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大学院部会(第114回) 議事録

1.日時

令和6年4月25日(木曜日)15時00分〜17時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 博士人材の社会における活躍促進について
  2. 高等教育の在り方に関する特別部会の議論について
  3. その他

4.出席者

委員

(部会長) 湊長博部会長
(副部会長) 村田治副部会長
(臨時委員) 加納敏行、川端和重、神成文彦、小西範幸、佐久間淳一、迫田雷蔵、須賀晃一、高橋真木子、塚本恵、濱中 淳子、永井由佳里、堀切川一男、横山広美の各委員

文部科学省

(事務局)池田高等教育局長、吉田高等教育企画課長、髙見高等教育企画課高等教育政策室長他

5.議事録

【湊部会長】 それでは、所定の時刻になりましたので、第114回の大学院部会を開催させていただきます。皆様、御多忙の中、御出席いただいて誠にありがとうございます。
本日は小長谷委員、宮浦委員、和田委員(、菅委員)から御欠席という御連絡を頂いておりますけれども、定足数である過半数に達する委員の御参加をいただいておりますので、御報告をさせていただきます。
議事に先立ちまして、事務局で人事異動があったということでございますので、まずは担当課長から御挨拶をいただければと思います。よろしくお願いします。

【水戸大学院係長】 申し訳ございません。吉田の方が業務で少々遅れておりまして、また改めて到着次第、御挨拶させていただきます。

【湊部会長】 了解いたしました。それでは、後ほどということで、議事に先立ちまして、事務局から会議に当たっての連絡等々ありましたら、御説明をお願いいたします。

【水戸大学院係長】 高等教育政策室大学院係長の水戸でございます。会議に先立って何点か御連絡をさせていただきます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、御発言の際は挙手のボタンを押していただき、部会長から指名されましたら、お名前をおっしゃってから御発言ください。御発言の際は、通常よりも少し声を張っていただければと思います。また、発言時以外はマイクをミュートにしていただくようにお願いします。また、資料については、議事次第に記載のとおりです。それでは、吉田の方から一言、御挨拶させていただきます。

【吉田高等教育企画課長】 4月1日付で高等教育企画課長になりました吉田でございます。3月まで学生支援課の方におりました。どうぞよろしくお願いいたします。

【水戸大学院係長】 事務局からは以上でございます。

【湊部会長】 ありがとうございます。それでは、早速、議事に入りたいと思います。本日、議題は2つ用意しておりますけれども、最初の議題は、博士人材の社会における活躍促進について少し議論させていただきます。昨年度末には博士人材に関わる議論、本部会では特に人文・社会科学系の大学院教育について議論し、そのまとめを公表させていただいたところでありますけれども、日本国内のいろいろなセクターでもこれに関連する議論が随分進められたようでございます。とりわけ経団連、日本経済団体連合会では、会員企業を対象として博士人材の活躍の促進、あるいは大学院教育の充実等についてアンケートを実施されて、今年の2月に「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」をまとめられております。また、文部科学省でも、「博士人材の社会における活躍促進に向けたタスクフォース」を組織され、随分議論され、その結果を3月に「博士人材活躍プラン〜博士をとろう〜」という提言にまとめられております。こういった動きを踏まえまして、本日は、この博士人材の社会における活躍促進ということについて、忌たんのない御意見をいただければ有り難いと思っております。それに先立ちまして、今日は日本経済団体連合会の教育・大学改革推進委員会の企画部会長を務められておられます富士通執行役員、SEVP CHROの平松浩樹様に少し御報告を頂こうと思っております。同じく、経団連のSDGs本部長の池田三知子様にも本日御出席を頂いております。
それでは、まず平松様から今回の経団連の提言、それからアンケートの結果を踏まえた御発表を頂きたいと思います。平松様、よろしいでしょうか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 改めまして、経団連の教育・大学改革推進委員会で企画部会長を務めております平松と申します。本日は、経団連が本年2月20日に取りまとめた「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」及びアンケート結果について御説明する機会を頂戴し、誠にありがとうございます。
さて、国際的な人材獲得競争が加速する中、新たなビジネスモデルや新規事業創出に向けて、高度専門人材の育成・獲得・活用が極めて重要となっております。そこで、提言の副題にも掲げていますように、高度専門人材がけん引する新たな日本の経済社会の創造に向けて、とりわけ博士人材の育成・活躍について経団連として初めて真正面から取り上げ、提言を取りまとめました。その際、教育やイノベーション、雇用政策に関心の高い会員企業を対象に、博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に関するアンケートを実施し、約120社から回答を得て、経済界における実態や考え方の把握を行いました。
本日は提言の概要版を中心に御説明をいたします。お手元の概要版の表紙をおめくりいただき、1ページを御覧ください。提言の趣旨は先ほど述べたとおりです。この問題は、経済界のみ、教育界のみ、政府のみの取組だけでは進展しない課題であり、産学官が連携・協働して取り組む必要があります。また、教育改革、人材育成の効果が発現するには時間を要するため、本提言は現在のみならず、将来の国際競争力を見据えて、関係方面に検討・対応を促していくことを主眼としています。
2ページを御覧ください。博士人材の育成・活躍について、まず、推進する意義を整理しています。第1に、諸外国では博士号取得者数が増加傾向にあり、研究開発以外のビジネスでも博士人材が活躍しているなど、博士人材等の育成・獲得・活用が積極的に進められています。
一方、日本は右上のグラフにございますように、博士号の取得者数は低水準かつ横ばいで推移しています。また、博士人材の一定数が民間企業への就職を希望しているものの、一部の業界を除き、多くの企業は積極的に採用していません。そのため、将来の国際競争力を見据えた場合、日本は諸外国に劣後する懸念があります。
第2に、資源の乏しい日本は、先端技術立国、無形資産立国を目指すべきであり、とりわけ、少子化・人口減少の進行が著しい中にあって、高度専門人材の育成・活躍は、質・量の両面で重要性が増していきます。
第3に、何よりも重要なこととして、博士論文での仮説検証を含め、高度かつ社会のニーズに合った大学院教育を通じて、高い専門性に加えて高度な総合知や汎用的能力等を身につけたT型人材は、企業で活躍できる領域が広いことを強調しています。
第4に、大学発スタートアップの成長にとっても、博士人材の育成は不可欠です。
3ページを御覧ください。博士人材の育成・活躍に向けて目指す姿を1枚のスライドにまとめています。高い水準の専門性・総合知・汎用的能力を有する博士人材の育成・活躍の推進に向けて、産学官がそれぞれの役割を果たしつつ、連携・協働して取り組む必要があります。まず、大学は仕事という出口を見据えて、社会のニーズに合った大学院教育改革を推進すべきです。一方、企業は、卓越大学院プログラム等による大学院教育改革の進展を理解しながら、働き手の多様性と専門性を高める一環として、オンリーワンの成果を出せる博士人材の育成・活躍を推進すべきです。更に政府は、産学が連携して取り組む大学院教育改革を支援するとともに、博士課程学生に対する経済的支援を拡充することが必要です。その上で、右下のイメージでは、優秀な博士人材がビジネスとアカデミーを行き来するキャリアを構築できる環境整備が不可欠であることを示しています。加えて、左下の表は、企業が博士人材に求める能力・資質の例を整理しています。4ページを御覧ください。今般、実施したアンケート結果から、博士人材に関する日本企業の現況を紹介しています。博士号を取得している従業員の割合はごく僅かであり、理系博士が圧倒的多数です。その雇用数は、医薬品や化学等の製造業で多いなど業種によって異なり、博士人材が活躍する業種や配属先は限定的です。理系博士の採用選考基準として、専攻分野における専門性以外に注視することとして、「課題設定・解決能力、探究力」「研究遂行能力」「調査分析能力、情報活用能力、データ分析力」「主体性」が多く挙げられています。また、今後5年程度先を見通して理系博士を増やす意向の企業は約2割と、現状、博士人材の採用意欲は必ずしも高くないことから、今後、博士人材の有する高度な汎用的能力や多様なキャリアパスの重要性について認識を高めていく必要があります。
一方、従業員に大学院進学や学位取得を促す社内制度は、文理や学位にかかわらず、3〜4割の企業で設置済みですが、経済的支援や有給による大学院への派遣が多く、休業・休暇制度など時間的な支援は3割弱にとどまっています。5ページ以降は、博士人材の育成・活躍に向けた具体的施策を整理しています。5ページを御覧ください。スライド上段にありますように、企業は自社が求める人材像に合った博士人材の採用と従業員による修士号・博士号の取得促進に取り組むべきとしています。ジョブ型雇用や経験者採用が増加している今は、博士人材が企業で活躍する好機と言えます。その上で、企業や産学連携による取組として5つ挙げています。
1つ目は、求める人材像の明確化です。高い専門性に加え、高度な汎用的能力を持った博士人材の採用は検討に値するとした上で、自社が求める人材像の資質・能力・スキル・コンピテンシー等を募集要項等に記載することが重要です。2つ目として、博士人材の多様なキャリアパスを対外的に発信することに加え、共同研究の推進やジョブ型採用・雇用の拡大、クロスアポイントメント制度及び兼業・副業の活用促進等を通じて、博士人材がアカデミアと企業を行き来する環境を整備することが求められます。
3つ目は、採用におけるインターンシップの充実と、博士・修士課程学生に対する通年採用の推進です。特にジョブ型研究インターンシップへの積極的な参加が望まれます。
4つ目の適切な処遇では、能力の発揮や成果、業績に応じた適切な処遇を基本とするものの、博士人材の育成・活躍を促す機運を高めていく観点から、博士人材の能力・素質に基づく魅力的な処遇を工夫していくことが期待されます。そのような観点から、博士人材等の高度専門人材に対してジョブ型雇用を導入することは有効な選択肢と述べています。5つ目は、従業員の大学院進学を促進・支援すべきとして、学費補助や奨学金支給等の経済的支援のほか、労働時間の柔軟化や休業・休暇制度の導入を促しています。なお、文系博士・修士については、大学院教育改革を通じて、文系院生の高い汎用的能力が示され、産業界での活躍を希望する学生が増えていく中で、文系博士を採用する企業も徐々に増えていくことの期待を述べています。
6ページには、大学・政府に求める具体的施策として5つ挙げています。
1つ目は、総合知や汎用的能力・コンピテンシーの修得など、社会が求める大学院教育改革を不断に推進するとともに、大学院で培われる高度な汎用的能力や、これまでの卓越大学院プログラムなどにおける実績を広く社会にアピールすることが肝要です。
2つ目は、博士課程学生に対する経済的支援が重要であり、とりわけ優秀な博士課程学生1人当たりの経済的支援の拡充が必要です。
3つ目は、ジョブ型研究インターンシップ制度の認知度向上と、大学側における一層の理解・協力です。例えば、ジョブ型研究インターンシップへの参加を大学院修了要件とするなどの改善が求められます。
そのほか、4つ目として、クロスアポイントメント制度の改善を図りつつ、活用を促進すべきこと。
5つ目として、博士人材に対する起業等を促進すべきとして、大学発スタートアップの創出から出口戦略までを見据えた起業家教育の拡充と、大学のスタートアップ支援組織の体制強化を求めています。
少し飛んで9ページを御覧ください。終わりにとして、博士人材等、多様な人材が活躍できる職場を実現することは、ダイバーシティ経営の理念に合致するとして、改めてその重要性を訴えています。なお、経団連と国公私立大学トップから成る「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」でも、2023年度、博士人材の活躍に関する問題を取り上げて、産学で対話を行いました。その対話の概要は、4月23日に公表した2023年度報告書に紹介してございます。御関心がございましたら、後ほど経団連、あるいは産学協議会のホームページを御覧いただければと存じます。
次に、博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に関するアンケート結果について、先ほどの説明では触れなかった部分を中心に、簡単に補足いたします。アンケート結果を御覧ください。6ページを御覧ください。先ほど御紹介した博士号を取得した従業員数につきまして、理系博士従業員数を業種別のグラフでお示ししています。医薬品や化学、機械、機器と製造業で多く、非製造業で少ない傾向にあります。9ページを御覧ください。大学とのクロスアポイントメント制度を活用している企業は17%にとどまっており、改善が必要です。12ページを御覧ください。先ほど、博士号を取得した従業員数の状況を御紹介しましたが、2022年度における博士人材の採用者数を見ても、業種によって大きな差があります。15ページの上段を御覧ください。博士人材の採用に当たって、インターンシップを実施している企業は50%です。21ページを御覧ください。処遇面では、学士・修士・博士共通の賃金体系を設定している企業が85%であり、そのうち、修士卒の4年目と同水準の初任給を設定している企業が過半数を占めます。36ページを御覧ください。今後、優先的に取り組むべき大学院改革の施策として、「大学院教育における産学連携の充実、共同研究への大学院生の参画促進」、「課題解決型の教育プログラムの充実」が多く挙げられています。なお、37ページのとおり、日本の大学と連携して取り組んでいる大学院教育プログラムがある企業は26%であり、理系分野の産学連携が多い状況です。 以上が提言とアンケート結果の概要です。大学院部会の皆様におかれましては、経団連の考え方を御理解いただき、今後の御検討の参考にしていただければ有り難く存じます。説明は以上です。御清聴ありがとうございました。

