川内原子力発電所の特別点検結果について
大容量空冷式発電機 常設電動注入ポンプ モニタリングステーション
全交流電源が喪失した場合に、常設
電動注入ポンプ等に電気を供給でき
る発電機(空気で冷やすため、海水
による冷却が不要)
大容量空冷式発電機からの電気に
より、原子炉や格納容器を冷却す
るため、建屋内に設置されている
ポンプ
制御棒
加圧器
格納容器スプレイ
原子炉格納容器
原子炉圧力容器
蒸気発生器
タービン
発電機
制御棒駆動装置
制御棒位置指示装置
1次冷却材ポンプ
使用済燃料ピット
燃料収納ラック
〔1次系〕
蒸気
2次冷却材(水)
海水
復水器
燃料
燃料を収納している
鋼鉄製の容器
制御棒を原子炉圧力容器に
出し入れする装置
制御棒の位置を示す装置
1次冷却材を沸騰させないように、原子炉圧力容器
を含む1次冷却系内部の圧力を制御する装置
高温・高圧の1次冷却材から熱を取り出し、
その熱によって2次冷却材を加熱し、蒸気
をつくってタービンに送り出す装置
原子炉に1次冷却材(水)を送り込むポンプ
事故時に、格納容器を冷却・減圧するため、
格納容器上部から水を降らせる装置
燃料集合体
燃料取扱建屋
貫通部
原子炉停止用地震計 (1、2 号それぞれに設置)
大きな地震が発生した場合に、地震を感知して原子炉を
安全に停止する地震計。
岩盤上に6台と建屋1階に3台の合計9台を設置しています。
広報用地震計 (1、2 号共用)
発電所で観測した地震データを公表するための地震計。
発電所敷地表面に1台、原子炉停止用地震計傍に
各1台の合計3台を設置しています。
〜 用 語 解 説 〜
特別点検を実施した設備の例
〔2次系〕
1次冷却材(水)
当社は、鹿児島県知事の要請を受け、
平成 28 年 4 月に発生した熊本地震による
影響を確認するために、川内原子力発電所の特別点検を行い、
異常がないことを確認しました。
この結果については、
鹿児島県原子力安全・避難計画等防災専門委員会へ報告し、
ご了承いただきました。
今回の特別点検は、今後の地震発生に備えるという観点からも
更なる安全性向上につながるものと考えます。
空気中の放射線量等を計測するため、
発電所の周辺に設置されている放射
線監視施設
(1号機) 平成28年 9月27日〜平成28年12月11日
(2号機) 平成28年11月25日〜平成29年 2月26日
実施期間
定期検査とは別に、原子力発電所の施設・設備等が地震による揺れの影響
を受けていないかという視点で、目視確認や作動試験等を行いました。
実施目的
燃料の燃え方を調節し、出力の調整を行う設備
(異常が発生すると、この制御棒が自動的に挿
入され、原子炉が停止します)
配管の支持装置点検の様子
川内原子力発電所(加圧水型:PWR)の系統図
使用済燃料を冷却するためのプール
[凡例]
くろまる 原子炉停止用地震計
しろまる 広報用地震計
[凡例]
【数字】
:関係する点検項目番号
(注記)9通信機器については記載なし・・・【1】・・・【1】
・・・
【1】
【6】・・・【1】・・・【1】・・・【1】・・・【3】・・・【2】・・・【2】・・・【1】・・・【7】・・・【7】・・・【8】 ・・・
【8】 ・・・
【10】
格納容器スプレイポンプ
格納容器スプレイに水を送るポンプ・・・【5】
低レベル放射性廃棄物保管容器 ・・・
【4】
低レベル放射性廃棄物を
保管する容器 保管庫
今回実施した点検項目(設備)と主な実施内容
1 原子炉圧力容器
4 低レベル放射性廃棄物保管容器の固縛状態
5 ポンプ等基礎ボルト及び配管支持装置
6 原子炉の安全確保の機能を持つ設備
7 原子炉停止用地震計等
8 非常用電源装置や給水装置などのバックアップ設備
10 モニタリングステーション・ポスト
9 緊急時の通信に使用する通信機器
当社は、平成28年12月〜平成29年6月において開催された県原子力安全・避難計画等防災専門委員会に出席し、今回の特別点検や定期検査結果等の説明や委員からのご質問に対する回答を行ってまいりました。
また、この専門委員会において、技術的・専門的見地から、原子力発電所の安全性向上に関する貴重なご意見・ご助言をいただいております。
