平成28年熊本地震における玄海原子力発電所の安全性について
o 基準地震動策定において、『布田川・日奈久断層帯』は発電所から離れているため、敷地に影響を与えない地震と想定していました。
o 基準地震動は、『布田川・日奈久断層帯』よりも敷地に近く影響が大きい2つの活断層を基に 最大540ガル(Ss-1)を、震源を特定せず策定する地震動
として最大620ガル(Ss-4)を策定しました。
o 原子力発電所は、この基準地震動より十分低い値(170ガル)で、安全に自動停止するしくみを備えています。
o 今回の地震は、『布田川・日奈久断層帯』の一部(マグニチュード7.3)がずれ動いたもので、観測された揺れは、基準地震動及び原子炉自動停止の
設定を大きく下回るものでした。
o 今後、『布田川・日奈久断層帯』の南西部(残り)が動いても、全体よりも規模は小さく、発電所に影響を与えるような揺れにはならないと考えられます。
〔基準地震動策定時の想定と観測記録の比較〕
基準地震動Ss-1
熊本地震・本震(4月16日)
0 100 200 300 400 500 600
170ガル(原子炉自動停止の設定値)700基準地震動Ss-2
基準地震動Ss-3
基準地震動Ss-4
基準地震動Ss-5
2000年鳥取県西部地震を考慮した地震動
2004年北海道留萌支庁南部地震を考慮した地震動Ss-5Ss-4
531 ガル
620 ガルSs-3Ss-2
竹木場断層
城山南断層
竹木場断層
城山南断層
震源を特定せず策定する地震動
基準地震動策定時の想定
524 ガル
約11kmM6.9170 ガル――
268 ガル
約20kmM7.0約11kmM6.9540 ガル
約20kmM7.0断層モデルを
用いた手法
応答スペクトル
に基づく手法Ss-1敷地ごとに震源を特定して策定する地震動 (敷地周辺の活断層を基に策定する地震動)
原子炉自動停止の設定値
観測記録 〔平成28年熊本地震 (布田川・日奈久断層帯の一部)〕
約121km
敷地から
の距離
20.3 ガル
揺れの大きさ
(水平方向)M7.3本震 (2016年4月16日1時25分)
マグニ
チュード
地震の名称等
(ガル)
城山南断層
竹木場断層
〔玄海原子力発電所敷地周辺の活断層〕
布田川・日奈久断層帯
地盤の揺れの大きさも同じこと
・軟弱な地盤は、大きく揺れが増幅し、硬い岩盤では揺れは相対的に小さい。
例えば、
・プラスチック等の軟らかい棒は、よくしなるため、揺れは大きくなる。
・鉄などの硬い棒は、それほどしならないため揺れは大きくならない。
揺れは大きい
プラスチック等の軟らかい棒 鉄などの硬い棒
硬い岩盤
軟らかい地盤
軟弱な地盤
揺れは小さい
軟らかい地盤に
伝わるにつれて
揺れが増幅
o 今回の地震では、4月14日の前震(M6.5)において熊本県益城町で合成最大:1,580ガル(地震最大:南北 760ガル,東西 925ガル,上下 1,399)という
大きな揺れが観測されました。
o この大きな揺れは軟らかい地盤の影響によるものと考えられます。
o 玄海原子力発電所は、大きな揺れになりにくい硬い岩盤上に設置されています。
o 同一地点の地表と地下それぞれに観測点がある熊本県益城町では、軟らかい地盤の地表は最大1,399ガル(上下方向) でしたが、地下の硬い岩盤
の中では127ガル(上下方向)でした。
o また、平成17年3月の福岡県西方沖地震の際には、軟らかい地盤上の唐津市では 最大317ガル(水平方向)の揺れが観測されましたが、硬い岩盤
上の玄海原子力発電所では 85ガル(水平方向)の揺れでした。
地震発生時における玄海原子力発電所と周辺観測点との揺れの大きさの違いについて
〔軟らかい地盤の揺れと硬い岩盤の揺れが異なる理由〕
〔実際の地震における軟らかい地盤と硬い岩盤の揺れの違い〕
平成28年熊本地震・前震
(4月14日M6.5)
益城町観測点6km布田川・日奈久断層帯
震源
軟らかい
地盤
震源
益城町観測点
硬い岩盤
軟らかい
地盤
玄海原子力発電所
震源
唐津市観測点
硬い岩盤
軟らかい
地盤
〔玄海原子力発電所〕:震央距離 40km
85 ガル(水平方向の最大値)
〔地下観測点〕:震央距離 6km
127 ガル(上下方向の最大値)
硬い
岩盤
〔唐津市観測点〕:震央距離 42km
最大 317 ガル(水平方向)
〔地表観測点〕:震央距離 6km
最大 1,399 ガル(上下方向)
(合成最大1,580ガル)
軟らかい
地盤
〔佐賀県北部〕
平成17年3月20日 福岡県西方沖地震(M7.0)
〔熊本県益城町〕
平成28年4月14日 熊本地震・前震(M6.5)
震度7震度5弱

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