【湊部会長】 どうもありがとうございました。恐らく委員の先生方にも御質問等々おありかと思いますけれども、引き続きまして、文部科学省の事務局から「博士人材活躍プラン」について御説明いただいた後にまとめて委員からの質疑をお受けしたいと思いますので、よろしくお願いします。

【髙見高等教育政策室長】 高等教育政策室長の髙見です。文部科学省では昨年11月から盛山文部科学大臣の下で、博士人材の社会における活躍・促進に向けたタスクフォースを開催いたしまして、博士人材の能力が社会において正当に評価されるとともに、博士人材の強み・魅力を可視化し、アカデミアのみならず、多様なフィールドで一層活躍することを後押しするための方策について議論を深めてまいりました。
このタスクフォースを設けた昨年の11月には本大学院部会でも説明したところですが、その後、経団連の小路副会長とも意見交換させていただくなど、産業界、また大学関係者、博士課程の学生の方々とも議論を重ねまして、3月26日に「博士人材活躍プラン〜博士をとろう〜」を取りまとめたところでございます。お手元の資料2-1が概要ですけれども、本日は資料2-2、プラン本体に基づいて御説明します。
まず、2ページ目を御覧いただければと存じます。文部科学大臣のメッセージとして、学生、大学関係者、産業界の皆様に向けたメッセージを記載しております。3ページ目の意義・目的を御覧ください。博士人材は、深い専門的知識と汎用的能力に基づき、社会全体の成長・発展を牽引することができる重要な存在でございます。我が国では、博士イコール研究者というイメージが一般的ですけれども、グローバルスタンダードは、複雑な課題への解決策を提示できる者に与えられる国際的な能力証明であることが社会で十分に共有されていないという課題があります。その上で、社会がより高度化かつ複雑化する中、大学院教育におきまして、博士人材が必要な力を身につけられるようにするとともに、社会全体で博士の価値を共有しながら、国内外の様々な場で活躍できる環境を構築することにより、博士人材の増加を図ることが必要としているところでございます。また、この図の右側に大学院修了者比率と労働生産性の関係というのをプロットで示しておりますが、これにつきましては、本部会の委員である村田先生にも御知見を賜りながら整理しております。4ページ目の目指す姿を御覧ください。博士人材がアカデミアのみならず、多様なフィールドで活躍する社会の実現を目指すということを示しております。5、6ページ目を御覧ください。まず、5ページ目ですが、解決すべき課題・現状として、人口100万人当たりの博士号取得者について、各国が大きく数を増やしているのに対して、我が国は、横ばいないしは減少傾向となっております。また、右の上のグラフは博士課程入学者の推移を示したものですけれども、ストレートの博士課程学生が減少してきています。一方で、社会人学生については、20年前の約2割から全体で今4割ぐらいまで増加しているといった実態もあります。そして、2022から2023のところで少し増加傾向に転じ始めています。これは博士課程学生の経済的支援というのがかなり充実してきておりますので、そういった成果というのも見え始めているのではないかと考えておりまして、今後こういった傾向をしっかり捉えながら、より博士人材の活用に向けた取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。次のページ、6ページ目を御覧ください。これについては、前回、人文社会科学系の大学院教育の在り方ということで議論いただきましたが、右側にございますように、博士課程修了者の標準修業年限超過率というのは、人文科学・社会科学系は高いというデータも出ておりますし、また、左側のグラフ、これは経団連のデータの抜粋ですけれども、企業側が求める大学院改革の施策としては、上にございますような産学連携の充実、共同研究への大学院生の参画促進、あるいは課題解決型の教育プログラムの充実、こういったことが大学院改革として求められているといった実態もございます。次のページを御覧ください。7ページ目でございます。取組の方針ということでございますが、4つの柱としまして、産業界等と連携した幅広いキャリアパスの開拓、教育の質保証や国際化の推進などによる大学院教育の充実、博士課程学生が安心して研究に打ち込めるようにするための経済的支援の充実、そして4点目でございますが、初等中等教育段階からの切れ目のないモチベーションを高める取組の推進、こういったものを方針として掲げております。8ページ目を御覧ください。ここからが具体的な取組ということで示しておりますが、まず第1に、社会における博士人材の多様なキャリアパスの構築として、例えば、ジョブ型研究インターンシップの推進や、経済産業省と連携して民間企業との接続に当たって必要となる手引の作成、スタートアップの創出支援、こういったことに取り組むこととしております。さらに、公的機関、国、地方公共団体などの公的機関での活躍促進や、URAなどの研究開発マネジメント人材の活躍促進に向けた取組を進めていくといったこととしております。10ページ目を御覧ください。第2、大学院改革と学生への支援として、例えば、世界トップ水準の大学院教育を行う拠点形成に向けた大学への支援や、優秀な博士課程学生への経済的支援を充実していくこととしております。少し飛びますが、12ページ目を御覧ください。第3に、学生本人への動機づけの取組といたしまして、「未来への博士フェス」の定期開催、また、「スーパーサイエンスハイスクール」での博士教諭としての活躍促進や初等中等教育段階での探究学習、キャリア教育の充実に取り組むこととしております。次の13ページ目を御覧いただけばと存じます。「文部科学省からはじめます」ということで書いておりますが、中央省庁におきましては、博士人材の活用が進んでいるとは言い難い現状があります。まずは隗より始めよということで、博士人材の採用目標の設定や昇格スピードを速めるための措置、また、働きながら学位を取得する職員への支援など、文部科学省が率先して様々な取組を行い、各省庁への横展開を図っていくこととしております。次のページ、14ページを御覧ください。これまで説明した様々な取組を通じまして、博士課程で安心して学習できる環境を備えることで、2040年、一番下でございますが、人口100万人当たりの博士号取得者数を、2020年度比で世界トップレベルに引き上げることを目標として掲げてございます。次のページ、15ページ目を御覧ください。こちらは産業界への協力のお願いでございます。博士人材が多様な場で活躍していくことは社会の発展にとって極めて重要であり、採用拡大や処遇改善、また、従業員の博士号取得支援などの取組や協力は欠かせないと考えております。経済団体や業界団体の長に対しまして、文部科学大臣名でここに書いているような内容の通知を発出したところでございます。最後に1ページ目に戻ってください。今回「博士人材活躍プラン〜博士をとろう〜」ということで取りまとめていますが、この「博士をとろう」というのは2つの意味を込めていまして、右にございますように博士号を取得するという意味での博士を取ろう、それから、企業においても是非博士を採用していただきたいという意味の博士を採ろう、こういった2つの意味を込めて本プランを取りまとめたところでございます。文部科学省としましては、関係省庁や大学、産業界との関係者の方々としっかり連携しながら、着実に施策を実行していくことをしておりますけれども、目指す姿でお示ししたような、博士人材が多様なフィールドで活躍できる社会の実現に向けて、今後どのようなことに取り組んでいく必要があるのかといった視点も含めて先生方の御意見を頂戴できればと存じます。私からの説明は以上でございます。

【湊部会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいま日本経済団体連合会、それから文部科学省事務局から、各々の御提案の御説明を頂きましたので、これを踏まえて各委員から御自由にフランクな御意見を頂いて議論を進めたいと思っております。どなたからでも結構です。御意見等々ございましたら、挙手ボタンで合図をしていただければ、私の方から指名させていただきます。いかがでしょうか。それでは、まず、永井委員からお願いできますか。

【永井委員】 ありがとうございます。こうした取組についていろいろとデータ、以前から共有させていただいて、大変有用でございます。今回は特に非常に精細な調査だと思います。質問があるのですけれども、スライドの方で、韓国と日本の差が非常に開いている。100万人当たりの博士学位取得者数の違いというのが示されていました。この理由は一体何であるのか。つまり、韓国はこのような博士学位取得者をどのような施策で輩出している、それがどのように浸透しているのかということが調査からお分かりかということと、一方で、研究力の評価のところですが、韓国の論文数は非常に伸びているのですが、同時に、大学の教員数に連動しているのかどうかということ、また、研究力を阻害する要因として、急激に研究室の学生が増え、教員が、研究者が十分な研究時間が確保できない状況というのも一部に見られるという報告があったこととの関係を知りたいということがございます。そうしたことの背景等がお分かりであれば御説明いただきたく存じます。以上です。

【湊部会長】 ありがとうございます。ただいま御指摘のデータは、両方の提言で使われているのですけれども、どちらからでも結構です。もし事情が分かりましたら御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【髙見高等教育政策室長】 では、私の方から。韓国がなぜ伸びているかというところについて、今直ちに、こういったことがあってということを具体的にお示しできるものがないので、また次回の大学院部会でもちゃんと調べた上で御説明したいと思いますけれども、韓国も少子化が非常に進んでいるということで、今、大学の規模とかもかなり変わってきているという話も聞いておりますので、そういった中でこの取組というのはどういうふうに進んでいるのかというのは我々もしっかり注視しなきゃいけないと思っておりますので、先生の御意見を踏まえて、また調べて御報告したいと思います。

【湊部会長】 平松様も何かこれに関連した情報はございますか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 特にございませんので、文科省の方で調べていただければと思います。

【湊部会長】 ということで、必ずしも定かな理由というのはすぐには出てこないようですが、委員の先生方の中で、実はこういう背景だというような情報がもしありましたら是非お伺いしたいですが、どなたかこの件に関して御発言ありますでしょうか。

【永井委員】 すみません、永井ですけれども、私、所属が大学院大学でございまして、大学院大学の存在が韓国でこうした学位取得や研究力の向上に影響しているようであるならば、私どもとしては非常に重要なことでございます。御存じのとおり、韓国にはKAIST、それからもう一つ、ウルサンの方につくっておりますUNISTと、また、POSTECHというような形の非常に産業界と近い関係で大学院大学がつくられる施策が取られているので、これのよしあしは置いておいて、博士人材の育成の施策としても私どもとしては非常にそこら辺の関連性を、関知しておきたいと思った上での御質問でございました。以上です。

【湊部会長】 ありがとうございます。ただいまの点、いかがでしょうか。また事務局でも、これに関わる情報を確認していただきたいと思いますけれども、ひとつは、今韓国は、教育に関して非常に競合性の高い社会状況になっていると私も理解しております。だから、興味の主眼のひとつとして、Ph.D.を取得するコースがその後の社会への出口、韓国における出口の中で非常にメリットが大きいという要素があるのかないのかということも含めて、少し情報を集めさせていただきたいと思います。1点、補足的に言いますと、イギリスは昔から非常に学位取得者の多いところで、これについては、つい先日、ケンブリッジ大学に長くおられた日本人の数学者で、(今はスタンフォード大学にいらっしゃいますが)の方と議論したところ、イギリスというのは非常にプラグマティックなところで、昔から学位人材をたくさん輩出しているのです。イギリスでは、学士は3年、修士は1年ですけれども、その後の博士課程が非常に多いのは、ケンブリッジの大学院で教員を長く務められた立場からの意見としてお聞きしたところ、よく言えば、イギリスのPh.D.というのは非常に実務的でライセンスに近い。しかし一方で同時にいわゆるクオリティーというか、学術的な質という意味では、必ずしもグローバル的に非常に高いという評価ではない、というような話がありました。ですから、そういう意味では日本とかなり違っていて、日本の場合、どうしてもPh.D.というと、学術性の非常に極まった高いレベルのことを、社会的には想定されるでしょうが、イギリスはその点は割り切っていて、むしろ学術の一定のライセンスのリテラシーとして非常にプラグマティックな位置づけがされているということではないか、ということでした。そういったことも含めて、少し日本の博士課程に対する社会的なイメージというか、メリットや評価というものが、韓国あるいはイギリスと違うのかどうかを含めて、少し関係者の意見を含めて調査した上で、また御報告をさせていただきたいと思います。これについてはよろしいでしょうか。ほかに特にコメントございますか。
それでは、もう少し検討させていただきます。さて、では一般的な議論に戻りますが、神成先生からお願いいたします。

【神成委員】 神成です。平松部会長様にお聞きしたいのですけれども、資料は2ページに対応します。2ページの論調は、今までもずっとこういう形での論調だと思うのですが、もっと端的にお伺いしたいのは、能力の高い人材を産業界が欲しいというのは、これは当たり前のことでありまして、問題は、諸外国がこういう高度博士人材をベースにして新規のビジネス開拓をしているのに対して、日本のアプローチとして、要するに学部あるいは修士卒の社員を企業内で叩き上げて配置させた場合、もう追いつかないなとか、人材の能力が足りないなという実感があるかどうかというのがポイントで、もしそれがなくて、日本の大企業の人材育成プロセスが、こういう余力がなくなってきたとは最近言っていますけれども、それでも立派な人材育成プロセスがあるので、学部、修士の叩き上げで自社にて養成した人たちで十分に諸外国の若手人材をベースにした新規ビジネスの立ち上げ等をやっていけるのだということを現状として企業が考えているのであれば、結局それでもう問題は解決されていて、我々大学人が、T型人材とか、それから汎用力のある学生を博士課程で育成しても、結局、今文科省の資料にありますように、博士を採ってくださいというお願いにしかならなくなるわけですよね。要するに、需要を企業が特に感じていないのであれば、大学の方から採ってくださいというお願いになってしまうわけです。なので、ポイントは、企業がそういうところに、高度人材がこれからの新規ビジネスの開拓において必要だよと。諸外国と一緒に対峙していけないよという問題意識があるかどうかというのが非常に重要だと思うのですが、そこは明確に書かれていないのですが、いかがでありましょうか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 企業の中でも、業種や業界によって若干の温度差はあるかもしれませんが、基本的にグローバルな競争が当たり前になってきた中、日本企業が生き残っていく上で、高度な専門人材、若しくはイノベーションを起こせるような人材は必要不可欠です。それは社内だけでは育成できないと、ほとんどの企業は思っています。そのため、今、経験者採用がすごく増えています。どの業界でも、事業のポートフォリオを変える際に、その企業で育てられない、若しくは必要な人材を外部からすぐに採ってくる、日本にいなければ海外の人材を採用することが様々なところで起こっています。こういう文脈の中で、博士人材について、偏った見方がまだ残っている企業が多く、きちんと向き合っていません。先ほどからお話ししていた汎用的能力とか、探究する力だとか、仮説を設定して深めていくという、そういう能力がある人たちだということにきちんと向き合えば、博士人材の中にそういう人材がいるということを認識して、博士人材の採用が活性化する。今のままではもったいないと思っています。また、先ほどの説明の中にありましたが、博士卒の人を採用した時に、修士卒4年目の初任給と合わせているのが過半数というのは、その人に何の仕事ができるとか、どういう能力があるからこうした価値があるという話ではなく、年齢で報酬を決めるという話にあります。そのため、博士の人で、例えば1年、2年遅れで入社した人材が入社したときに処遇に困ることから、ネガティブに受け止められてきたのはもったいない。これは今、日本企業もこのままだと優秀な人材が採れないとか、イノベーションを起こすための人材の流動ができないことから、ジョブ型に移行しているというのは、正に必要に迫られて企業が取り組んでいます。社内で育成した人たちだけでは戦えない、生き残れないというのはどの企業もあります。ただ、そのときに、博士人材がいることにまだ気づけていない企業がたくさんあると思っていますので、そこは是非産官学が連携してどんどんアピールしてやっていきたいと思っています。

