化管法PRTR届出について
(適切な届出に向けた基礎知識)
2024年3月
経済産業省製造産業局
化学物質リスク評価室0 米
溶剤
塗料 接着剤乾電池プロパン
インク衣料食品
添加物医薬品成剤合洗スプレー農薬肥料新素材
廃棄物
廃棄物焼却炉
通勤、レジャー
輸送
一般家庭
製品
製品工場
加工工場
鉱山、油田
農地
オフィス
町工場、事業所等
使用
使用
使用 使用 使用
使用
廃棄物
化粧品
防虫剤
(パラジクロロベンゼン)
(LAS)
(抗生物質)
(グルタミン
酸ナトリウム)
(ナイロン)
(酢酸ビニル)
(ベンゼン)
(トルエン)
(トリクロロエチレン)
(テトラクロロエチレン)
(有機リン剤)
(ファイン
セラミックス)
(ポリエチレン)
(ポリ塩化ビニル)
(ポリエステル)
(エステル)
原材料 中間原料
はじめに
⚫ 化学物質は現代の生活に不可欠な素材だが、有害な物質も存在。
⚫ 国は、化学物質の適正な管理に向け様々な取り組みを推進。事業者による自主的管
理については、化管法のPRTR制度等で改善を促進。
⚫ 本資料は、化管法のPRTR制度のうちPRTR届出について説明するもの。
現代の生活に欠かせない化学物質1 1.PRTR届出とは2 化管法のPRTR届出とは
⚫ 化管法のPRTR届出とは、化管法で定めるPRTR対象物質を
取り扱う事業者が、その排出量・移動量を把握し、国に届け出
ること (注記)事業所毎に届出
⚫ PRTR届出は、化管法で定められた事業者の義務
⚫ PRTR対象物質の届け出期間は毎年4月1日〜6月30日
(注記)電子届出に限り、2024年度まで届出期間を延長(7月31日まで)
➢ 化管法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する
する法律
➢ PRTR:化学物質排出移動量届出制度(Pollutant Release and Transfer
Register)の略称
➢ PRTR対象物質:PRTR制度の対象物質(化管法で指定)
➢ 排出量:事業活動に伴い大気等の環境中に排出される量
➢ 移動量:事業活動に伴い発生する廃棄物に含まれて事業所外へ移動する量
<用語の意味>3 化管法の概要
SDS制度
• 有害性のおそれのある化学物質及び当該化学物質を含有する製品
を、事業者間で譲渡・提供する際に、化学物質の性状及び取扱い情
報を提供することを義務づける制度。
• 化学物質の適正管理に必要な情報提供を義務づけ、事業者による
自主管理を促進する。
<対象化学物質>
第一種指定化学物質(515物質)及び第二種指定化学物質
(134物質)が対象(計 649物質)。
(注記)令和5年4月改正政令施行により対象化学物質が562物質(第一
種:462物質、第二種:100物質)から変更。
<対象事業者>
・対象業種・従業員数・取扱量等に関わらず、指定化学物質又は指
定化学物質を1質量%以上(特定第一種指定化学物質の場合は
0.1質量%以上)含有する製品を国内において他の事業者に譲
渡・提供する事業者が対象。
• 人の健康や生態系に有害なおそれがある化学物質について、環境
中への排出量及び廃棄物に含まれての移動量を事業者が把握し、
国に報告。
• 国は、事業者から届出された排出量・移動量の集計結果及び届出
対象外の推計排出量を併せて公表。
<対象化学物質>
第一種指定化学物質(515物質)が対象。
(注記)令和5年4月改正政令施行により対象化学物質が462物質から変更。
<対象事業者>
・対象業種:政令で指定する24業種を営む事業者
・従業員数:常用雇用者数21人以上の事業者
・取扱量等:第一種指定化学物質の年間取扱量が1t以上(特
定第一種指定化学物質の場合は0.5t以上)ある事
業所を有する事業者等
PRTR制度
(Pollutant Release and Transfer Register) (Safety Data Sheet)
⚫ 事業者による化学物質の自主的管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防
止することを目的とする。(法第1条)
⚫ 事業者は国が定める化学物質管理指針(注記)に留意した化学物質管理を実施するとともに、
