玄海原子力発電所の安全性の点検について
平成29年8月24日
九州電力株式会社
参考資料
1.実施体制の構築など 1
○しろまる社長をトップとし、関係本部長以下、安全・品質保証部長を総括責任者とした全
社を挙げた体制を構築。
○しろまるこの体制の下、本店から発電所へ派遣する社員及びプラントメーカ等の専門家か
らなる特別点検チームを編成。
○しろまる発電所管理職の管理のもと発電所員、協力会社社員が点検を実施し、プラント
メーカ等が専門的な視点で助言・確認。
○しろまる8月28日より特別点検(次頁参照)を開始予定。
2.特別点検実施項目 2
○しろまる以下の特別点検を実施
1 総合設備点検
2 原子炉容器の点検
3 格納容器の点検
4 使用済燃料ピットの点検
5 低レベル放射性廃棄物保管容器の固縛状態の点検
6 ポンプ等基礎ボルト及び配管支持装置の点検
7 原子炉の安全確保の機能を持つ設備の作動試験
8 原子炉停止用地震計等の点検
9 非常用電源装置や給水装置などのバックアップ設備の点検又は作動試験
10 緊急時の通信に使用する通信機器の点検及び機能確認
11 モニタリングステーション・ポストの点検
12 玄海原子力発電所の特性を考慮した点検
3.1総合設備点検 3
○しろまる入念かつ十分な確認を行うため、1次系設備、2次系設備及び建物等の設備全般
について、以下に示すとおり目視確認又は記録確認を実施。
・運転している機器について、振動、異音及び異臭の有無など。
・配管接続部からの漏洩の有無など。
・建物等について、コンクリート構造物の有意なひび割れなど。
コンクリート構造物点検
運転中機器の点検
3.2原子炉容器の点検 4
原子炉容器について、以下に示すとおり入念に点検し、異常がないことを確認。
○しろまる原子炉容器内の点検
・脱落した部品など異物が原子炉容器の底部に落ちていないか、原子炉容器炉内
構造物(炉心バッフル取付板、下部炉心板及び炉心バッフル)の変形がないか、
水中カメラを投入し、カメラ撮影映像にて確認。
・炉心バッフルについては、今回、点検時期を繰り上げ、入念に点検。
原子炉圧力容器内点検(水中カメラ投入) 原子炉圧力容器内点検(撮影映像確認)
3.2原子炉容器の点検 5
○しろまる制御棒駆動装置及び制御棒位置指示装置のコネクタの点検
・通常の点検では、ケーブルとコネクタを組み合わせた抵抗測定等の点検を実施
しているコネクタ部について、変形、割れがないことを記録確認。
制御棒駆動装置、制御棒位置指示装置ケーブルコネクタ部点検
3.2原子炉容器の点検 6
○しろまる支持構造物の点検
・原子炉容器、蒸気発生器、1次冷却材ポンプ及び加圧器の支持構造物全体につ
いて、外観上の有害な欠陥の有無などを目視確認又は記録確認。
・原子炉容器、蒸気発生器、1次冷却材ポンプ、加圧器の支持構造物の点検は、
今回、点検時期を繰り上げ、入念に点検。
蒸気発生器支持構造物点検 1次冷却材ポンプ支持構造物点検
3.3格納容器の点検 7
格納容器について、以下に示すとおり入念に点検し、異常がないことを記録確認。
○しろまる格納容器スプレイ配管の点検
・格納容器スプレイ配管が支持装置から外れていないこと。
・支持装置に変形、割れがないこと。
○しろまる格納容器貫通部の点検
・格納容器貫通部に変形、割れがないこと。
格納容器スプレイ配管点検 格納容器貫通部点検
3.4使用済燃料ピットの点検 8
使用済燃料を保管している使用済燃料ピットと新燃料を保管している新燃料貯蔵
庫について、入念に点検し、異常がないことを確認。
○しろまる使用済燃料ピットラックセルの点検
・使用済燃料ピットラックセル、及び建物と使用済燃料ラックセルを接続してい
る連接板について、水中カメラを投入し、カメラ撮影映像にて変形、割れがな
いことを確認。
使用済燃料ピットラックセル点検(水中カメラ投入) 使用済燃料ピットラックセル点検(撮影映像確認)
3.4使用済燃料ピットの点検 9
○しろまる使用済燃料ピット冷却系統の点検
使用済燃料ピット冷却系統の配管、ポンプ等の支持装置について、以下に示
すとおり目視確認又は記録確認。
・使用済燃料ピットポンプ、冷却器の基礎ボルトについて、テストハンマを使用し
たハンマリングによりボルト類の締め付けが確実で緩んでいないことなど。
・使用済燃料ピット冷却系統の配管の支持装置について、外観上の有害な欠陥
の有無など。
基礎ボルト点検 支持装置点検
3.4使用済燃料ピットの点検 10
○しろまる新燃料貯蔵庫ラックの点検
・新燃料貯蔵庫ラック及び、建物と新燃料貯蔵庫ラックを接続している連接板に
