地域振興における民間セクター間の連携がイノベーションを促進
伝統的な食文化や農業システムなどの地域資源が、国際的認定制度注1に登録されている山形県鶴岡市、石川県能登地域、熊本県阿蘇地域の3地域において、セクター間の連携構造を可視化注2したところ、鶴岡市と能登地域では行政が、阿蘇地域では自然環境の保全等に携わる環境セクターが他の多くのセクターと連携して活動を推進していることがわかりました(表)。
注. 媒介中心性(betweenness centrality)とは他の組織関係を媒介する程度であり、値が高いほど中心的傾向にある。
阿蘇の環境組織による異分野間連携を通じた多様な活動の事例
注. 中央の赤い四角で囲んだ〇(組織)が、直接的に連携している組織のみを取り出した。
異なる民間セクター間での交流や連携はイノベーションを促すことが知られています。
地域振興には、行政が中心となった連携も効果的ですが、各地域において、多様な連携を行う民間セクター(中心的セクター)はどこなのかを的確に把握し、その民間セクターへの支援を充実させることも効果的です。
阿蘇地域では、環境セクターが、企業と連携して在来種の牛肉製品を販売したり、教育団体と連携してグリーンツーリズムを推進する民間の例が見られ、異分野間連携を通じたイノベーションが起こりつつあります(図)。
注(1) 山形県鶴岡市は国内で唯一ユネスコ食文化創造都市の認定を受けており、能登地域、阿蘇地域はFAOにより世界農業遺産に認定されている。
(2) pajekによる社会ネットワーク分析手法の媒介中心性の概念を用いてセクター間の連携構造を可視化した。
この成果の詳細については、農林水産政策研究所Webサイトをご覧ください(以下参照)。
- 都市住民プロジェクト研究資料 第3号(2020年10月)
https://www.maff.go.jp/primaff/kanko/project/R02tosi3.html
PDF版ダウンロード(PDF:812KB)
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企画広報室広報資料課
ダイヤルイン:03-6737-9012
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