当社は、同専門委員会での議論や貴重なご意見を踏まえながら、原子力発電所の更なる安全性、信頼性の向上に取り組むとともに、今後ともフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション活動を通じて、鹿児島県民の皆さまの
不安の更なる軽減に向けた取組みを進めてまいります。
・ 原子炉圧力容器内において、部品等の落下や構造物の変形がないことを確認
・ 制御棒駆動装置及び制御棒位置指示装置のケーブル接続部
(1、2 号機各 240 箇所)に変形・割れがないことを確認
・ 原子炉圧力容器(1、2 号機各 1 基)、蒸気発生器(1、2 号機各 3 基)、
一次冷却材ポンプ(1、2 号機各 3 台)、加圧器(1、2 号機各 1 基)の支持構造物
全体について有害な欠陥がないこと等を確認
・ 格納容器スプレイ配管が支持装置(1 号機 497 箇所、2 号機 499 箇所)から
外れていないこと、また、支持装置に変形・割れがないことを確認
・ 格納容器の貫通部(1 号機 179 箇所、2 号機 192 箇所)に変形・割れがない
ことを確認
・ 使用済燃料ピット内の収納ラック(1 号機 1,876 箇所、2 号機 1,361 箇所)の
形状に変形・割れがないことを確認
・ 使用済燃料ピットポンプ(1、2 号機各 3 台)、冷却器(1、2 号機各 3 基)の基礎
ボルト及び冷却系統の配管の支持装置(1 号機 219 箇所、2 号機 209 箇所)
について、有害な欠陥がないこと等を確認
・ 新燃料収納ラック(1、2 号機各 128 箇所)について、変形・割れがないことを確認
・ 最上段の低レベル放射性廃棄物保管容器が、ベルトによって固縛(1,390 箇所)
され、転倒防止状態が維持されていることを確認
・ 安全上重要な設備のポンプやファン(1 号機 45 台、2 号機 43 台)の基礎ボルトに
緩みがないこと等を確認
・ 配管支持装置(1 号機 5,145 箇所、2 号機 5,746 箇所)について、
有害な欠陥がないこと等を確認
・ 制御棒駆動装置や非常用ディーゼル発電機等、原子炉の安全確保機能
を持つ設備の作動試験(1、2 号機各 31 項目)を行い、各設備の運転状態
(振動、異音等)等に異常がないことを確認
・ 原子炉停止用地震計(1、2 号機各 9 台)について、原子炉を停止させる
回路へ信号を発信することを確認
・ 広報用地震計(3 台)について、異常がないこと及び震度情報を伝送する
ことを確認
・ 大容量空冷式発電機や常設電動注入ポンプ並びにその他可搬の重大
事故等対処設備(注記)
(1 号機 254 台、2 号機 43 台)について、作動試験
にて運転状態(振動、異音等)等に異常がないこと、
または変形・割れ等がないことを確認
(注記)共用設備は 1 号機特別点検にて実施しており台数に差が生じている
・ 重大事故等の緊急時に、社内及び国、自治体などの関係機関へ迅速かつ
確実に連絡するための通信機器(注記)
(1号機 1,459 台、2 号機 160 台)の通話
及び通信状態等に異常がないことを確認
(注記)1,2号機共用設備は 1 号機特別点検にて実施しており台数に差が生じている
・ 発電所敷地境界付近の放射線量を測定するモニタリングステーション及び
モニタリングポスト(6 台)について、ネジの緩みや破損等がないこと、適切な
線量が計測されることを確認
3 使用済燃料ピット
2 格納容器
ポンプの基礎ボルト点検
保管容器の固縛状態点検
使用済燃料ピットラックセル点検(水中カメラ)
格納容器貫通部点検
原子炉圧力容器内の点検(水中カメラ) 非常用ディーゼル発電機の作動試験
原子炉停止用地震計の点検
常設電動注入ポンプ点検
緊急用通信機器の点検
モニタリングステーション点検
【各委員からの主なご意見等】
しかく 特別点検の実施項目がどのような視点で選択されたのか、この点検結果が安全性の向上にどのようにつながるのか、一般の方々にもわかりやすい説明をすることが重要である
しかく 地震に関し、熊本地震について検証し、新たな知見の有無や基準地震動対策に反映させるべきことがないかなど、分析結果を報告していただきたい

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