九州電力送配電(株)
精算比率の算定方法について 2【各区分の精算比率の算定】
 精算比率とは、「各事業者の月間総発電量に占める、代理で制御した(制御された)電力
量の割合」を示したもので、出力制御の実施方法が異なる以下の分類1〜3毎に算定を行
い、代理制御時の発電料金精算(補填・控除)に用います。
オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)
 精算比率は、国の審議会にて示された考え方に基づき以下のステップで求めます。
[分類1]旧ルール10kW以上500kW未満のオフライン発電所(実際に停止しない発電所)
[分類3]オンライン発電所(実際に停止する発電所)
[分類2]旧ルール500kW以上のオフライン発電所(原則として、実際に停止しない発電所)
ステップ1 各分類(1〜3)毎に月間の総発電量と出力制御量を抽出
ステップ2 各分類毎の設備容量比率に応じて負担すべき出力制御量を算出
ステップ3 ステップ1,2のデータから各区分毎の精算比率を算定
(注記)各ステップの詳細については、次頁以降をご確認ください 3オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)
分類(1〜3)毎に月間の総発電量(A、B、C)と出力制御量の合計(S、T)を
それぞれ抽出します。
[分類1]
オフライン発電所
10〜500kW未満
(設備容量αkW)
[分類2]
オフライン発電所
500kW以上
(設備容量βkW)
[分類3]
オンライン発電所
(設備容量γkW)
月間の総発電量 A(kWh)
月間の総発電量 B(kWh)
月間の総発電量 C(kWh)
月間
出力制御量
S(kWh)(注記)
月間出力制御量 T(kWh)
• 月間の総発電量A、B、Cは、各発電所の電力メータの合計値
• 出力制御量合計S、Tは、当社が把握している出力制御量の月積算値
• 設備容量α、β、γは、当社が把握している太陽光発電所の設備容量データ
(新設、廃止分等を反映)
(注記)オンライン制御時間相当の出力制御量
ステップ1 4オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)
ステップ1で抽出した、月間の出力制御量の合計を分類1〜3の設備容量比率に応じて
配分し、負担すべき出力制御量を算定します。
月間
出力制御量
S(kWh)
月間出力制御量 T(kWh)
• オフライン500kW以上が実制御した出力制御量Sと、オンライン発電所が実制御
した出力制御量Tの合計を、各区分の設備容量(α、β、γ)で配分し、各区
分の負担すべき出力制御量(1)(2)(3)を算出
オフライン
10〜500kW分(1)オフライン
500kW以上分(2)オンライン分(3)設備容量比率α、β、γにて配分
出力制御量の合計
出力制御量の按分
結果
ステップ2 5オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)
[分類1]
オフライン発電所
10kW以上
〜500kW未満
(設備容量αkW)
[分類2]
オフライン発電所
500kW以上
(設備容量βkW)
[分類3]
オンライン発電所
(設備容量γkW)
月間の総発電量 A(kWh)
月間の総発電量 B(kWh)
月間の総発電量 C(kWh)
((2)ーS)×ばつ補正係数
ステップ2で算定した、負担すべき出力制御量、ステップ1で抽出した、実際の出力制御量、
月間総発電量から各区分の精算比率を算定します。
(1)×ばつ補正係数
Tー(3)
さんかく精算比率=(1)×ばつ補正係数/A
さんかく精算比率=((2)ーS)×ばつ補正係数/B
+精算比率=(Tー(3))/C
• オフライン発電所は、オンライン発電所と比較して出力制御時間帯が長くなることから、
その比率を補正係数として考慮し、負担すべき出力制御量を算定します。
ステップ3 6[精算比率の算定例]
(注)あくまでもイメージであり、発電量、出力制御量、精算比率等は実際の数値とは異なる点に留意が必要
オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)
オフライン
10〜500kW未満
オフライン
500kW以上
オンライン
月間の総発電量 2,000万kWh 1,951万kWh 1,000万kWh
月間の出力制御量 ー
20万kWh
オンライン制御時間相当の値であり
実際の出力制御量は48.6万kWh
100万kWh
設備容量 100万kW 100万kW 200万kW
(抽出データ例)
[分類1]
オフライン発電所
10kW以上〜500kW未満