【神成委員】 ありがとうございました。

【湊部会長】 ありがとうございます。それでは、堀切川委員、お願いできますか。

【堀切川委員】 堀切川です。経団連と、文科省の方から非常に興味深い報告を頂いて、ありがとうございます。特に私は、経団連のアンケート調査の結果が非常に面白いなと思ってお聞きしておりましたので、平松部会長さんに少し御質問させていただければと思います。私の勘違いでなければ、経団連は非常に大きな組織で、たしか会員企業数、1,500社規模かなと思いますが、そこからアンケート調査は441社で3割ぐらいに絞られているというのは、残り7割まで拡大しない理由があるのかなと疑問に思いました。回答率が27%強なので、経団連全部の会員企業数からすると、回答してくださった企業数の割合が8%ぐらいなので、実はほとんどの経団連の企業さんは、ドクターコース採用について余り本気で考えていないという実態が裏側で見えているかなというのが私の本音の感想であります。ただ、その上で、回答された企業の内20%程度の会社はドクターコース採用拡大(新卒採用 理系(n=102))を考えているということでいくと、今採用して頑張っているドクターコースの人たちがいる企業さんは前向きに考えているのだと理解しました。今までは、大学や文科省の方から産業界の方にドクターを採っていくださいというお願いすることが大切だとだけ考えてきたのですが、これひょっとすると、活躍しているドクター修了の人材がいる企業さんたちにお願いして、採用するとこんないいことがありますよと、ほかの企業さん、経団連以外の企業さんにも伝えていくというのが効果的なのかなというふうに私は理解いたしました。それについてはいかがでしょうか。よろしくお願いします。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 ありがとうございました。アンケートの取り方については、経団連事務局の池田さんから後で補足いただければと思うのですが、正に企業の中でドクターの方が活躍している。それも専門領域だけではなく幅広い領域で活躍されていることをもっとアピールすべきだというのは、本当にそのとおりです。製造業やITといった業界は確かにそれを実感しているのですが、それ以外の業界では、例えば専門領域ではない理由で、新しい技術とビジネスをつなぐところにドクターを置いてみる発想に全然至っていません。それは、先ほども言いましたけれど、本当にもったいないなと。我々も自社だけそれがよければ良いのではなく、日本全体のイノベーティブなり競争力を上げる上では、企業を超えて高度専門人材が活躍できる、その学びに対してちゃんとリスペクトして、そういう方々をきちんと処遇するように、日本の人事の仕組みを変えていくべきです。そういう意味でも、活躍している博士人材の事例をどんどん発信していくことが大事です。これについては、経団連、経産省、文科省が一緒になって進めていくべきだと私は思っています。

【堀切川委員】 ありがとうございました。

【池田SDGs本部長】 経団連事務局の池田でございます。

【湊部会長】 お願いします。

【池田SDGs本部長】 アンケートについて御質問がありましたので、補足いたします。御指摘のとおり、経団連の会員企業は1,500社ほどですが、その中には、最近御入会いただいたスタートアップ企業も含まれています。今回のアンケートは、教育政策や、イノベーション、雇用政策に非常に関心の高い企業441社を対象に実施しました。恐らくそれで、皆様がイメージをしておられる大企業のかなりの部分がカバーされていると考えていただければと思います。結果的に、441社のうち123社から回答いただき、回答率は28%でした。経団連のアンケートは回答が法的に義務付けられているわけではありませんので、通常、その、回答率は1割〜2割程度のことも多いものの、今回の回答率が3割近くあったことは、企業における関心の高さが垣間見ることができると思っています。いかがでしょうか。

【堀切川委員】 ありがとうございました。

【湊部会長】 ありがとうございます。確かにこういう類のアンケートで回答率が3割というのは、随分と比率が高いなと思いながら拝見していました。ありがとうございます。それでは、更に進めたいと思います。迫田委員、どうぞ。

【迫田委員】 ありがとうございます。今回、経団連と文科省の方で、博士の活躍支援ということで考えをまとめられたというのは非常にいいことだと思いました。やはり1つの大学、1つの企業で旗を振っていてもなかなか動きませんので、特に経団連がこういうアンケートを取って旗を振っていただくというのは非常に有効だというふうに感じました。それで、1つお伺いしたいのは、産学協議会ができたときに、最初の採用とインターンシップの分科会の分科会長を仰せつかりまして、まとめたときに、やはり今の状況を崩していく具体策としては、大学院卒を採っていくということで。そのために通年採用と、インターンシップの活用という2つが大事だよねという結論を出して施策に取り組んでいこうということになりました。通年採用の方は、先ほどもありましたように、経験者採用という意味では広がってはきていますが、新卒の通年というイメージには少しつながっていないし、むしろ早期化みたいなことがどんどん騒がれて、少し逆方向ではないかなという気がします。インターンシップの方も、議論したときには、まずドクターの方からやって、その後は、特に文科系を中心にするとまず修士ではないかというような議論もありましたが、これもそこは余り進んでいないように思います。この辺についてはやはり変化があったのか、それとも何かボトルネックがあるのか。経団連と文科省、それぞれお伺いしたいのですが、どのように感じているのかを教えていただければと思います。よろしくお願いします。

【湊部会長】 では、まず平松様からお願いできますか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 確かに通年採用という意味では、新卒採用を1年間かけて実施するように取り組んでいますが、今の採用スケジュールの中で、ほとんどよーいドンでスタートして、ある一定期間の中で予定している採用枠を採り切らないと、その後にきちんと採れるか分からないことから、通年採用の形式で、一応、門戸は開けていて、物すごい優秀な人が来たら採るものの、そうでなければ積極的に採用しないというのが実態なのだと思います。ただ、企業側ももう少し柔軟になる必要があると思っています。というのは、段々、新卒採用よりも中途採用の数が上回るような状況になってきた時に、新卒採用でかっちり採る必要があるのかという話になります。中途採用で第二新卒も割と柔軟に採っています。ということは、新卒の通年採用の中でもっと柔軟に対応し、採用枠を少し超えるけれども、中途採用などで調整すれば良いという考えを持てば良いと私は思っています。ただ、そこがまだ十分できていないので、もう少しそういう工夫を企業側もできるように経団連としても少し考えていきたいと思っています。インターンシップの活用もまだ不十分であり、企業側もできているところもあればできていないところもありますので、インターンシップの好事例を企業間で共有し、企業にとっても、学生にとっても、大学にとっても本当に有益なインターンシップの在り方を考えて広めていきたいと思っています。

【湊部会長】 事務局から、何かコメントはありますか。

【髙見高等教育政策室長】 先ほど平松様がおっしゃっていただいたとおりかと思っておりますけれども、企業の通年採用を含めて、労働市場がどんどん円滑化していくという、政府全体でも、スキーム等を含めて今いろいろな方針を示す中で大きく変わろうとしている部分はあるのかと思っています。また、インターンシップにつきましては、これも先ほどおっしゃっていただいたとおりでございますが、今、新たなジョブ型研究インターシップという仕組みがスタートしておりますけれど、まだまだ実績というのは、2022年で483人ということでございますけれども、今後これらの取組をしっかり進めていく中で、学生が早い段階で社会のことを知る機会というのを増やしていく必要があろうかと思っております。以上でございます。

【池田SDGs本部長】 経団連事務局でございます。実態に関しては部会長から御発言があったとおりでございますが、少し補足させていただきたいと思います。経団連では、毎年、春季労使交渉における経営側のポジションを経営労働政策特別委員会報告として取りまとめております。その中で、企業の皆様方に、通年採用をもっと拡大していくことを呼びかけています。インターンシップに関しては、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」において、4類型から成る学生のキャリア形成支援活動を産学で連携して推進することを合意しました。その合意を受けて、質の高いインターンシップを2023年度から本格的に実施しています。昨年度の秋に会員企業を対象にアンケートを行ったところ、140社近い企業が、タイプ3という5日以上の質の高いインターンシップを、夏休みに実施しているとの結果が得られています。是非御理解いただければと思います。

【湊部会長】 池田様、ありがとうございました。

【吉田高等教育企画課長】 すみません、事務局からも少し補足させていただきます。ジョブ型インターンの関係でございますけれども、こちらも登録の学生はかなり増えていまして、今、1,400人を超えているような状況でございます。今後も博士課程の支援を受ける学生については、登録を要件化していこうというような動きもありますので、学生数はかなり増えていく状況にあると見込んでおります。もう一つ、インターンシップをするに当たっては、ジョブディスクリプションの開示をしていただくということで、これは経団連企業を含めて、企業様の御協力が大変必要でございます。そちらの方の増加については経団連の方にもお願いいたしまして、企業様の方に声かけをさせていただいているということで、今後、そうしたところを増やしていきながら、マッチングをどんどん増やしていけるようにしていきたいと考えているところでございます。補足でございます。

