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西村経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

2023年4月11日(火曜日)
9時19分〜9時35分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

大阪出張

おはようございます。
私から1点申し上げます。明後日13日に大阪に出張いたします。まずは大阪・関西万博の起工式に参加いたします。パビリオンなど万博の会場整備工事、この成功、何より安全を祈念いたしまして、関係者とともに、くわ入れなどを行う予定にしております。
その後、パナソニックホールディングス株式会社を訪問し、同社が実証実験を行っておりますラストワンマイル配送への活用が期待されます自動配送ロボット、この現地視察を行いたいと思っております。
私からは以上です。

質疑応答

G7気候・エネルギー・環境大臣会合

Q:幹事社から1問質問します。今週末に札幌でG7気候・エネルギー・環境大臣会合が開かれます。会合ではエネルギー安全保障と気候変動対策の両立が、昨年に続いて大きなテーマになる見通しです。石炭火力の使用年限の明示や、ガソリン車規制など、日本政府としてどのような主張をする考えでしょうか。
また、原子力の活用や、東京電力福島第一原発から出る処理水の海洋放出について、G7でどのような議論がなされることを望みますか。
この2点を教えてください。

A:御案内のとおり、ロシアのウクライナ侵略によって、エネルギー情勢は一変しております。そもそもコロナ禍からの需要回復の中で、供給面でそうした様々な制約が起きております。まさにエネルギーの安定供給、安全保障と脱炭素化をどう両立していくのかという、極めて難しい局面にあると思います。
そうした中で、これまでも事務的にもいろんな議論を行っておりますし、私も各国の閣僚といろんな機会でお会いをし、議論をしてきておりますけれども、それぞれの国々、経済情勢、エネルギー事情、それぞれの事情があるということで、道筋は多様であると。このエネルギーの安定供給と脱炭素化を進めていく道筋は、多様な道筋があると。それを認めながら、カーボンニュートラルを目指していくという共通のゴール、これを目指す、このことを是非確認したいと思っております。
そうした中で、御指摘のように、排出削減対策のない化石燃料のフェードアウトについても様々な議論やこれまでの議論の積み重ねもありますし、新たに水素の重要性であるとか、あるいは、何よりも省エネの重要性であるとか、こういったことは是非確認をしていきたいと思っております。
そうした中で原子力についても、これまでアメリカのグランホルム・エネルギー長官、あるいは英国のシャップス・エネルギー大臣、フランスのリュナシェ・エネルギー移行大臣、それぞれ会談をしてきていますが、次世代の革新炉の開発、サプライチェーンの強化など、連携して取り組んでいくことを確認してきております。
原子力についても様々な考え方があると思いますので、GX実現に向けた原子力政策の実現を進めるに当たって、いろんな利用国、他の関係国との連携を是非深めていきたいと思っております。
そうした中で今回のG7会合の中でもですね、原子力の果たすべき役割について議論し、その重要性についてですね、あるいは国際連携の強化につなげていければと考えているところであります。
あわせてALPS処理水の海洋放出につきましては、専門的かつ客観的な立場からIAEAの専門家が複数回来日をしてレビューを行ってきております。先般は安全性についてのレビューはこれ以上必要がないという趣旨のことも報告、表明がなされております。今年の前半に包括報告書が出されると聞いておりますが、引き続き透明性の高い情報発信、そして国際社会の理解醸成に取り組んでいきたいと考えております。

AI利活用

Q:昨日、ChatGPTを手掛けるOpenAIのCEOが来日して岸田総理と面会されました。CEOは、日本での拠点の設置などを表明していて展開を拡大していく旨を表明しているわけですけれども、大臣としてこのChatGPTの活動や展開についての受け止めはいかがでしょうか。また、省内で文書の作成ですとか、今後活用していこうというようなお考えはあるのか、それとも当面ないのか、お考えをお聞かせください。

A:昨日の岸田総理とこのサム・アルトマンCEOの面談におきまして、AIの利活用に当たってのメリットとともに、著作権の侵害などリスクについても意見交換がなされたものと承知しております。また、OpenAIが日本での事務所、事業所開設を検討しているとの報道も承知しているところであります。
ChatGPTをはじめ、高精度な言語AIツールは更なる性能向上によってコンサルタントや検索サービスなど、言葉を使う仕事などですね、を抜本的に変える可能性があると認識しております。経産省としても先日の半導体・デジタル産業戦略検討会議において私もコメントしましたけれども、AIを活用した新商品、サービス創出の重要性、これを示すとともにAI開発に必要となるコンピューティング基盤の強化、これを図っていく方針を打ち出したところであります。まずは昨年度の補正で約900億円を手当てしておりますので、これを活用して産総研のABCIの基盤の拡充など、圧倒的な計算力のコンピューティング基盤を整備、拡充していく考えであります。そして、こうしたコンピューティング基盤を整備しながら、日本がAIの分野でどのような戦略で取り組んでいくべきかは早急に詰めていきたいと考えております。
他方、御指摘の行政での利用でありますけれども、これは著作権とか、それからセキュリティの確保も重要な課題であります。このため経産省でもChatGPTのAIツールの外部サービスを利用する場合には、政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準がございますので、これに基づき業務上の必要性やリスクを十分踏まえた上で、利用の可否を判断する必要があると考えております。
今後、関係府省とも連携しながら機密情報の取扱いなどへの適切な対応を行うとともに、懸念点が解消された場合における国家公務員の業務負担を軽減するための活用の可能性、これは是非追求していきたいと思います。
まだ情報もデータが古いですから、最新の例えば国会答弁にはまだ出来上がりませんけれども、幾つか試してみましたけど、国会答弁のような形には出来上がってきますので、最新のデータに基づいて作ってもらえると、かなり負担軽減がなされる可能性はありますので、是非これは活用は考えていきたいと思っています。