ついて、変形、割れがないことを記録確認。
新燃料貯蔵庫ラック点検
3.5低レベル放射性廃棄物保管容器の固縛状態の点検 11
固体廃棄物貯蔵庫に保管している低レベル放射性廃棄物保管容器(ドラム缶)の
うち、最上段のドラム缶について、ベルトによって固縛され、転倒を防止できる状
態が維持されていることを記録確認。
低レベル放射性廃棄物保管容器(ドラム缶)の固縛状態点検123.6ポンプ等基礎ボルト及び配管支持装置の点検
原子炉の安全上重要なポンプ等の基礎ボルトや配管支持装置について、以下に
示すとおり目視確認又は記録確認。
・ポンプ等の基礎ボルトについて、テストハンマを使用したハンマリングにより
ボルト類の締め付けが確実で緩んでいないことなど。
・配管支持装置について、外観上の有害な欠陥の有無など。
ポンプの基礎ボルト点検 配管の支持装置点検
3.7原子炉の安全確保の機能を持つ設備の作動試験 13
安全確保の機能を持つ設備について、各設備の運転状態(振動、異音、異臭の
有無及びパラメータ指示値が適切であること)の確認や配管接続部からの漏洩の
有無を目視確認。
非常用ディーゼル発電機作動試験 電動補助給水ポンプ作動試験
3.8原子炉停止用地震計等の点検 14
○しろまる原子炉停止用地震計の点検
・原子炉停止用地震計について、テスト信号により、原子炉を停止させる回路
へ信号を発信することを記録確認。
○しろまる安全上重要な計装機器の点検
・原子炉停止用地震計の信号を受けた原子炉保護装置について、テスト信号に
より、原子炉停止信号を発信することを記録確認。
○しろまる広報用地震計の点検
・広報用地震計について、テスト信号により、異常がないこと及び震度情報を
表示することを記録確認。
原子炉停止用地震計点検 広報用地震計点検
3.9非常用電源装置や給水装置などのバックアップ設備の点検又は作動試験 15
非常用電源装置である大容量空冷式発電機及び給水装置である常設電動注入ポン
プ、並びにその他可搬設備について、作動試験にて振動、異音、異臭の有無又は外
観点検にて変形、割れがないことを記録確認。
バックアップ設備点検(移動式大容量ポンプ車) バックアップ設備点検(常設電動注入ポンプ)
3.10緊急時の通信に使用する通信機器の点検及び機能確認 16
通信連絡設備全てについて点検し、正常に機能していることを、以下に示すとお
り記録確認。
・通信機器の外観点検や、通話及び通信の状態を記録確認。
・ディジタル無線ページング装置の子機通話試験及び非常用サイレンの実動作試験
を記録確認。
通信機器点検(通話装置) 通信機器点検(代替緊急時対策所)
3.11モニタリングステーション・ポストの点検 17
モニタリングステーション・モニタリングポストについて、各部のネジの緩みが
ないことなどを確認するとともに、検出器に標準線源を照射することにより、当該
装置が適切な線量を示すことを記録確認。
モニタリングステーション点検
3.12玄海原子力発電所の特性を考慮した点検 18
○しろまるプレストレストコンクリート製格納容器の点検
・プレストレストコンクリート製格納容器(PCCV)について、テンドン
(PC鋼材)の定着部を保護するグリースキャップに変形がないことを目視
確認。
○しろまるMOX燃料保管状況の点検
・玄海3号機の使用済燃料ピットに配置しているMOX燃料について、水中カ
メラを投入し、カメラ撮影映像にて指定された箇所に適切に保管されている
ことを確認。
プレストレストコンクリート製格納容器点検 MOX燃料保管状況点検
3.12玄海原子力発電所の特性を考慮した点検 19
○しろまる復水ピット・燃料取替用水ピットの点検
・玄海4号機の復水ピット及び燃料取替用水ピットについて、外観上の有意な
欠陥の有無を目視確認。
○しろまる重大事故等対処設備保管庫の点検
・屋外に設置している重大事故等対処設備保管庫について、外観上の有意な欠
陥の有無を目視確認。
○しろまる警備施設の点検
・警備施設(侵入防止柵、センサー、監視カメラ及び海域レーダ )について、
外観上の有害な欠陥の有無を目視確認。
復水ピット点検 重大事故等対処設備保管庫点検
4.特別点検の実施に向けて 20
当社は、玄海原子力発電所3/4号機において、今後の地震に備
える観点から、社長をトップとし、関係本部長以下、安全・品質
保証部長を総括責任者とした全社を挙げた体制を構築し、玄海原
子力発電所の特性も踏まえた入念な確認を行う特別点検を実施し、
地域住民の皆さまの更なる安心に繋げていきます。