【湊部会長】 ありがとうございます。挙手が多いので先へ進ませていただきます。それでは、塚本委員、お願いできますか。

【塚本委員】 ありがとうございます。御説明もどうもありがとうございました。今回、経団連様、また文部科学省、経済産業省の皆様の御尽力のたまもので、すごくいいメッセージが出たなとポジティブに捉えております。意識変革、行動変容につながり、具体的には、経団連御所属の企業の新卒採用のホームページに、博士卒、修士卒、学部卒と三種類の初任給の表示が結構出されるようになったように思います。そういったサイトを学生や、保護者などが見たときに、「博士も民間に行く可能性が大いにある」ということが認知され、社会的にいい流れになるのではないかなというふうに思っています。また、現在のところ、学部と修士の初任給の差が2万円ぐらいで、修士と博士の差が大体6万円ぐらいと言うのが現在の大方の平均のようになっています。今後様々な給与を企業が提示したり、博士はキャリア採用に準ずるとしたりするなど、人的資本の策の一環として企業がそれぞれ取り組んでいくようになると、更に博士人材の社会における活躍推進が進んでいくのではないかと思います。従いまして、せっかくのムーブメントを起こしていただいたので、継続的に注意を払って適宜後押しするようなアクションをとっていただくと更に良くなると考えます。以上です。ありがとうございます。

【湊部会長】 ありがとうございます。それでは、川端委員、よろしいですか。

【川端委員】 ありがとうございます。経団連の方々も、具体的な提言というのをしていただいて、本当にありがとうございます。その上で、私としては、そろそろ採用の話を超えてほしいと思います。要するに、博士というものはどういうふうに展開するような人間なのかと思うと、採用までが重要なのではなくて採用した後。大学でも実は大きな失敗をいっぱいやっているのですよね。入試のときにすごくいいやつを2次募集で採ったはいいけれど、その後、一般の学生と同じように育成したら一般と同じになってしまうという。要するに、とんがっているやつを消してしまうような後の育成であるとか、そういうものがどんなふうにつくり上げられていくかというのも一緒になってお考えいただけるとありがたいかなと。それに連動して、提言のところに、大学、政府に求めるとか、産学連携とか、企業による取組とか、少しエッジを効かすという意味でこういう表現にされているのですが、これはやはり一緒にやらなきゃならない取組だと思います。例えば、大学院教育改革の推進とその実績に関わる周知は、大学と文部科学省でやってもなかなか経済界の方々にはリーチできないという。それを今回の提言のように、グッドプラクティスという格好で皆さんの方から皆さんの中に発信されたというので、是非一緒にやれるような形でやらせていただければというふうに思いました。
それから、もう一点は、大学院改革であるとかコンピテンシーだとかって、いいですが、15年ぐらいずっと大学院改革を産業界と一緒にやったために何が起こっているかというと、明るい博士がいっぱいできているのです。昔のように、暗い狭い博士以外に、明るく楽しい博士というのが生まれ始めていて、それがいろいろな活躍の仕方をしようとしているというところがうまく皆さんに伝わると、専門性だとかコンピテンシーだという話ではない次元の話が起こるのではないかと気になっています。また是非一緒に御議論できれば、という点です。
それから、もう一点は、文科省の方でもっといっぱい博士増やしますというような、すごい腹のくくり方の発信が出ていて、それにどうぞ大学を巻き込んでいただきたい。大学の中に博士を採用する。だからURAという――ごめんなさい、高橋さんがいるから、URAの方が表現がいいかもしれないけれど、Rを取ったUAでもいいし、もっと言うと、事務改革をしてもっとドクターを大学の中に採用して大学の経営力というものを変えていく。そんなような取組を国が音頭を取って大学も巻き込んで進めていくという、そんなスキームも是非御検討いただけると有り難いというところです。以上です。コメントでした。

【湊部会長】 ありがとうございます。随分参考になるコメントだったと思います。
それでは、佐久間委員、よろしいですか。

【佐久間委員】 佐久間です。よろしくお願いします。
産学官で博士人材の活躍に取り組んでいくというのは、非常にすばらしいことだと思います。また、人社系に関しては、汎用的な能力を評価して採用に取り組んでいただくということで、是非それはお願いしたいと思います。ただ、この汎用的能力なのですが、学生さんを見ていると、現状でもそれなりに多くの学生は身につけているとは思うのです。ただ、それが意識的に身につけたものなのか、あるいはそういう能力を身につけることに自覚的なのかということはあって、学生さんの方が、自分は汎用的能力ではなく専門的な能力で評価してほしいのだということになってしまうと、結局幾ら汎用的能力を持った博士人材を活用しようと思っても思い描いていることが実現しないということになってしまいますから、そこはそれこそ大学院教育の改革の中で汎用的能力も大事なのだという意識を学生さんに持ってもらわないといけないと思います。
ただ、文系に関して言うと、そもそも大学院に来てくれないということがあるわけです。要は、専門性に余りこだわりのない人は、学部でとっとと就職してしまうわけですよね。そういうことを考えると、専門性に興味がある人は大学院に来るわけですけれど、もともと専門性を深めたいと思ってきているので、大学院教育を通じて専門性以外にもちゃんと目を向けてもらうのは簡単なことではありません。もちろん、そのあたりは大学院教育改革次第だとは思うのですが、それ以外にも、文科省の方の資料で、早期からの取組というところがあって、それも重要なことだと思います。ここは大学院部会なので少し対象外なのかもしれませんけれど、今申し上げたようなことを考えると、学部教育の在り方も合わせて考えないと、大学院に進んでからの教育だけでは、ある意味手後れというところもあるような気がします。
実際、人文系なんかを見ると、結構学部の早い段階からかなり専門的なことをやっているのですよね。ある程度、学部で専門的なことをやってしまったからもういいやみたいなことになって、もうあとは就職しましょうみたいな学生さんも多いので、学部段階で大学院進学に向けて動機付けをする際は、専門性だけでなく、広い視野を持って学ぶことや汎用的能力の重要性にも目を向けてもらい、大学院というのは専門性を深めるだけのところではないという意識を学部段階から持ってもらうことが重要ではないかと思います。そこに書いてある早期からの取組ももちろん重要なのですが、そこで余り専門性が強調され過ぎてしまうと、それはそれで少し難しいところもあるのかなという、そんな感じがしました。ということでコメントです。よろしくお願いします。

【湊部会長】 ありがとうございます。それでは、引き続きまして、横山委員、よろしいですか。

【横山委員】 ありがとうございます。幾つかございます。まず、先ほど永井委員から御質問があった韓国の状況についてなのですが、うちに韓国の学生がおりますので、今Slackで簡単に聞いてみましたところ、やはり学歴というものが物すごく重要な社会において、少しでもいい大学を出るために大学院に進学するという思考が非常に強いというのが1つあると。もう一つは、就職が余りにも厳し過ぎてなかなかいい就職ができないので、大学院に行くと。この2つのプレッシャーが主ではないかと。うちの学生、Nが1でございますけれども、御参考までにと思いましてこちらに御紹介させていただきます。
また、経団連の皆様、非常に参考になりました。ありがとうございました。実は、昨年10月にお呼びいただきまして、私も女子学生の方で講演をさせていただきまして、その節はお世話になりました。
質問の方なのですが、役員のPh.D.の割合というのはどのくらいなのかというのを少しお伺いできればと思いました。といいますのも、2つほど経験がありまして、かなり昔ですけれども、化学系グループの役員の方とお会いした時に、半数以上がPh.D.であるというふうにおっしゃっていて、なるほど、こういう業種だとPh.D.の役員の方が多いのだなというふうに思いました。一方で、優秀な修士の学生が、ある企業さんに行ったら、大学に派遣されてしばらく研究するのですけれども、博士を取れそうな直前で企業さんの方が彼を引き揚げてしまうのですね。要するに、博士を取って研究が面白くなって大学にいつかれたら困ると。これはうちの重要な若手であり、将来役員にしていくような重要な若手であって、そういう人にはむしろPh.D.は取らせないと。当時はそんな趣旨で若い優秀な人を大学に送り込んでも、博士を取る前に企業に引き揚げてしまうというようなことがよくあったように思います。その辺の関係を伺いたいと思います。是非率直にお話しいただければ幸いです。よろしくお願いします。

【湊部会長】 これは、平松様又は池田様、いかがでしょうか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 では、私の方から申し上げます。恐らく時代は大分変わっていると思います。役員に占めるPh.D.の割合は、テクノロジー系の企業ではそれなりに高いのですが、それ以外の業種ではほとんどいないと思います。特にテクノロジー関係の役員は、正にグローバルで様々なビジネスに携わったりしています。研究者同士で話をするときは、Ph.D.を持っていないと話になりません。そのため、今は、これは富士通のケースですけれども、修士卒で入った研究者の中で、毎年7人ぐらい優秀な人に対して給料を払いながら博士号を取得させることを計画的に取り組むようになっていまして、時代は大分変わっています。以上です。

【横山委員】 ありがとうございました。時代が変わったのは大変結構なのですが、若い学生たちは、入る企業の中で自分が上に上がっていけるかどうかについてかなり気にすると思います。Ph.D.が役員の中に入っていないと、きっとここ止まりなのだろうなという、そういう将来がイコールでいかない可能性もなきにしもあらずだと思って、やはりダイバーシティの関係もそうですけれども、皆様方の中で増やしていくようなことも同時にしていただくと、若い人は希望を持って入っていきやすいのではないかなというふうに思った次第です。ありがとうございます。

【湊部会長】 池田様、よろしいでしょうか。その辺りのデータは、確か経済産業省が発表していて、余り正確な数字を覚えていないですが、非常に差があったのは事実だったと記憶しています。日本の場合、20%を切っていたと思います、オーバーオールで10%台ではなかったでしょうか。他方、米国のデータでは70%近かったと思います。これはどういう母集団かにもよるでしょうけれども、この辺りも少しデータをまた調べておきたいと思います。