(設備容量100万kW)
[分類2]
オフライン発電所
500kW以上
(設備容量100万kW)
[分類3]
オンライン発電所
(設備容量200万kW)
月間の総発電量 2,000万kWh
月間の総発電量 1,951万kWh
月間の総発電量 1,000万kWh
月間
出力制御量
20(万kWh)(注記)
月間出力制御量 100万kWh
(注記)オンライン制御時間相当の出力制御量
ステップ1 7オンライン発電所 月間出力制御量
100万kWh
• オフライン500kW以上の制御量については、本来、オンラインの設備量が十分であればオンライン
事業者にて制御されるべきであることから、オンラインで制御されたと見なして、オンライン制御を行っ
た場合相当に補正(48.6万kWh→20万kWh(注記))します。
オフライン500kW以上
月間出力制御量(実際の制御量)
(注記)オンライン・オフラインの月間制御量比率で補正
48.6万kWh
オンライン制御時間
相当に補正
(注)あくまでもイメージであり、発電量、出力制御量、精算比率等は実際の数値とは異なる点に留意が必要
・オンライン発電所の月間出力制御量が100万kWh、オフライン500kW以上の月間出力制御量が
48.6万kWhとした場合、月間の出力制御量合計は148.6万kWhとなります。
148.6万kWh
オンライン発電所 月間出力制御量
100万kWh
オフライン500kW以上
月間出力制御量(補正後)
20万kWh
120万kWh
オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)
設備容量あたり月間制御量
➊オンライン2.8kWh/kW
➋オフライン6.8kWh/kW
オフライン500kW以上月間制御量(補正後)=48.6万kWh ×ばつ = 20万kWh
➋ 6.8
➊ 2.8
ステップ2 8オンラインが負担すべき制御量(3)60万kWh
• オンライン事業者とオフライン500kW以上事業者による月間出力制御量120万kWhを、各区分毎に
設備量按分にて負担すべき制御量を算定します。
• オフラインが負担すべき制御量(1)、(2)は、制御時間をオンライン相当(例:10〜14時)で
算定していますが、本来の制御は固定時間(例:8〜16時)となることから、補正係数(オンラインと
オフラインの月間制御量の比率)を用いてオフライン相当で評価します。
設備容量あたり月間制御量
➊オンライン2.8kWh/kW
➋オフライン6.8kWh/kW
30万kWh 30万kWh
オフライン500kW以上が
負担すべき制御量(2)オフライン10kW以上〜500kW未満が
負担すべき制御量(1)(注)あくまでもイメージであり、発電量、出力制御量、精算比率等は実際の数値とは異なる点に留意が必要
オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)(つづき)
オンライン発電所 月間出力制御量
100万kWh 20万kWh
120万kWh
オフライン500kW以上
月間出力制御量(補正後)
設備容量比率(100万kW:100万kW:200万kW)にて配分
出力
時間 時間
出力
10 14 8 16
8時間
4時間
発電量 発電量
需給状況により変動 固定時間
30万kWh ×ばつ =72.9万kWh
➊2.8
➋6.8 91 オフライン事業者(10kW以上〜500kW未満)は、月間総発電量が2,000万kWhだったとすると、
負担すべき制御量30万kWhをオフライン制御相当に補正した72.9万kWhが本来制御されるべき
電力量(代理制御時の発電相当分)となり、精算比率は3.65%となります。この精算比率分を発
電料金から控除します。
オフライン事業者(10kW以上〜500kW未満)
の精算比率 ×ばつ 100 (%)=オフライン10kW以上〜500kW未満が
負担すべき制御量(1)
月間総発電量
本来制御されるべき電力量
(代理制御時の発電相当分については料金を控除)
発電料金対象
2,000万kWh
72.9万kWh
2,000-72.9 ≒ 1,927万kWh
(注)あくまでもイメージであり、発電量、出力制御量、精算比率等は実際の数値とは異なる点に留意が必要
オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)(つづき)
30万kWh
30万kWh ×ばつ =72.9万kWh
➋ 6.8
➊ 2.8
設備容量あたり月間制御量
➊オンライン2.8kWh/kW
➋オフライン6.8kWh/kW
補正係数(オンライン・オフラインの月間制御量比率)で