進捗状況等の情報提供を行う等国民の理解を図るよう努めなければならない。(法第4条)
(注記)指定化学物質等取扱い事業者が講ずべき第一種指定化学物質等及び第二種指定化学物質等の管理に係る措置に関する指針4PRTR対象物質
⚫ 対象事業者は、事業活動に伴う環境中への化学物質の排出量等を年度ごとに把握し、
都道府県知事を経由して国へ届出。
⚫ 国は届け出されたデータを集計し公表(個別事業所のデータも公表)。
⚫ 届出以外の排出量については国が推計し、届出データと併せて公表。国・届出排出量等の集計、
届出以外の排出量の推計
事業所管大臣
経済産業大臣
環境大臣
・管理状況に対する評価
PRTR対象物質:人の健康や
生態系に有害な影響を及ぼす
おそれのある化学物質(515物質)PRTR制度の仕組み
対象業種:24業種
(注記)32,209事業所(2022年度)
・化学物質の環境への排出量、廃棄物に含まれ、
事業所外へ移動する量を把握
・年1回、都道府県を経由して国に届出
・ 届出データの内容確認、
電子化
事業所管大臣の依頼により
届出書の受理、 電子化、
届出内容の疑義照会等
・ 届出データの記録・集計
・ 届出・記録・集計用シス
テムの維持、管理
法第8条に規定されるシ
ステム設置
・ 問合せ対応 等運用支援NITE事業者
・物質別、業種別、地域別等の集計結果を公表
・個別事業所の届出データも公表
国民5NITE:(独)製品評価技術基盤機構
PRTR届出の年間スケジュール6⚫ 毎年4/1〜3/31までのPRTR対象物質排出量・移動量を把握。
⚫ 把握したPRTR対象物質の排出量・移動量を翌年度の4/1〜6/30までに届出。
(提出方法は、電子、書面、磁気のいずれか)
4/1 6/30 7/314/1PRTR対象物質の取扱量、排出量・移動量を把握 PRTR届出
電子届出に限り7/31まで延長
(注記)2022年度~2024年度の3年間限定
当年度(把握年度) 翌年度
PRTR届出は、必ず期限内に行ってください
2.PRTR届出への対応7 PRTR届出に向けた手順
1取り扱っている化学物質の内容を確認
(PRTR対象物質を取り扱っているか)
2PRTR届出の3要件の該非を確認
(業種・従業員数・PRTR対象物質取扱量)
3PRTR対象物質の排出量・移動量を把握
4PRTR対象物質の排出量・移動量を届出届出不要
取り扱い有り
取り扱い無し
3要件全てに該当
非該当8 PRTR届出に向けた手順1(取り扱い物質の確認)
1取り扱っている化学物質の内容を確認
(PRTR対象物質を取り扱っているか)
2PRTR届出の3要件の該非を確認
(業種・従業員数・PRTR対象物質取扱量)
3PRTR対象物質の排出量・移動量を把握
4PRTR対象物質の排出量・移動量を届出届出不要
取り扱い有り
取り扱い無し
3要件全てにに該当
非該当9 PRTR対象物質とは
⚫ PRTR対象物質(第一種指定化学物質)とは、人や動植物へ
の有害性及びばく露の可能性を踏まえて指定された物質。
⚫ トルエンやキシレン等、515物質が指定されている。
⚫ PRTR対象物質のうち、ベンゼン等の高い有害性が認められる23
物質は、特定第一種指定化学物質としてPRTR対象物質取扱
量の要件が厳しくなっている。
<PRTR対象物質のリスト>
下記URLからダウンロードできます
•日本語版:https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/pdf/211015class1.pdf
•(参考)英語版:https://www.nite.go.jp/en/chem/chrip/chrip_search/intSrhSpcLst?_e_trans=&slScNm=RJ_02_00210一般的に使われている物質名称と政令で指定されているPRTR対象物質名称
が異なる場合があります。取り扱っている物質がPRTR対象物質に該当してい
ないか、PRTR対象物質が含まれていないか、必ず確認してください。
PRTR対象物質確認方法-1
⚫ 取り扱っている化学物質がPRTR対象物質であるかの確認は、NITE-CHRIPが便利。
