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インタビュー|資源・エネルギー分野|資源外交

資源・エネルギー分野資源外交

平井 貴大資源エネルギー庁 資源・燃料部石油・天然ガス課 課長補佐(2022年8月時点)

平井貴大の正面写真

LNG・天然ガスは終わった?

"To put it mildly, gas is over"(控え目に言って天然ガスは終わった)、欧州投資銀行総裁が2021年、天然ガスプロジェクトへの資金提供終了の方針を踏まえ会見した際の言葉です。
この背景には、燃焼時のCO2排出量が石炭の半分とはいえ、LNG・天然ガスも化石燃料であり"、Climate Justice"と相反する投資は行うべきではないといったエネルギーを巡る大きな環境変化があります。では、本当にLNG・天然ガスの役割は終わってしまったのでしょうか。
今、世界では逆に、LNGの争奪戦と言っても過言ではない状況になっています。各国大統領・首相による産ガス国へのアプローチ。私のチームメンバーが中東に出張に行った際にも、ホテルでは各国の言語が飛び交い、政府関係者が夜な夜な議論していたと聞きます。また、足下では、ロシアからの天然ガスへの依存率が高いドイツを中心に政府のトップダウンによる公的金融を活用したLNGの受入れ基地の建造や、欧州各国での地下貯蔵が急ピッチで進められています。

エネルギー危機と官民の新たな連携の模索

「石油の世紀(原題:The Prize)」で著名なダニエル・ヤーギン氏は、今回のエネルギー危機は、インフレの誘発に加え、市場を不安定化させ、経済成長を阻害、戦争に起因する地政学的危機と相まって、世界の大国間の対立を更に深める深刻な状況と分析します。
日本は1969年にLNGの輸入を開始して以来、LNG市場をリードしてきました。その取組は、世界のエネルギーの権威であるIEAから「日本は、LNG供給源の多角化に成功した。より流動的で透明性の高いグローバルなLNG市場を拡大するための日本の努力は、特に賞賛に値する」と評価されるほどです。
日本政府の資源外交や公的ファイナンス、日本の民間企業のリスクテイクと明敏かつ懸命な活動により、日本の投融資が関係するLNGプロジェクトが世界全体の約5割に及ぶなど、LNGサプライチェーンの要所を日本企業が押さえています。日本の官民の貢献により、資源国への一方的な依存ではなく、国際社会全体にとって不可欠な「互恵的依存関係」を築いているのです。こうした礎があったからこそ、ガス不足に苦しむ欧州への初めてのLNG融通が実現できたと考えています。古今東西エネルギーが武器として使われてしまう世界で、欧州からの相談を受けて、日本企業との各種調整を担当し、日本の国際協調の精神と官民の新しい連携のあり方を示すことが出来たという充実感と同時に、エネルギー安全保障における国家政策の重みと責任を改めて痛感させられました。

新しいLNG戦略が必要に -日本政府というチームで難局を乗り越える-

資源エネルギー庁では、エネルギー安定供給をより確実にするため、まさに新しいLNG戦略、政策を日夜議論し、実行に移しています。
この難局を乗り越えるための政策策定にあたり、資源エネルギー庁は言うまでも無く、「日本のために」という志を同じくする関係省庁、そして民間企業の多くの方に支えられていると強く実感します。時に大きなプレッシャーを感じる瞬間も多々ありますが、国家の根幹であるエネルギーを巡る世界的な難局を乗り切るための仕事ほど、やりがいを感じる仕事もないのではないかと思います。この冊子を手に取っている皆さんといつか、経済産業省で、そして何より、日本政府というチームの一員として一緒に働けることを楽しみにしています。

経済産業省Ministry of Economy, Trade and Industry, JAPAN

お問い合わせ先

経済産業省 大臣官房 秘書課 採用担当
E-Mail:bzl-recruit@meti.go.jp
TEL:03-3501-0085
(注記)基本は、メールでのお問い合わせをお願いします。

最終更新日:2023年12月21日

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