皆さんは獣医学という言葉を聞くとどのようにイメージされますか?おそらく多くの方々は、すぐに動物のお医者さんを連想すると思います。ところが実際は、獣医学はそれだけでなくもっと幅広い分野を含んでいます。動物と人との健康・福祉の向上のために、動物の病気の診断・予防・治療などはもとより、安心できる質のよい食料の提供、地球全体の野生動物をはじめ生物資源の保護、生命科学研究といった多彩な活動を含み、国の内外から社会や科学に貢献することが期待されている学問です。
私たちは、畜産県である宮崎の特性を生かしながら、産業動物や伴侶動物に対する医療や福祉、動物と人の共通感染症の撲滅やコントロール(鳥インフルエンザやSFTSなど)、アカウミガメや野生馬などの調査や保護、アジアに目を向けた国際交流などの活動を通じて、専門科目ごとに設置されている15研究室と附属動物病院が、他学科と協力しながら、獣医学を実践しています。また、平成22年度にはわが国で初めて医学と獣医学が融合した大学院(医学獣医学総合研究科)が設置され、先進的な獣医療を実施する高度獣医師育成コースや国際的に活躍できる研究者育成コースへの進学が可能です。
獣医学科では、農学に関する基礎知識、獣医専門知識、獣医的倫理観、獣医的応用・実践・開拓力、地域・国際社会への貢献能力を身に付けた人材の育成を目標としています。
【求める学生像】
大学での学修の基盤となる幅広い知識や理科、数学、語学に関する基礎学力を持ち(知識・理解)、自然科学に対する幅広い興味や関心を有し(学問への関心)、ヒトと動物の健康ならびに福祉の向上に必要な高度な専門知識の修得に対して主体的に取り組むことができる(主体性)人材を求めています。
獣医学科では、宮崎大学学部規則に規定する修業年限以上在学して所定の単位数を修得し、学士課程教育を通して、人類の文化、社会、自然、地域及び専攻する学問分野における知識を理解し、身に付けた技能(実践力)を活用できる素養を身につけた学生に対して卒業を認定し、学士(農学)の学位を与えます。