-1-社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会第14回物流小委員会
平成29年11月9日
【道路計画調整官】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第14回物流小
委員会を開催させていただきます。委員の皆様方には、大変お忙しいところ、お集まりい
ただきまして、まことにありがとうございます。
本日、進行を務めさせていただきます道路局の水野です。よろしくお願いいたします。
最初に、お手元の資料を確認させていただきます。上から、議事次第、そして座席表、
委員名簿、資料1といたしまして「ダブル連結トラック 新東名での実験状況」
、資料2と
いたしまして、25メートルフルトレーラーの開発、資料3といたしまして「過積載車両
の荷主対策」
、資料4といたしまして「ETC2.0車両運行管理支援サービス」
、資料5と
いたしまして、中山間地域における自動運転サービス、そして最後に参考資料となってお
ります。よろしいでしょうか。
本日は、大串委員、羽藤委員におかれましては、所用によりご欠席と伺っております。
それでは、初めに、道路局長の石川よりご挨拶申し上げます。よろしくお願いします。
【道路局長】 道路局長の石川でございます。本日は、委員長の根本先生をはじめ、委
員の先生方には、ご多忙な中、ご出席をいただきましてまことにありがとうございます。
また、日ごろから道路局、多方面にわたりましてご指導いただいておりますこと、改め
て御礼を申し上げます。
物流政策につきましては、ことしの7月に政府における今後の物流施策の指針となりま
す「総合物流施策大綱(2017〜2020)
」が閣議決定をされまして、新たな施策展開
が求められているところでございます。
道路局におきましては生産性向上プロジェクトを推進しているところでございまして、
先日、10月16日には福山通運さん、11月1日からはヤマト運輸さんにおかれまして
25メートルのダブル連結トラックの実験走行を開始したところでございます。
また、
物流の生産性向上に資する取り組みといたしまして、
平成28年度よりETC2.
0を活用いたしました車両運行管理支援サービスの社会実験を行っておりまして、さらに
ことしの9月からは中山間地における道の駅を拠点とした自動運転サービスの社会実験を
各地域において順次開始をしているところでございます。 -2-このほかにも、道路の劣化の主な原因であります過積載につきましても、荷主にも責任
等、コスト等を適切に分担をしていただく仕組みを検討してきたところでございます。
本日はこれらの取り組みにつきましてご議論をいただきたいと存じますが、忌憚のない
ご意見をちょうだいできればと考えておるところでございます。どうぞよろしくお願いを
いたします。
【道路計画調整官】 続きまして、根本委員長にご挨拶をいただきたいと思います。よ
ろしくお願いします。
【根本委員長】 委員長の根本でございます。ただいま局長のご説明にありましたよう
に、新たな総合物流施策大綱が閣議決定されました。同大綱では6つの柱があったわけで
すけれども、
「つながる」
「見える」
「支える」
「備える」
「育てる」
「革命的に変化する」と
いうテーマ別にいろいろな施策が網羅されておりますけれども、道路関係の施策も数多く
盛り込まれております。
この委員会は、
実は平成27年度に取りまとめられた答申、
「今後の物流政策の基本的な
方向性など」についてに盛り込まれた施策のフォローアップを行うというのが、この委員
会のミッションでありますけれども、同答申のみならず、総合物流施策大綱に盛り込まれ
た施策について幅広くフォローアップしていきたいと思っております。
本日は、ダブル連結トラック、その他、最近取り組んでいる政策についていろいろご説
明があります。いずれにしても非常に重要な施策でありますので、委員の皆様におかれま
しては、ぜひとも活発なご議論をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【道路計画調整官】 ありがとうございました。事前にお知らせしておりますとおり、
これより先はカメラ撮影についてはご遠慮いただきますので、ご協力をよろしくお願いい
たします。
それでは、以降の進行を根本委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたし
ます。
【根本委員長】 それでは、議事を進めさせていただきたいと思います。まず議事1と
いたしまして、
「ダブル連結トラックについて」であります。事務局より説明、続けて関係
者からのご説明をいただきまして、その後、委員の皆様からご意見、ご質問をいただく形
で進めたいと思います。
最初に「新東名での実験状況について」
、事務局より説明をお願いいたします。
【有料道路調整室長】 4月から有料道路調整室長を拝命しております荒瀬でございま -3-す。資料1に基づきましてご説明をさせていただきます。
それでは、資料1を1枚めくっていただきまして、実験概要でございます。2ページで
ございます。
「ダブル連結トラックの概要」ということで、現状、右のグラフにもございま
すとおり、ドライバー不足ということで、高齢化も進んでいるという状況でございます。
こういった背景を受けまして、民間からのご提案だとか、将来のいろんな自動運転・隊
列走行などの状況も踏まえまして、特車の拠点が基準を緩和をいたしまして、1台で2台
分の輸送が可能な「ダブル連結トラック」の導入を図るということで省人化を推進してま
いりたいと考えてございます。
下に通常の10トントラックと、それからダブル連結トラック、これは25メートルの
車両でございますけれども、その絵面を載せてございます。
この状況を踏まえて、隊列走行につきまして、インフラ面での事業環境の整備も検討し
てまいりたいと思ってございます。
現在、28年、昨年の10月から新東名を中心といたします高速道路、一般道路で実験
中でございまして、平成30年度の本格導入をする予定で今実証実験を進めているところ
でございます。
1ページめくっていただきまして3ページ、実験スケジュールでございます。先ほど道
路局長の挨拶の中でもございましたとおり、10月19日に公募の開始、それから、特車
の許可基準の特例の通達を出しまして、25メートルまで実際の特車の許可を出せるとい
う状況を進めまして、まずは11月22日から21メートルの車両の走行実験を、日本梱
包運輸倉庫様、それから、3月17日に福山通運様とヤマト運輸様で21メートル車両の
走行実験を開始してございます。それから、車両開発等々がございましたので、今年度の
10月16日から福山通運様で25メートル車両の走行実験を開始してございます。それ
から、11月1日からヤマト運輸様でも走行実験を開始しているところでございます。
今後、21メートル車両、それから、21メートルを超える車両の実験結果を取りまと
めて、必要な条件等々を整理していきたいということで考えてございます。
1ページめくっていただきまして4ページでございます。ダブル連結トラックの技術的
要件ということで、ここに載せておりますものは、21メートルを超える車両でございま
すが、
技術的要件といたしまして、
これは前回の物流小委員会でもご説明しておりますが、
16項目の技術的要件を備えるということで考えてございます。
2番から、2、3、4は、今後装着が義務化されるようないろんなシステム、衝突被害 -4-軽減ブレーキだとか、そういったものを原則とすると。
それから、7番の車載型自動軸重計測装置、On Board Weighingでご
ざいますけれども、それを載せること。それから、16番のETC2.0などを備えること
ということで、そういったものを技術的装備を備えていただくということで考えてござい
ます。
その他の要件といたしまして、右側に掲げておりますように、積み荷の要件だとか、運
転手の業務経験、免許が5年以上というような要件、それから、通行する際は、一番左側
の通行帯を通行して、追い越しは原則として禁止というような要件をかけて実験をしてい
るところでございます。
5ページに、昨年から始めております21メートル車両の実験ルートをそれぞれの会社
ごとに掲載してございます。東は群馬県の太田市から西は三重県の鈴鹿市まで、それぞれ
色分けをしてございますけれども、こういったルートで実験をしていると。9台、もしく
は現時点では7台で、
いろんなデータの蓄積も含めて実験をしているところでございます。
1ページめくっていただきまして、6ページでございますけれども、21メートルを超
える車両、これはことしの10月、11月からそれぞれ福山通運様、ヤマト運輸様が始め
ている実験でございますが、福山通運様が静岡県の裾野市から愛知県の北名古屋まで、そ
れから、ヤマト運輸様が神奈川県の愛川町から大阪府の茨木市までということで、福山通
運様が少しその先、途中で豊川のほうに寄ったり、少し先の岐阜まで行くというルートも
実際に実験をされている状況でございまして、ここに福山通運様、262キロと書いてお
りますが、岐阜、それから、豊川のほうまで行った場合には、360キロの実験走行をさ
れているという状況でございます。詳細は、参考資料の2ページから4ページに掲げてご
ざいます。
1ページめくっていただきまして、7ページは、これは参考といたしまして、ダブル連
結トラックの実験協議会ということで、本日お越しいただいております兵藤先生にもメン
バーになっていただきまして、協議会を設置して、実験を実施しているところでございま
す。
8ページが、これまで行いました検証の結果でございます。メインは21メートルの走
行実験についてご説明をさせていただければと思います。9ページ、10ページが21メ
ートル車両の検証項目でございます。9ページが高速道路における状況でございまして、
省人化・環境負荷につきましては、乗務記録等々で分析をする。それから、高速道路の走 -5-行につきましては、ETC2.0のプローブデータだとか、追従走行調査、休憩施設の利用
実態調査、ドライバーのアンケート調査、ドライバーの心拍計データなどを用いて検証し
ていくということで考えてございます。
それから、10ページでございますが、一般道路でございます。一般道路につきまして
は、交通流への影響、主に交差点における分析をするということで、ビデオ調査だとか、
走行軌跡図でこの実験を検証していきたいと思ってございます。
それから、中継輸送の実験につきましては、乗務記録、ドライバーのアンケート等々で
労働時間等々について検証していくということで考えてございます。
その主な結果を11ページ以降で検証結果をご説明したいと思います。11ページが省
人化・環境負荷低減効果でございます。12メートルの大型トラックに比べまして、21
メートルの諸元ということで、左側に書いておりますが、ドライバーにつきましては、約
5割の削減、それから、CO2の排出量も同様に約5割の削減ができているという状況で
ございます。
それから、12ページが高速道路における走行安定性でございます。左側のようなビデ
オのキャプチャー画像でございますけれども、
曲線半径が380と、
かなり急なカーブで、
それも下り勾配と、4%の下り勾配のカーブ区間におきまして、急ブレーキの発生状況を
比較してございます。
大型トラックでは何度か急ブレーキを踏んでいるんでございますが、
ダブル連結トラック、これは非常に慎重な運転をされているということもあるのかもしれ
ませんけれども、急ブレーキは発生していないという状況でございます。
右のグラフにつきましては、カーブ区間の速度差、これはカーブに入るときの流入速度
と、それから、カーブの区間の中間の速度を比較したものでございますけれども、これに
つきましても、大型トラックとダブル連結トラックでは大きな速度差の分布に違いはない
というような状況でございます。
それから、ビデオ画像等々でも確認をしてございますけれども、横揺れだとかふらつき
の発生は確認をされてございません。
続きまして、13ページでございます。高速道路の交通流への影響でございます。合流
部、ダブル連結トラックがランプに合流するときの状況でございます。左側の上にありま
すとおり、ダブル連結トラックが本線のほうに合流する際に、これは大型車が合流すると
きも同様でございますけれども、本線を走っています後続の車がブレーキを踏むなど、若
干の速度低下が起こっているという状況でございますが、左下に示しておりますとおり、 -6-ダブル連結トラックでは、
流入時に急ブレーキを踏むような事象は発生してございません。
それから、右の上でございますけれども、ダブル連結トラックが合流するときに、大型
のトラックに比べまして約4キロ、時速4キロの差が、流入速度の差がございますけれど
も、右の下にございますとおり、最頻値で速度差の変化を比較したところ、速度上昇はス
ムーズにできているという状況でございまして、合流に特段の支障は発生していない状況
でございます。
それから、14ページが高速道路における駐車マスへの影響でございます。清水SAで
は21メートルの駐車マスを設置してございます。その際に、ほかのトレーラー、それか
ら、大型車がこの用意した21メートル用の駐車マスを利用している状況が、それぞれ休
日、平日をあらわしたもので、上り下り別にグラフで示させていただいております。上り
線は平日はほぼ全時間帯で満車になっておりまして、すき間がわずかしかないという状況
でございますが、下りは比較的あいている状況でございまして、やはりトレーラーの駐車
マスが若干不足しているのではないのかなという状況でございます。
それから、15ページが一般道の交差点における交通流への影響でございます。これに
つきましては、交差点に入るときから交差点を通過するまでの時間等を比較したところ、
やはり大型車に比べまして長いということもございまして、左折時の通過時間が約2倍か
かっているという状況でございます。その影響で、ダブル連結トラックに後ろから後続す
る車、
左の写真のような状況でございますけれども、
速度が低下をしているということで、
大型車が前を走っているときに比べましてダブル連結トラックが走っているときには3分
の1に速度が低下しているという状況でございます。その際の速度低下はあるんですが、
特に渋滞が発生しているという状況ではございません。
それから、16ページが、交差点でどういうふうな走行軌跡が描かれたのかということ
で、軌跡図について確認をしてございます。通常の17メートルクラスのセミトレーラー
と21メートル車両で、それぞれ左折時、右折時で走行軌跡図を書いてみたところ、セミ
トレーラーではやはり道路側の停止線に若干抵触するようなところがありますけれども、
セミトレーラーよりも21メートルの連結車両のほうが占有幅、回転半径が小さいという
ことで、
21メートルではそういう停止線に抵触するような状況ではございませんでした。
それから、17ページが中継輸送の実験の結果でございます。18ページがその中継輸
送の実験の概要でございますが、
それぞれ、
昨年の11月からことしの9月にかけまして、
新東名の清水PAで実験を行ってございます。走行ルートといたしましては、群馬の太田 -7-市のほうから三重県の鈴鹿市に至るルートで、それぞれから来た車につきまして、清水P
Aで運転手が乗りかえて、それぞれ戻っていくというような状況で、右の図にございます
とおり、清水PAは片側に寄せたPAでございますので、そこで乗務員が歩いて交代をし
ているという状況でございます。
その結果、19ページでございますが、乗務記録等々によって確認をしたところ、自宅
での休息時間が、実際の直行便と比べまして、自宅でお休みできる時間が約3割増加をし
ているという状況でございます。
それから、本線上のPAで乗り継ぎをしている関係上、インターを出て周辺の営業所で
乗り継ぎをしたときに比べまして、インターを出てからの時間等々がございますので、輸
送時間が約30分短縮をしているという状況でございます。
20ページ以降が21メートルを超える車両の検証計画でございます。これにつきまし
ては、
先ほど申しましたとおり、
10月から実験を開始してございまして、
10月16日、
11月11日からスタートしておりまして、21ページ、22ページに検証項目を載せて
ございます。
これにつきましては、今度、赤文字で載せておりますのが、21メートルの検証に加え
て追加の検証しているものでございます。車両の安定性等につきましては、GPSのロガ
ーだとか加速度データを用いまして車両の安定性を確認するだとか、それから、ドライバ
ーのヒアリング、メーカーのヒアリング等々を行って確認をしていきたいと思ってござい
ます。
それから、重量の超過把握につきましても、自重計のデータ等を使いまして、過積載に
なっていないかどうかというのを確認をしていきたいと考えてございます。
22ページが一般道の交通流への影響ということで、一般道、それから、高速道路の交
通流への影響ということで、シミュレーションをしたり、それから、一般ドライバーへの
アンケートも実施していきたいと考えてございます。
23ページに21メートルを超える検証項目の事例ということで、GPSロガーを用い
た検証ということで、車体、トラクターとトレーラーの中にジャイロセンサーをつけたG
PSのロガー、これはスマートフォンを用いておりますけれども、それを用いて左右前後
の加速度を計測しまして、
横揺れ、
ふらつき等を確認をしていきたいと思ってございます。
それから、前回の小委員会の中でご指摘ありましたとおり、心拍計を用いてドライバー
に与える心理的ストレスを把握するということで、構造別にこういった右の上にあります -8-ようなGPS機能つきの心拍計を活用して状況を把握していきたいと考えてございます。
以上でございます。
【根本委員長】 ありがとうございました。続きまして、
「25m車両の開発状況につい
て」
、ヤマト運輸株式会社様からご説明いただきたいと思います。
ご説明者をご紹介いたします。ヤマト運輸株式会社ネットワーク事業開発部部長、福田
様でございます。それでは、15分程度よろしくお願いいたします。
【ヤマト運輸】 ヤマト運輸ネットワーク事業開発部、福田でございます。本日は貴重
なお時間をいただきまして、まことにありがとうございます。
手前どものほうから、25メートルフルトレーラーの開発の経緯及びその状況について
ご報告をさせていただきます。
次ページになりますが、会社の概要を載せさせていただいております。我々の会社は1
910年に創業いたしまして、2019年に100年を迎えるところでございます。
従業員数は21万名、売り上げについては1兆5,000億円。
宅急便のほうが非常になじみがございますから、そちらのほうの数でいいますと、20
16年度は18億6,000万個という形でございます。この状況においては、今、新聞等
の紙面をにぎわしていますので、このぐらいでやめさせていただきます。
会社の中身、次ページにつきましては、ヤマトホールディングスの事業フォーメーショ
ンについて書かせていただいております。6つの事業フォーメーションがございまして、
その中のデリバリー事業というところがヤマト運輸の輸送本体という形でございます。
それから、宅急便の歴史でございます。次ページ、1976年、昭和51年に始まりま
して、約41年を経過しているという形でございます。1つのビジネスモデルが41年間
継続して持続していると。これもひとえに皆様のおかげということで、宅急便という商品
も、商品としてではなくて、インフラとして成立してきたのではないかと、そのように認
識しております。
そういった背景がある中で、次ページになるんですが、長大トレーラーを開発するに至
った経緯というところでございます。平成2年の貨物自動車運送事業法によって、新規参
入が非常に増えまして、
4万社から6万3,000社に今現在増えているというところでご
ざいます。
しかしながら、
輸送のほうは、
かつては大量生産・大量消費という時代だったんですが、
今現在は少量生産で多頻度輸送という形で、輸送の求められる形態というのも非常に変わ -9-ってきたというふうになっていると思っております。
そういった中で、輸送量が伸びない中で競争が激化して、欧米と比べると輸送に対する
対価の支払いというところは非常に悪化して、サービスの一環としてあまり料金的に伸び
ないという状況がございまして、輸送の量は我々も宅急便としては増えるんですが、収入
としては上がっていかないと、そういう状況でございます。
それに付随して、そこで働くドライバーの労働環境というところが5ページ目でござい
ます。ドライバー数というのは横ばい、それにもかかわらずというところなんですが、1
人当たりの輸送キロトン数というのは増えているという形でございます。それと同時に、
ドライバーの平均年齢、ラストワンマイルを担当する宅急便集配のほうに関しましては平
均年齢が40歳代になります。ただ、それ以上に、幹線輸送を担当する大型ドライバーに
関しましては、ほぼ平均年齢が50歳を超える段階になってきているということでござい
ます。
平たく言うと、日本の輸送ネットワークというのは、あと10年たって定年を迎えるこ
とによって大型車の乗り手がなくなりますので、
前ページで91.3%がトラックによる輸
送という部分が崩壊していくと、そのような危険性を今我々もひしひしと感じているとい
うことです。
それはなぜかというと、
ドライバーの平均給与体系を見ていただければわかるんですが、
平均給与体系としては416万円。
一般の他産業と比べると約80万円近くの差があると。
大型のドライバーになっても430万円ということで、やっぱりステータスとして社会的
に認められていない環境に今あるのではないかと、そのように認識しております。
じゃあ、そこの中で我々は何をしなくちゃいけないかということなんですが、やはり働
く人たちの労働環境を変えていかなくちゃいけないということで、労働環境を変えるため
に何をすればいいかということを考えて今現在進めていると。
そういった中で、ヤマト運輸という1社だけの会社が個社として努力していく環境では
なく、他社も含めて、お互いに切磋琢磨していく部分と競争する部分とお互いに共同作業
をしていく部分とということを捻出していきながらむだをなくしていく必要性があるだろ
うという考え方に至りましたと。そういった中で、そういう共同の輸送ができるようなツ
ールを開発していかなければいけないということで、長大トレーラーの開発に踏み切った
ということでございます。
その環境をいただいたのは、道路局様のほうで、21メートルのダブル連結トラックの
