九州電力グループ中期経営方針

〔平成27〜31年度〕
平 成 2 7 年 4 月
九 州 電 力 株 式 会 社
「日本一のエネルギーサービス」を提供する企業グループ
〜やっぱり!エネルギーは九電グループ〜 1目 次
1 はじめに
2 長期的に目指す姿
3 重点的な取組み 21 はじめに
o 当社はこれまで、低廉で良質なエネルギーをお客さまへ安定してお届けすること
を通じて、お客さまの生活や経済活動を支え、九州とともに成長を続けてきた。
o 近年では、平成25年4月に中期経営方針〔平成25〜27年度〕を策定し、原子力発
電所の全基停止に伴う厳しい収支・財務状況、需給状況下で、経営効率化、原子
力発電所再稼働への取組み、需給対策、信頼向上の取組みを推進してきた。
o 一方、外部環境に目を向けると、平成28年には電力システム改革に伴う小売全面
自由化が予定されており、今後、本格的な競争時代を迎えることになる。
o こうした競争環境下においても、「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランド
メッセージとする「九州電力の思い」を実現し、お客さまから信頼され、選ばれ
続けるためには、九電グループ一体となった変革を加速させていく必要があるこ
とから、今回、平成27〜31年度の5か年を対象とする新たな中期経営方針を策定
した。
(注記) 今後の事業展開にあたっては、グループ各社が自立を基本としつつも、これまで以上
にグループ一体となって取り組む必要があることから、これまでの「九州電力 中期経
営方針」を改め、「九州電力グループ 中期経営方針」として策定した。
(注記) 定量的な財務目標については、現在、新規制基準に係る適合性審査を申請している全
ての原子力発電所(川内原子力発電所1、2号機、玄海原子力発電所3、4号機)の
再稼働時期の見通しが立った時点で改めて検討する。 3o 世界の人口やエネルギー需要は増加、日本の人口やエネルギー需要は減少
傾向
o 電力・ガスの小売全面自由化を見据え、業界の垣根を越えた連携・競合が
本格化
o 再生可能エネルギーは固定価格買取制度導入により急激に普及
o 原子力は引き続きエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベース
ロード電源と位置づけられる一方、使用済燃料、原子力損害賠償制度、規
制リスクなど不確実性が存在
o 化石燃料は非在来型資源活用への期待が高まる
(参考)事業環境の認識 4(1)2030年のありたい姿
2 長期的に目指す姿
従業員一人ひとりが、それぞれの持ち場でリーダーシップを発揮し、
「日本一のエネルギーサービス」を提供する企業グループを目指す
「日本一のエネルギーサービス」を提供する企業グループ
〜やっぱり!エネルギーは九電グループ〜
「日本一のエネルギーサービス」を提供する企業グループ
〜やっぱり!エネルギーは九電グループ〜
o 今後の競争環境においても、お客さまから信頼され、選ばれ続けるためには、こ
れまでどおり安定供給への使命や情熱を持ち続けることに加え、総括原価的な発
想から脱却し、効率性とサービス向上を追求していくことが必要である。
o 将来を見据えて、高い目標を掲げ、グループ一体となって事業活動に取り組み、
持続的な企業価値の向上を目指す。 5o 競争環境をポジティブに捉えるチャレンジ意欲の高い従業員
の集団をつくる。
o グループ内のコミュニケーションを活性化させ、日本一活力
があり結束力のある企業グループを目指す。
o 各分野で培ってきた強みを活用・伸張し、この分野において
は日本一と自負できる技術力を身に付ける。
(例:発電所の運転、地熱開発、非常災害対応等)
o 日々の絶え間ない業務改善・改革により、日本一の生産性を
目指す。
o 電気だけでなくガス等を含めたサービスの多様化、他社のど
こにも負けないお客さま本位、スピード経営の実践により、
顧客満足度日本一を目指す。
考 え 方
組織力
競争力
サービス力
2 長期的に目指す姿 62 長期的に目指す姿
理念の実現
重点的に経営資源を配分し、
新たな価値を創出
(2)戦略を考える上での視点
o ありたい姿に向け、以下の視点から中長期の戦略を検討。
理念「九州電力の思い」の実現
市場の魅力度(市場の成長性や競争状況)
競争優位性(九電グループの強みの活用・伸長、事業間のシナジーの発揮)
<イメージ>
市場の魅力度 競争優位性 7(3)ありたい姿に向けた3つの戦略の柱
I 基盤である九州において、「電気をお届けする」会社から「エネルギーサー
ビスを提供する」企業グループとなり、お客さまのエネルギーに関する様々
な思いにお応えし、地域・社会とともに発展していく
II 九電グループが培ってきた強みを活かして、海外エネルギー事業、九州域外
エネルギー事業、再生可能エネルギー事業で成長していく
III 戦略実行に必要な組織力を強化し、強固な事業基盤を築く事業活動をアジア、世界へ広げる九州が全ての基盤成長分野における事業展開
九州内のエネルギーサービス事業
電気、ガス、分散型、省エネ など
変革や成長に関する
組織能力、新たな収益
海外エネルギー事業 域外エネルギー事業
強みの活用、