【髙見高等教育政策室長】 先生、今日お配りしている参考資料の55ページに、日米の企業経営者ということでございますけれども、最終学歴の比較ということで、日本であれば、大学院卒が15.3%ということで、そのうち博士課程修了者が2%。一方、米国については、大学院卒が約7割、67%であるのに対して、博士課程修了者が10%ということで大きな違いがあるといったデータはございます。

【湊部会長】 ありがとうございます。随分違うなという印象は確かにありますね。
それでは、次は小西委員、よろしいですか。

【小西委員】 小西です。非常に参考になりました。専門職大学院に異動してきて15年ぐらい経ちます。5年ぐらい前までは入学者を確保するのに結構苦労していたのですが、ここ数年、社会のニーズが専門職大学院に向いているせいか、入学志願者が増えて、今は優に3倍を超えるような志願倍率になっています。これからは博士課程についても考えていかないとと思っていましたので、今日の御報告は非常に参考になりました。経団連と文科省、両方のスライドの中に、目指す姿というところがありまして、大体同じようなことが書かれています。そこで、経団連の概要版の3ページに目指す姿がありまして、左の下側に例が挙げられていますね。企業が博士人材に求める能力・資質の例があります。3つに分けて、学術面、能力面、資質面と。なるほどと思います。
そこで教えてほしいのですが、この能力・資質というのは、基本的に博士課程では博士論文を仕上げることを目標にしているのですが、博士論文を仕上げる過程以外からも学べることというか、得られる能力をたくさん列挙していると思うのですね。つまり、私がずっと思っていたことは、博士論文の執筆を中心とした、特に人社系の博士課程教育はこのままでよいのかなという懸念です。その右側にあるビジネスとアカデミアを行き来する、これが非常に重要だと考えます。行き来するとしたら、その上に書いているクロスアポイントメントというのは非常に有効な手段だと思っているのですが、今までほとんど文系の私にとれば余り関心をもたなかったのですが、この現状がどうなっているのか教えていただければと思い発言しました。以上です。

【湊部会長】 いかがでしょうかね、これについて何かございますか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 クロスアポイントメントのお話ですか。

【湊部会長】 そうですね。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 池田さん、何かあります?

【池田SDGs本部長】 事務局でございます。クロスアポイントメント制度の活用状況については、アンケートの9ページ目で御紹介しています。資料にございますとおり、大学と大学との間ではクロスアポイントメント制度が活用されている一方で、大学と企業との間ではなかなか活用されていないと認識しています。大学の先生からは、社会保障制度などが違うので、大学と企業の間を行き来することが難しいといったお話を伺っています。政府には、大学や企業における社会保障制度や処遇がうまく結びつけられるよう、制度的な工夫を講じていただけると有り難いです。大学と企業との間をもっと行き来しやすくすることで、産学での様々な経験を積むことが可能となり、結果として、国際競争力や国力がアップしていくのではないかと期待しているところです。まずは以上でいかがでしょうか。

【湊部会長】 ありがとうございます。御指摘のとおり、クロスアポイントメントも随分大学でも増えてきていますが、圧倒的に研究機関、学術機関同士のものが多く、産業界とのクロスアポイントメントはかなりレアなケースだと思います。おっしゃるとおり、事務レベルで何か問題が生じるのでしょうか、給与や保険制度など、いろいろなところで。そういった、ある種、末梢的な点で障害があるとすれば、それらをどう解消するかというテクニカルなところも、多分、影響があるのではないかと思います。これもまた少し、お調べいただければと思います。

【髙見高等教育政策室長】 先生、少し参考でございますが、クロスアポイントメント制度の活用については、基本的な枠組みや留意点について、経済産業省を中心に、文科省ともやり取りしながらそういった資料を示しているところです。また、リーフレットなどを配布して、できるだけ活用を促すといったことを進めているところです。ただ、経団連からも御指摘いただいたように、まだまだいろいろ課題はあるというふうに承知しておりますので、関係省庁ともしっかり連携しながら、より改善に努めるとともに、周知にもしっかり努めてまいりたいと考えているところです。

【湊部会長】 ありがとうございます。それでは、高橋委員、よろしいですか。

【高橋委員】 ありがとうございます。少し長くなる上、少しデリケートな話かもしれませんが、申し上げたいと思います。このテーマについては、以前からずっと議論してきて、数年前に比べると、まず経済的な支援があったので、かなり状況は改善されているという認識です。今日の議論は、その上でやるべきことを整理されたものと理解しておりまして、経団連の取りまとめ、本当に感謝しております。
その上で、今日これまでに出た議案というのは、いずれもリアルな生の重要課題で、いずれも正しいと思うのですが、この重要な提言をアクションに進めた上で、本当に日本の状況が改善するという果実を収穫するためには、もう一つ避けては通れない定義が必要なのではないかと思っています。それは、文科省の方の資料のところにも書いてあった、博士号イコール研究者ではないということをきちんと理解、把握、共有することだと思っています。今日の委員の先生方の顔ぶれを見ても、博士号の定義というのは、研究分野とか技術領域だとか、想定する前提がかなり違うので、今まで一般的な定義は難しかったですし、議論が紛糾するというのが我々の経験値でもあるので、ある種、多分まとまりがつかないというところがあって、踏み込んだ議論は余りされていなかったのかと思います。
しかし、湊委員のおっしゃったイギリスでは、文科省の方は御存じだと思いますが、Vitaeというプロフェッショナル・ディベロップメントの組織があって、研究者に必要な能力とか技能等をRDF(Researcher Development Framework)という形で整理されています。これがどういうふうに現実に使えるものかというと、今日の議論でも多様なキャリアパスということが出ましたが、その前提になる多様な能力のパターンを持った博士群が存在するということが明確にポジティブに理解できるものだと思っています。念のため参考に申し上げますと、Vitaeというものでは、博士の能力が4区分で定義されていまして、ドメインでA、B、C、Dとあるのですが、アカデミックの研究者に進むためには何といってもAの専門知識や知的能力等なのですが、これを持つ人たちはアカデミック研究者として活躍できると。しかし、それ以外には3つほど能力がありまして、個人の能力ですとか、研究の管理運営、それからエンゲージメント、社会へのインパクトを語る力などです。このB、C、Dの能力もあった方が、恐らく企業においては活躍する博士号になりやすいのだと思います。この能力群の定義のようなものがないので、どうしても研究者イコール博士号の認識の中、ドメインAの専門知識だけが重要だから、そうすると企業に行く方たちというのは、デリケートな話ですが申し上げますと、もしかしたら研究者崩れみたいに映ってしまうところがあるのではないかと思います。
是非、多様なキャリアパスということが、当面のこのいろいろな施策によって進行した後に、やはり企業に行った方がもっと自分は活躍できるとポジティブに思う博士号の方たちが増えるためにも、いま一度、我々は博士号というものが、少なくとも4区分の異なる能力等から構成されるもので、その能力のパターンは、アカデミックならAがより重要だが、それ以外のB、C、Dも持ったオールラウンド型もいるとか、複数のパターンが存在することを共有した方がいいのではないかと思って、すみません、長くなりましたが申し上げました。以上です。

【湊部会長】 ありがとうございます。今、高橋委員がおっしゃった点は、先ほど私が少し申し上げた正にそのことでありまして、イギリスではトランスファラブル・スキルセットと言うのですね。博士論文として何をしたかというのは、それは重要な学位研究の中身ですが、それはそれとして、学位研究のプロセスで移転可能ないろいろなスキルのセットを身につけたという実績と資格が博士であるという見方で、イギリスは非常にそういう意味ではプラグマティックです。それだけの認証を受けているのだから、採用されるにしても学卒と同じで、そのうち待遇に差が出るよというようなことではない。そういった定義づけなどもやはり日本の場合、いろいろ変わってきてはいるものの、まだ曖昧模糊(あいまいもこ)としたところがあって、「私はどういう研究をしました」ということにどうしてもこだわる。それももちろん大事だけれども、それだけではないのだというようなところの認識、これは非常にメンタルな部分もあるし、社会的なバックグラウンドも大きく、難しいですが、そういった議論がないとなかなか最後のところで割り切った対応ができないということがあるのかなと思いながらお聞きしていました。

【髙見高等教育政策室長】 資料の2-2で、博士人材活躍プランの説明をしましたが、10ページの2というところがございます。その中に、博士課程において、専門的な知識・研究能力のみならず、論点的思考力などの汎用的な能力を身につけることの重要性を明確にするための、大学院設置基準等の改正も見据えた検討という項目を入れています。こちらに関する規定については、大学院設置基準では前回の改正から30年ぐらい時間がたっておりますので、そういったことも踏まえて、今後規定の在り方がどうあるべきか。それはつまり、博士というのはどういう人材を目指していくのかということは、今後、本日も含めてですけれども、大学院部会でもしっかり御議論いただきながら、最終的には制度改正までつなげていく必要があるのかというふうに考えているところでございます。すみません、補足でございます。

【湊部会長】 ありがとうございます。この点は、人社系の大学院教育のところでも、本部会で随分議論もさせていただきました。やはり大学側が、教育する側がどう考えるか。それから、それを受け入れる社会がどういう評価をするかということについては、まだ議論が十分でないのか、あるいは発信が十分でないのか、その辺りは定かではありませんけれども、今重要な論点を出していただいたと思います。ありがとうございます。
それでは、須賀委員、お願いできますか。