⚫ 化学物質、法規制、どちらからでも調べる事が可能。
化学物質名称や
CAS登録番号等か
ら調べる場合はこちら
をクリック
(NITE-CHRIP掲載URL(NITEホームページ))
https://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/systemTop
法律名等から調べる
場合はこちらをクリック11NITE-CHRIPでは、
・第一種指定化学物質
・特定第一種指定化学物質
・第二種指定化学物質
全てを調べることが可能。
化学物質から調べるをクリックすると・・・
CAS登録番号(CASRN)、化学
物質名称等を入力することで検索が
可能。
法規制等から調べるをクリックすると・・・
法規制情報毎に検索可能。
改正前、改正後の物質も確認可能。12<NITE-CHRIPの画面>
化学品の
製造業者/輸入業者
調剤メーカー等 卸売業者
小売業者
セットメーカー等
物質のSDS混合物のSDS混合物のSDS1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.化学品及び会社情報
危険有害性の要約
組成及び成分情報
応急措置
火災時の措置
漏出時の措置
取扱い及び保管上の注意
ばく露防止及び保護措置
物理的及び化学的性質
安定性及び反応性
有害性情報
環境影響情報
廃棄上の注意
輸送上の注意
適用法令
その他の情報
<SDSの記載項目>
<SDSの提供フロー>
⚫ 原材料等を他の事業者から調達している場合は、調達先から提供されるSDS(安全
データシート(Safety Data Sheet):化学品の安全な取り扱いを確保するために、
化学品の危険有害性等に関する情報を記載した文書)でPRTR対象物質の該非や含
有率を確認することが可能。
⚫ 化管法では、PRTR対象物質(第一種指定化学物質、特定第一種指定化学物質)
及び第二種指定化学物質、これらを含む製品を事業者間で取引する際にSDSの提供
が義務づけられている。13PRTR対象物質確認方法-2
化管法第二種指定化学物質は、SDSの提供のみの物質です。
(PRTR届出の対象物質ではありません。)
PRTR届出に向けた手順2(届出要件の該非確認)
1取り扱っている化学物質の内容を確認
(PRTR対象物質を取り扱っているか)
2PRTR届出の3要件の該非を確認
(業種・従業員数・PRTR対象物質取扱量)
3PRTR対象物質の排出量・移動量を把握
4PRTR対象物質の排出量・移動量を届出届出不要
取り扱い有り
取り扱い無し
3要件全てに該当
非該当14 PRTR届出の要件
⚫ PRTR対象物質を取り扱う事業者が次の3要件を全て満たす
場合、PRTR届出が必要
1業種:化管法で指定している24種類の業種に属する事業を営んでいる
2従業員数:常時使用する従業員の数が21人以上
3PRTR対象物質の年間取扱量等:
いずれかの第一種指定化学物質の年間取扱量が1トン以上(特定第
一種指定化学物質は0.5トン以上)の事業所を有する、又は他法令で
定める特定の施設(特別要件施設)を設置している15要件1と2は事業者単位(会社や組合等)で判断。
要件3は事業所単位(工場や営業所等)で判断。 161 4 電気業 一般廃棄物処理業
2 5 ガス業 (ごみ処分業に限る。)
6 熱供給業 産業廃棄物処分業
a 食料品製造業 7 下水道業
b 飲料・たばこ・飼料製造業 8 鉄道業
c 繊維工業 22 医療業
d 衣服・その他の繊維製品製造業 高等教育機関
e 木材・木製品製造業
f 家具・装備品製造業 10 石油卸売業
g パルプ・紙・紙加工品製造業 鉄スクラップ卸売業 24 自然科学研究所
h 出版・印刷・同関連産業
i 化学工業
j 石油製品・石炭製品製造業
k プラスチック製品製造業
l ゴム製品製造業 自動車卸売業
m なめし革・同製品・毛皮製造業
n 窯業・土石製品製造業
o 鉄鋼業
p 非鉄金属製造業 13 燃料小売業
q 金属製品製造業 14 洗濯業
r 一般機械器具製造業 15 写真業
s 電気機械器具製造業 16 自動車整備業
t 輸送用機械器具製造業 17 機械修理業
u 精密機械器具製造業 18 商品検査業
v 武器製造業 計量証明業
w その他の製造業 (一般計量証明業を除く。)20213(自動車用エアコンディショナーに封入され
た物質を回収し、又は自動車の車体に装
着された自動車用エアコンディショナーを取
り外すものに限る。)1123 (付属施設を含み、人文科学のみに係
るものを除く。)
(自動車用エアコンディショナーに封入され
た物質を取り扱うものに限る。)19製造業9倉庫業(農作物を保管する場合又は貯
蔵タンクにより気体又は液体を貯蔵する場
合に限る。)12金属鉱業
原油及び天然ガス鉱業
(特別管理産業廃棄物処分業を含
む。)
PRTR届出要件1(業種)
⚫ 化学工業等、下表の24業種が対象
⚫ 兼業している業種が1つでも該当すれば対象
本社
A事業所 B事業所
<考え方>
本業:商社
副業:燃料小売業
商社機能A社副業が24業種に該当
⇒A社は業種の要件を
満たす
燃料小売業
B事業所は業種の
要件を満たす
商社機能
<例1>
<例2>
PRTR届出要件2(従業員数)
⚫ 従業員数は、本社及び全国の支社、出張所等を含めた全事業所の従業員数の合算値⚫ 雇用期限が定められていなければ、嘱託職員やパート従業員等も常時雇用する従業
員に該当
本社
A工場 B工場
従業員10人
従業員30人 従業員20人
<考え方>
従業員数は本社+A工場
+B工場の計60人
⇒21人以上のため、従業
員数の要件を満たす
(注記)従業員数の考え方については、PRTR排出量等算出マニュアルII-9pもご覧ください
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/prtr/pdf/r5_haishutsu_sanshutsu_manual/2-1.pdf
事業所毎の従業員数
ではないことに注意17 PRTR届出要件3(PRTR対象物質年間取扱量等-1)
⚫ 年間取扱量は、PRTR対象物質毎の年間製造量と年間使用量の合計値
(注記)第一種指定化学物質:1t以上
特定第一種指定化学物質:0.5t以上
⚫ 年間取扱量は事業所毎に把握し、届出要件を満たす事業所がPRTR排出量・移動
量を届出
<考え方>
本社
A工場 B工場
第一種指定化学物質C
取扱量0.5t
第一種指定化学物質D
取扱量0.5t
第一種指定化学物質C
取扱量1.5t
第一種指定化学物質D
取扱量0.5t
B工場は第一種指定化学物質Cが
取扱量の要件を満たす
⇒Cについて排出量・移動量を
把握し届出
A工場は第一種指定化学物質
C、Dとも年間取扱量の要件を
満たさない
⇒C、Dの排出量・移動量把握
・届出は不要
(注記)業種・従業員数とも届出要件を満たすとする
各PRTR対象物質取扱量の
合計値ではないことに注意
会社全体での取扱量ではない
ことに注意18 (注記)資源の有効な利用の促進に関する法律(平成三年法律第四十八号)
第二条第四項に規定する再生資源のことを指します。
しかく事業者による取扱いの過程において固体以外の状態にならず、かつ、粉状又は粒状にならない製品
しかく指定化学物質が密封された状態で取り扱われる製品
しかく主として一般消費者の生活用の製品
しかく再生資源
しろまる×ばつ:対象とならない製品
⚫ PRTR対象物質を含み(第一種指定化学物質1質量%以上又は特定第一種指定
化学物質0.1質量%以上)×ばつ
化粧品
PRTR届出要件3(PRTR対象物質年間取扱量等-2)
⚫ 特別要件施設を有する事業所は、PRTR対象物質の取扱量にかかわらずPRTR届
出要件に該当。
⚫ 特別要件施設とは、次の4施設。
➢ 鉱山保安法により規定される特定施設(金属鉱業、原油・天然ガス鉱業に属する
事業を営む者が有するものに限る。)
➢ 下水道終末処理施設(下水道業に属する事業を営む者が有するものに限る。)
➢ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律により規定される一般廃棄物処理施設及
び産業廃棄物処理施設(ごみ処分業及び産業廃棄物処分業に属する事業を営
む者が有するものに限る。)
➢ ダイオキシン類対策特別措置法により規定される特定施設20ダイオキシン類対策特別措置法により規定される特定施設については、事業者