オフライン制御相当に見直し
オフライン事業者(10kW以上〜500kW未満)
の精算比率 2,000万kWh
30万k×ばつ 100 (%)
= = 3.65%
ステップ3 10代理制御時の発電相当分 24.3万kWh
(料金を控除)
月間総発電量
発電料金対象
1,951万kWh
1,951-24.3=1,927万kWh
オフライン月間制御量
20万kWh(オンライン制御時間相当)
2 オフライン事業者(500kW以上)は、月間総発電量が1,951万kWhだったとすると、負担すべき
制御量30万kWhのうち20万kWhは実際に出力制御を実施しているため、その差分10万kWhを
オフライン制御相当に補正した24.3万kWhが代理制御時の発電相当分となり、精算比率は1.25%
となります。この精算比率分を発電料金から控除します。
オフライン事業者(500kW以上)の
精算比率 月間総発電量
〔負担すべき制御量-月間制御量(オンライン相当)×ばつ 100(%)=(注)あくまでもイメージであり、発電量、出力制御量、精算比率等は実際の数値とは異なる点に留意が必要
オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)(つづき)
30万kWh
オフライン500kW以上が負担すべき制御量(2)
10万k×ばつ =24.3万kWh
➋ 6.8
➊ 2.8
設備容量あたり月間制御量
➊オンライン2.8kWh/kW
➋オフライン6.8kWh/kW
オフライン事業者(500kW以上)の
精算比率 1,951万kWh
(30万kWh-20万kWh)×ばつ 100(%)
= = 1.25%
補正係数でオフライン制御相当に見直し
10万kWh 11オンライン事業者の精算比率 =
月間総発電量 オンライン月間制御量
100万kWh
発電料金対象
1,000万kWh
40万kWh 60万kWh
オンラインが負担すべき制御量(3)3 オンライン事業者は、月間制御量100万kWhに対し、自らが負担すべき制御量が60万kWhとなる
ことから、残りの40万kWhが月間の代理制御調整電力量となり、月間の総発電量が1,000万
k×ばつ 100 (%)
(注)あくまでもイメージであり、発電量、出力制御量、精算比率等は実際の数値とは異なる点に留意が必要
オンライン代理制御の精算方法(精算比率の算定)(つづき)
代理制御調整電力量
(料金を補填)
オンライン事業者の精算比率 = = 4.0%
1,000万kWh
100万kWh-60万k×ばつ 100 (%) 1225万1,520円 = +
〔オンラインFIT太陽光発電事業者〕
N月発電料金 N月発電量に基づく発電料金 N-2月の代理制御の時間帯に発電していたと
みなされる発電量分の料金(精算額)
24万円
<24円/k×ばつ1万kWh>
1万1,520円
<24円/k×ばつ(1.2万k×ばつ4.00%)>
30万3,648円 = -
〔オフライン10kW以上〜500kW未満FIT太陽光発電事業者〕
N月発電料金 N月発電量に基づく発電料金 N-2月に本来出力制御されるはずであった
発電量分の料金(精算額)
32万円
<32円/k×ばつ1万kWh>
1万6,352円
<32円/k×ばつ(1.4万k×ばつ3.65%)>
(注記) オフライン500kW以上事業者で本来制御(現地操作による出力制御)を実施した場合は、本来制御を考慮した精算比率となる
(買取単価32円/kWh、N月発電量1万kWh、N-2月発電量1.4万kWh、オフライン精算比率3.65%のケース)
(買取単価24円/kWh、N月発電量1万kWh、N-2月発電量1.2万kWh、オンライン精算比率4.00%のケース)
(4)精算例(イメージ)
39万3,500円 = -
〔オフライン500kW以上FIT太陽光発電事業者〕
N月発電料金 N月発電量に基づく発電料金 N-2月に本来出力制御されるはずであった
発電量分の料金(精算額)
40万円
<40円/k×ばつ1万kWh>
6,500円
<40円/k×ばつ(1.3万k×ばつ1.25%)>
(買取単価40円/kWh、N月発電量1万kWh、N-2月発電量1.3万kWh、オフライン精算比率1.25%(注記)のケース)
(注)あくまでもイメージであり、発電量、出力制御量、精算比率等は実際の数値とは異なる点に留意が必要
 前スライドまでに算定した精算比率を用いて以下のように精算を行います。
 代理制御調整電力量や精算額は、翌々月の精算時に売電先の電力会社からお知らせします。
オンライン代理制御の精算方法(精算例)

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