「知財功労賞」の概要

経済産業省特許庁では、毎年、知的財産権制度の発展及び普及・啓発に貢献のあった個人に対して「知的財産権制度関係功労者表彰」、また、制度を有効に活用し円滑な運営・発展に貢献のあった企業等に対して「知的財産権制度活用優良企業等表彰」として、経済産業大臣表彰及び特許庁長官表彰を行っています。両表彰を合わせて、「知財功労賞」と総称しています。

経済産業大臣表彰

東洋ステンレス研磨工業株式会社[福岡県]

ステンレス鋼板の受託研磨加工及び各種金属の受託加工を行っており、自社ブランドの意匠金属商品「MAKO」の製造販売している。従業員30名。資本金35百万円。

(受賞のポイント)

1. 金属研磨に係る受託加工の下請企業だった同社が、デザイン経営を実践していく中で、意匠性と機能性の高いメーカービジネスも両輪で展開することで安定的な経営を構築。代表取締役社長がデザイン責任者となって会社全体をデザインし、すべての商品や技術を「MAKO」ブランドに統一するなど総合的なブランディング戦略を牽引。
2. 「金属素材に意匠性と機能性を与えることで社会に貢献する会社」になるため、企業風土や人材育成にも力を入れる。入社3ヶ月が経つと社員は「金属化粧師(商標登録)」と名乗る。研磨という作業は化粧という創作であることを意識させる。また、入社6ヶ月間は先輩と「金属化粧師への道」と名付けた交換日記を交わすなど、企業コンセプトを全職員が理解し共有する仕組みが浸透。
3. デザイン・開発部門は製造部門と連携し、取引先からのサンプル品の製作を短期間で実施。これにより、開発する技術力、販売力、ニーズを拾う力、提案力を社内で培うとともに、顧客からの信頼も高まると認識。「デザイン金属ライブラリ」(1万セッションのアクセス(月あたり))やメルマガで施工事例を積極的に発信。製品の構造技術は出願し、製法技術はノウハウで管理。

特許庁長官表彰

満丸 浩(みつまる ひろし)氏 [鹿児島県]
学校法人都築教育学園第一工科大学 工学部長・機械システム工学科/教授

(受賞のポイント)

1. 長年にわたり知財学習の取組を行い、全国各地の高等学校・高等専門学校における知財教育を理論及び実践の両面からけん引し、若年層教育に係る知財制度の進展に貢献。
2. 「知的財産教育推進協力校事業」のコーディネーターや「知財力開発校支援事業」の統括アドバイザーとして、知財学習を実施する高等学校・高等専門学校の校長・教員を指導するとともに、知財学習を年間指導計画に導入するなど体制整備を行い、教育機関における知的財産教育の普及・定着の促進に尽力。
3. 「産業財産権教育カリキュラムと指導マニュアル」の編纂に携わると共に、工業高校における知財教育の論文を複数投稿し理論面でも知財学習を探究。

表彰式

本年度の表彰式は以下のとおり行います。
日時:令和6年4月18日(木曜日) 14時00分〜15時15分
場所:赤坂インターシティコンファレンス(東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 4階)

本発表資料のお問合せ先

九州経済産業局 地域経済部産業技術革新課 知的財産室長 中井
担当者:中井、松永、中村
電 話:092-482-5463