれだけ
は答えてほしいという、何かありますか。
それでは残りは宿題にして、
次回以降、
お答えいただけることもあるかと思いますので、
よろしくお願いいたします。
さて、そうしましたなら、次、
(2)番、今後の物流政策の基本的な方向性についての進
捗状況について、ご説明よろしくお願いいたします。
【道路計画調整官】 まず資料2をごらんください。主な道路関連施策(答申)に関す
る進捗状況でございます。表紙をめくっていただきまして、表がずっと続いているところ
でございます。27年12月に答申をいただいて、その中の主な施策と取り組み状況を簡
単に表にしたものでございます。この小委員会につきましては、この答申のフォローアッ
プをしていただくといったところがメーンでお願いしているところでございますので、2
年たちましたので、どのような進捗状況かというところについて整理させていただいてい
るところでございます。
個別にはまたこれから説明いたしますが、
表を見ていただきますと、
2のETC2.0の
活用というところで、前回11月に車両運行管理支援ということで、28年2月から実験
をしていたものを、来年度からの導入に向けて整理していきますということで報告させて
いただきました。
そして今回、3の適正通行へのインセンティブ、特車ゴールドと書いてございますが、
-18-
これも平成28年1月から導入を開始しておりますので、その状況を踏まえて、今後どの
ように改善していくのかといったことについて今回ご議論いただきたいと思っているとこ
ろでございます。
また、4ポツの車両の大型化による効率化・省人化につきましては、前回11月にダブ
ル連結トラックの実験状況についてご報告させていただいたところでございます。今回は
2の危険物車両の通行の効率化ということで、これについても災害時に限定して平成28
年8月に新しい制度を導入したところでございますが、その状況についてご報告したいと
考えているところでございます。
また、5ポツ目の過積載等の違反者への厳罰化というところで、これも前回11月に荷
主にしっかりと責任を負ってもらうやり方はないかということで、取締り時に荷主の情報
も聴取するということについてご説明させていただきました。これにつきましては、ちょ
うど今週、記者発表させていただきまして、12日おとといから施行を導入したというと
ころでございます。
また、8ポツ目の「小さな拠点」を核としたといったところについては、自動運転を活
用したものについて前回報告させていただきました。
そして一番最後の、宅配便の再配達の削減ということで、道の駅に宅配のロッカーを置
いて、今実験をしているところでございますが、その状況について今回ご報告させていた
だきたいと思っているところでございます。
このように、主な施策だけ並べさせていただいておりますけれども、随時進捗について
ご報告し、意見をいただきながら、よりよい施策にということで取り組みを進めていきた
いと思っているところでございます。
個別に説明させていただきます。
【ITS推進室企画専門官】 それでは資料3をごらんいただけますか。まず、ETC
2.0装着車への特殊車両通行許可簡素化制度、
特車ゴールド制度といっておりますけれど、
これについての進捗状況をご報告させていただきます。
めくっていただきますと、まず特殊車両通行許可制度の概要とゴールド制度の概要を説
明させていただきます。左側の絵にありますとおり、通常よりも大きい、あるいは重い、
そういった一般的制限値を超える車につきましては、道路管理者に許可をいただいて通行
していただくという形になっておりますけれども、これについては1本1本の経路を特定
をして、その経路のみ通行できるという仕組みになっているところでございます。
-19-
これにつきまして、右側にありますとおり、今回の特車ゴールド制度につきましては、
赤く塗っておりますルート、大型車誘導区間につきましては自由に選択できますというよ
うな仕組みにしております。これはETC2.0をつけた際の限定でございますけれども、
さらに違反がなければ更新手続も簡素化する、そういった仕組みをとっておるということ
でございます。
状況でございますが、次のページでございます。左側の棒グラフですけれども、昨年1
月から実施を開始しております。
当初は受付窓口を関東にのみ設置しておりました関係で、
若干伸び悩んでおりましたけれども、今年の2月から全国で受付窓口を設けまして、そこ
から一気に増えているという状況でございます。
車両の種類につきましては、右側円グラフでございますけれども、多いのは海上コンテ
ナのトレーラー、それからバン型の一般セミトレーラー、これで大体4分の3ぐらいを占
