(別 紙2)
玄海原子力発電所4号機における重大事故等対処設備の
動作確認期限の超過に係る原因と対策
事象概要
〇発生日
2024 年7月 19 日(金)
〇事象概要
玄海原子力発電所4号機の重大事故等対処設備である大容量空冷式発電機等について、
2024 年6月 24 日に実施した動作確認が保安規定に定める期限(31 日+7日以内で実施)
を4日間超過していたことを確認しました。
このため、7月 19 日 16 時 00 分に運転上の制限(以下、
「LCO」という。
)の逸脱を
判断するとともに、6月 24 日に実施した動作確認の結果に問題がなかったことから、
LCO 逸脱からの復帰も同時に判断しました。
なお、本事象による原子力発電所の安全性及び環境への放射能の影響はありません
でした。
【大容量空冷式発電機等の動作確認の経緯】
・2024 年5月 13 日 大容量空冷式発電機等起動試験(異常なし)
・2024 年6月 20 日 保安規定に定める確認期限
・2024 年6月 24 日 大容量空冷式発電機等起動試験(異常なし)
・2024 年7月 19 日 保安規定に定める確認期限を超過していることを確認
【電源系統図】D/GAディーゼル発電機D/G大容量空冷式発電機(給油ポンプ含む)
4号重大事故等対処用
変圧器受電盤
4号重大事故等対処用
変圧器盤
Bディーゼル発電機
常設電動注入ポンプ
〇調査結果
重大事故等対処設備の動作確認は、月ごとに実施予定日を取り纏めた保守計画を
策定し、保守計画に基づき動作確認を実施しています。調査の結果、本事象の発生の
経緯は以下のとおりです。
・保守計画は、標準的な動作確認日(第3週木曜日)を基に実施する日を決めることと
している。
・6月度の保守計画策定時、大容量空冷式発電機等と同時に動作確認を実施する常設
電動注入ポンプの主管箇所担当者(A)より、
「標準的な動作確認日から日程変更
(4日
後ろ倒し)をしたい」と相談があった。
・大容量空冷式発電機等の主管箇所担当者(B)は、主管箇所担当者(A)からの日程
変更の相談を受け、保安規定に定める動作確認の期限は満足すると思い込み、前月
の動作確認実施日を確認せず、保守計画を策定した。
〇推定原因
調査結果を踏まえ、原因は以下の3点であると推定しました。
・担当者は、保守計画の策定時、動作確認の期限は満足すると思い込み、詳細に
確認しなかった。
・管理職は、保守計画の審査・承認時、担当者が適切に動作確認の期限の確認まで実施
していると考え、自ら動作確認期限に問題ないことを確認しなかった。
・各機器の動作確認日の変更が、LCO を逸脱するリスクがあることの認識が不足して
いた。
〇対 策
推定原因を踏まえ、以下の対策を実施します。
・本事象及び各設備の動作確認日の変更が LCO を逸脱するリスクについて、定期的に
発電所員に教育を実施し、周知徹底を図る。
・担当者は、動作確認期限が LCO として設定されている機器等に係る保守計画の
策定時には、ツールを使用して動作確認の期限を確認するとともに、その結果を
確実に確認できる資料を作成して複数の担当者で確認を行う。
・管理職は、保守計画の審査・承認時において、動作確認日が期限を満足している
ことについて、確実に確認できる資料を用いて、自ら確認を行う。
▼5/13
前月動作確認実施日
▽6/20
標準的な確認日
▼6/24
変更後の実施日
動作確認期限を満足 4日後ろ倒し
今回の動作確認の間隔(動作確認期限を超過)
【計画変更による動作確認期限超過イメージ】
調査結果、推定原因、対策

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