経営資源の投入 成長の好循環IIIIII未来の事業未来の事業常に追求し続ける
再生可能エネルギー事業
2 長期的に目指す姿強固な事業基盤 8
海外発電事業持分出力 150万kW 500万kW
(現状+350万kW)
九州域外電源開発量 - 200万kW
(現状+200万kW)
(4) 成長のロードマップ
新中期経営方針
(平成27〜31年度)2014(H26)2015(H27)2016(H28)2017(H29)2018(H30)2019(H31)2020(H32)2021(H33)2022(H34)2023(H35)2024(H36)2025(H37)2026(H38)2027(H39)2028(H40)2029(H41)2030(H42)
次期中期経営方針 次々期中期経営方針
現行
方針
達成
達成
取組みの加速
取組みの加速
「ありたい姿」の実現
「ありたい姿」の実現
成長に向けた
成長に向けた
取組み
取組み
2 長期的に目指す姿2030(H42)
現状
〔成長事業の目標〕
現状
現状
(注記):[内訳] 国内外で、地熱+80万kW、水力+20万kW、風力+110万kW、その他+40万kW
再生可能エネルギー開発量 400万kW
(現状+250万kW(注記))
150万kW 9海外・九州域外電気事業
(再エネ事業を含む)
「電気をお届けする」会社
(現在)
電気事業 ガス事業等九州エリア内海外・九州域外海外・九州域外
エネルギーサービス事業(注記)1
進化
エネルギーサービス事業
(注記)1:海外・九州域外については、当面は強みである「高い保守運用技術」を発揮可能な電気事業を中心に
展開するが、エネルギーサービス事業についても可能なものから実施する
(注記)2:エネルギーサービス事業との関係性やシナジーを勘案する
強みを活かして
成長分野へ進出
(5)事業領域拡大のイメージ
「エネルギーサービスを
提供する」企業グループ
燃料
トレーディング
ガス事業 ESP事業
社会・生活
サービス事業(注記)2
2 長期的に目指す姿EEnergy
nergySService
ervicePProvider
rovider 103 重点的な取組み
4 安全・安心の追求
柱 重点的な取組み
I 九州のお客さまの
エネルギーに関す
る様々な思いにお
応えする
1「多様なエネルギーサービス」の提供による九電ファンの拡大
2 電源の競争力と燃料調達力の強化
3 送配電ネットワーク技術の向上と活用
II 九電グループの強
みを活かして、成
長市場で発展して
いく
1 海外電気事業の強化
2 九州域外における電気事業の展開
3 再生可能エネルギー事業の拡大
III 強固な事業基盤を
築く
1 変革・挑戦する人づくり
2 スピード感をもって変化に対応できる組織づくり
3 九電グループ一体となった財務基盤・競争力強化
5 CSR(企業の社会的責任)経営の徹底
o 長期的に目指す姿の達成に向けた、足元5か年における重点的な取組み 111 「多様なエネルギーサービス」の提供による九電ファンの拡大
〔エネルギーに関するワンストップサービス(法人お客さま)〕
o 当社小売部門へエネルギーに関する営業を一元化し、エネルギーに関する様
々なサービスの最適な組合せをワンストップで一括提案する。
〔お客さまの生活に密着したサービス(一般家庭お客さま)〕
o お客さまのライフスタイルに合わせたメニュー・サービスを提案し、「楽し
さや感動」を提供する。
〔ガス事業〕
o これまでの卸供給に加え、エネルギーサービスの一環として小売事業に本格
参入する。
〔お客さまニーズの反映〕
o 事業活動を通じて、幅広くお客さまの声を収集し、サービスの向上や新たな
サービスにつなげる。
o エネルギーサービス事業との関係性やシナジーを踏まえ、社会・生活サービ
ス事業を再構築する。
I 九州のお客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えする
九電グループの基盤である九州のお客さまのエネルギーに関する様々な思いに
お応えし、地域・社会とともに発展していく 12I 九州のお客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えする
2 電源の競争力と燃料調達力の強化
o 全面自由化を見据え、競争力と安定性を備えた電源を確保する。
o 様々な環境変化に伴い電源の強み・弱みが変化しても、柔軟に対応できるよ
う競争力を確保し、原子力、石炭、LNGおよび水力・地熱等の再生可能エ
ネルギーをバランスよく保有する。
o 原子力については、福島第一のような事故は決して起こさないという固い決
意のもと、安全性・信頼性の向上に継続的に取り組み、エネルギーセキュリ
ティ、地球温暖化防止、経済的な電力供給に有効な電源として活用する。
o 燃料トレーディングの導入、上流権益投資の推進をはじめとする燃料バリュー
チェーン全域への取組みを強化し、燃料調達の競争力と柔軟性を高める。
o 燃料調整、電力取引、需給運用の自社需給関連機能を一体的に運用すること
で調整能力を高め、グループとしての利益最大化を図る。 13I 九州のお客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えする
3 送配電ネットワーク技術の向上と活用
o 九州の産業・生活を支える電力を安定的に低コストでお届けするため、電力
システムの安定運用や送配電設備の着実な保全を実施する。
o 技術力の向上、現場の創意工夫により「電力品質の維持」と「コスト削減」
の両立を実現する。
o 透明かつ中立的な事業運営のもと、ネットワーク強化を進める。また、再生
可能エネルギーの普及やスマートコミュニティの実現に貢献する。
o 送配電事業で培った技術・ノウハウを、成長分野の事業展開に活用する。
o 九州全域に面的に設備を保有する企業として、設備の形成や運用等の事業活
動を通じて、九州の持続的な発展、成長へ寄与する。 141 海外電気事業の強化 〔2030年の発電事業持分出力目標:500万kW(現状+350万kW)〕
o 市場の成長性が高いアジアを中心に、IPP事業を拡大する。
o IPP事業や海外コンサルティングを通じ、電力の低廉かつ安定的な供給とい
った課題解決や人材育成など、国際社会への貢献を図る。
o 将来の事業領域拡大を目指す。
2 九州域外における電気事業の展開 〔2030年の域外電源開発量目標:200万kW(現状+200万kW)〕
o 他社とのアライアンス等により、九州域外に自社電源を開発する。
o 電源開発までの期間における小売供給については、九州域内からの送電に加え、
取引所等を活用し、供給力を確保する。
3 再生可能エネルギー事業の拡大 〔2030年の開発量目標:400万kW(現状+250万kW)〕
o 再生可能エネルギーに関するお客さまの様々なニーズにワンストップでお応えする。
o 今後の政策動向や技術革新を見据え、リスク分散、ポートフォリオ構築を図る。
o 九州内で培ったノウハウを活かし、域外および海外へ事業を拡大する。
II 九電グループの強みを活かして、成長市場で発展していく
これまで国内外で蓄積した技術・ノウハウを活かし、アジアを中心に海外電気
事業を行う
お客さまのニーズにお応えするため、九州域外における電気事業に取り組む
世界的に成長市場である再生可能エネルギー事業について、安定供給や環境性
等を考慮しながら、国内外で積極的に展開する 15III 強固な事業基盤を築く
戦略実行に必要となる、人と組織づくりを強化する
九電グループ一体となって財務基盤・競争力を強化する
お客さまや地域・社会からの信頼を強固にするため、CSR(企業の社会的責
任)経営を徹底する
1 変革・挑戦する人づくり
o 「安定供給」の使命感に加え、「『九州電力の思い』の実現を通して、社会
に貢献する」というマインドセットを九電グループ全体で共有する。
o 新たな競争の時代を迎える中、時代の変化を前向きに捉え、挑戦する意識を
醸成する。
o 大きな環境変化の中で、情熱を持って変革をリードする人材を育成・登用する。
o 創意工夫を凝らし、業務の改善・改革を実践できる人材を育成する。
2 スピード感をもって変化に対応できる組織づくり
o 迅速性、柔軟性を備えた組織・業務運営体制を構築する。
o 情報通信技術(ICT)を活用し、業務運営の効率化や、組織の枠を越えたコ
ミュニケーションの活性化・協働を推進する。
o 「電気事業中心」から「九電グループによるエネルギーサービス事業」にシ
フトするためのグループの経営機能を具体化する。 16III 強固な事業基盤を築く
3 九電グループ一体となった財務基盤・競争力強化
o 事業活動全般にわたり、徹底した効率化に努め、原価低減に向けて持続的に取
組む。
o 収益力を高め、財務基盤を回復する。
o 競争優位性構築に向けた技術開発を推進する。
o 九電グループがこれまで培ってきた技術力・スキルを維持・継承する。
4 安全・安心の追求
o 全ての事業活動の基本として、安全・安心を最優先する。
o 原子力については、安全への取組みに終わりがないことを強く自覚し、経営
トップの強いリーダーシップのもと、リスクマネジメントの強化を図るととも
に、原子力のリスク低減に向けた活動を進めていく。また、地域の皆さまとの
フェイス・トゥ・フェイスの対話活動を進め、皆さまの声を事業運営に反映する。
5 CSR(企業の社会的責任)経営の徹底
o 環境にやさしい企業グループを目指し、地球環境の保全や地域環境との共生へ
の取組みを展開する。
o 法令遵守はもとより、社会から信頼される行動を通した誠実かつ公正な事業運
営を徹底する。
o 社会とのコミュニケーションを強化し、いただいた声を事業運営に的確に反映する
とともに、迅速でわかりやすい情報公開を行い、事業活動の透明性を高める。
o ボランティア活動など、地域の皆さまとの協働を通じて、社会的課題の解決に
貢献し、ともに発展する。
o 人権を尊重し、多様な人材が最大限の能力を発揮できる働きやすい職場環境を
つくる。
〒810-8720
福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号
(092)761-3031(代表)
ホームページアドレス http://www.kyuden.co.jp

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