めているということでございます。
次にODでございますが、めくっていただきまして、左側の棒グラフでございますけれ
ども、ODを見ていきますと、多いのは赤く枠で囲っておりますけれども、港湾ですとか
トラックターミナル、こういったところがメーンになっているところでございまして、右
側の地図をごらんいただきますと、これは首都圏だけでございますけれども、赤丸がOD
になっておりまして、おおむね東京湾の湾岸に大部分があるというような状況でございま
す。
経路の延長については、左下の棒グラフでございますけれども、あまり長くなくて、赤
枠で塗っておりますとおり、100キロ未満という経路が大体半分以上というような状況
になっているところでございます。
次のページでございますが、実際にどのような申請、それから通行されているのかを示
したものでございます。左側が申請のルートでございまして、赤く塗っておりますところ
が申請で挙がってきたルートでございますけれども、これについて右側、許可を得ました
期間内にどのように通ったのか調べましたところ、緑色のルートということで、もちろん
申請のあったルートも通っておりますけれども、一方で、誘導区間についても通っている
ということで、若干柔軟に通っていただいているような状況かと思っているところでござ
います。
このように、大体思っていたようなことはできているかなと思っておりますけれども、
ただ一方で、運用上の課題も幾つか出てきておりまして、最後のページでは、それについ
-20-
て若干説明させていただければと思っております。大きく4つございまして、1つ目は、
この申請がETC2.0車載器ごとに申請という形になっております関係上、
通常の申請で
すと複数のトラックをまとめてというのができるのですが、
包括ができないということで、
これについては平成30年ごろをめどに、できるような形に検討していきたいと思ってお
ります。
それから2番目でございますけれども、許可を受けたルートの許可の書類、これについ
ては今、紙面で携行という形になっております関係上、大型車誘導区間も含めての書類を
ずっと持っていかなければならないというのが、かなり膨大だという状況でございます。
これについては、電子媒体で持っていただいて構いませんというような形の仕組みにして
いきたいと思っておりまして、これについては30年をめどに実施したいと考えておりま
す。
それから3つ目でございますが、先ほどご説明しました申請ルートと、それから実際に
通ったルートの確認ですけれども、今現在、手作業でやっている状況でございますので、
これについてはシステム化を図っていきたいと思っております。
それから最後、4番目でございますけれども、今、大型車誘導区間のみの条件になって
おりますので、これについて、それ以外のラストマイルをどうするかという部分がござい
ます。これについては、ひき続きこれを充実するようなことを検討していきたいと思って
おります。
ゴールド制度については以上でございます。
【根本委員長】 では、続けてお願いいたします。
【ITS推進室長】 それでは資料4をお願いいたします。長大トンネル等におけるタ
ンクローリーのエスコート通行方式についてご報告をいたします。1ページ目をお願いい
たします。こちらは長大トンネル等における通行規制の現状でございます。平常時におき
ましては、長大トンネル、水底トンネル、そして水際トンネルにおきましては、トンネル
の構造の保全や交通の危険を防止するために、危険物を積載する車両の通行を禁止、また
は制限をしております。対象となるトンネルにつきましては、全国で35カ所ございまし
て、関越トンネル等の長大トンネルが16カ所、関門トンネル等の水底/水際トンネルが
21カ所の合計35カ所ということでございまして、2ページに、その具体的な位置を示
してございます。
3ページをお願いいたします。一方、東日本大震災におきましては、被災地におけるガ
-21-
ソリンの需要が短期間に激増したとともに、被災地周辺の石油基地ですとかタンクローリ
ーが被災をいたしまして、ガソリンの需給が大変逼迫したということがございました。そ
こで、災害時に被災地への迅速なエネルギー輸送を確保するために、石油等を輸送するタ
ンクローリーにつきまして、前後に誘導車を配置する、エスコート通行方式によりまして
通行の安全を確保する場合には、災害時に限定して長大トンネル等の通行を可能とするよ
う、昨年8月に制度を改正したところでございます。
次のページをお願いいたします。こちらは、この災害時のエスコート通行方式の運用に
ついてのご説明になります。
まず、
