〜九州をむすび、
未来へつなぐ〜
2020年4月に九州電力送配電が誕生しました。
送電線
災害対応
地域共生活動
(街路灯清掃)コミ
ュニケーション活動
(出前授業)
変電所 配電線 内燃力発電所
(離島)
(私たちの事業概要と目指す姿)
はじめ に
私たちは、これまで、九州電力株式会社の送配電部門として「九州のすべてのお
客さまに低廉で良質な電気を安定的にお届けする」という使命を担い、お客さまの
生活や経済活動を支えてまいりました。
九州においては、
「台風などの自然災害を受けやすい」
「離島が多い」といった地理的特
徴に加え、近年では再生可能エネルギーが急拡大しています。そのような中、私た
ちは技術の研鑽を重ねるとともに、災害に強い送配電ネッ
トワークの構築やその運用
の改善に努めてきました。
今回、
2020 年 4月、
法的分離の実施により、
九州電力送配電株式会社として、新た
なスタートを切りました。
昨今、人口減少や少子高齢化社会の進行、地域間格差の拡大など、様々な社会的課
題が深刻化しています。加えて、自然災害の激甚化など、これまでに経験したことが
ない大きな環境の変化が起こっています。
また送配電事業においては、高度経済成長期に建設された設備の高経年化への対応
が必要な一方で、太陽光発電・EV
・蓄電池などの多様化する分散型エネルギーの更な
る活用などの社会的要請が顕在化しつつあります。
このような環境変化の中でも、これまで培ってきた技術や経験を活かして安定供給
を持続していくことはもとより、送配電ネッ
トワークの更なる高度化や新たな取組みへ
挑戦することにより、地域・社会に新たなサービス・価値を提供していくという意思
を込めて、この事業概要を策定しました。
私たちは九電グループの一員として、
「事業運営の公平性・透明性・中立性を確保し、
ネッ
トワークを利用するすべてのお客さまが満足する低廉で良質な電気を安定的にお
届けする」という九州電力送配電株式会社のミッションを果たしていくことで、引き続
き、九州の発展・成長に貢献してまいります。
九州電力送配電株式会社
代表取締役 社長
廣渡 健
2020年4月1 はじめに 111(参考)
2030年の九州と九電グループ
安定供給の追求
送配電ネッ
トワークの高度化
新たな取組みへのチャレンジ
戦略
戦略
戦略
私たちの目指す姿と重点戦略IIIIIIくろまる国による電力システム改革の一環として、すべての事業者
(発電事業者や小売電気事業者など )
が送配電
ネットワークを公平に利用できるよう、電力会社の送配電部門の中立性を高める改革が進められ、2020年
4 月に当社は、発電・小売部門を有する九州電力から分社しました。
くろまる分社後も当社は、電気を送るための設備(鉄塔、送電線、変電所、電柱等)の建設・運用・管理などを
担う一般送配電事業者として、これまでと変わらず、
「九州のすべてのお客さまに低廉で良質な電気を
安定的にお届けする」という使命を果たしていきます。
「つながり」を表す円と「電気」を表すマークで構成され、安定的に電力を
送り続けるという九州電力送配電の使命を表現しています。
さらに、両者を九州(Q-Shu) のQになるように配置することで、九州に根差し、
九州とともに発展していくという意志を込めています。
なお、円の青色は九電グループのコーポレートカラーであり、グループの一員
として一体的に地域の発展に貢献する姿勢を、電気を表すマークの黒は「何色
にも染まらない」という送配電事業者としての中立的な姿勢を表しています。
九州電力送配電の位置づけ・役割3579
ロゴに込めた思い
発電所
送電線 変電所 配電線
( 離島供給事業を含む )
分社化
お客さま
発電部門 小売部門
送配電部門2 くろまる九州電力送配電株式会社は、
事業活動を
通じ、SDGsの達成に貢献していきます。
2015 年に国連サミッ
トで採択された、
国際社会全体の「持続可能な開発目標」
であり、
2030 年を期限とする17の目標
です。
SDGsへの取り組み
九電グループの思い ずっと先まで、
明るく
したい。
九州電力送配電の
ミッション[SDGs]
事業運営の公平性・透明性・中立性を確保し、
ネットワークを利用するすべてのお客さまが
満足する低廉で良質な電気を安定的にお届けする
私たちの目指す姿と重点戦略
私たちの目指す姿
九州をむすび、
未来へつなぐ3 くろまる 当社を取巻く環境の変化や、地域社会を始めとするステークホルダーの皆さまからの期待・要請を踏まえ、
以下の3つの戦略を重点的に実施していきます。
目指す姿の実現に向けた重点戦略
低廉で良質な電気を安定的にお届けし続けることを通じて、