ジャパンディスプレイ

Q:ジャパンディスプレイと中国企業HKCの提携について2点伺いたいです。昨日、中国企業との提携をめぐってジャパンディスプレイのトップが経済安全保障上の問題について民生品で問題ないとしていましたが、経産省としての受け止めを伺いたいのと、もう一点は資本提携の可能性についてもあり得るとしていたわけですが、技術流出の懸念など大臣のお考えを伺えればと思います。

A:昨日、4月10日に株式会社ジャパンディスプレイ、JDIが中国のディスプレイメーカーHKCと戦略提携を行う旨を発表したと承知しております。JDIが開発している有機EL技術、eLEAPを基にした国際競争力の継続的な強化につながっていく取組となることを期待しております。このeLEAPは幅広く活用領域があって、またCO2排出量も少ない、あるいはコストも安いということで、私ども、ゲームチェンジを起こすことも期待される重要な技術だと認識しております。
そうした中で一般論として申し上げれば、我が国で開発されたこうした技術を適切に管理して、そして競争力の継続的な維持、向上につなげていくことが重要であると認識しております。JDIに対しては技術の適切な管理が重要である旨、既に事務的にお伝えしてありますけれども、今回の提携は本年6月目途に最終的には合意を行うべく協議が進んでいると聞いております。私からも改めてJDIに対して、そうした協議の過程の中で、今申し上げたような適切な技術管理、これに向けた検討を行うよう求めていきたいと考えております。非常に期待している技術でありますので、その管理については適切に行ってもらうことが重要だと認識をしています。

レアアース

Q:中国政府がレアアースを使った高性能磁石などの製造技術の輸出を禁止する方向で検討に入りました。レアアースはEVなど幅広い製品に使われますが、日本の産業に対する影響についてどう考えていますか。また、日本政府として何か対応する考えがあれば、併せて教えてください。

A:中国政府は2008年に公表した中国からの輸出を禁止又は制限する技術リストの改定作業を行っているということを承知しております。当該リストでは、従前からレアアースの加工技術や合金技術の輸出を禁止しておりましたけれども、昨年末に中国政府が公表した改定案によれば、太陽光パネルのシリコン製造技術などについても輸出を許可制にするほか、レアアース関係では、磁石加工技術を新たに輸出禁止の対象にする方向で検討がなされていると理解しております。
今回の改定につきましては、まだ中国政府内で検討中のものでありますので、まだ公布、施行されたものではないと承知しておりますが、中国による我が国経済や企業への影響について引き続き注視していきたいと思いますし、いずれにしましても、我が国としては永久磁石あるいは重要鉱物などの物資のサプライチェーンの強靱化、これ法律に基づき、また予算も確保しておりますので、しっかりとこうした重要鉱物、永久磁石、特定重要物資ですね、サプライチェーンの強靱化に努めていきたいと考えております。

エネルギー安全保障

Q:おはようございます。よろしくお願いします。
約1か月前の3月10日、2016年から断交していたイランとサウジアラビアが、中国の仲介により外交関係を正常化することで合意しましたが、これにより中東における米国の影響力が低下し、中国の存在感が大きくなることは確実だと思われます。
日本は、石油の9割以上を中東に依存しており、この先、中国と中東産油国との関係が密になり、同盟関係を結ぶまでになる可能性も否定できません。米国一国に依存、従属している日本が、例えば台湾有事などをきっかけとして中国と戦争状態に陥れば、中東の石油が手に入らず、戦争遂行はおろか産業活動も、国民の暮らしの営みも全てストップする事態に至ることは十分あり得ることのように思われます。日本は、これからも従来どおり対米従属一本やりの姿勢で問題はないのでしょうか、石油を獲得するために必要な外交政策は取られないのでしょうか、西村大臣のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

A:サウジアラビアとイランの関係正常化に向けた動きについては、中東地域の平和と安定、これに向けた前向きな動きとして歓迎したいと思います。今後の具体的な動き、しっかり見ていきたいと思っております。
その上で、中東産油国と我が国はこれまで長年にわたる歴史的にも友好関係があります。私自身1985年に経産省へ入ったとき、入省したときの最初のポストが資源エネルギー庁の石油部でありまして、そのとき以来産油国とのいろいろな関係を持ってきております。
そうしたことの経験も踏まえながら、年末にはサウジアラビア、オマーン、そして1月にはUAEを訪問したところでありますけれども、その中で原油などの増産、安定供給の働きかけ、あるいはトランジションに不可欠なLNG、この長期契約の基本合意、オマーンとも結びました。また、脱炭素社会の実現に向けて、水素、アンモニアなどのクリーンエネルギーや産業の多角化などについても議論し、幅広く連携強化を進めているところであります。
イランについては、昨年秋にオウジ石油大臣が来られて意見交換をしたところですけれども、やはりJCPOAの核の議論を再開してもらって、是非国際社会に復帰することを我々としては期待したいと思いますし、日本としてもできることはしていきたいと思っております。
私自身イラン議連の幹事長もしておりますし、サウジの議連は会長もしておりますので、今の経産大臣としての立場も含めて、この中東の安定、平和、そして繁栄に向けて経産省としてできることこれを全力で進めていきたいと思っております。
昨日も、ヨルダンの国王とこうした中東の平和と繁栄に向けて連携をしていくということも確認させていただきました。今日の首脳会談でも、この中東の平和と繁栄に向けて両首脳間で、岸田総理とアブドッラー国王の間でそんな議論も交わされるものと思いますし、私も同席してしっかりと経産省としてできることをやっていきたいと考えております。

以上

最終更新日:2023年4月11日

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