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実証実験という、この提案がございまして、21メートルを皮切りに、最大で25メート
ルまでという形で伸ばしていただけたというのは非常にありがたいなと思っております。
次ページの中で、STEP1のほうで、21メートルの検証がされて、25メートルも
そうなんですけど、その検証をしていくことの中で、我々とすれば、自社の輸送効率を飛
躍的に向上させるとか働き方を変えるという、ヤマト運輸本体だけの、個社だけの働き方
改革、あるいは利益率の改善というものを求めるのではなくて、業界全体で輸送効率とい
うものを分かち合っていって、共同プラットフォームをつくっていこうということが最終
的な目的ということでございます。
それで、共同利用をしたり、共同輸送を実現していくことで、オープン化、共通化、共
同化ということを図っていきたいと。そのために、このツール、25メートルというトラ
ックはぜひとも必要なツールであったと考えておりまして、この25メートルを11月に
実証実験の中で走らせることができたということは、我々の会社にとっても1つのターニ
ングポイントを超えたと考えております。
この先に自動運転という部分があろうかと思うんですが、この共通化を、オープン化を
することによって、運転という仕事が今度は単純化をするということで、自動運転に向け
てもこの土台は生かされると考えておりまして、そこを実証していきたいと考えておりま
す。
そこまでの経緯で、今度は、使用する車の内容について、項番7からお話をさせていた
だきますと、
当初は17.5メートルということで、
45フィートの海外から搬送される海
上コンテナと同じ規格サイズをつくらせていただきましたということですね。それで、下
の段には21メートルのフルトレーラーということで、初期段階で実証実験に参加させて
いただいた車でございます。18パレットの、後ろが14パレットということでございま
す。
これはヤマト運輸単体としては非常に効率が図られたたんですが、やはり規格が18パ
レット・14パレットということで、これはオープン化する共通のツールにはなり得なか
ったということでございます。
しかしながら、次ページの8の項番であるように、こういうツールを使うことで、省人
化、5割以上の削減、CO2の削減というのも非常に大きかったと思いますし、我々のほ
うは、関西ゲートウェイ、中部ゲートウェイ、厚木ゲートウェイというところがございま
して、そこを中継点として今現在も使っておりまして、それをすることによって、我々の
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運行する社員に関しましては、この21メートル、25メートルを引くドライバーは、毎
日自宅に帰れる環境がこれによって整ったという形でございまして、非常にドライバーか
らは好評を得ているということでございます。
それでは、
項番の9なんですが、
25メートルのフルトレーラーのところでございます。
ここのところで一番のポイントは、前車のほうで18パレット、後車で20パレットとい
う形で、後車のほうが20パレット積まれるということは、大型1車として見なされるこ
とになりますので、この状況が得られて、初めて、今後各社とのオープン化ができていく
というふうな土台ができ上がったということでございまして、今後、前車がヤマト運輸で
後車が違う同業他社のトレーラーを引くという環境が生まれてくるのではないかと考えて
おります。
項番10は、先ほど言ったとおり、中部ゲートウェイで中継をしていまして、厚木から
出たドライバーは中部で乗り継いで、また東京に戻る。関西から出たドライバーは中部で
乗り継いで、また関西に戻っていくという環境が今できているということでございます。
それでは、項番11なんですが、今回の25メートルについては、日本で企画される車
の中では一番最長になります。そういった車を走らせる中で一番のポイントは、回転半径
が一番ネックになってくるという形で考えていまして、新しいステアリング装置を今回は
つけておりまして、前輪の軸が回ることによって一番の後輪が反対側に逆に切れるという
ことですね。前輪が左を向くと後輪が右を向いてオーバーステアになることを防ぐという
形の車を日本で初めてトラックで採用して使わせていただいているということでございま
す。
これによる回転半径が項番12でございまして、ステアリングがある場合とない場合を
比較しております。
25メートルの車でステアリングがない場合は、
回転半径に8.9メー
トルの幅がないと回っていけないと。
それがステアリングがあることによって6.6メート
ルの半径で回っていけるという形でございます。それは、最初に実証実験が始まった21
メートルの車と25メートルの車の回転半径を項番13のほうで比較させていただいてい
ますが、21メートルのフルトレーラーだったときは、所要占有幅、赤く書かれていると
思うんですが、
7.5メートル必要でございました。
4メートル長くなった25メートルの
状態なんですが、6.6メートルで済んでいるという形で、特2の条件をとるときに、こう
いう回転半径がございますので、
非常にとりやすくなったのではないかと思っております。
ステアリングの機構については、今後、車両の規格の基本的なスタンダードになってい
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くのではないかと思っていまして、項番14のほうでは、大型車の12メートルの半径は
5.8メートル、25メートルでも6.6メートルということで、さほど大型の単体のトラ
ックと変わらないような軌跡を回ることができているということでございます。
ここで1つ映像のほうをご紹介させていただければと思っています。ここの中で、90
度旋回ですね、ほぼ前のトラックと同じトレースをほとんど動いています。ここではなか
なかわからないかもしれないんですが、後ろの右上の映像になるんですが、タイヤが反対
側に切れていくところですね、タイヤがこちらに、今右向きになっていると思いますが、
それによって左に行くタイヤの、前輪が左に行っているところをフォローしているという
形で、ほぼ回転軸としては大型車と同じ半径でこれが曲がれていっているという状況でご
ざいまして、こういう機構が今後大型車のトレーラーについては標準化していくことによ
って、道幅を広めていただくとか、そういう工事等をやらなくても通行ができていくんじ
ゃないかということでございます。
これは40パイのあれですね。直径40メートルの半径をずっと安定して曲がっていけ
ますよと。そのときやはり最後尾ですね、最後尾のタイヤも稼働して動いていただいてい
るということですね。それによって軸がぶれずに安定した回転ができるというところです
ね。こういった機構が、これは福山さんのやつもそうですし、手前どもの会社の車もこう
いう機構がついていて、これが11月1日の試行のときですね。見てわかるとおり、後ろ
が引っ張っちゃうと、今言った手前方の白いラインを踏むような形になるかと思うんです
が、それが踏まなくて出ていけているというところが非常に回転性がいいなというところ
でございます。
これが今11月1日から、厚木と関西からお互いに交互に出て、差しかえをして帰って
いっているという形でございまして、ドライバーも労働環境も大幅に変わったというとこ
ろでございます。
平たく言うと、25メートルのプール1つ分が毎日動いているという形の長さになりま
すけど、でも、そうは言いながら、操作性は、先ほどのドライバーの意見を集約してまと
めましたが、非常に安定して問題なく運転ができて、内輪差が思ったほど、思っていると
いうか、全然なくて、非常に操作性がいいということは、ドライバーからこの1週間余り
の中で意見をいただいているというところでございます。
今後も実証実験を続けていきたいと思っています。
項番15のほうなんですが、これは今現在、問題提議の一部になるかと思いますが、真
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ん中にドーリーの部分が脱着式になっていないということで、後部のトレーラーとこの着
脱式ドーリーになることによって、先ほど言ったようなオープン化が進められていくとい
う形になるということでございます。
最後、16ページに至っては、この1週間の展開の中での意見を集約してまとめたこと
でございます。安全教育のところに関しましては、メーカーと今現在やっております座学
の教育、それから、実地の訓練ということをやった上で、5年以上の免許保有と運転経歴
がある者ということを推奨して、それに対して座学の教育をして現在乗せているというこ
とでございます。
ただ、牽引の免許の部分で、できれば国からの助成等があると非常に助かると思ってお
ります。
それから、
高速道路の本線合流という部分なんですが、
先ほどの国交省様の意見の中で、
何も問題はないんですが、やはり大きくなっている部分で、ドライバー的には大丈夫かな
という心配はそこにはあるようで、そこのところで合流までの速度という部分で、本線に
入る前にそういう流入するときに、本線を走っている方々に警告みたいな形ができたら非
常にありがたいのかなと。
できれば、
ETC2.0なんかで大型車が入りますよみたいな通
知ができると、もう少し安心できるかもしれないというところで話はいただきましたとい
うところでございます。
それから、休憩場所については、夜間になると、特積みで同じ時間帯に動きますので、
駐車マスが不足している場合がございますというところで、一般車の駐車マスを夜間につ
いては開放できないかということを意見を言われましたと。
それから、特殊車両の特車の申請については、この区間に走ると、それと同一車両に関
しては、特許、許可申請までの時間、そういったものを短縮できないかというような意見
をいただいております。
以上でご報告のほうを終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
【根本委員長】 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明を受けて自由に
ご意見、ご質問をお願いいたします。いかがでしょうか。
【兵藤委員】 さっきご紹介あったとおり、私、この協議会のメンバーで、この1年、
大変有意義な会に参加させていただきまして、それもあって、細かい話も含めて二、三質
問させていただきたいんですが、資料1の2ページ目に、これ、前の資料だと現在という
のがたしか10トントラックの写真が載っていたんですけど、これ、今、13トンの、要
-14-
は12メートルの車両の写真に変わっていて、ちょっと説明が通常の大型トラックじゃな
いです。通常の大型トラックだと、10トン積みだとすると、3軸のトラックなので、こ
れは、だから、写真に合わせて、10トンじゃなくて13トン。通常じゃないので、後半
の説明とここだけ整合性がないというのが1つですね。それは細かい話なんですが。
あとは、これまで事故もなく運行がされていまして、これから先のことを考えると、道
路側でいろいろ対応しなきゃいけないことがあろうかと思っています。1つは、今、新東
名は50%という、こういう制約があるんですけれども、これから増えていくと、そこ以
外にどこが走れるんだろうかという、そういった走行範囲の拡大について、道路、インフ
ラとして検討が必要だろうなという、これが1つですね。高速道路に限らずです。
それから、あとは、最後、ヤマト運輸さんからもご指摘がありましたが、PA・SAの
とめる場所が圧倒的に足りない。今はそんなに多くないからいいんですけど、福山通運さ
ん、将来200両は入れるとか、そういう話されていますし、そうなったときに、圧倒的
に足りなくて、これはいろいろと対応策を考える必要があるということですね。道の駅を
活用するとか、そんな話だと思います。
それからあとは、ダブル連結車両の合流部の話が、これもご指摘ありましたけど、よく
考えてみると、このダブル連結がもし2セット前後で走行したときというのは、おそらく
10トントラックの隊列走行の3両のあの長さとほぼ等しくなるんですよね。ということ
は、隊列走行と同じような状況が生まれてしまう可能性があって、その場合、多分ダブル
連結が前後に連なって走行するということは今の時点ではないんですけど、もし増えてし
まうと、たまたまそういった状況が生まれてしまうときに、合流部の隊列走行の問題が、
これはもう現実の問題として発生してしまう。その場合の運用のルールかな、それはちょ
っと気をつけないといけないなという気がしました。
以上です。
【根本委員長】 それでは、まとめてご意見をいただきたいと思っております。
【上村委員】 ダブル連結トラック大型化、本当に大事なことです。おもしろい実験だ
ったと思います。まだまだおそらく道路に与える影響もあります。また、ハード面でもう
少しこういうふうになったほうがいいというのはあると思うんですが、幾つか質問をさせ
ていただきます。
まず高さがどれぐらい、何メートルぐらいなのかというのを、高さがどれぐらいになる
のか、教えてください。というのは、高さは大切です。今はトンネルがないかもしれませ
-15-
んけれども、これから、トンネル、特に一般道なんかの場合には、高速道路でも高さがと
れないところも出てくると思いますので、高さの問題。
それから、ETCのゲートを通るときに、狭くなりますよね。そこのところも、さっき
おっしゃったステアリングの開発の中で、かなりカーブを曲がれるみたいですけれども、
ゲートを通るときの幅は問題なかったのかということをお聞きしたいです。
それから、今回の実験にはなかったんだと思うんですが、インターチェンジに入るとき
に、かなり無理してインターとっているところは、途中1車線になったり、かなりヘアピ
ンカーブのところを曲がらなければならない。土地を有効に使って、かなりぐるぐるに回
るようなインターチェンジありますけれども、そういうときに問題なかったのかというこ
とと、それから、着脱式ということなんですが、これは、ヤマトさんならヤマトさんのト
ラックだけ、将来も含め、汎用性が持たせられるような着脱式なのか、かなり限定してい
くのか。また、3連結なんていうのも、将来は考え、ダブル・ダブル連結なんていうのも
考えられるのかというようなことについて。
最後に、ステアリングがとてもいい、曲がるということに対して非常によく開発されて
いると思うんですが、タイヤの幅が随分広がるようですので、そのときの道路面での荷重
がこれからどういうふうに変化するのかと、興味のあるところでございます。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。
【朝倉委員】 どうもありがとうございました。2つあります。まず一般論として、検
証項目についてなんですが、今兵藤先生から教えていただくと、ヨーロッパでは既に実運
用されて、連結トラックがあって、それを参照しながらやっていただいているということ
です。であれば、他国で発生しているのと同様の問題点が我が国の実験の中でも発生する
可能性があるわけなので、それが発生していないかどうかの確認を検証項目に入れて、具
体的にこういう項目をチェックしたと言っていただくと、項目がわかりやすくなると思い
ます。
また、他国では発生していないけれども、我が国の道路事情の中では発生する可能性が
あって、それは今回の項目の中で、こういう項目でそれを調べているとおっしゃってくだ
さると、検証項目がすごく理解しやすいと感じました。
もうひとつは、こういった長いものが走ると、ほかの車との相互作用のところがやっぱ
りどうしても気になります。原則禁止であるけれども、どうしてもせざるを得ない追い越
-16-
しであるとか、あるいは、追い越されるときに、後ろの車から長さが見えなくて、そのこ
とによる何らかの問題が発生しないかとか、それから、合流の話がありましたが、とりわ
け本線側のトラフィックがそこそこあると、車間距離が、ギャップが十分なくて、長いも
のが合流するにはなかなか難しいという状況があるかと思います。今回調べた範囲ではそ
ういったことはあまり起こっていないけれども、実際、もう少しヘビーなトラフィックが
来た中で合流しようとすると、問題が発生する可能性があると思うんですね。ギャップが
これぐらいまでは大丈夫だけど、一定程度小さくなると厳しいことが起こる可能性がある
ことがあらかじめわかっているほうが価値があるのかなと思いました。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございました。ほかいかがでしょうか。
【苦瀬委員】 苦瀬でございます。大変勉強になりました。1つ教えてください。実験
のところでヤマトさんは愛川町から茨木市に行っているということですが、そうすると、
インターから一般道を走るわけで、それについてもいろいろご説明があったと思うんです
が、先々、先ほど福山通運さんが200台だと、こんな話になると、それぞれ相当いろい
ろな場所で発着地が出てくるのかなと思ったわけでございます。
そうすると、その場合の一般道というのは、道路側からすると、何かの基準で、いわゆ
る高さとか重さ指定のような感じで、ダブル連結トラックが通行する道路を、ここでとい
うような指定をしていったほうがいいのかどうかと、その辺の計画があれば教えていただ
きたいということです。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
そうしたら、私も1つ質問と1つコメントなんですけれども、質問は、ヤマトさんのほ
うで何か荷物が重たくなったときには加速が少し心配だというようなお話ありましたけれ
ども、これは性能的に本当にそういうことでよろしいでしょうか。ヤマトさんの場合は、
どちらかというと、重量勝ちというよりも、容積勝ちの貨物で、あまり重さは心配ない荷
物を運んでいると思うんですけれども、一般的に普及していくときに、重たい荷物を運ん
でいる事業者がこれを使えないということになってくると、これはまたかなり制約条件に
なるので、その辺、ちょっと教えていただければと思います。
あと、もう一つ、車載重量計のデータをうまくアップロードというか、使う方法をぜひ
考えていきたいなと思います。将来的なんですけれども、IoTの時代にどういうふうに
-17-
日本の全体の物流を効率化するかというのは、総合物流施策大綱の中でも非常に重要なテ
ーマだったわけです。日本国中走っているトラックがどれぐらいの積載率で動き回ってい
るのかということがわかったら、それはすごく荷主にとっても利用価値の高い情報になる
ので、それをどうやってビッグデータとして活用できるかというようなことも少し考えて
もらえればなと思います。これはコメントです。
ということで、たくさん出ましたけれども、お答えできるところ、よろしくお願いいた
します。
【有料道路調整室長】 それでは、質問を少しまとめて確認をさせていただければと思
います。まず走行範囲の拡大だとか、一般道の通行についてということが、多くの発着地
が出た場合ということでございますけれども、
現在、
21メートルの車両につきましては、
特車の許可の基準の中でその道路が通れるかどうかというのを全部確認をしてございます。
高さも幅も含めてですね。
ですから、これ、福山さんの名古屋支店の場合は、おりるときには一宮のインターでお
りるんですけれども、上がるときには小牧から上がるとか、ですから、一方通行みたいな
形で、少し厳しいところは避けて通るというようなことで、一般道については限定をさせ
ていただいております。特車許可の中で、その道路をしっかり指定をさせていただいてい
るという状況でございます。
それから、SA・PAの駐車マスの不足につきましては、これは非常に頭の痛い問題で
ございまして、現在、NEXCOのほうで、駐車場の予約システム等々も少し検討をして
いるところでございまして、そういったところにこの長い車両がとまれるようにするだと
かという検討も進めていきたいと思っておりますし、
あとは、
ETC2.0を積んでおりま
すので、そういったものを活用して何とかそういう対応ができないのかなというのは今後
も勉強していきたいと思ってございます。
参考資料のほうで、現在、少しSA・PAのマスを増やしてございます。参考資料の9
ページにSA・PAの駐車マスの整備状況ということで、新東名を中心に、現在少しずつ
そういったマスを増やせないかということで、21メートルを超える車両のマスだとか、
21メートルのマスを少しずつ増やしているところでございますけれども、SA・PAの
中とはいえども、高速道路の中でございますので、一旦停止をして、そこで確認をしてと
かというのがございますので、いろいろ工夫をしながら、ゼブラのところに駐車ができる
ような状況にしたり、そういった工夫をしているところでございます。
-18-
それから、高さとか幅についてのご質問がございましたが、資料の諸元のデータのとこ
ろがありましたが、資料1の11ページにダブル連結トラック21メートルの諸元という
ことで、
大型トラックの場合と比較してございます。
高さは3.8メートルの基準について
設定しておりますので、高さは通常の大型トラックの基準と変えてございません。それか
ら、幅も、2.5メートルの幅ということにしておりますので、幅も通常の大型トラックと
変えていないという状況でございます。
ただし、先ほど言いました、料金所に入る手前で細かくハンドルを切らなきゃいけない
場合に、少しそういうところで軌跡が大きくなる可能性がございますので、そういったと
ころについては、ETCレーンの位置をどうするかとか、そういった工夫をしていかなき
ゃいけないのかなというところがございますので、そういったところは協議会の中で細か
く詰めていきたいと思ってございます。
それから、ランプの走行状況でございますけれども、これは追跡をずっとしている調査
の中で、若干外側線を踏む状況は見受けられてはおりますけれども、大きく逸脱するとい
う状況ではございません。荷重につきましても、それぞれの道路の幅で、どこに軸があっ
ても大丈夫なように一応設計はしておりますので、それは基本的には状況は大丈夫だとい
うところで認識をしてございます。
それから、他社との関係ということでございました。これにつきましては、25メート
ルが今後どんどん走っていくという中で、どういったタイミングで入ると危険なのかとい
う状況がございますので、
資料1の21ページに今後の検証項目というところ、
それから、
22ページに検証項目載せておりますけれども、22ページの合流時の交通流への影響だ
とか、追越時の交通流への影響の中で、シミュレーションをしっかりして、どのぐらいの
タイミングで後続車との位置があれば入ることが困難になるというような状況は少し詰め
ていきたいと考えてございます。
それから、ヨーロッパでの実運用等々の課題だとか、それから、我が国特有なものにつ
いては、
少し比較をしながら、
今後またご説明をさせていただければと思ってございます。
以上でよろしいでしょうか。
【根本委員長】 いかがですか。ちょっと回答を先送りしたものもありますけれども、
この段階ではお許しいただいてよろしいですかね。
最初の、道路に関し走れる範囲は、特車の許可の中で見るということですけれども、回
転半径がそんなに大きくならないという意味で言えば、このダブル連結トラックになった
-19-
からといって特に走れる範囲が狭まるとか、そういう感じではないと考えていいですか。
【有料道路調整室長】 そうですね。通常のトレーラー、セミトレーラーに比べると、
ヤマトさんから説明をしていただいた中でもございますし、参考資料の6ページにセミト
レーラーと21メートルの現在運行している車両と、先ほどヤマトさんからご説明ありま
した、ドーリーとメカ式のステアリングの比較をしてございますけれども、セミトレーラ
ーが一番占有幅が大きいという状況でございますので、逆に狭いところを走れると。
【道路計画調整官】 ちょっと補足させていただきます。25メートルのトラック、生
産性革命ということで、省人化ということで、幹線物流のところでやっていきましょうと
いうことで実験を始めたところでございます。ヤマトさんからもよく話されるんですけれ
ども、将来どこまでネットワークを広げるんですかといったところが非常に重要になって
くるかなと思っています。
21メートルのトラックについては、今、ネットワークの制限をかけずに全国、日本梱
包さん、100台以上走っているところでございます。ただ、この25メートルのトラッ
クについても、そのような日本全国、基本的に特車をとればいいですよといった運用にす
るのか、それとも、東京、名古屋、大阪の幹線物流の間だけにしますよとするのかといっ
たところについては、今後の実験結果を見ながら、あとは、実際の業界のニーズを踏まえ
ながら設定していきたいなと思っているところでございます。
ですから、
実際25メートルを使う業界の方々が、
どこのドライバー不足で困っていて、
そのために我々としてどのネットワークを指定して、そのためにまたどこまで道路改良し
なくちゃいけないのか。際限なく道路改良することはできませんので、ある程度最初は限
定した形でいくのかなというふうには思っております。
ただし、ヤマトさんからもお話ありましたけれども、特車の許可にかなりの時間がかか
るといった部分がありますので、ペーパーでは二、三カ月と書いてございましたが、その
部分については、我々も25メートルのトラックを推奨していきたいと思っておりますの
で、何らかの形で優先的に審査するだとか、そういった形でのインセンティブといったも
のを考えていきたいなと思っています。
【根本委員長】 ありがとうございます。ヤマトさんのほうから何か質疑応答の中で答
えていただけることございますでしょうか。
【ヤマト運輸】 そこの中で答えるとすれば、インターからハッチがかなり増えるんじ
ゃないかという話だったと思うんですね。やはり我々の中では、ハブ&スポークのハブに
-20-
なる拠点というのを東名大の中にも求めました。そこになるべく荷物を集めて、その幹線
の幹を太くしたいということがございますので、この区間でなるべく使用を進めていきた
いということですね。それがどういうふうになるのかという話については、当初は東名大
という話にもなるんだと思うんですけど、やはり日本は、北は福岡から、東のほうは札幌
までございますので、そこの高速ネットワークをいかに活用させてもらえるかということ
なんかも最終的には視野に入れたいんですが、まずは東名大を我々がちゃんと実証実験を
することによって実績をつくっていきたいと、そのように考えています。
【根本委員長】 ありがとうございました。よろしいでしょうか。ほかにも議題がござ
いますので、それでは、続きまして、議事2、過積載の荷主対策について、事務局より説
明をお願いいたします。
【ITS推進室企画専門官】 過積載車両の荷主対策につきまして、道路交通管理課の
馬渡でございますが、説明させていただきます。
資料3でございます。
1ページ目に過積載車両の現状を掲載しております。
車両の諸元、
具体的には総重量や長さ等が一定の値を超える場合におきましては、道路管理者の許可が
必要ということになってございます。いわゆる特殊車両でございますけれども、この特殊
車両のうち、約3割が過積載というふうに推定されておりまして、近年なかなか減ってい
ないというような状況でございます。特に写真のように、一般的制限値の3倍を超えるよ
うな極めて悪質な重量違反の事例もあるというふうになってございます。
次のページをお願いいたします。このような過積載車両につきましては、道路橋の劣化
に与える影響が非常に大きいということでございまして、道路管理者は、基地の取り締ま
りですとか、自動計測装置による取り締まりにおきまして、是正指導、あるいは、トラッ
ク事業者名の公表など、行政指導を実施しているところでございます。
具体的には、左側の「取締基地での取締り」ですけれども、このように複数、4回違反
しますと、許可取消・告発といったような流れになってございます。
また右側の自動計測装置におきましても、5回違反しますと、許可取消・告発というよ
うな流れになってございます。
次のページお願いいたします。このようにトラック事業者には行政指導といった手続が
ございますけれども、過積載に対する荷主の関与というところにつきまして、その実態を
まず把握する必要があるだろうということで、2つの調査を実施いたしました。
1つ目は、全日本トラック協会の会員企業様へのアンケートを実施しております。昨年
-21-
度実施しております。当会協会会員の運送事業の538社から回答を得たところでござい
ます。このうち、荷主から強要されたことがあるかといったような問いをしたところ、よ
くある、あるいは時々ある、たまにあるというところが82社、15%にも上るというよ
うな結果になってございます。
次のページをお願いいたします。次に基地取り締まりにおきまして、荷主情報の聴取を
行った結果でございます。
実施期間としましては、
昨年9月〜11月に行っておりまして、
東北、関東、中部の整備局の基地5カ所におきまして聴取を行いました。
聴取に際しましては、回答者の法人や個人で特定されることがない旨をあらかじめ周知
した上で、荷主名、それから、荷主の業種、過積載に対する荷主の関与や指示の有無、こ
の3点につきまして聴取をしたところでございます。
次のページをお願いいたします。こちらがその結果になります。違反通行した運転手3
6名の方に聞き取りを行ったわけですけれども、
そのうち32名から回答がございました。
このうち、
荷主名につきましては、
16名、
5割の方から回答を得たところでございます。
また、荷主の業種につきましては、19者、6割の運転手が回答をしたという結果になっ
ておりまして、業種につきましては、右の円グラフにありますような内訳になってござい
ます。道路貨物運送業、それから、建設業、海上コンテナ仲介業者といったところでござ
います。
一方、荷主の関与や指示の有無といったような問いにつきましては、全ての運転手が無
回答といったような結果になったところでございます。
次のページをお願いいたします。このような過積載車両の荷主への課題、荷主対策につ
きましては、これまでもさまざまな報告でその方向性が打ち出しをされたところでござい
ます。一昨年の「今後の物流政策の基本的な方向性」という中にも記載されております。
アンダーラインのところですけれども、荷主にも責任とコスト等を適切に分担をさせて、
取り組みをあわせて実施する必要があるといったことですとか、そのための具体的な施策
として取り組み時の違反者への荷主情報の聴取、荷主も関与した特車通行許可など、違反
に係る荷主、運送元に関する情報を活用した幅広い取り組みを検討する必要があるといっ
たようなご提言をいただいているところでございます。
次のページをお願いいたします。このようなご提言を踏まえまして、今年度から試行を
行います取り組みについてご紹介をしていきたいと思います。大まかに申し上げますと、
道路管理者が違反車両の荷主情報を把握をいたしまして、この情報を自動車部局に提供い
-22-
たしまして、荷主への協力要請につなげていくといったものでございます。
具体的には、
左側の道路管理者の取り組みとしまして、
まず1つ目、
1番ですけれども、
基地取り締まり時の荷主情報の聴取といったことになります。これは道路管理者が取り締
まり基地で違反車両を確認し、警告書の発出、または措置命令を行った場合に、運転手に
対しまして、任意ですけれども、荷主情報を聴取するといったものでございます。聴取し
た荷主情報につきましては、違反したトラック事業者さんの情報とともに、全て自動車部
局に提供するという形になります。
もう一つ、2番のほうですけれども、こちらは直轄での特車申請におきまして荷主名を
記載をしていただくということでございます。トラック事業者へのインセンティブといた
しまして、優先的に通行審査を行うということを考えておりまして、おおむね10日間程
度のインセンティブですけれども、それをつけまして、荷主情報の取得をしていきたいと
思ってございます。
このようにして得られました違反車両の荷主情報ですけれども、これらを、図の右にな
りますが、自動車部局に伝えると、提供するという形になります。
自動車部局のほうでは、この情報をもとにしまして、適正化事業実施機関、真ん中のオ
レンジのところですけれども、こちらに荷主情報の確認を要請するということで、こちら
がトラック事業者に対しまして荷主の聞き取りを行うということでございます。で、聞き
取った荷主情報をもとに、運輸部局のほうから荷主に対しまして協力要請書を発出すると
いったような流れになります。この協力要請書につきましては、取引先であるトラック事
業者が法令違反を行ったということを荷主に通知をするということとともに、トラック事
業者による違反の再発防止を荷主に要請するということを目的に行うものでございます。
次のページをお願いいたします。
この試行の今後のスケジュールでございますけれども、
まず左側の基地取締り時の荷主情報の聴取におきましては、来月12月からでございます
が、全ての地方整備局において試行を開始したいと思っております。来年度、平成30年
度も試行を継続いたしまして、結果の取りまとめと検証を行いたいと思っております。
具体的な検証内容としましては、
荷主名の聴取状況ですとか、
過積載の多い荷主の業種、
それから、自動車部局での荷主情報の活用の状況などを考えてございます。
一方、右側の特車申請時における荷主名の記載につきましては、来年の1月から、まず
は北海道開発局において試行を開始したいと思っております。来年度におきまして全ての
調整部局に試行を拡大いたしまして、結果の取りまとめと検証を行います。検証内容につ
-23-
きましては、
先ほどの基地取り締まり時の聴取に加えまして、
事業者へのインセンティブ、