が届出要件の24業種に該当していれば、PRTR対象物質の取扱量にかかわら
ず届出要件に該当 21PRTR対象事業者の判定方法
24業種に該当する事業を営んでいるか
事業者の常用雇用者数は21人以上か
第一種指定化学物質を年間1t以上(特定第一種指定化学物質の場合
は0.5t以上)製造(副生)((注記))しているか
取り扱う原材料、資材等の製品中に第一種指定化学物質が
1%以上(特定第一種指定化学物質の場合は0.1%以上
)含まれているか
その対象物質の年間取扱量(製造・使用等の総量)は1t
以上(特定第一種指定化学物質の場合は0.5t以上)かPRTR物質の排出量・移動量の届出は不要
対象物質の排出・移動量の届出が必要特別要件施設があるか事業者単位で判断事業所単位で判断YESYESNOYESYESYESYESNONONONONO
(注記)PRTR対象物質の副生(非意図的製造)もPRTR対象物質の製造となります。
PRTR届出に向けた手順3(排出量・移動量の把握)
1取り扱っている化学物質の内容を確認
(PRTR対象物質を取り扱っているか)
2PRTR届出の3要件の該非を確認
(業種・従業員数・PRTR対象物質取扱量)
3PRTR対象物質の排出量・移動量を把握
4PRTR対象物質の排出量・移動量を届出届出不要
取り扱い有り
取り扱い無し
3要件全てに該当
非該当22 排出量・移動量とは
⚫ PRTR対象物質の排出量とは、事業活動に伴い大気等の環境
中に排出されるPRTR対象物質の量。
⚫ PRTR対象物質の移動量とは、事業活動に伴い発生する廃棄
物に含まれて事業所外へ移動するPRTR対象物質の量。
⚫ 排出量・移動量は、排出先・移動先の区分毎に把握。
例:トルエン(大気中への排出10kg)、キシレン(事業所の外への移動120kg)
1.大気
2.公共用水域
(直接)
4.事業場内での
埋め立て処分
3.土壌
6.事業所の外へ
の移動(廃棄)
5.下水道
1.大気への排出
2.公共用水域への排出
3.当該事業所における土壌への排出
4.当該事業所における埋立処分
<把握する排出量・移動量の区分>
排出量
移動量
5.下水道への移動
6.当該事業所の外への移動
(5によるものを除く)23 ◼化学物質の取り扱い実態等に応じて、以下の5つの方法から選択。
(注記):「PRTR排出量等算出マニュアル」(経済産業省・環境省)にて、計算方法及び排出係数を掲載。
また、業界が設定した排出係数等があり、事業者が適宜選択することとなる。
(経済産業省URL)
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/prtr/PRTRmunyuaru_r5.html
排出量・移動量の算出方法
1.物質収支を用いる方法:事業所に入ってきた量と出ていった量の差を求める
排出量 または 移動量 年間取扱量 製造品としての搬出量 他の排出量・移動量
= - -
2.実測値を用いる方法(排ガス等の濃度を実測し、その数値に排ガス量等を乗じる)
年間の排ガス量、排水量
または 廃棄物量
排ガス、排水 または
廃棄物中の対象物質濃度
= ×ばつ
排出量 または 移動量
年間取扱量
排出係数 ×ばつ=排出量 または 移動量
3.排出係数を用いる方法(注記)(取扱量に排出係数を乗じる)
4.物性値を用いる方法(排ガス等に物性値(蒸気圧、溶解度など)を乗じる)
5.その他的確に算出できると認められる方法
物性値を用いた計算による排ガス、排水
または 廃棄物中の対象物質濃度
年間の排ガス量、排水量
または 廃棄物量
排出量 または 移動量 = ×ばつ24 PRTR届出に向けた手順4(排出量・移動量の届出)
1取り扱っている化学物質の内容を確認
(PRTR対象物質を取り扱っているか)
2PRTR届出の3要件の該非を確認
(業種・従業員数・PRTR対象物質取扱量)
3PRTR対象物質の排出量・移動量を把握
4PRTR対象物質の排出量・移動量を届出届出不要
取り扱い有り
取り扱い無し
3要件全てに該当
非該当25 排出量・移動量の届出
⚫ 把握したPRTR対象物質の排出量・移動量は、PRTR対象物
質毎に排出先・移動先の区分毎に分けて届出。
⚫ 届出先窓口は、排出量・移動量を把握した事業所設置場所の
都道府県。
⚫ 届出方法は次の3方式があるが、電子届出が簡単・便利。
➢ 電子届出(インターネットによるオンラインの届出)
➢ 書面による届出(受付窓口まで持参又は郵送)
➢ 磁気ディスクによる届出(受付窓口まで持参又は郵送)
(注記)届出方法については、経済産業省HPのPRTR制度 届出方法もご覧ください
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/prtr/5.html
おすすめ!26 届出事項-127事業所ごとの届出事項
・事業者の名称
・事業所の名称
・事業所の所在地
・事業所において常時使用される
従業員の数
・事業所において行われている
事業が属する業種
令和6(2024)年度届出から追加
メールアドレスの追加
法人番号の追加
保有されている場合は記載をお願いします!
電子届出では、自動に入力されます。 28第一種指定化学物質ごとの届出事項
(化学物質の情報)
・第一種指定化学物質の名称
・第一種指定化学物質の管理番号
(排出量)
・大気への排出
・公共水域への排出
・当該事業所における土壌への排出
(当該事業所における埋立処分を除く。)
・当該事業所における埋立処分
(移動量)
・下水道への移動
・当該事業所の外への移動
(下水道への移動を除く。)
電子届出では、届出システム届出項目に反映され、
円滑に対応可能(継続物質は自動入力)。
令和6(2024)年度届出から変更
管理番号の導入
届出事項-2
排出量・移動量は有効数値2桁で記載
ダイオキシン類以外で1kg以下の場合は
小数点第2位以下を四捨五入。
電子届出のメリット
⚫ 電子届出には様々なメリットがあります。29しろまる電子届出メリット
➢ 過去の届出も管理可能
➢ 次年度に入力の手間が省けます
➢ 記載ミスが削減できます(役所とのやりとりが少なくなる。システム上で可能。)
➢ 届出不要の連絡も可能
➢ 社内の紙決裁への対応として様式での印刷も可能
➢ 電子届出のみ届出期間が延長(7月31日まで可能)
(注記)2022年度~2024年度の3年間限定
NITE(製品評価技術基盤機構)HP
PRTR電子届出方法はこちらから↓
https://www.nite.go.jp/chem/prtr/dtp.html
電子届出が簡単にわかる動画解説(入門編、実践編、解決編)を配信中!
説明動画プレイリスト:https://www.youtube.com/playlist?list=PLWxWKUOj3xAKkv8NXDjxRL7yIl0lG5jZS
しろまるおすすめポイント
➢ クライアント証明書のインストールが不要(2022年度届出から)
➢ 政令改正により変わる第1種指定化学物質の管理番号への修正が自動で行われます
➢ パスワードを忘れても再設定が可能
➢ 紙届出だった別の届出先の都道府県等への追加も、すでにユーザIDを持っている場合は、
PRTR届出システムから使用届出の申請が可能 (注記)2023年度〜
電子届出の方法30事業者
自治体
1電子情報処理組織
使用届出書を提出
2電子届出システム用
ID/PWを郵送
3電子届出システムにアクセス
ID/PWでログイン
排出量等を入力 ⇒ PRTR届出
⚫ 電子届出では、電子届出システムに排出量・移動量を入力。
⚫ 初めて利用する場合は下記1〜3。2回目以降は3のみ。
電子情報処理組織使用届出書様式はこちら(届出様式等の様式第4)
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/prtr/5.html
#yoshiki
初回のみ
PRTR電子届出を初めて利用する方向けに、上記1〜3
までの手順を動画で確認できるようになっています。
https://www.nite.go.jp/chem/prtr/itdtp.html
2回目以降
電子届出システム
⚫PRTR届出は、電子届出の利用をお願いします
事業者の皆さんへのお願い31まずはNITEのHPをご覧ください。https://www.nite.go.jp/chem/prtr/itdtp.html
意外と簡単!
