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西村経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2023年4月14日(金曜日)
9時41分〜9時52分
於:国会本館2階閣議室前

冒頭発言

コンピューティング基盤強化

初めに私から2点申し上げます。

1点目、本日東京大学が最先端の量子コンピュータを導入し、国内企業やベンチャー、学生に利用機会を提供する取組、これにつきまして経済安全保障推進法に基づいて約42億円の補助を行うことを決定しました。これにより国内で量子コンピュータを活用した新ビジネスの開発や人材育成が行われることになります。

先日の半導体デジタル産業戦略検討会議でもお示ししたように、このコンピューティング基盤の強化、これは我が国の産業競争力の向上、そして経済安全保障の観点から極めて重要であります。今回の支援により、そうした取組を更に加速化していきたいと考えております。

詳細は事務方から説明があります。

G7エネルギー大臣会合

2点目であります。

本日から16日までG7の札幌気候・エネルギー・環境大臣会合出席のため札幌に出張いたします。昨今のエネルギー情勢を踏まえて、エネルギー安全保障の確保、そして脱炭素化、経済成長、これを同時達成するという非常に難しいかじ取りが求められる局面でありますが、本会合では現実的なエネルギートランジションの必要性、また新たな技術の社会実装に向けたファイナンスや削減貢献の定量化、見える化などの環境整備の重要性などについて2国間会談も行い、また関連イベントの場も活用しながら認識の共有を図っていきたいと考えております。

これらの機会を通じて、各国の事情に応じた多様な道筋の下でカーボンニュートラルという共通のゴールを目指し実現をしていきたいと考えております。

私から以上です。

質疑応答

EV普及

Q:G7札幌会合でEVの購入目標について議論が交わされるとの一部報道があります。EV普及策についてどのような主張をされますでしょうか、また、アメリカのEPAの新たな排ガス規制案やEUの合成燃料容認といった海外動向を踏まえて、大臣のお考えをお願いします。

A:言うまでもなく、現在自動車産業は地殻変動とも言うべき大きな転換期、大変革のときを迎えております。新興企業の台頭、あるいは異業種間の連携、参入、こういった具体的な動きが加速化しているところであります。
こうした中で、自動車分野のカーボンニュートラルの実現に向けて電動自動車、特に電気自動車、この導入が速くなってきておりますし、重要であります。持続可能な蓄電池のサプライチェーン構築、そして革新技術の開発などの電気自動車の普及拡大に向けた課題を各国とも共有し、グローバルな取組を加速させたいと思っております。
一方で蓄電池の資源制約、あるいは新興国における自動車需要の増加、技術開発の不確実性と言っていいと思いますけれども、どのタイミングでどんな技術が実用化されていくのかといった不確実性などを考えますと、多様な技術の選択肢を追求していくことも重要であります。
G7大臣会合における具体的な議論の中身、事前にコメントすることは差し控えたいと思いますし、まだ調整が続いております。私自身も本日札幌に向かい、今日もバイ会談を予定しておりますので、各国の大臣とも直接対話を重ね、共通認識を醸成していきたいと考えております。
その上でアメリカが2027年以降のCO2排出量の基準値を含む新たな規制値、規制案を提案したことは承知しております。アメリカは日本にとりまして、日本の自動車メーカーにとって非常に大きな重要な市場です。各社とも2021年のバイデン大統領による新車販売目標の表明や昨年のインフレ削減法制定等のアメリカ政府の一連のこうした動きを踏まえながら経営戦略を立てております。既に対応を加速化しているものと承知しております。
一方で、先ほど申し上げたとおり地殻変動とも言うべき大変革が起きております。しかもそのスピードは想定以上に速いと思います。強い危機感を持って、政府としても政策を総動員して日本企業の挑戦を後押ししていきたいと思います。
合成燃料の取組なども先般ドイツの閣僚とも意見交換しましたけれども、多様な技術の選択肢を追求していくということの一つだと思いますので、そうした点も含めてG7の会合でしっかり議論をして、共通の認識を醸成していければと思います。

