(別 紙1)
玄海原子力発電所4号機における
電動補助給水ポンプ起動失敗に係る原因と対策
事象概要
〇発生日
2024 年5月 27 日(月)
〇事象概要
玄海原子力発電所4号機の電動補助給水ポンプは、第 16 回定期検査中の 2024 年
5月 27 日に実施した非常用電源の機能検査において、
2台のうち1台が自動起動しま
せんでした。
自動起動しなかった要因を確認したところ、電動補助給水ポンプ本体や自動起動の信号
は正常でしたが、
しゃ断器が動作していなかったことから、
要因はしゃ断器にあると
判断し、同日 11 時 50 分に運転上の制限(以下、
「LCO」という。
)の逸脱を判断しました。
その後、しゃ断器を予備のものに取替え、電動補助給水ポンプの機能確認を実施し、
ポンプ及びしゃ断器等の健全性が確認できたことから、同日 14 時 56 分に LCO 逸脱
からの復帰を判断しました。
なお、本事象による原子力発電所の安全性及び環境への放射能の影響はありません
でした。
【玄海原子力発電所 概略系統図】
加圧器
蒸気
制御棒水蒸気発生器水タービンへ
駆動用蒸気
復水ピット
電動補助給水
ポンプ(2台)
燃料
タービン動補助給水ポンプ
【非常用】
【非常用】
原子炉 【通常】
一次冷却材
ポンプ
主給水ポンプ水原子炉格納容器
復水器から
電源
しゃ断器
〇調査結果
しゃ断器は、機器に電力を供給する電路の一部であり、機器点検に際しては安全を
考慮し、電路から機器を切り離し(しゃ断器引き出し操作)
、機器点検を行います。
点検後の機器を使用する際には、しゃ断器の押し込み操作を行って使用できる状態と
します。しゃ断器が正常に押し込まれている状態であれば、しゃ断器盤面のシャッター
は「閉」となります。
事象発生直後、しゃ断器盤面のシャッターが開いていたことを踏まえ、発電所及び
工場において、設備面、操作面で調査を実施した結果、しゃ断器押し込み操作が不足
した際、シャッターが事象発生直後の状態(シャッター「開」
)となることを確認しま
した。
〇推定原因
調査結果からポンプ動作不能の原因は、しゃ断器の押し込み操作が不足(しゃ断器
動作不能)したことによるものと推定しました。
〇対 策
確実なしゃ断器操作を行うため、以下の対策を実施します。
・操作時に使用するチェックシートに、
「シャッター」の状態を確認する項目を追加
・操作後には、しゃ断器盤面にシャッター「閉」の識別表示を掲示
・定期的に実施するしゃ断器の操作訓練において、通常のしゃ断器操作に加えて、
本事象の内容を教育するとともに、訓練の中でしゃ断器押し込み操作不足状態を
再現し、しゃ断器押し込み操作不足状態を認識する訓練内容に変更
調査結果、推定原因、対策
【事象発生直後のしゃ断器盤面】
正常な状態
シャッター「閉」
当該しゃ断器
シャッター「開」
【しゃ断器押し込み操作】
(注記)操作ハンドルを赤矢印の方向に操作すると
しゃ断器は青矢印の方向に移動する。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /