明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)では、高校生の皆様に現象数理学への興味・関心を持っていただくとともに、自然や社会の理解に数理的視点を活用する面白さを知っていただくため、2011年度より、現象数理学に関する高校生向けの研究発表の場を提供しています。
今年度も引き続き、「高校生のための現象数理学入門講座と研究発表会」として、活気ある研究発表の機会をご用意します。このプログラムは、数理的視点をどのように自然現象や社会現象の理解に活用するか、その魅力を本学の教員が解き明かす入門講座と、高校生によるポスター発表形式の研究発表会の2部構成となります。
このイベントを通じて生徒間の交流を一層深めていただき、現象数理学研究の裾野がさらに広がるよう願っております。ポスター発表をされない方も気軽に参加できますので、全国各地の多くの皆様のお越しをお待ちしています。
明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)所長 西森 拓
開催日程 : 2025年10月12日(日)12:30〜16:20 ※(注記)参加無料
開催場所 : 明治大学中野キャンパス
高層棟6階プレゼンスペース (研究発表会)
高層棟5階516教室 (入門講座)
参加申し込み :
【高校生による研究発表会】 >>詳細
ポスター発表応募フォーム ポスター発表応募締切 2025年9月19日
↓↓※(注記) 終了しました
【現象数理学入門講座】 >>詳細
入門講座参加申し込み(兼、ポスター発表見学申し込み)締切:2025年10月7日
↓↓※(注記) 終了しました
●くろまる MIMS事務室
e-mail: mims[at]mics.meiji.ac.jp ([at]を @ に変更してください)
プログラム
12:00〜12:30 受付 ※(注記) 受付後、ポスター掲示 12:30〜12:35 開会 MIMS所長 あいさつ 第1部:高校生による研究発表会 (高層棟6階プレゼンスペース) 12:40〜13:30 高校生によるポスター発表 (グループ1)
13:40〜14:30 高校生によるポスター発表 (グループ2)
第2部:現象数理学入門講座 (高層棟5階516教室) 14:45〜15:45 「偶数と奇数の判定から点を一様に分布させる先端研究へ」
講師:矢崎成俊 (明治大学理工学部 教授)15:45〜15:55 質疑応答 16:00〜16:15 高校生による研究発表会表彰式、講評
16:20〜17:00 MIMS教員との交流会(自由参加)
※(注記)お時間のある方はご参加ください。
【高校生による研究発表会】
募集対象の研究
数理的視点を用いて「自然」や「社会」や「日常生活」に現れるさまざまな現象の理解を深めることを目指す研究。数理的とは、数学に限定せず、物理、情報科学なども含めて数式や論理を利用する意味で広くとらえてください。
大学教員の講評・アドバイスを全参加者に後日送付します。
応募方法
原則として所属高校の担当教員を通じてご応募ください。
発表申し込みフォームに以下の必要事項をご記入の上お申し込みください。
[必要事項]
1)メールアドレス
2)高校名
3)代表者(引率の先生)氏名
4)発表者氏名(姓・名・フリガナ)
5)発表タイトル(1ヶ月前まで変更可)
※(注記)複数の発表をご希望の場合は発表毎にお申し込みください。
6)発表内容の概要(200字以内)
[参加登録期間]
2025年7月1日(火)〜9月19日(金)
ポスター発表応募フォーム
↓↓※(注記) 終了しました
[発表形態]
ポスター発表(対面開催)
研究発表会はポスタープレゼンテーション形式で行います。
※(注記)ポスターボードは、幅900mm、高さ1,800mmです。
※(注記)ポスターの推奨サイズはA0サイズ(×ばつ1,189mm)です。
※(注記)ポスターは各自印刷して当日持参していただくことを前提としますが、学校に大判ポスター印刷の環境がない場合はお申し込みの際にご相談ください。
表 彰
発表ポスターの中から優れた研究を複数選び、当日表彰します。
備 考
参加ポスターのタイトルおよび発表者の氏名を、後日、MIMSのWEBサイト上で公表します。
また、優秀ポスター賞に輝いた発表ポスターは、事前に許諾いただいた上でPDFファイルとしてMIMS Webサイトに掲載します。
【高校生による研究発表会 受賞者一覧】
広島大学附属高等学校
末武懐芽、小林由縁、
森井美陽
「数学的手法によって記録更新に貢献する競技トラックを提案する」
◆だいやまーく 研究概要
本研究は競技用トラックの形状が走行タイムに及ぼす影響を数学的に分析し、記録向上に貢献するトラックの形状を提案することを目的としている。まず直線上と円周上をそれぞれ走る実験を行い走路の円弧の半径と速度の関係をできるだけ単純な数式に表現することを試みた。さらに、この式に基づいて、直線と曲線を組み合わせたトラックでの走行をモデル化し一定の条件の下で最も記録の良いコースに関して考察を行った。
広尾学園高等学校
古屋俊之祐
「みどりの窓口の混雑緩和に向けた考察」
◆だいやまーく 研究概要
現在,JRグループが設置しているみどりの窓口において著しい混雑が見られる.混雑緩和策の一つとして,窓口に並ぶ利用者を発売機利用に促すための駅員を配置することを考えた.どの時間帯で駅員を配置することが効果的かを考えるため,実データを利用したシミュレーションを行った.その結果,1日のうち特に午前中と夕方で混雑が発生していた.また,その時間帯で到着率を2割減らすことで混雑が緩和されることが分かった。
広尾学園高等学校
山辺馨子
「ウクライナ戦争の軍備競争の数学モデル」
◆だいやまーく 研究概要
「微分方程式で数学モデルを作ろう 訳:垣田 高夫 / 大町 佐栄」「戦争世論形成モデル:L・F・リチャードソンによる戦争気分モデルのマルチエージェントモデル化 光辻 克馬 / 山影 進」という書籍と論文を参考に、論文では定数で表されていた世論を変数にし、ロシア・ウクライナ戦争の軍備予算の変化を1相手国予算、2自国既存軍備、3自国民の戦争支持率に基づく微分方程式で再現し、シミュレーションをした。
東京都立富士高等学校
堀千秋
「陸上競技・競歩種目におけるストローリングを効率化するための分析」
◆だいやまーく 研究概要
私は富士高校の陸上競技部に所属しており、競歩を専門としている。この研究では、競歩におけるストローリングトレーニングの質を向上させるためにはどのようなことを意識すべきなのかを見つけ出すことを目的とした。分析の結果、ストローリングにおいて心拍数の推移と相関があるものはほとんどなく、トレーニングごとの最大ピッチと最大心拍数にのみ弱い相関がみられた。今後はさらにデータを増やしていきたい。
茨城県立日立第一高等学校
柴田智明、佐藤史哉、塩田想來、中村廉
「水沼ダムの最適な洪水調節方法について」
◆だいやまーく 研究概要
近年大規模な豪雨によって、洪水被害が多発している。2019年の東日本台風時、水沼ダムでは、操作が間に合わず流入量と同じ量の水を放流し、ダムの倒壊を防ぐ異常洪水時防災操作を実施した。このような状況を踏まえ、この時のデータを用いて、水沼ダム流域の流出特性を明らかにすることで、現在の異常な気象状況にも対応できるような洪水調節方法を提案し、大規模化する洪水被害を軽減することを目的として研究を行っている。
茨城県立日立第一高等学校
ビアワーゲ華、延岡明穂
「強引な右折によるリスク・ベネフィットをシミュレーションするための基本交差点プログラムの開発」
◆だいやまーく 研究概要
交差点で強引に右折する危険運転は、松本走りや茨城ダッシュなどとも呼ばれ、社会的に問題となっている。しかし、どういったパラメータが事故の要因となるかは不明である。本研究では、茨城ダッシュ体験シミュレーションを作成し、多くの人に体験してもらう。このシミュレーション結果をもとに、人が安全だと判断し右折を行ったにも関わらず、事故が発生するケースを抽出し、事故に関連するパラメータを明らかにする。
【ポスター発表リスト】
発表タイトル
所属
発表者氏名
1
乗客が不快にならない行動ルール
-路面電車内での行動の最適化モデル-
広島大学附属高等学校
安東希夏、
石橋花菜、
村上英理佳
2
数学的手法によって記録更新に貢献する
競技トラックを提案する
広島大学附属高等学校
末武懐芽、
小林由縁、
森井美陽
3
再生回数を稼ぐYouTubeサムネイルとは
東京都立小石川中等教育学校
渡邉碧海
4
円周率の均一性
東京都立小石川中等教育学校
中津亜彩
5
みどりの窓口の混雑緩和に向けた考察
広尾学園高等学校
古屋俊之祐
6
ウクライナ戦争の軍備競争の数学モデル
広尾学園高等学校
山辺馨子
7
森林火災の
モンテカルロ・シミュレーション
広尾学園高等学校
中村友輝
8
本が魅力的に感じられるために最も
重要な要素とは
東京都立富士高等学校
有福菫
9
渋滞の原因
東京都立富士高等学校
小口泰輝
10
陸上競技・競歩種目におけるストロー
リングを効率化するための分析
東京都立富士高等学校
堀千秋
11
Potential of the spectroscopy
学校法人作新学院高等学校
小池颯太、
原田悠里、
守田菜七
12
音響解析による楽器の音の再現
東京都立小石川中等教育学校
平田千乃
13
水沼ダムの
最適な洪水調節方法について
茨城県立日立第一高等学校
柴田智明、
佐藤史哉、
塩田想來、
中村廉
14
簡易ベットを折り紙で作ることは
できるのか
東京学芸大学附属高等学校
小林稟
15
地方都市における中心市街地の衰退は
大型ショッピングモールに原因はあるのか
東京都立富士高等学校
長尾匠悟
16
心拍数の変動がタイピングの正確性に
与える影響とは
東京都立富士高等学校
嘉向佑月
17
イスラム諸国における障がい者の
人口比率と男女比
東京都立富士高等学校
齋藤ほなみ
18
テンパズルはパターン化することで
早く解くことができるのか
東京都立富士高等学校
赤尾柚香
19
強引な右折によるリスク・ベネフィットを
シミュレーションするための
基本交差点プログラムの開発
茨城県立日立第一高等学校
ビアワーゲ華、
延岡明穂
【現象数理学入門講座】
数理的視点を自然や社会の理解に活用する
面白さを一流の講師が語る入門講座です。
2025年10月12日撮影
講師
矢崎成俊
(明治大学理工学部数学科 教授)
講座タイトル
「偶数と奇数の判定から点を一様に分布させる先端研究へ」
講師の矢崎教授は「数学セミナー」「日経サイエンス」等で、中高生・一般向けに実験を交えて数学・数理科学をわかりやすく説明する記事を多数執筆しています。
専門分野 : 界面現象の数理解析,実験数学,防災数学
経歴
1993年 早稲田大学理工学部数学科卒業
2000年 東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了
学位:博士(数理科学)(東京大学)
2000年 電気通信大学電気通信学部 助手
2001年 武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部 講師
2003年 宮崎大学工学部 助教授
2012年 明治大学理工学部 准教授
2015年 明治大学理工学部 教授(現在に至る)
主な著書
『実験数学読本1[改訂版]』日本評論社、2024
『公式は覚えないといけないの?』ちくまプリマー新書、2024
『次元解析入門』共立出版,2022
『大学数学の教則』ちくま学芸文庫、2022
『新しい微積分〈上〉〈下〉改訂第2版』(共著)講談社、2022
『実験数学読本』1,2,3巻日本評論社、2016、2019、2020
『界面現象と曲線の微積分』共立出版、2016
『動く曲線の数値計算』共立出版、2019
他
特記事項
講座概要:
前半は、偶数と奇数の素敵な使い方について、聴衆のみなさまと一緒に手を動かし、頭を働かせながら、お話します。
例えば、図は閉じた曲線で作った壁の迷路です。
鬼が外、福は壁の内側にいると安全です。
福はア、イ、ウのどこにいればよいでしょうか。
こんな思考クイズをしながら、時間があったら、前半最後に、
偶数+偶数=偶数、偶数+奇数=奇数となる証明を簡単に紹介しましょう。
後半は,モンテカルロ法や超一様分布の話などに触れながら、平面図形の中に点をなるべく一様にばらまく方法についての最新の研究を紹介します。
閉じた曲線で作った壁の迷路
入門講座参加申し込み(兼、ポスター発表見学申し込み) :
研究発表会と入門講座はともに対面で実施します。
ポスター発表者以外の方も参加できます。希望者は事前に参加申し込みフォームからお申し込みください。
[参加申込期間]
2025年8月1日(金)〜10月7日(火)
入門講座参加申し込み(兼、ポスター発表見学申し込み)
↓↓※(注記) 終了しました
●くろまる MIMS事務室
e-mail: mims[at]mics.meiji.ac.jp ([at]を @ に変更してください)
【問い合わせ先】
明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)
〒164-8525
東京都中野区中野4−21−1
明治大学中野キャンパス 高層棟8階
TEL:03-5343-8067
E-mail:mims[at]mics.meiji.ac.jp ([at]を @に変更)
【主 催】
明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)
※(注記) 本プログラムは、MIMSが運営する文部科学省共同利用・共同研究拠点 明治大学「現象数理学研究拠点」活動の一環として開催します。文部科学省特色ある共同利用・共同研究拠点支援プログラムJPMXP0724020292の助成を受けています。