優先的審査の妥当性などを含めて検証したいと考えております。
双方の取り組みとも、結果の取りまとめ、検証を踏まえまして、平成30年度中には本
格導入を目指していきたいと考えてございます。
以上で荷主対策の説明を終わらせていただきます。
【根本委員長】 ありがとうございました。ただいま説明に関して、何かご意見、ご質
問ございますでしょうか。
【苦瀬委員】 2つの意見を申し上げたいと思います。1つ目は、CSRというか、そ
ういう観点からも荷主の対策というんでしょうか、荷主にちゃんと責任を持ってもらいま
しょうというのは私は賛成であります。ですから、ぜひこれは進めていただきたいという
のが1つ目ですね。
2つ目は、もう一方なんですが、私が最近経験した例なんですけれども、例えばなぜ午
前中にこの時間に持ってこなきゃいけないんですかとある荷主さんに聞いたら、
いやいや、
今までそういう時間に持ってきてくれているのであって、我々が言ったわけじゃないんだ
と。我々は午後のほうが助かるんだけど、きっと午前中のほうが便利だったんじゃないの
というような感じなんですね。で、輸送するほうは、実は午前中に持っていかなきゃいけ
ないんだと思って実は詰まっているということがある。
つまり、何を申し上げたいかというと、荷主の責任を追及することは僕は正しいことだ
と思うんですが、荷主さんがその状況を知っているかどうかというのがすごく心配です。
実は過積載だったことも知らず、向こうが12トンがちょうどいいから12トンと頼んだ
だけなのに過積載だったのかみたいなことです。要は、荷主さんが気づいていないのに、
慣習で発注しているということがあるのではないかということを、最近気がついたもので
すから、最初からこれはいかんぞ、けしからんぞと、こう言うのではなくて、うまくその
辺は情報をやりとりしてあげたほうが親切かなと思いました。
以上です。
【根本委員長】 ほかいかがでしょうか。
【兵藤委員】 この施策については、荷主を明らかにするというのは私も賛成でござい
ます。ただ、1ページの統計を見ていると、非常に数が多くて、そして、全く減る様子が
ない。そう考えると、道路側で対応すべきことって何かあるんじゃないかと、そんな印象
を持ちました。というのは、過積載をせざるを得ない、そういう道路ネットワーク構造に
-24-
なっているとか、どうして過積載は減らないのか、どういう過積載が起きているのか、ど
ういうパターンで起きているのか。それは道路ネットワークの構造というんですかね、そ
れとあわせてある程度分析する必要があるんじゃないだろうか。それのことは多分、例え
ば老朽化対策で、どうもここの橋は過積載せざるを得ないような、そういう道路ネットワ
ーク構造になっているから、そういうところの老朽化対策は優先的に行うとか、もう少し
道路側から、インフラ側からの対応策というのも考えていただければなと思います。
以上です。
【根本委員長】 ほかいかがでしょうか。
過積載はトラックごとに積んでよい最大の重さを超えているか、否か、であって、この
道路は30トンが通ってもいいけど、この道路は25トンまでよという、そういうのはな
いですよね。そこら辺、過積載の定義を含めて解説してもらったほうがいいかもしれませ
んね。お答えのほうお願いできますか。これはどなたが。
【道路計画調整官】 最初、荷主とトラックの関係の契約の関係の解説についてよろし
いですか。
【物流政策課企画室長】 荷主さんへの周知のところかと思います。
貨物課のほうでも、
自動車局のほうでも、今、いろんなやり方はありまして、過積載の話もそうですし、荷待
ち時間の話もそうなんですけれども、今、貨物事業法の規則というのはどうなっているの
かというのをチラシ等をつくりまして、荷主団体さん、または荷主さんのほうに個別に説
明に行って、もしくはそうしているところです。これは各運輸局のほうでも県単位でまた
行っておりまして、周知を図っていきたいと思っております。
もう一つの話としまして、両方のコミュニケーションをしっかりしていくというところ
が課題としてあると思います。これは厚労省さんと荷主団体さん、またトラック事業者、
我々と一緒になって協議会をつくっておりまして、この中で、それぞれの県でパイロット
事業をやっております。28年度、29年度とやっておりますが、この中で、実際の課題
を一緒に、何が課題としてあるのか、要因は何なのか、その解決方法は何なのかと、一緒
に取り組む形にしておりまして、そのノウハウというのをいろいろ広げてもらう。それに
よって、話し合っていく場といいますか、問題の所在の認識の共通化を図っていきたいと
思っております。引き続きそれはやっていきたいと思っております。
【道路計画調整官】 もう一つ、ネットワークの関係のお話がございました。これまで
もいろいろ議論されていて、特に重量の関係について、諸外国に比べて日本があまりにも
-25-
重量の規制が厳しいのではないのかといったような議論があったところでございます。
ただ、そのネットワークの件については、次回の物流小委員会の中でいろいろご議論い
ただきたいと思っております。今、重量という議論もありますし、高さという議論もある
し、長さという議論があると思います。重量については、これまでは重さ指定道路という
ことで、特車許可が不要となるネットワーク、通常であれば20トンなんですけれども、
25トンまで許可不要ですよといったようなネットワークを指定してきたというのもあり
ますし、
高さ指定道路と申しまして、
通常であれば3.6メートルまで許容していたのを4.
1メートルまで許容しますよといったネットワークをそれぞれ組んできたといったところ
がございます。
今後は、そうした規制の仕方も非常にわかりづらいといったところもございますので、
最近のトラックの大型化も踏まえて、よりわかりやすい物流のためのネットワークといっ
たものはどのような形がいいのかといったことについて今検討しているところでございま
す。
ですから、重さ、高さ、25メートル、長さもあると思うんですが、そういったところ
を総合的に踏まえて、道路管理者としてどのようなところにどういうトラックが走ってい
ただいたほうがいいのかといったネットワークについて、今後精査して、指定して、そこ
を走ってもらうといったような新しい仕組みといったものを今後つくれればなと思ってお
りますし、それによって、例えば重さを緩和することによってこれまで過積載だったもの
が過積載でなくなるとか、そういった形でこうした取り締まりも効率化される可能性もご
ざいますし、一方で、物流も効率化される可能性もあるといったことがあるで、そういっ
た昨今の事情も踏まえながら、ネットワークのほうを考えていきたいと思っていますが、
いずれにしても、次回の小委員会で少し議論させていただければと思っていますので、よ
ろしくお願いします。
【根本委員長】 よろしいですかね。誤解していました。そういうことですね。兵藤先
生の質問はトラックの重さ制限とか、もう少し緩和して、さらに走れる道路のネットワー
クを広げていこうということですかね。そうすると、過積載するのではなくて、より大き
なトラックを買って、ちゃんと法令遵守しながら運べるよということですね。そういう意
味ですか。
【兵藤委員】 トラックじゃなくて、写真にも載っていた建設の重機だとか、そういっ
たものの比重がかなり高いんじゃないかと思うと、トラックの議論とまた違う対応が必要
-26-
になるのかもしれません。わかりませんけど。以上です。
【根本委員長】 わかりました。ありがとうございます。それでは、次の話題行ってよ
ろしいでしょうか。続きまして、
「ETC2.0、車両運行管理支援サービスについて」
、ご
説明よろしくお願いいたします。
【ITS推進室長】 ITS推進室の西尾でございます。資料4に基づきまして座って
説明させていただきます。
資料4でございますけれども、あけていただきまして、今の物流の課題について若干説
明させていただいております。左側の円グラフでございます。荷待ちですね。約半数の物
流事業者様が、荷待ち時間が1時間以上という方がたくさんいらっしゃるということで、
こういった課題に対応する形のことが必要ではないか。
これに対しまして、道路管理者としまして、きょうもいろいろ議論出ておりますが、E
TC2.0、各車のプローブ情報を集めているところでございます。このプローブ情報は、
各車の位置情報、時間情報、それから、急ブレーキ、急ハンドルの情報、こういった情報
を道路管理者として集めているところでございます。こういった情報を物流事業者様にお
返しすることで、2つほど絵に描かせていただいておりますけれども、1つは、リアルタ
イムな位置情報を使うことで荷待ちの時間を短縮させるというような効果。それから、も
う一つ右側にありますのは、急ブレーキの情報、これに基づきまして、ドライバーの安全
確保に使っていくと。こういった2つのサービスが使えるのではないかということで社会
実験を28年の2月から進めていっているところでございます。
次のページがその仕組みでございます。一番左にございますのが、路側機、それから、
これから集まってきますプローブ情報、
これについて書かせていただいております。
現在、
高速道路上でございますと、約1,700カ所、それから、直轄国道でいいますと1,90
0カ所の路側機が整備されているところでございます。この路側機と車に積みましたET
C2.0の車載器、
これとの通信によりまして各車の位置情報が集まってくるというふうな
仕組みになっているところでございます。
このうち、位置情報を使いたいという方々の物流事業者に対しては、特定のプローブと
言っておりますけれども、個別の車とわかる情報、これにつきまして、道路管理者のほう
でセレクトしまして、抽出をしまして、それを配信をさせていただくといったことでござ
います。
これ、配信する先が、黄色く塗っておりますけれども、
「サービス事業者」というふうに
-27-
ございます。このサービス事業者は、ETC2.0の特定プローブ、これを使いまして、加
工して、それから表示をするということで、車両の位置情報ですとか、あるいは急ブレー
キの表示をするというふうなサービスを提供するといった事業者でございます。
こういったサービスを、一番右側にあります物流事業者さんが見ていただいて、これを
使うことで車両の運行管理に使っていただくというふうな、こういった仕組みでございま
す。
実験参加者は、下にありますとおり、サービスをつくっておられる事業者で9者、それ
から、
物流事業者でいいますと20者で、
トラックとしましては約1,000台ぐらいの車
に使っていただいているというふうな状況でございます。
次のページから使っていただいた評価について、サービスごとに整理させていただいて
いるところでございます。まずは、車両の位置情報を使ったサービスでございますけれど
も、左側にイメージ書いてございます。車のいる位置が、時間、何時何分何秒ごとにこの
位置情報で表示をされるということで、これを使って運行管理者が、いつごろ目的地に着
くのかなというのを大体予測をする、そういったことに使っていただいているというふう
な状況でございます。
使ったご意見としまして、右側でございますけれども、高速道路、それから直轄国道、
こういったところで走っているところにつきましては、位置情報が速やかにわかるという
ことで、交通障害があった場合ですとか、あるいは、荷主からの問い合わせをしたいと、