エスコート通行方式の適用条件でございますけれども、
長大トンネルの構造の保全と、それから交通の危険を防止するという観点から、極めて限
定的に通行制限を緩和するということにしておりまして、具体的には次の3つの点になり
ます。
1つ目は、災害発生時に、原則として災害対策基本法に基づきます緊急災害対策本部ま
たは非常災害対策本部が政府に設置されている場合に、被災した地方公共団体等から災害
対応に必要な燃料の供給の要請がある場合というのが1つ目でございます。
2つ目が、道路管理者が特に通行を認めた場合。
それから3つ目が、タンクローリーの通行の安全を確保するために必要であると道路管
理者が認める措置が講じられている場合ということで、この3つ全てが満たされる場合に
限りまして、タンクローリーの通行を認めることとしてございます。
また、誘導車につきましては、普通自動車等の一般的な自動車といたしまして、車両前
後に注意喚起を記載したカッティングシートなど貼付する予定でございます。
さらに運転手につきましては、各車両の運転に必要な資格ですとか、それから特殊車両
等の誘導経験、隊列での走行、非常時の対応に関する安全教育訓練を受講・修了している
ことを条件にしてございます。
次のページをお願いいたします。5ページ目になります。具体的な運用のイメージでご
ざいます。許可を受けたタンクローリーが、隊列を組みまして誘導車にエスコートされな
がら通行するということでございますけれども、集合場所につきましては、原則としてト
ンネルの手前で流出が可能なインターチェンジが確保可能な休憩施設といったところでご
ざいまして、解散場所として長大トンネルを通過した後の直近の休憩施設ということにし
ております。
誘導車につきましては、トンネル直後のインターチェンジで一旦下りまして、集合場所
-22-
にまた戻って、次の隊列を誘導するというようなサイクル誘導というところを予定してい
るところでございます。
次のページをお願いいたします。6ページ目になりますけれども、こちらは個別の箇所
につきまして、災害時の通行規制の緩和の状況でございます。高速道路、一般道路、2つ
分けておりますけれども、代替路が少ない長大トンネルにつきまして、優先的に都道府県
公安委員会と協議を進めてきたところでございまして、高速道路については9カ所、一般
道路につきましては2カ所が、予定を含めまして年内の運用開始ということになってござ
います。
また、代替路のある都市高速道路等の長大トンネルにつきましても、速やかな通行制限
の緩和に向けまして、都道府県公安委員会と別途協議をしてございます。
最後に、今後の方向性でございます。7ページをお願いいたします。平成27年12月
の物流政策の基本的な方向性という中でも、
ETC2.0やITを活用した危険物車両の通
行の効率化というところにつきまして、安全性の確保に留意しながら検討する必要がある
というようなご提言をいただいているところでございます。
そこで、
今後につきましては、
災害時におきましてもETC2.0や最新の安全技術の装
着などを条件にいたしまして、エスコートなしも含めて、さらなる運用の効率化について
検討してまいりたいと思っております。
また、平常時につきましても、エスコート通行方式やETC2.0、最新の車両安全技術
の装着等を条件にしまして、通行を可能とすることを検討してまいりたいと思ってござい
ます。
いずれにつきましても、長大トンネル等の通行のニーズですとか安全性を確認しつつ、
現場での確認等も活用しながら検討してまいりたいと思ってございます。
以上でございます。
【道路計画調整官】 最後に資料5でございます。道の駅を活用した再配達削減実験の
状況についてでございます。
まず1ページ目でございます。
以前もご説明いたしましたが、
最近、宅配がものすごく増えていて、そして再配達といったものが約2割を占めている。
今後のドライバー不足といったものに対応するために、再配達といったものを何とか減ら
していかなくてはいけないということで取り組みをやっているものでございます。
一方で、再配達を削減するためにという取り組みの中で、都市部の駅、あるいはスーパ
ー、コンビニといったところで宅配ロッカーがどんどん民間ベースで置かれているといっ
-23-
たところがございますが、
一方で、
地方部においても同様の取り組みが必要ではないのか。
そのために道の駅、
全国に1,100カ所以上ございますが、
その道の駅をうまく活用でき
るのではないかということで、実験を始めさせていただいたところでございます。
2ページ目をごらんください。再配達削減の方策と書いてございますが、これも実験を