【須賀委員】 今、高橋委員、それから湊委員からありまして、更に文科省の方からも追加で御説明がありましたけれども、正にその部分を質問したいと思って挙手をいたしました。
ここで、まず重要だと私自身が思っておりますのは、今言ったような様々な能力があって、それらをどういうふうに取得したかによって能力証明、のようなものが本来の博士のあるべき姿であるというのは、これまでの大学院部会の中での議論でもかなり出てきたかなというふうに思っております。とりわけ、汎用的能力、総合知、コンピテンシーという言葉で我々が意図しているのはそんなことだったと思うのですが、それがどの程度具体化されていったかというところでかなり不安があるなというふうに、今までの議論を聞いておりましてそんな感想を持ちました。この先、その辺りを詰めていかなければいけないし、そういった能力をどういう形で大学院生に身につけてもらうかということを考える。博士論文を作成する過程で、いろいろな能力は身についていますが、博士論文の評価のときには、ある部分は全部抜け落ちている。学術的な研究成果のみで評価しているというようなことになっていて、もう少し違った能力をこれから先どう評価していくかということが大学人としては重要なのだろうというふうに思っています。
逆に産業界にお願いしたいということは、そういう能力があると、それがそのまま給与に跳ね返ってくるということが分かるような給与体系を是非お願いしたい。先ほど、データの21ページのところに80数%が学部卒、修士卒、博士卒、みんな同じ給与線だということになっていて、これだと全く資格がない、資格としては評価されないということになるのだろうと思うのですね。博士号というのは、研究者になるための第一歩で、ある意味では運転免許証と同じですというような形だろうと思って、そんな説明をよく私自身はしているのですが、では、その分の評価はどうなるのか。少なくとも給与表が違って、この給与から始まるのだというようなことが分かると、博士というのはこういう価値があるというふうに社会は見ているということが分かると思うのですが、そういったところで相当にいろいろな議論をされているにもかかわらず、給与表を変えようとしていないのであれば、そこは問題だなというふうな感じがしております。これまでどういうふうな形で、そういう給与表まで踏み込んだ議論が経団連の中でなされてきたのか、あるいはそういうふうなところまで踏み込んで考えようとしているのかということで、何かサジェスチョンいただければ有り難いなと思っております。私からは以上です。

【湊部会長】 平松様、池田様、何か簡単にコメントはありますか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 いわゆる日本型の年功的な給与体系の中に博士だけ特別扱いをするのかといったことがありました。逆に修士卒4年目の人が怒るといった意見が出されて、議論がうまくいきませんでした。それでは本当の実力主義にできないので、ジョブ型に移行し、「このポジションにはこういう能力が求められていて、高い能力がないと駄目だ」という形で定義し、そういうポジションに博士人材がどんどん入社してくることが現実に起こってくると思いますので、ジョブ型への移行に合わせて実現するのではないかと思っています。

【須賀委員】 そのときは当然、給与表は変わるという理解でよろしいですか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 そのジョブによってですね。

【須賀委員】 ジョブによって変わってくる。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 もちろん変わります。

【湊部会長】 ありがとうございます。

それでは、濱中委員、よろしいですか。

【濱中委員】 よろしくお願いいたします。経団連の提言、ありがとうございました。高橋委員もおっしゃっていましたが、よく整理されていると思いながら拝読しました。そうした中でお伺いしたいのは、こちらの提言で書かれているものにつきまして、表現を選ばずに言えば、既視感のある提言ともいえるように思われます。大学院改革は20年以上も試みられてきているわけで、様々な提言をしては実行し、あるいは実行に移そうとしているのだけれども、うまくいかない。どうもうまくいかないというのがこれまでの経緯だったのではないかなと理解しております。お伺いしたいのは、整理していただいた中で、特に今、企業の方だからこそ見えている大事な突破口というのがどれだと御覧になっているのかというようなことです。例えば、人材像の明確化とか、キャリアパスだったりとか、適切な処遇だったりとか、いろいろな観点がありますが、企業の方も博士人材などに対する見方、考え方も変わってきていると思いますので、この中のどこが今ホットなのか、経団連の中で今熱く議論されているところなのかということを少し教えていただきたくお願いいたします。

【湊部会長】 では、平松様、簡単にお願いします。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 これは、採用する数を増やすことだけではもちろん駄目でして、その後の活躍度合い、さらには大学院と企業との人材の流動・交流がリアルにもっと数が増えていかないといけないと思います。今はまだお互いに実感値をもってどう連携していいかがまだ分からない状態だと思っています。そのため、その行き来のところを、まだ点と点の段階なのですが、これを線にして面にするようにすることが一定数出てきたら、先ほどの人材像みたいなものがもっとリアリティーを持って魅力的なものになり、それにふさわしい人があの人だねというようなことが起こってくると考えます。今はこれがなかなかつかめずにじりじり来ているという状況だと思いますので、そこの交流を広げたいです。

【濱中委員】 ありがとうございます。おっしゃるとおり、交流もそうやって増えていくということも大事だし、量の方も増えていかないと実感値が増していかないと思いますので、やはりその辺りなのかなと思いながら、平松様のお話を伺っておりました。どうもありがとうございます。

【湊部会長】 ありがとうございます。それでは、村田委員、よろしいですか。

【村田委員】 ありがとうございます。関西学院大学の村田です。今日は経団連様から、私にとってはすごくいいお話を伺うことができ、ようやく産業界から大学院の教育について関心をというか、むしろ有用性を認めていただいたのだろうなというふうに感じました。そこで、私からは質問を1つとコメントをさせていただきます。まず、質問の方です。恐らく、3年ぐらい前の大学院部会の時に私の方からも少し報告させていただいたのですが、今は大学院卒と学部卒の間の賃金プレミアムを計ることができるようになっており、どの研究を見ても、前者が大体20から30%高い。ということは、企業の中ではやはり大学院卒は能力が高いのだなということが分かっていらっしゃるのだと思うのですね。その点、恐らく理系中心なのでしょうけれども、修士の4年後、言わば大学院、特に博士の教育に特別な賃金を与えているものがない。そこを特別にすることが難しいのでジョブ型となっているのですが、むしろ賃金のところできちんと報酬を保証しておかないとインセンティブがつかないのかと思います。
これは少し話が違いますが、リスキリングの話もそうだと思うのですね。基本的にリスキリングも大学院レベルの話になってくるわけで、日本のリカレント教育が定着しなかったのは、その報酬が保証できていなかったところにあると私は思っておりまして、リスキリングに関しても、昇格・昇任のようなところで保証していく必要があるのと同じことだと思うのです。是非そこは考えていただきたいなということが1つです。その辺のところは実感として、こうしてアンケートに答えられた企業がお持ちなのかどうかということを少しお伺いしたいです。
次にコメントですけれども、今回、私が非常にすばらしいなと思ったのは、普通、博士人材といえば知識だとか専門性というところを重視されるというところが、はっきりとコンピテンシー、汎用的能力というふうにされたところが物すごく大きなことだと思っております。先ほど部会長からの話にもありましたように、博士号を取る、これは文系でも同じなのですが、博士論文を書く中で、あるいは博士の研究をしていき、より深い知識を求める中で汎用的能力がつくのだろうと。それが俯瞰力や、あるいは大局観だというふうに思うのです。正に先ほど説明がありましたように、経営者の博士のパーセンテージが欧米に比べて日本は少ないというところにも反映していると思いますから、そういう意味では、正に汎用的能力、コンピテンシーのレベルが、博士課程でもやはり重要なのだというところの視点を持たれた。
逆に大学側から言うと、研究者を育てるだけが博士課程ではなくて、博士課程を出て、企業、社会に送り出す。これまでの社会人大学院のように、言わばダブルスタンダードでやるのではなくて、ちゃんと修士論文や博士論文を書かせる。我々も、そのことがいわゆる社会に送り出すうえで一番重要なのだという認識を今後持つ必要があるのだろうなというふうに思いました。そういう意味では、今回のこの報告は非常にすばらしいなと私は感じております。質問について、もしお分かりになればお答えいただければと思います。以上です。

【湊部会長】 ありがとうございます。この件、いかがでしょうか。

【平松教育・大学改革推進委員会企画部会長】 産官学挙げて、博士人材がもっと活躍できるようにしていく、それをドライブするために、博士を取得している人の処遇を目に見えて上げていくということは有効なインセンティブだと思いますので、そういうことを検討することは有効だと思います。もう一つは、本来的には、ドクターぐらいのコンピテンシーとスキルがないと、このポジションにつけないというポジションを幾つかつくっていって、そういう能力が評価されてそこに行くという世界になってくると更にいいと思います。

【湊部会長】 ありがとうございます。
それでは、時間もかなり押していますので、これで最後にさせていただきます。加納委員、よろしくお願いします。

【加納委員】 ありがとうございます。非常に貴重な情報、それから複雑な情報を非常に簡潔にまとめていただきまして、ありがとうございます。私、いろいろお話をお聞きして感じたことは、まだまだ企業側は博士人材を対象としたジョブディスクリプションがきちっとできていないのではないかと思います。やはり社内で人材評価をする、それから配置をしていくという上で、あるいは能力評価をしていくという観点で見ると、どうしても過去から、いわゆるOJT、OJDをベースにして、社内の教育をベースにしたジョブディスクリプションなり、能力ディスクリプションとかができているのですが、逆に博士人材といった新しい人材が、能力の高い人材が入ってきたときに、そういった人材をどのように評価していくか、あるいはその人たちに対してどういうジョブディスクリプションを示していくのか。そのウエートがどういうウエートで、それに対する評価が--評価というか対価ですね。インセンティブがどういうふうに定義されるのかといったところが非常に重要なポイントになるかなと思いました。
先ほど高橋委員の方からも御指摘ありましたように、大学側でも輩出する人材のディスクリプションといったものを明確にしていくというお話がありましたけれども、ここは産学連携で、産側もきちっとジョブディスクリプション、それから能力のディスクリプションというのを新たにつくり直しといいますかね、改革をしていく必要があるかなというふうに思いました。以上、コメントでした。ありがとうございます。