こういった場合に迅速に対応できたなというふうなお答えをいただいていると。
一方で、路側機を設置している箇所が限られておりますものですから、そういった観点
で、位置情報を確認するためにタイムラグがある、そういった課題も見えてきたところで
ございます。
実際の荷さばきの状況につきましては、下にありますとおり、到着時間の連絡に合わせ
て迅速に効率的な荷さばき体制ができたとかいうことができておりまして、絵にあります
とおり、荷さばきの準備、こういった時間が短縮できたというふうな効果が出ているとい
うことでございます。
総括しますと、一番上にありますとおり、19者の方に使っていただきまして、17者
の方からこれは役に立つなというお答えをいただいているということでございます。
一方、タイムラグが生じる路線もあるということで、これについては対策の検討が必要
かなと考えておるところでございます。
-28-
それから、もう一つのサービスにつきましては、次のページでございますけれども、左
の絵にありますとおり、急ブレーキの情報でございます。この急ブレーキの情報がドライ
バーごとに画面上に表示をされるというふうなサービスでございまして、これを用いまし
て、運転手ごとの急ブレーキなどの箇所、それから回数がわかると、そういった仕組みで
ございます。
これを使いまして、ご意見でございますけれども、右側でございます。具体の問題箇所
がわかったりですとか、あるいは数値がわかるということで、運転手ごとに具体的な安全
運転が指導できるということで、非常によかったという意見。それから、運転手の方々か
ら見ましても、自分自身の運転特性がわかるということで、安全運転に役立ったというこ
とでございます。実際、急ブレーキの回数なども、下の絵にありますとおり、14%急ブ
レーキが減った、あるいは7%減ったということでいろいろ効果が出ているということで
ございます。
総括しますと、
一番上にありますとおり、
活用いただきました7者の運行事業者のうち、
6者の方が役に立つよというふうなご意見をいただいたというふうなことでございまして、
今後も活用したいという方が4者いらっしゃるというふうなことでございまして、大きく
評価をいただいているかなと思っております。
次のページ、今後でございます。この実験、28年2月から始めておりますけれども、
本日の物流小委員会を経まして、来年度、平成30年度から、大変活用いただいて役に立
つということで、本格導入に向けて進めたいと思っております。
本格導入に向けましては、
「本格導入に向けた準備」と書いてございますけれども、デー
タ配信を行うための事業者、これを公募をする。それから、データ配信のための体制、ル
ールづくり、こういったものが必要になろうかなと思っております。
これについては具体的に次のページに書かせていただいております。6ページ目でござ
います。もう一度先ほどのデータフロー図でございますけれども、ピンク色のところ、道
路管理者から特定プローブを一括してこちらに来るわけですけれども、こちらから各物流
運行管理者ごとにデータを渡してあげるというふうなところが出てくるところでございま
す。一番右側の物流等の事業者がたくさんございますけれども、この物流事業者にあわせ
て、では、緑の車に対しては黄色のサービス事業者が幾つかありますけれども、ここのど
れに送るかというのをきちんと仕分けをすると、そういったことが必要になるということ
でございます。こういった配信事業者について、民間の方にお願いをしたいと考えており
-29-
ます。
また、もう一つ、ルールとしまして、一番下にございますけれども、特定プローブとい
いますのは1台1台の車の情報になりますので、これらについては、当該車両と関係する
サービス事業者、あるいは物流事業者にのみ提供するといったルール。それから、各事業
者がこの特定プローブ情報を使って車両運行管理にのみ使うと、ほかの目的には使わない
といった、そういったルールが必要ではないかなと思っておりまして、こういった形で進
めたいと思っております。
また、一番上のところにありますが、3つ目の丸でございます。先ほど課題としてもご
説明申し上げましたけれども、都市内の車両の位置を確認するためには、やはり今の路側
機の配置では足りない部分がございますので、これについては増設の検討が必要じゃない
かなと思っております。ここについて順次進めていきたいと思っております。
なお、次のページ以降は、参考でつけさせていただいておりまして、各サービス事業者
のサービスのイメージをつけさせていただいております。例えば8ページ目でございます
けれども、これは車両の位置情報を把握するサービスの事例でございまして、沖電気さん
の事例、それから、次の9ページ目につきましては、急ブレーキの箇所など、あるいは急
ブレーキの頻度を示すようなサービスを提供しておられるパナソニックさんの事例、それ
から、最後の10ページ目は、車の日報をつくるというサービスを提供されておりますE
V-AICHIさんの事例でございます。
説明は以上でございます。
【根本委員長】 ありがとうございました。いかがでしょうか。
【朝倉委員】 ETC2.0のデータの有効利用は、
よい試みではないかと思うんですけ
れども、リアルタイムでデータを確保して提供するということになると、その車両の位置
特定と、それから、場合によってはマップマッチングも誰かがやらないといけないことに
なると思うんです。そうすると、先ほどもご指摘があったように、データが欠損したり、
あるいはタイムラグがどうしても出てこざるを得ないですね。それが一体どの程度なのか
ということについて、きょうの資料では制約があるのでご紹介は難しかったかもしれない
んですが、そういったことを明らかにすると、データのクオリティが明らかになりますの
で、データを使おうとするお客さんにとっては非常にありがたい情報だと思うんですね。
データのクオリティがわからないのに使ってくれと言われ、いざ使ってみたら、データが
欠損している、あるいはタイムラグがあったり、とてもリアルタイムで使えませんねとい
-30-
うことになるかもしれなない。
もとの提供できる情報が、
どれくらい確からしいというか、
信頼性があるのかということについては、極めて慎重に分析した上で進めていただくのが
大事なんじゃないかなと思います。
以上です。
【根本委員長】 ほかいかがでしょうか。
【高岡委員】 ETC2.0の情報を使った運行管理支援サービス自体は意味があること
だと思いますが、資料の1ページに書かれている問題意識に対する施策となっているのか
お聞かせいただきたいと思います。荷待ち時間が約半数で1時間以上発生していますが、
これは荷主さんとの間で発生している荷待ち時間であり、今回、この情報サービスを使っ
ているのは物流事業者ですね。物流事業者が自社のトラックの位置情報を使って、荷さば
き作業員の待ち時間が10分短縮したという結果は出ているものの、ドラスティックに荷
待ち時間を短縮するには、荷主さんとの間でこの情報をどう共有して、どう管理していく
かということを考えないと、かけるコストに対して生産性が上がるというリターンが得ら
れないように感じます。そのあたりはどうお考えですか。
【根本委員長】 ほかいかがでしょうか。よろしいですかね。それでは、お答えよろし
くお願いいたします。
【ITS推進室長】 お答えさせていただきます。データの欠損がないかどうかという
ことについてご意見いただきました。大変重要なご指摘だと思っております。これにつき
ましては、研究に使う場合なども含めまして、まだデータの精度にいろいろ問題があるな
ということでたくさんご意見いただいておりまして、これについては、昨年度から順次取
り組んできているところでございます。
今でも改善が進んでいるところでございますので、
これについては順次進めていきながら、このサービスの展開に進めていきたいと思ってお
ります。今時点の欠損のパーセンテージとか、その辺について今手持ちがございませんけ
れども、またご説明させていただければなと思います。
それからもう1点ご質問がありました荷待ちの時間についてでございます。これにつき
ましては、物流事業者さんのほうでどこにいるかというのを把握をして、このまま行くと
大体予測時間、これぐらいに着きそうだなというのが物流事業者のほうでわかるというこ
とでございます。これを運んだ先の目的地の方々、ここがまさに荷主さんになるわけでご
ざいますけれども、荷主さんからいろいろと相談がある、いつごろ着くんでしょうかねと
いう話が当然あり得るわけでございますので、物流事業者さんのほうの、トラック運転手
-31-
じゃなくて、トラック運転手を雇っている物流事業者のほうでそこを把握していて、荷主
さんのほうにいつごろ着きますよというのを連絡をしていただくと。連絡させていただく
と、じゃあ、このぐらいに着くんだったら、じゃあ、そろそろ準備しとこうかとかいった
ことができるということで、
そういった連絡体制がうまくとれるということでございます。
今までですと、車がどこにいるかがまだそもそもわからなかったので、物流事業者さんも
わからないですし、荷主さんもわからないということで、そこを若干改善するというふう
な仕組みになっているところでございます。
以上でございます。
【根本委員長】 よろしいですか。だんだん定着していって、荷主さんのほうの理解も
得てということですね。
【高岡委員】 それでは、荷主さんと物流事業者の間での情報の活用方法に関しては、
民間に任せてということと理解してよろしいですか。
【根本委員長】 よろしいですかね。
【ITS推進室長】 荷主さんとの関係は、おっしゃるとおり、今後本格導入を進めて
いって、また民間の方々からご意見を聞きながら、関係をどうするかというのを進めてい
こうと思っていますし、今回トラックの取り組みをご紹介しましたけれども、バスについ
ても同様にバスロケーションシステムということで、新宿にバスタ新宿ございますけれど
も、そこで利用者の方々にどれぐらい運行、到着が遅れるのかだとか、そういったことも
ETC2.0のデータを使って年度内に提供していきたいなと思っております。
そしてトラ
ック、バス、いろんな事業者さんの使い方を見ながら、我々もシステムを進化させていけ
ればなと思っております。
【根本委員長】 ありがとうございました。
【朝倉委員】 これは物流事業者等ということなのですけれども、例えばレンタカー事
業者もこの対象に含まれるわけですね。レンタカーはかなりデマンディングじゃないかと
思うんですね。レンタカー会社さんは、会社のサイズがさまざまで、大手さんは結構こう
いったのは充実していると思いますけれども、中小さんはそういうのはお持ちでないとこ
ろがあって、自分のところで貸し出した車がどこにいるかわからないとか、ということも
ないとは言えない。事故率の高い属性をもった方々が借りるケースもあるかと思うので、
きちっとトラッキングしたいというニーズはあると思うんですね。
【ITS推進室長】 まさに、実は今回の実験で、20社のうち1社はレンタカー会社
-32-
さんでした。レンタカー会社さんに使っていただいたんですけれども、実のところ、トラ
ックですと非常に簡単で、トラックの事業者さん、運転手さんは1対1対応ですので、運
転手さんが自分の位置情報は伝えてもいいよということで了解をいただいて、じゃあ、デ