始めるときにご説明させていただきましたが、3つのパターンがございます。一番最初の
パターン1、これは少し非効率なパターンですけれども、営業所から自宅に宅配便を配達
して、不在であれば営業所に持ち帰って、不在であった人が希望すれば道の駅に再配達で
運んでいって、そこに受け取りに来てもらうというやり方でございます。パターン2とい
たしましては、その中間のやりとりを省略して、不在であれば自動的に道の駅に持ってい
くというやり方。パターン3が一番効率的なやり方でございまして、最初から希望されれ
ば道の駅に持っていって、そこへ受け取りに来てもらうといったようなパターンが考えら
れてございます。
まずは段階的に進めるということで、パターン1について、平成28年10月24日か
ら実験を開始させていただきました。そしてパターン2については、下に書いてございま
すけれども、不在であったからといって、勝手に道の駅に持っていくといったことについ
て、事業者はなかなかそれは難しいのではないかといったような声がありましたので、パ
ターン3から先行させていただくということで、平成29年11月先月からこの実験のパ
ターンについても取り組ませていただいているというところでございます。
3ページ目をごらんください。実験の場所でございます。この場所につきましては、埼
玉県の春日部市にございます道の駅「庄和」というところで宅配ロッカーを置かせていた
だきまして、実験を進めているところでございます。なぜここの道の駅「庄和」かと申し
ますと、まずは道の駅の利用者が比較的多いこと、そして周辺に市街地といったものもあ
るというところ。そしてちゃんと設置スペースを設けられること。そして、まずは最初と
いうことで、宅配事業者のロッカーの運用管理ということで、宅配事業者の営業所といっ
たものが近くにあるというところで、この宅配事業者と調整させていただいて、宅配ロッ
カーを置いたところでございます。
設置ロッカーについては6ポツのところに書いてございますが、はこぽすという日本郵
便の宅配ロッカーを16個、PUDOという共有の宅配ロッカー、ヤマトと佐川さんが使
っているのですが、これを36口設けたところでございます。
そして4ページ目でございます。実験を始めたところでございますが、その利用状況で
-24-
ございます。利用件数、出庫ベースでございますけれども、約11か月間で706件利用
されたところでございます。右のグラフでございまして、曜日別平均利用件数と書いてご
ざいますが、大体平均で2件ぐらい使われているということで、かなり何十口も宅配ロッ
カーがあるのですが、これぐらいの出庫の利用といったところで、なかなかうまく利用さ
れていないといったところがございます。
傾向といたしましては、月曜、火曜が少なくて、週末に伸びていくといったような傾向
になっていて、
おそらくこのような宅配を利用される方は週末にネットなどで注文をして、
そして宅配事業者の方々が週の前半で運送して、そして宅配ロッカーに、いなければ週末
ぐらいに届けるといったところで、こうした段差ができているのかなと考えているところ
でございます。
受取時間帯のシェアでございますが、平日につきましては大体18時から24時ぐらい
のところが7割ぐらいといったところを占めておりまして、夜間に取りに来ていただく方
が比較的多いといったような状況になっているところでございます。
次は5ページ目でございます。利用者の特性でございます。男女の利用割合でございま
すが、これは名前から判別できた限りでございますが、男性、女性ほぼ半数となっている
ところでございます。年齢につきましては、非常に数が少ないのですけれども、これは会
員登録していただいて、そして年代までがわかる方といったところをピックアップして、
この利用割合で示したものでございます。20代、30代の方が非常に多い。50代の方
も多い。高齢者の方はなかなか利用していただいていないというところでございます。
右のページの居住地分布といったところでございます。真ん中の星印が道の駅でござい
ます。丸で囲んであるのが利用件数でございまして、かなり遠い、5キロ以上離れたとこ
ろからも、この道の駅「庄和」に荷物を取りに来ていただいているといった方もいられる
ところでございます。
続きまして、6ページ目でございます。利用が低調な要因分析というところで、慎重に
箇所を選定したつもりでございますが、結果といたしまして、上の四角囲いに書いてござ
いますが、再配達荷物の受け取りが可能な施設が周りに多数立地している。これらとの施
設の競合によって利用が少し伸び悩んでいるといったような状況でございます。
また、道の駅近傍は一人世帯、二人世帯といったところが少なかったので、道の駅近傍
