車座ふるさとトーク(福井県越前市)(平成27年12月10日)
文部科学省は、平成27年12月10日(木曜日)に福井県越前市(福井県立武生高等学校)で「車座ふるさとトーク」を開催しました。
「車座ふるさとトーク」は、安倍内閣として、大臣・副大臣・大臣政務官が地域に赴き、現場の方々と少人数で車座の対話を行い、生の声を聴いて政策に生かそうという取組です。
1.開催の概要・背景
平成27年6月に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられることとなり、青少年の政治や選挙への関心を高め、主権者として必要となる力を育む教育の必要性が高まっているところ。
このような中、「主権者教育」として、社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、生涯にわたって生き抜く力や地域の課題解決を主体的に担うことができる力を身に付けさせることが求められるものと考えられ、このような教育を社会全体で推進する観点から、小・中・高等学校、大学等のみならず地域、家庭等において必要な取組を検討するため、地域の方々と意見交換を行うもの。
2.車座ふるさとトークにおける主な意見
【高校生・大学生】
- 自分も主張を持っているのになぜ投票できないのか不思議に思っていたので、もうすぐ投票ができるようになることがうれしい。
- うれしい反面、自分が投票できる知識や教育が十分であるか不安に思っている。自分の中にしっかり知識を入れてから、投票に行きたい。
- 学校で、政治のことに理解を深められる教育をしてほしかった。
- 小学校の頃は政治についてよく分からなかったが、中学生になると自分の意見を持つようになった。中学生だった自分は意見を表す場所がなかったので、選挙権年齢が引き下げられたことに対して良いイメージをもっている。
【教員】
- 主権者教育はこれから行うところ。文部科学省が作成した手引きを利用して、社会の授業等で、まず主権者であることの意義を考えてほしい。次に公職選挙法に対して正しい知識を教え、最終的には具体的な福井の課題について賛成・反対に分かれて討論を行いたい。
- 投票できる人を育てなければならない責任を教育界に背負わされたなと感じている。学校・地域・家庭が、この改革がよい方向になるように、連携・協力していかなければならない。小中学校で主権者教育につながるものは何かと考えたところ、「総合的な学習」で子供たちが自分の考えを持つことを積み重ねていくことが大切だと思う。
【保護者・地域の方々】
- 主権者教育はやはり家庭だけでは難しいので、学校教育が一番重要だと思う。
- 教育以前の問題であり、権利と義務の話である。権利と義務が一体であることを教わっていないことが、若者の投票率が低い背景ではないか。
- 18歳に対して、公職選挙法に抵触するような不適切なアプローチがなされることを保護者としては危惧している。高校生自身が知ることも大事だが、保護者も理解していくことが大切と考えるので、次年度のPTAにおける議論の中にも取り入れていきたい。
- 私たち保護者の世代でも選挙に足を運ばない人が多く、地域活動に参加する人も少ない。子供だけでなく、保護者も一緒になって、地域の課題を勉強しないといけない。今は生徒会長や級長を投票で選ぶ機会がほとんどない。小さい頃から選挙の経験をさせると、もっと子供たちの意識が選挙に向いていくと思う。
- 教員や保護者による中立な教育を行うことが大切である。
- シャッター通りになっている商店街において、大学と連携して、シャッターに絵を描いてもらう取組を進めている。このような地域の課題と向き合う体験をすることで、政治に関心をもっていくのではないか。
- 大人たちがPTAなどの地域の活動に積極的に参加していかないと、子供たちに参画意識を持たせることができない。
- 地元を好きにならないと、まちを変えていこうという気持ちにならない。変えようと思えば、投票しようという気持ちが起きると思う。地域全体で子供を育てれば、子供も地域を好きになって、よいまちづくりにつながる。
- 家庭における主権者教育は、何げない日常会話を積み重ねていくことで育んでいくものであると思うので、家庭での会話が何より大切である。
- 子供たちは親の背中を見ているので、親がもっとしっかりしないといけない。地域で共に育てる「共育」と学校や家庭で教えて育てる「教育」が大切である。
- PTAはあくまでもボランティアであるが、「自分以外の地域にいる子供たちのために」協力しながら、汗を流して仲間と一緒に行動する姿を子供が見て、初めて子供が地域の方と連携して作業をするようになるので、親の教育は大事である。
- 親が地域と関わりをもつ機会として、例えば町内会や子供会などがあるので、地域における活動の充実が必要である。
- 公民館も投票所に指定されている。選挙があるときに、投票の様子を子供たちに体験させてみようかと思っている。
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