ータ回収しますというのはできるんですが、レンタカーの場合は、借りられる方一人一人
にその了解をとるプロセスがおそらく必要になるだろうということで、実際レンタカー会
社さんもやってみたんですけれども、なかなかそこら辺難しいなということで、継続はし
にくいなというふうなお答えをいただいているというところでございます。
【朝倉委員】 わかりました。ありがとうございました。
【根本委員長】 ありがとうございました。それでは、もう一つ話題がございます。
「中
山間地地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービスの実験状況について」、ご説明
よろしくお願いいたします。
【ITS推進室長】 じゃあ、続きまして、西尾が説明させていただきます。資料5で
ございます。時間もありますので、駆け足になるかもしれませんが、お許しください。
開いていただきまして、
1ページ目でございます。
中山間地におきましては、
高齢化率、
非常に高くなっておりまして、運転免許を返される方もたくさんいらっしゃるということ
で、移動がなかなか難しくなっている状況でございます。一方中山間地におきまして、道
の駅もあり、それから、最近の自動運転の技術もございますので、そういったものを活用
しながら中山間地の移動を確保するといった仕組みをできないかということで、こういっ
たサービスの実験を進めているところでございます。
次のページでございますけれども、大きく3つの流れを書いてございますけれども、一
番左側が地域指定型で実験をやる箇所、大きく5カ所ございますけれども、主に技術的な
検証を行う箇所、それから真ん中の矢印でございますけれども、ここは各地域ごとのビジ
ネスモデルを検討していただきましょうということで、これに資するような場所を公募を
しまして、合計8カ所選ばせていただいておりまして、合計13カ所の実験を進めており
ます。
また、一番右側でございますけれども、実験に終わらず、今後も継続的に進められるよ
うにということで、ビジネスモデルを検討する検討会をことしの7月に発足をして検討を
進めているところでございます。
次のページは、実験箇所でございまして、合計13カ所が示されております。二重丸で
書いておりますところが地域指定型の5カ所、それから、赤丸で示しておりますのが公募
-33-
型の8カ所の合計13カ所でございます。それから、点線の丸がございますけれども、こ
れは机上検討を進めていきましょうという箇所が合計5カ所ございます。それも示させて
いただいているところでございます。
次の4ページ目は実験に使います車両を示させていただいております。これにつきまし
ては、自動車メーカーさんに公募させて手を挙げていただいた4種類の車を使わせていた
だいております。左側がバスタイプ、右側が乗用車タイプということでございまして、い
ろんな技術ございますけれども、特筆すべきだということでいきますと、左下と右上のと
ころが「路車連携型」と書いてございますけれども、道路に電磁誘導線を埋設したり、あ
るいは磁気マーカーを置いたりといったことで、車だけではなく、道路側と連携して進め
るような技術でございます。
次のページから、既に2カ所ほど実験をやったところがございますので、それについて
2ページずつ資料をつけさせていただいております。
1つ目が、道の駅「にしかた」でございます。地図にありますとおり、いろんな栃木の
市役所の支所でしたり、地域の集落を結んでいくという合計2キロの延長を走ってござい
ます。車両は、右側にありますとおり、小型のバスタイプの車両でございまして、これに
はハンドル、ブレーキ等がついておりませんで、全て自動ということでございます。そう
いったことで、これは警察庁さんのルールで、こういった緊急時のハンドルとかブレーキ
切れない車については、公道は走れないということで、基本的に完全に規制をして、人も
車も入らないような専用区間で使ってくださいということになっておりますので、この2
キロについてはそういった形で走らせているというふうな状況でございます。
次のページが、6ページ目が実験風景でございますけれども、いろんな課題を検証して
おりますけれども、左上が道路の交通の課題ということで、落下物があったりとか、ある
いは障害物をあった場合の状況、それから、右側が物流という観点でもございますけれど
も、食料品の配送実験などもやらせていただいたり、下のほうは、社会受容性の実験をや
っているというふうな状況でございます。
それから、次のページはもう一つの箇所でございまして、道の駅「芦北でこぽん」でご
ざいます。
こちらについても同様の地図をつけておりますけれども、
合計約6.3キロのル
ートで実験しておりまして、ここでは右側の絵にございますとおり、ヤマハのカートタイ
プの車で実験をしております。この車は、道路上に電磁誘導線を引きまして、それに沿っ
て走るという車でございまして、これについては、ハンドル、ブレーキはついております
-34-
ので、混在交通の中でも走れるというふうな状況でございます。
左側の絵の中にも、ピンク色のところが混在交通で走る区間、それから、赤く塗ってお
りますルートが、ここは完全専用空間化しまして、ドライバー席には誰も乗らない形で運
転しているというふうな状況でございます。
次のページが実験風景でございますけれども、同様の検討をしております。左側の上の
ほうでは、混在交通でもありますので、そういった検証もしつつ、それから、右側のほう
では、集荷場から農作物を配送したり、あるいは、宅配便の配達をしたり、そういった実
験も加えてしているといふうな状況でございます。
ご説明は以上でございます。
【根本委員長】 ありがとうございました。ただいまの説明に関しまして、ご意見、ご
質問があればよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
【上村委員】 時間もありませんので手短に申し上げます。非常にこれは、未来性があ
って、いい実験だと思います。ぜひ新しいこういった自動運転という技術がこれから日本
の中でどういうふうに目指していくのかということと、それから、地域、まちづくりとい
うことと、それから、生活の拠点を道の駅という形で置いて、そことどういうふうにつな
いでいくのかという、いろんな大きな地域活性化のための課題も織り交ぜながら、とても
いい実験です。ぜひ早く進めていただくことと、それから、できれば道路というところか
ら出るかもしれませんけれども、道の駅を通じて、いろんな福祉だとか医療や、買い物だ
とか、そういったいろんな生活回りのところの拠点にさらに道の駅がなっていくような地
域づくりに生かしてもらって、ビジネスモデルをつくることです。ぜひ、これをどういう
ふうにやっていくのかということを、例えばSPCをつくって、もう少し民間の知恵を入
れながら、民間の資金も入れながら、道の駅予算だけではなくて、発展した形で全国に広
めていけたらと思います。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございます。ほかいかがですか。
【朝倉委員】 タイミングよく、けさの日経新聞に、皆さんごらんになったと思います
けれども、グーグル系のウェイモという会社が自動運転とシェアリングの実験を、アリゾ
ナだからフェニックスですかね、でやるよというニュースが出ていまして、非常にタイム
リーだと思いました。
我が国の自動運転サービスを検証するときも、地域のシェアリングをベースとする交通
-35-
モードとして位置づけていただく、あるいは、今回、物流ですので、貨客混載という意味
のシェアリングもあるかと思います。そういった切り口でやっていただくと、価値がさら
に出るんじゃないかなと感じました。
以上です。
【根本委員長】 ありがとうございます。ほかいかがですか。
【苦瀬委員】 非常にいい試みで、ぜひ頑張ってほしいと思いますけれども、1つ心配
をというか、質問になるかもしれません。1枚目のところで、物流の確保で宅配便とか農
産物の集出荷と書いてあるわけですが、実際に出荷を見てみると、8ページみたいなとこ
ろで、少しずつトマトがあったり、こうあるわけですが、私の質問は、出荷するときにど
ういう単位で出荷するのかとか、箱単位なのかとか、宅配便で判とりというか、いわゆる
受け取りのサインは誰がやるのかとか、実際に車で運んでいったときに、誰がそれをおろ
して判子もらって帰ってくるのかとか、
そういうのがいずれ話題になるんじゃないかなと。
それができないとなかなか難しいかなと思ったので、もしそういうことを考えておられれ
ばそれでいいですし、もし今後の課題なら今後の課題として考えていただければありがた
いと思います。
【根本委員長】 よろしいですか。
私も似たような質問をしたかったんですけれども、これ、緑ナンバーでやるのか、白ナ
ンバーでやるのか、どういう補助金が入るのか、それこそ福祉のお金、それから、文科省
のスクールバス補助みたいなお金とか、いろんなものがあると思います。地域の交通をう
まく効率的にやっていこうというのに絶対役に立つはずですけど、やっぱり技術だけじゃ
なくて、
そういう制度面の話をこれから少し考えていくというのも大事かなと思いました。
それじゃ、手短にお答えお願いいたします。
【ITS推進室長】 これ、まさに始まったばっかりでございまして、かなり将来性の
あるサービスだと思っておりますので、いろんな知恵を結集をして進めていきたいと思っ
ております。
先ほど説明しましたビジネスモデル検討会というのを設置しておりますので、
その中でまさに各分野の方々に入っていただきましてやっておりますので、その中でうま
く詰めていただければいいかなと思っております。本日のヤマト運輸さんにも入っていた
だいて議論を進めているところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
さらにいろんなサービスという意味合いでいいましても、道の駅、道路行政だけではご
ざいませんで、最近ではまさに市役所の出先だったりとか、あるいは病院だったりとか、
-36-
郵便局だったり、いろんなものが複合的に集まっていっているような拠点になっておりま
すので、そういったものは、まさに民間ですとか、あるいは地元の自治体さんと一緒にな
っているようなところもございますので、そういったいろんなサービスに使えるようにや
っていければなと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
【根本委員長】 よろしいでしょうか。
予定した時間を既に超過してしまいました。それだけ議論が活発だったということで、
よかったと思います。それでは、進行のほう、事務局にお返ししたいと思います。
【道路計画調整官】 長時間にわたるご議論ありがとうございました。事務局から2点
連絡事項がございます。本日の議事録につきましては、後日、各委員の皆様に送付させて
いただき、ご了解をいただいた上で公開する予定でございます。
また、
本日の会議資料はそのまま置いていただければ、
追って郵送させていただきます。
それでは、以上をもちまして本日の物流小委員会は全て終了となります。本日はまこと
にありがとうございました。
―― 了 ――

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