の居住者の利用といったものも少なかったといったところが、少し低調な原因であるのか
なと思っているところでございます。
-25-
また、
道の駅の宅配ロッカーを利用しない理由ということでアンケートを取ったところ、
自宅に配達してもらったほうが楽だから、
あるいは自宅に荷物を受け取れる人がいるから、
あるいは道の駅「庄和」が遠いからということで、再配達といったものについて、まだ理
解が進んでいないといったところもございます。まだ1年ぐらいしか実験をしておりませ
んが、今後さらに認知度を上げ、さらに世の中的にも再配達について世論も徐々に高まっ
てきているといったところもございますので、引き続き実験を重ねて、この道の駅「庄和」
における宅配ロッカーが使われるように取り組んでいきたいと思っております。
7ページ目でございます。今後のスケジュールでございます。28年10月から宅配ロ
ッカーの運用開始をいたしまして、この11月から直送方式ということの追加もさせてい
ただきました。この直送方式についても、少し利用が出てきたと聞いているところでござ
います。今後、不在票の活用方式と直送方式の実験状況を見ながら、来年秋ごろに向けて
取りまとめをしていきたいと思っていることと、今回こうした箇所を選定してやったので
すけれども、もう少し山間地と申しますか、過疎地でやったらどうなのかとか、いろいろ
な箇所でやると、また傾向も変わってくるのかなと思いますので、実験箇所の拡大も含め
て、実験状況を見ながら検討してまいりたいと考えているところでございます。
以上、実験としてデータが取れたはいいのですけれども、すばらしく活用されたといっ
た事例ではございませんが、今後こういった実験を重ねていくことによって、より地方部
で活用できるような取り組みを進めていきたいと思っております。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまご説明のありました資料3、4、5、どの資料でも結構ですから、
ご意見、ご質問がありましたら、よろしくお願いいたします。どうぞ。
【大串委員】 どの項目も1点ずつお願いします。まず資料3ですけれども、4ページ
のETC2.0を使ったデータのところなのですけれど、
質問なのですけれども、
値段はど
ちらも同じなのですか。
真ん中の都心環状線を通った場合も、
ぐるっと回ってきた場合も、
どうでしたか。距離制であったら高いのではないかと思ったのです。
【ITS推進室長】 これは今年度のデータですので、目的地が同じであれば、料金は
同じでございます。
【大串委員】 これも将来的な話なのですけれど、ぜひ外に誘導していただきたいとい
うのが絶対的な条件でありまして、真ん中を通るほうが便利で、もちろん走行距離も短い
-26-
ということはあると思うのですが、道路の補修とか、更新関係を考えると、必ず重いほう
が傷めるわけですから。
次は、資料4です。特車ゴールドの話で、平常時も使えるような制定をというような話
がありましたけれど、できれば深夜とか、わりと時間帯を限定していただけると、ふだん
使う者としては怖さが減るかなと。住民の方とか利用者に配慮していただいて、時間帯制
限等が、もし考えられるのであれば、そのようなことを検討していただけたらというのが
2点目です。
3点目が、先ほど道の駅利用の話がありましたけれど、道の駅にこだわらないでくださ
い。地方では、コンビニでも、非常に大きな駐車場があったりするのです。だからコンビ
ニの駐車場に置いてもらうとか、置いてもらうと、寄る人が増えますというやり方で無料
で置いてもらうようにするとかも一案です。道の駅とこだわってしまうと、通らない人は
通らないのです。
なので、これから再配達を劇的に減らしていこうということを考えますと、地方でコン
ビニが非常に大きな数を占めておりますし、もしくは朝市の場所とか、いろいろな農産物
直売所などもありますので、そういった人が集まりそうな場所とかを幾つか指定してやっ
ていただいたほうが、面での展開が可能です。点よりも非常に効果が見据えられるかなと
思いますので、ぜひよろしくお願いします。
以上です。
【根本委員長】 2番目の夜間とおっしゃったのは、長大トンネルを通るときの話です
ね。
【大串委員】 長大トンネルです。
できれば、
夜間通っていただければありがたいです。
【根本委員長】 わかりました。それでは、まとめて、ほかの方いかがですか。
どうぞ。
【上村委員】 まず、特車ゴールド制度のところなのですけれども、今回もむしろ簡素
化の制度のところが問題だろうとは思うのですが、申請の手続が非常に多くて面倒なので