PRTR届出システムを快適にご利用いただくため、様々なサポートをご提供しています。
【電子届出関連FAQ】
電子届出に関するよくある質問をこちらでまとめております。
https://www.nite.go.jp/chem/prtr/faq_i.html
【チャットボット(AI質問回答システム)】
いつでも質問と回答確認が可能なチャットボットもあります
https://nite-chem-c.ai-q.biz/o-tY2u7pLvHY1G6mbgi6/contact/top
(注記)電子でお届け頂く場合、PRTR届出システムの画面からもお使い頂けます。
【動画解説】
NITE「PRTR制度 電子届出が初めての方へ」のページからでもアクセスすることができます
https://www.youtube.com/playlist?list=PLWxWKUOj3xAKkv8NXDjxRL7yIl0lG5jZS
【デモ画面】
デモ画面でPRTR届出システムの操作を体験していただくことができます。
https://www.nite.go.jp/chem/prtr/demo/prtr2/demo/a/com00011.html
【PRTR電子化支援窓口】
上記の動画やチャットボットでは分からない点がある場合、メールまたは電話でお問い合わせください。
E-mail:prtr_td@nite.go.jp TEL:03-5465-1683
3.PRTR届出を確実に
行うために32 PRTR届出に向けた体制
⚫ PRTR届出を確実に行うためには、取り扱っているPRTR対象物
質の把握や届出に向けた社内体制を作ることが重要。
⚫ 社内体制作りのポイントは、主に次の5つ。
1PRTR対象物質の把握や届出に向けた業務担当者を決める。
2PRTR届出に向けた業務スケジュールを作り、関係者と共有する。
3PRTR届出に向けた業務の進捗状況を担当者の上司等が確認する。
4PRTR届出要件の該非や排出量・移動量の計算結果等については、複数
人で確認する(担当者と上司等)。
5経済産業省の化管法のHP等で、定期的にPRTR制度の内容や対象物質
を確認し、情報を関係者に共有する。33 社内体制作りのポイント1(業務担当者)
⚫ PRTR届出に必要な各業務を確実に行うため、PRTR届出業務について担当者及び
担当業務の内容を決める。
⚫ PRTR届出業務担当者は、他の担当業務を兼務しても良い。また、PRTR届出担当
者を本社に配置し、各事業所のPRTR届出業務を本社で一括して行うことも可能。
⚫ PRTR届出業務担当者が交代する際には、後任者に確実にPRTR届出業務を引き継
ぐこと。34PRTR届出業務について、誰が、どのような業務を担当するのかを
社内則等で明確にすることが重要です(責任の明確化)。
<例>
くろまるPRTR届出に係る総務課長の担当業務
・PRTR届出業務スケジュールの作成
・PRTR対象物質の取扱量、排出量・移動量の把握
・・・・・・・・・・・・・・・・
くろまる PRTR届出に係る総務部長の担当業務
・PRTR届出内容の最終確認
・PRTR届出の承認
・・・・・・・・・・・
社内体制作りのポイント23(スケジュール共有・進捗確認)
⚫ 作成したスケジュールと各業務の進捗状況をPRTR届出業務の関係者と共有すること
は、多忙時の届出業務失念防止に有効。
⚫ PRTR届出業務担当者の上司等は、定期的にPRTR届出業務の進捗を確認。35<例>
⚫ 総務課長は、毎年4月1日にPRTR届出業務のスケ
ジュールを作成し、社内イントラに掲載。
4月中:PRTR対象物質取扱量の集計
5月中:排出量・移動量の算出
6月15日:総務部長の最終確認
〜6月末:PRTR届出
⚫ PRTR届出業務の進捗状況を週1回、
上司に報告。
PRTR届出業務の進捗については、PRTR届出が完了するまで、定期的に
確認することが重要です。
社内体制作りのポイント4(複数人で確認)36<例>
⚫ 総務課長がとりまとめたPRTR届出内容を総務課で再確認。
確認は、PRTR制度や排出量・移動量の算出方法等について知識を持つ
者が行うことが重要です。
⚫ PRTR届出要件の該非や排出量・移動量の計算結果等については、複数人で確認す
ることが、該非の判断ミスや計算間違い等の防止に有効。
⚫ 確認が適切に行われるように、届出要件確認のチェックリストや、自社で取り扱っている
PRTR対象物質のリスト、PRTR排出量・移動量算出方法等をまとめたマニュアルを作
成しておくと良い。
排出量の桁を間違
えてないか?