原発再稼働

Q:G7の札幌会合に関連してなのですけれども、ドイツは福島原発の事故の重大さを見て、再生可能エネルギーの取組を強化するなどして明日全ての原発を停止します。一方、日本は原発事故の被害に苦しんでいる方、困っている方がいまだ多い中で、十分に国民的議論を得ないまま原発再稼働に向かっているようにも見えますが、大臣の所管をお聞かせください。

A:まず、原子力を活用していく上で、また原子力政策を考えていく上で、私どもは福島第一原発の事故、これは一時たりとも忘れてはならない。この事故の教訓、反省の上に立って進めていかなければいけないということ、これは常に頭に置いておりますし、今回原子力基本法の中にも安全神話に陥らないということを含めて、この福島事故の教訓、反省を忘れてはいけないという趣旨のことを明記させていただいているところであります。また、こうしたことはこれまでもGX実現の基本方針においても明記しております。事故によって被災された方々、その苦しみ、この痛みを我々は忘れることなく、しっかりと向き合いながら福島の第一原発の廃炉、そして福島の復興に全力で取り組んでいきたいと思っております。
その上で各国それぞれのエネルギー事情の上で、エネルギー事情がある中でカーボンニュートラルを目指して多様な道筋を確保しながら進めていくということだと思いますので、それぞれの国の事情があり、またそれぞれの国の考え方があると思いますので、しっかりとこのG7でも議論して大きな方向性、共通の認識、これは醸成をしたいと思いますけれども、日本にとりましては今申し上げたような福島の事故の教訓、反省、これを忘れることなく、国民の皆様のいろいろな感情があると思いますので、コミュニケーションをしっかり取って、これまでも対話集会など行ってきておりますけれども、これからも私どもの政策についてしっかりと丁寧に説明し、理解を得られるように進めていきたいと考えております。

脱原発

Q:今の質問に関連して伺います。
ドイツでは脱原発が完了するということなのですが、ある意味日本の政策とは一線を画しているような状況だと思います。日本が今後も利用を推進する政策を打ち出しているわけですが、ドイツと異なっているわけですが、そういう政策を採る理由ですとか背景について大臣はどのようにお考えになられますでしょうか。

A:ドイツが原子力発電を段階的に廃止するということで、そうした方針でありますけれども、一方でロシアがガスの供給を削減する中で、石炭の使用がドイツにおいて増えているという事実もあります。また、ヨーロッパは電力の送配電網、いわゆるグリッドが張り巡らされていますので、いざドイツが電力が足らないときにはフランスから電力を買える。またその反対もあるわけです。御案内のとおりフランスは7割近くを原子力で今電力を賄っております。そういったグリッドで結ばれていること、それからそれぞれの国の事情、方針に基づいて政策を採られているということは日本とは異なる状況があります。
また、日本の遠浅の海が少ない、その中で浮体式含めて洋上風力を我々も進めておりますし、太陽光も平地面積当たりでは先進国では最大の導入量になっていると思いますけれども、太陽光、これも公共の建物の上など含めて進めていきたいと思っておりますが、そういう意味で再エネも最大限導入しながら、安定供給と脱炭素化を同時に進めていく上で原子力は私ども必要だと考えております。
いずれにしても、各国それぞれの経済情勢、あるいはエネルギー事情が違う中で多様な道筋を確保しながら、しかしエネルギーの安定供給、国民生活や経済基盤、経済活動を守りながら、そして脱炭素化、カーボンニュートラルを目指すという大きな方向性を共有しておりますので、そうした中でそれぞれの事情に応じた多様な道筋を確保していくということが重要だと考えております。
いずれにしても、今日からこの3日間議論があると思いますので、しっかりと議論し、その上で共通の理解、共通の大きな認識を是非まとめていきたいと考えております。

以上

最終更新日:2023年4月14日

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