す。例えばこれが今、申請が運転手単位のはずなのです。だから、例えば車が一緒でも人
が違うと、それごとに申請しなくてはいけないのだろうと思うのですが、それがさらに拍
車をかけて、たしかトラックごとでやれるのでしたか。人が変わっても大丈夫になってい
るのかどうか。運転手自体が変わっても大丈夫なのかどうかというところです。
-27-
【根本委員長】 まず事実確認、お願いします。
【ITS推進室長】 この申請につきましては、会社単位でございますので、会社で、
あとルートも、先ほどもお話ししましたとおり、何台もトラックをまとめてこのルートへ
というような包括申請もできます。そのような形の簡素化を図っているところでございま
す。
【上村委員】 先ほども出ましたけれど、
ぜひ同時に制度の話ではないのですけれども、
かなり特殊車両によって、どれぐらい同時に道路が傷むのかなというのが見たいところで
す。かなりな重量がかかってきますし、アスファルトの面だけではなくて、多分道路が一
般道の前には溝ぶたのところの雨水の、あのようなところも走るのです。道幅がそれほど
ないわけですから、そちらまで車が行きますから、そのようなトータルな道路本体のハー
ドのところに影響が出てくるのだろうというのは、非常にこれからの道路の補修を考える
ときに大事なところだと思います。それもあわせて見られたらと思います。
それから次のエスコートのところなのですけれど、エスコートの4ページを見ますと、
誘導車の運転手の要件というのが、安全教育訓練を一応受講修了しているということなの
ですけれども、誘導車というのはミッションを受けているわけですから、その辺のミッシ
ョンが、いざというときに、どのように果たせて、どれぐらい、いざというときに、ロー
リーがつまずいたとか、事故を起こしたときにどうするのか、どれぐらいの訓練を受けて
いる誘導車なのかというのはお聞かせください。
【根本委員長】 ほか、いかがですか。どうぞ。
【苦瀬委員】 再配達について、これは質問ではなくて、経験をお伝えしようと思うの
です。3年か4年ぐらい前に環境省さんの仕事で、九州の28ぐらいの駅に取りつけたこ
とがあるのですが、それで、そのことと今日の話を合わせてみると、地域差が大きいので
はなかろうかということであります。駅の場合は、洋服だとか、小さな本だとか、プラモ
デルとか、そのようなものに非常に限定されていたということがあるので、このような地
域によって、また送られてくるものが違うのかなということを思いましたというのが1つ
目。
それからもう1つは、そのときも随分議論したのですが、ロッカーを使ったときの料金
をどうするかという議論があるのだろうと思うのです。前にやったときは、駅のときは社
会実験だからただだということになったのですが、ただだと、隣にコインロッカーがあっ
て、1日300円、400円払っているわけです。ところが、ここに置いておくと3日ぐ
-28-
らいただなのです。このような議論になっていくと、ほんとうにそれでいいのだろうかと
いうような。誰がそれを負担するのかという議論になってしまって、多分コンビニの人た
ちも、料金負担のことがあって、もしいろいろな負担というか、支払が何か得られるもの
であるならば預かるかもしれませんけれども、何もなくて、ただで預かれといわれたら嫌
がるかもしれませんし、そのような問題がきくのかなと前に感じたということをお伝えす
るということでございます。
【根本委員長】 ありがとうございます。
ほか、いかがですか。どうぞ。
【朝倉委員】 適切なコメントかどうか自信がないのですけれど、それぞれに。最初の
特車ゴールドのことについて、一番最後に大型車誘導区間以外の区間は経路選択ができな
いので、大型車誘導区間を充実するというように書いていただいていて、適切かと思うの
ですけれども、そうすると、いろいろな起終点があるので、起終点ごとに大型車誘導区間
をそれぞれ吟味して加えなければいけないということなので、結構大変なので、逆の考え
方なのですけれど、通ってはいけないというところを決めたほうが楽なのではないかと思
うのです。そこをきちっと守ってもらうというようにしたほうが、むしろいいのかなとも
思いました。どちらがいいかわからないのですけれど。
そうすると、よく似ているのですけれども、危険物車両については、長大トンネルを通
るルートと、通らない一般の道路を通るルートがあって、どちらのルートがよりリスクが
少ないか、もしくは社会的コストが少ないかということで選ばれるのが自然だろうと思う
のです。
というのも、今の一般のルートを通るほうが、もしかするとそのルートは構造的に非常
に狭隘なところを通らないといけないとか、あるいは沿道にたくさん立地しているところ