取り扱っている
PRTR対象物質の
見落としはないか?
しろまる年度の届出は
排出量: ベンゼン100kg
移動量:トルエン50kg
原料投入
反応工程
水洗工程
大気排出
しろまるkg
大気排出
しろまるkg
廃棄物
しろまるkg
(注記)排出量・移動量を作業フロー図に書き
込みながら把握すると計算漏れ等の
ミスを減らせます。
<作業フロー図>
<排出量等とその量>
社内体制作りのポイント5(PRTR制度の確認・情報共有)37<例>
⚫ 毎年4月、10月に経済産業省のHPを確認。
年1回、経済産業省主催のセミナーに参加。
⚫ PRTR制度や対象物質、 その他の関連する情報は、経済産業省のHP閲覧や外部の
セミナーへの参加等で把握可能。
⚫ 関係者の理解促進のため、PRTR制度に関する社内勉強会等を定期的に行う。
しろまるしろまる年度
化学物質管理
セミナー
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
PRTR制度とは
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
⚫ 毎年4月にPRTR制度に関する
社内勉強会を開催。
経済産業省 PRTR制度
https://www.meti.go.jp/policy/
chemical_management/law/prt
r/index.html
定期的に実施することが重要です。
PRTR届出に向けた体制のイメージ
上司等
PRTR業務
担当者
PRTR対象物質
取扱者・自治体
• PRTR対象物質の取扱量
報告
• 責任者の了承後、
PRTR届出
<体制の例>
• 業務進捗状況確認討
• 届出要件の該非、PRTR対象
物質排出量・移動量再確認
• 業務スケジュールを共有
• 業務進捗状況報告
• 届出要件の該非、PRTR対象
物質排出量・移動量報告
• 届出要件の該非検討
• PRTR対象物質の排出
量・移動量算出
• 定期的にPRTR制度
や対象物質等を把握38 39
まとめ
⚫ PRTR届出は、化管法で定められた事業者の義務。
⚫ 化学物質を取り扱う事業者は、取り扱っている化学物
質が化管法のPRTR対象物質でないか、届出要件を
満たしていないかを確認することが必要。
⚫ 排出量・移動量は、 PRTR対象物質の取り扱い実態
等に応じて最適な方法で算出。
⚫ PRTR届出期間は毎年4月1日〜6月30日((注記))。
(注記)電子届出に限り、2024年度まで届出期間を延長(7月31日まで)
⚫ PRTR届出を確実に行うためには、PRTR届出に向けた
社内の体制を作ることが重要。
PRTR制度に関する問い合わせ先
くろまるPRTR制度について
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/prtr/index.html
くろまるQ&Aについて
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/qa/qa.html
関連するQ&Aがない場合は、以下の問い合わせフォームから、お問い合わせください。
https://mm-enquete-cnt.meti.go.jp/form/pub/kagaku/kannrika_toiawase
くろまる化管法の法令集やその他の情報については、化管法のページをご覧ください。
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/index.html40

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