【湊部会長】 どうもありがとうございました。随分多くの意見を頂きました。またこれを基に、今日紹介いただいた非常に立派な提言についてももう少し、ポリッシュをさせていただければ有り難いと思っています。大学も企業も随分近寄りつつあって、ジャブを出し合っているという形で、鶏が先か卵が先かという感じですが、企業にとっては大学に対して相応の動きを見せてくれれば対応するというような思いもあるだろうし、大学から言えば、まず産業界から対応していただければそれがいいことだと分かるはずだということにもなる。お互いにそういう状況ではないかなと思います。しかし、随分距離が今縮まってきて、手探りして手が届くぐらいのところかなという気もしますので、これは日本全体としてまだかなり遅れていることはグローバル的には間違いないので、産業界と大学が一緒になって、思い切って踏み出すというような機運がいよいよ高まってきている時期かなという気もしております。引き続き、これについてはいろいろなセクターの方々と議論させていただきたいと思っております。随分時間が実は超過しておりまして、議題の1番はこの辺で一旦おさめさせていただきたいと思います。
それで、よろしいでしょうか。今日はもうひとつ議題がありまして、2番目に高等教育の在り方について、中教審大学分科会の特別部会で鋭意議論がなされているところであります。これについて今日は、現行の議論がどこまで進んでいるかということを事務局から御報告いただきます。当然、これは高等教育の在り方に関係することで、かなりの部分、大学院の在り方や教育にも関係したところがあり、これから本部会でも幾つかの課題が出てくると思いますが、今日は、まずは現況を御報告いただいて、多分、余り時間は残らないと思いますけれども、ざっくりとした印象でも委員の皆さんから頂き、本格的な議論は今後行っていきたいと思っています。
それでは、事務局からよろしくお願いいたします。

【髙見高等教育政策室長】 はい。お手元の資料3-1を御覧ください。前回の大学院部会でもお伝えしましたが、文部科学省では昨年9月に、盛山文部科学大臣より中央教育審議会に対しまして、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方という諮問が行われたところです。その後、大学分科会の下に高等教育の在り方に関する特別部会という部会を新たに設けまして、昨年11月からこれまで4回にわたって議論が重ねられてきております。本日はその議論の状況について御説明します。お手元の資料3-2を御覧いただければと存じます。これまでの特別部会等における主な意見の整理といたしまして、背景、目指すべき姿、質、アクセス、規模という観点から論点を整理しております。まず、資料3-2の1ページ目でございますけれども、急速な少子化の進行、また、経済・産業・雇用の変化、学習者本位の教育への転換、などの高等教育改革の推進、また、コロナ禍を契機とした遠隔教育の普及、また、2ページ目に移りますけれども、初等中等教育段階での学びの変化、また、我が国の研究力の低下、こういったことを、データも踏まえながら背景として掲げているところです。また、2ページの中ほどより、高等教育の目指すべき姿といたしまして、18歳人口が減少する中で、我が国の「知の総和」を維持・向上していくことが必要であること、さらに高等教育政策の目的として、質、アクセス、規模を設定することが必要であるといったこと、さらに次のページ、3ページ目に移りますけれども、高等教育の多様性を図ることが必要であるということ、さらに中ほどでございますが、高大接続改革の推進を図る必要があること、そして、その下の部分でございますが、高等教育機関間での流動性の確保を図っていくべきという視点、さらに、次のページ、4ページ目の上にありますけれども、高等教育機関と企業との意識ギャップの解消を図ること、また、その下でございますけれども、高等教育機関は、自らのポリシーに基づいて果たすべき役割を設定するなど、その自律性を高めることが必要であること、こういったことが目指すべき姿として示されているところでございます。また、5ページ以降は、質、アクセス、規模というそれぞれの観点で整理をしておりますけれども、まず3番、3ポツの教育経費の「質」のさらなる高度化といたしましては、学習者本位の教育のさらなる発展といたしまして、教育改革や評価等の取組を進めること、また、多様な価値観が集まるキャンパスの実現といたしまして、転・編入学の促進や、留学生・社会人の受入れ促進を図ること、また6ページ、次のページですが、この中では、大学院教育の改革をしっかり進めていくことが必要だといったことが示されているところでございます。また、この6ページ、地域における質の高い高等教育へのアクセス確保については、地理的観点からの高等教育機関へのアクセス確保として、地方圏において必要な高等教育機関へのアクセスを維持するための方策を講じること等について示しています。また、7ページ、地理的な観点に加えて経済的な観点、経済的なアクセスの観点から就学支援新制度、また授業料減免、奨学金の扱いについても論点として提示しているところです。また、8ページの冒頭ですけれども、高等教育全体の適正な規模として、これまでの18歳、国内、対面にこだわらない柔軟で多様な制度設計を前提とした上で、8ページの中段より下の方ですけれども、ここにあるように、高等教育全体の規模の適正化を図っていくことが必要であるということがここに掲げているような取組を通じてということで今議論がなされているといったところです。さらに、9ページ目でございますが、設置者別、機関別の在り方や、これらの改革を支える支援方策についても、今後この部会で議論を深めていただく予定としております。そして、資料3-1ですが、令和6年度中にこの議論というのは一定の結論を得ることとしております。これらの状況につきましては、今後も引き続き大学院部会にもお示し、本部会で頂いた意見を随時特別部会にフィードバックしていきたいと考えておりますので、本日の部会も含めて、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方という全体的な議論になりますけれども、本日、また皆様、先生方からの御意見をいただければと存じます。 私からの説明は以上でございます。

【湊部会長】 ありがとうございます。今、中教審大学分科会の特別部会でこのような議論がなされております。日本の高等教育の在り方という非常に幅広のテーマでいろいろなことが議論されているわけですけれども、本部会としてもいずれこの議論にどのように関与していくか、ということになろうかと思います。先ほど少し申し上げましたが、かなりの部分、大学院教育、あるいは学位制度全般に関連するような議論も今なされているようでございます。先ほどの資料にも、高等教育の改革の中で大学院教育の改革を促進すべきであるというコメントもありましたし、学士→修士→博士課程の体系化と縦の流動性・連携の確保という記載もあります。それから、修士、博士の活躍促進という課題も議論されているようでございます。それから、やはりもうひとつ大きいのは留学生の問題です。日本への留学生について、今まで多くは、大学院が受入れの主体になってきていたわけです。アジアからの留学生のことも議論されていますが、ここにも少し触れられているとおり、今日本が必ずしもアジア、ASEAN諸国、あるいはグローバルサウスの諸国から見て、決して魅力的な留学先とはなっていないのではないかということを我々も現場でひしひしと感じているわけですね。それはどこに原因があるのかというようなことも議論が必要だと思いますし、特に重要なのは、留学生を受け入れたその後どのように対応するのかということ、つまり、インクルージョンをどこまで考えるのかということだと思います。例えば学位を取ったアジアや諸外国の留学生の将来に対して、日本がどういうアクティブなアクションを取れるのか。かつてのように、日本で学位を取った後は帰国して、そこでキャリアパスを築いてくださいねというようなスタンスでいいのかどうか。それは当然、我が国の総人口減少とも絡んできますし、多様性の本質として、やはりインクルージョンまでシステムを考えるべきだということになれば、大学院への留学生の将来に対して我々がどういう対策を取っていくかということを、国内の大学院生の活躍、と同じコンテクストの中で、留学生に対してもやはり保障していかなければならない。こういったことも含めて、まだ議論すべき点は多々あると思っております。
今日は、残り10分、15分程度ですので、このような大きな課題について皆さんに意見をお願いしても、多分まとまらないでしょうから、現状はどこが議論になっているかということについて、お手隙のときに資料にお目通しを頂き、本部会としても、この議論に参加し、また改めて御意見を頂いて、我々の見解を発信していきたいと思っております。今、そういうことを考えておりますが、この特別部会の、意見について、どうしても今おっしゃりたいことがあれば伺いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、これについては次回以降、少しテーマを絞って取り上げて議論し、特別部会にも、必要に応じて反映をさせていただきたいと思っております。
それでは、この議題はこれまでとして、もうひとつ実は議題を考えていたのですが、少し調整がつかず、今回はこの2件にさせていただきます。それでは、本日の議事は以上にて終了ですけれども、ほかの委員の皆さん、よろしいでしょうか。それでは、事務局から最後に連絡事項等ございますか。

【水戸大学院係長】 事務局でございます。本日は活発な御議論を頂き、誠にありがとうございました。本日の議事内容を含めて、何かお気づきの点がございましたら、事務局まで御連絡をお願いいたします。次回の開催日程等については、改めて御連絡いたします。また、本日の会議の議事録については、事務局にて案を作成し、委員の皆様にお諮りした上で文部科学省のホームページにおいて公表いたします。以上でございます。

【湊部会長】 ありがとうございます。追加的に委員の先生方から特段の御意見等ないようでしたら、今日はこれにて閉会ということにさせていただきたいと思います。今後の議論について、是非部会として押さえておくべきポイントなどありましたら、是非事務局へ御連絡いただければ、今年度、始まったところですけれども、大学院部会として議論を進めたいと思いますので、よろしく御協力をお願いしたいと思います。それでは、今日はここで閉会とさせていただきます。お忙しいところ、皆さん、本当にありがとうございました。

―― 了 ――

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