を通らないといけないとか、そのようなところで、もし何か事故があったときの社会的コ
ストを考えると、当然長大トンネルを通ったほうが社会的コストが小さいので合理的であ
る、そのような理屈だろうと思うのです。
なので、今回は災害時、平時と区別されていますけれど、どちらの場合であったとして
も、もし評価可能ならば、そういった社会的コストを評価していただいて、よりそれが小
さいほうに回ってもらうという考え方なのだろうと思います。
そういった意味では、少し戻るのですけれど、大型車についても、それが道路に対して
負荷をかけるというのであれば、そういったコストが少ないルートを通ってもらうように
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誘導するのが自然かなと思うので、実は大型車の誘導と、危険物車両の誘導というのは、
ある意味、似ているのではないかとも思うわけです。
それから、最後の宅配ロッカーのところについては、先ほど苦瀬先生もおっしゃってい
ましたけれど、料金システムとの連動が重要で、こういったものを利用すると安いとか、
逆にむちのほうとしては再配達すると高いとか、そういったものとあわせて、このような
ものがうまく利用されるのではないかと思うので、そこまでは踏み込めないかもしれない
けれど、そのようなことがあれば積極的に利用するインセンティブというか、動機も発生
するので、ご検討いただくといいのではないかと思いました。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございます。
ほか、いかがですか。
【羽藤委員】 特車ゴールド制度については、進めるべきではあるのですが、これも皆
さん言われるように、通れる範囲をどのように決めるのかに関して、いろいろなパターン
が考えられます。例えば時間帯であるとか、あるいは、いろいろな車類を考えると社会的
なコストもあります。そうしたスタディーをやっておくことが、さまざまなプライシング
に対して、災害対応に役に立つと思います。そういった検討は、取れたデータなども含め
て、ぜひしていただけたらと思いました。
ロッカーは、何度もこの機会に話しているように、深刻な問題ですので、デフォルトに
してもらいたいです。これで利用が少なかったということではなく、苦瀬先生も言われて
いたように、多いところもあります。少なければロッカーの規模を適切に設定すればいい
わけです。実験の幅を広げていただき、どのようなところで多くて、どのようなところで
少ない、だからロッカーの規模をうまくマネジメントする。大串先生が言われたように、
道の駅でもコンビニでもいい。とにかく、そのようにできるかぎり措置を講じて、道路交
通における物流の負荷を下げていくことを基本に考えていただくことが重要です。私は、
あまりネガティブに捉えないで、もう少し広げて、効果があるところとないところを見き
わめて、適切な規模でマネジメントしていくという姿勢が重要ではないかという気がいた
しました。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございます。
【兵藤委員】 私、1つだけ、最後のロッカーなのですけれど、これから次は中山間地
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だとか、そのような疎なところで展開されると思います。そこにはは十分なマーケットが
あるという気はしているのですが、ただ、そのときに、例えば2ページのパターン3だと
すると、今自宅というのは1軒しかないのですけれど、複数ある自宅を束ねるような、そ
こはウーバー的な、宅配業者サービスから切り離したことが考えられると思います。たと
えば、誰か近隣の代表者が、他の近所の人たちの荷物もまとめて運ぶとか、何かもう一歩
新しい仕組みを加えると、より有効にこの話が進むような可能性はあるという気はしてい
ますので、いろいろなオプションを考えていただきたいと思いますので、よろしくお願い
します。
【根本委員長】 それでは、私から簡単な質問を1つ。長大トンネルのところですけれ
ども、ETC2.0をつけることを条件にというようなことで、このETC2.0があるこ
とによって、より安全にとか、効率的にこのようなエスコートができるということがある
と思うのですけれども、何か具体的使われ方で想定していることはありますか。アンテナ
を立てて、
スムーズにどんどん通すとか、
ETC2.0はこんなに役に立っているというこ
とがこのケースでも1つ加わったら、それはそれでいいと思うのですけれども、いかがで
すか。
