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2.出願から鉱業実施までの流れ

(1)鉱業権設定出願とその処分

鉱業出願

鉱業権を設定するには、まず鉱業権設定出願を行い経済産業大臣または出願区域を管轄する経済産業局長の許可を受けなければなりません。出願は、出願人の住所、氏名に加え、出願区域の所在地、面積、目的とする鉱物の名称を明らかにするとともに、所定の作図方法に従って作成した区域図、及び適切な主体により合理的な資源開発が行われるよう、許可基準(技術的能力及び経理的基礎を有する者であることや、鉱業権の設定を受けようとする者が実施する鉱業が公共の利益の増進に支障を及ぼすおそれがないこと等)に適合することを証明する書類を添付し、引受時刻証明の取扱いとした第一種郵便物によって行うこととされています。

なお、特定鉱物を目的とする鉱物で出願区域の全部又は一部が海域に有る場合は経済産業大臣あて、これ以外の出願は出願区域を管轄する経済産業局長あて出願してください。

鉱業出願の審査

鉱業権設定出願の処分に当たっては、鉱業出願人に具体的な採掘計画、試掘計画や鉱業の実施によって出願地で予想される保健衛生、公共施設や文化財等の施設その他の産業への影響を防止するための具体的な方策等を明らかにさせつつ、許可基準に適合するかなど、慎重に出願の審査を進めます。

また、審査の過程では、出願区域を管轄する都道府県知事(都道府県知事を介して出願区域の市区町村)や出願区域に国有地がある場合は国の行政機関と協議することとされており、出願地の公益や他の権益との調整に努めています。

こうした審査を経て、個別の出願ごとに許可や不許可等の判断を行います。

鉱業出願の優先権

鉱物の鉱業権設定出願は、出願区域について重複する他の出願がある場合、特許に関する出願の場合と同様、出願の日時が最も早い出願が優先権を持つことになります(鉱業出願における先願優先の原則)。

但し、石油、可燃性天然ガス、海底金属鉱物資源等の特定鉱物の鉱業権設定出願は先願主義によらず、国が資源の維持・管理を行いつつ、特定区域制度により、最も適切な開発主体を審査・選定し、鉱業権を付与することになっています。

つまり、異なった鉱床に存在する鉱物を目的とする場合のほかは、一の区域において重複して鉱業権が設定されることはありません。

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(2)鉱業登録と存続期間の延長

鉱業登録

許可を受けた鉱業権設定出願は、所定の期間内に登録免許税を納付し鉱業登録を受けることで、ようやくその効力が発生します。

鉱業権の設定の場合のほか、変更、存続期間の延長、移転、消滅及び処分の制限等についても鉱業登録を受けなければ、その効力は発生せず、第三者に対抗することはできません。

鉱業原簿の公開

国においては、こうして登録した鉱業権や租鉱権を、鉱区の所在する都道府県別に、また採掘権、租鉱権、試掘権の別ごとに「鉱業原簿」として調製し、広く一般に公開しています。

また、鉱業原簿の一部として鉱区図(鉱区の形状を示す多角形、その頂点の座標値や出願当時の地形等を表示した図面)や租鉱原簿も公開しています。

誰でも、鉱業権登録番号(例えば福岡県採掘権登録第しろまるしろまる号)を明らかにして所定の収入印紙を貼った請求書によって請求すれば、鉱業原簿を閲覧、鉱業原簿の謄本の交付を受けることができます。

存続期間の延長

採掘権には権利の存続期間はありませんが、試掘権と租鉱権には権利の存続期間が定められています。存続期間は、試掘権は登録の日から2年(石油、可燃性天然ガスは4年)、租鉱権は登録の日から10年以内です。 ただし、法改正前に登録を受けた「石油」は、2年です。 ((注記)事業未着手等の手続きではありません。)

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(3)施業案の処分、鉱業監督と事業着手義務の徹底

事業着手に当たって

採掘権によって鉱物の掘採・取得を開始しようとするときや、採掘権又は試掘権によって試錐(ボーリング)等による探鉱を開始しようとするときは、あらかじめ鉱山ごとに「施業案」を定め、採掘権にあっては経済産業局長の認可を受けなければなりませんし、試掘権にあっては経済産業局長への届出を行わなければなりません。

そして、事業着手後は、遅滞なく、鉱業事務所設置届を経済産業局長に提出しなければなりません。

なお、事業着手に当たっては、鉱山保安法、自然公園法、森林法、農地法その他鉱業法以外の法令や各種条例によって課された行政手続きや事業用地の使用に関する権利の取得等の手続きが別途必要となりますので注意してください。

施業案

施業案とは、鉱業を実施する上での基本となる事項を定めた事業実施計画です。施業案には、鉱区所在地、目的鉱物等に関する一般的事項のほか、採鉱、探鉱に関する事項、運搬・選鉱・製錬に関する事項、操業上の危害予防に関する事項や鉱業権設定出願の審査の過程で経済産業局長に提出したいわゆる設備設計書に記載した特記事項等を記載することとなっています。

なお、鉱業権者は、施業案によらないで鉱業を行うことは禁止されています。

鉱業監督

経済産業局では、こうした施業案の審査・処分に加え、鉱山での事業が施業案に沿って実施されているかを確認するため、鉱山に出向き現地での監督を併せて行っています。

鉱山における検査・監督は、保安の確保という専門的な観点から産業保安監督部によっても行われます。

鉱業権者の事業着手義務

鉱業権が、鉱物を掘採取得するための権利である以上、権利を保有するのみで活用しないことは許されません。このため、採掘権者や試掘権者には、権利取得後、速やかに事業に着手する義務が課されています。

鉱業課においては、この鉱業権者に課せられた責務の徹底とやむを得ない事情によって期限内に事業に着手できない場合や休止した事業を再開できない場合の事業着手の延期や事業の休止に関する認可業務も行っています。

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本件に関するお問い合わせ先
九州経済産業局 資源エネルギー環境部 資源・燃料課
電話:092-482-5480 FAX:092-482-5394

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