それでは、以上よろしくお願いいたします。
【ITS推進室長】 そうしたら、まずゴールド制度についてでございまして、主に大
型車誘導区間をどのように設定するのかという話だったと思います。これについては、引
き続き今後も検討させていただきたいと思っておりますので、毎回いろいろとご指導いた
だきながら進めていきたいと思っております。
ただ、この特車制度というのは大型車が通っていいか悪いか、そのような仕組み、もと
もと成り立ちになっている関係もありますので、時間帯ですとか、あるいは渋滞している
ときにどうするかというような話に、
当然道路の使い方全体としてはあるのですけれども、
特車制度でやるのかどうかというのはいろいろ議論があるかと思いますので、道路の仕組
みということでいうと、いろいろなやり方がありますので、そこはトータルでどういった
やり方にするのがいいのかは考えていきたいと思っております。
【ITS推進室企画専門官】 エスコート方式でございますけれども、大串先生から、
平常時の改善ですけれども、現地の状況をよく見ながら確認をしていって、安全安心とい
うことも一方で大事なところですので、考慮していきたいと思っております。
それから、上村先生の安全教育のところですけれども、誘導車のドライバー、それから
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タンクローリーのドライバーもそうですけれども、きちんと元売会社で責任を持って安全
教育をしていただくことが大事だと思っております。特に初期消火、トンネルの中の設備
の使用とか、そのあたりをきちんと教育をしていただくということ。それから道路管理者
としても、そのあたりはきちんと確認をした上で許可をするというように考えていきたい
と思っております。
それから朝倉先生の社会的コストのところですけれども、一般的には高速道路の長大ト
ンネルに並行する道路は線形が悪くて、結構急ブレーキも多いといったようなところがご
ざいますので、危険かというところはありますけれども、そこは最終的に通行させるかど
うかというのは、道路管理者が特に通行が必要だと認めるというようになっておりますの
で、そこで確認をしていきたいと思っております。
最後、根本先生のETC2.0の活用ですけれども、今のところ経路の把握とか、そのあ
たりを確認して、
きちんとそこを通っているかというところの確認は2.0でしたいと思い
ますけれども、今後の展開としましては、例えばこの車両が走っていることについて、ほ
かの2.0をつけている車にアナウンスをするとか、
そういったところも含めて安全に通行
できるような活用の仕方を考えていければと思っております。
以上です。
【道路計画調整官】 再配達関係でございます。道の駅だけにこだわらずにというお話
がございましたので、今後道の駅だけではなくてというところで考えていきたいと思いま
すし、私の言い方が少しネガティブだったかもしれませんが、ポジティブにやっていけれ
ばと思っています。
というのも、
宅配ロッカーだけで勝負するのはなかなか難しいかなと思っておりまして、
今ちょうど道の駅で自動運転サービスが実現できないかということで、地域で物流をどの
ように回すのかといった観点でもいろいろな実験をしておりますので、そういった施策と
の重ね合わせ、あるいは今日も災害の話がありましたけれど、災害時に我々はこういった
ような宅配ロッカーのノウハウがあるので、住所不定者の方々に対していろいろなツール
として提供できないかだとか、そういったポジティブな面をどんどん考えて、この宅配ロ
ッカーの実験が発展できるように考えていきたいと思います。
ありがとうございました。
【根本委員長】 皆様のご協力によりまして、ちょうど予定した時間に小委員会を終了
することができました。本日の議事は以上でございます。
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最後に事務局から、連絡をよろしくお願いいたします。
【道路計画調整官】 長時間にわたるご議論、ありがとうございました。事務局から2
点、連絡事項がございます。本日の議事録につきましては、後日各委員の皆様に送付させ
ていただき、ご了解をいただいた上で公開する予定でございます。
また、本日の会議資料は、そのまま置いていただければ、追って郵送させていただきま
す。
それでは、以上をもちまして、本日の小委員会は全て終了となります。本日は、まこと
にありがとうございました。
―― 了 ――

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