お客さまや社会の安心と信頼を築いていきます
安定供給の追求
戦略I送配電ネッ
トワークの高度化
分散型エネルギーの普及など多様なニーズに対し、最新技術を
活用した送配電ネッ
トワークの高度化により、お客さまや社会の
期待に応えていきます
戦略II
電化の推進や新たな事業・サービス創出を通じて、
お客さまの豊かさ向上に貢献していきます
新たな取組みへのチャレンジ
戦略III
戦略III
戦略展開イメージ
事業継続に必須となる安全最優先や人材育成・生産性向上に
取組んでいくとともに、地域・社会の皆さまとの共生を通じて
信頼を得られるよう努めていきます。
戦略の基盤
戦略II
技術・知見の
フィードバック
送配電ネットワーク
の高度化
新たな取組みへの
チャレンジ
戦略I安定供給の追求
戦略の基盤
事業領域
拡大
安全最優先 地域・社会からの
信頼
人材育成・生産性向上
新たな収益に
よる投資
技術力などの
経営資源の活用4 安定供給の追求
当社事業の根幹となる域内送配電事業において、
公平性・透明性・中立性の高い事業運営を前提に効率化を
図りつつ、
お客さまの豊かな暮らしや産業を支える生活基盤としてのインフラ整備を進めていきます。
くろまる九州エリアの送配電設備、
離島発電設備などを適切に保全・運用し、
お客さまに品質の高い電気
を安定的にお届けし続けます。
また、
お客さまとの契約に関する問合せ対応や検針、
料金計算など関連業務にも丁寧に対応して
いきます。
くろまる台風や地震等の非常災害時には、
九電グ
ループの総力を挙げて対応体制を速やかに
構築し、
迅速・正確な情報発信や停電の早期
復旧に取り組みます。
また、
防災の観点から、
引き続き、
災害に強い
設備を作っていくとともに、国・
自治体と協働
での無電柱化など、
災害に強いまちづくり、
レジリエンス
(強じん性)
向上に貢献します。
くろまる送配電設備の建設にあたっては、
自然・社会環境等との調和や理解
促進のための対話を通じて、
設備
を受入れてくださる地域の皆さま
との共生・共存に取組みます。
電気の安定供給を通じて、お客さまからの信頼を高めます1戦 略I
モノ
ポール (環境調和型 送電鉄塔)
点検作業の様子
九州北部豪雨対応
内燃力発電所(離島)
日向幹線建設工事
環境調和型変電所5 くろまる高度経済成長期に大量に建設した設備の高経年化に
対し、
最新の余寿命診断の知見を活用して適切に
維持・改修します。
くろまる九州全域に設備を保有する企業として、
地域密着型の
活動を通じて、
お客さま・社会からの信頼向上と地域が
抱える様々な課題解決に努めます。
くろまるパートナー企業を含め、
全ての職場が災害を発生させ
ないという強い決意を持ち、
安全意識の向上、
安全
行動の徹底に取組みます。
くろまる次世代を見据え、
これまでに蓄積してきた技術力の継
承及び人材の育成、
組織力の向上に取組みます。
くろまる多様な人材が、
自分が望む働き方
(ワークスタイル
変革)
を通して経験や能力をいかんなく発揮し、
やりがい
と成長を実感できるとともに、
生産性の高い職場風土
を構築します。
くろまる人口減少や分散型電源の普及拡大等も踏まえた効率
的な設備への転換を進めます。
くろまる他の送配電事業者との資機材仕様の
統一や共同購入など、
調達面を始めと
したコス
ト低減に取組みます。
くろまるお客さまへのサービスレベルの維持に
努めながら、IC
Tの活用などにより、
業務
全般にわたる効率化を推進します。
効率化を推進します2地域社会との共生、安全最優先の徹底、技術力の継承・向上に取組みます3現行品 導入品
外 観
材 料 磁 器 ポリマー
(シリコーン)
重 量 11.0kg 1.5kg
コ スト 1 約2/322kV配電線路用がいし
清掃活動
軽量化
コスト低減
超音波による金属柱の劣化診断6 作業のロボッ
ト化
だいやまーく設備点検の効率化・高度化
高精度カメラ搭載ヘリ
ドローン
(異常判定)
(異常判定)
(正常判定)
(正常判定)
ドローン
定点カメラ
カメラ搭載車両AI
による自動判定
技術支援
情報共有
作業ヨシ!異常ナシ!ウェアラブル
カメラ送電線電 柱
画像データ
くろまるドローン、
車載カメラ等を活用した設備情報
の効率的な取得や、
画像解析技術及びAI等
を活用した劣化判定手法の研究及び開発に
より、
設備保全業務の効率化・高度化に取り
組みます。
くろまるウェアラブルカメラ等を活用し、
リアルタイム
での現地情報の共有や事務所からの技術支
援等により、
作業の省力化と作業者の安全性
の向上に取り組みます。
将来的には、
作業をロボッ
ト等で代替すること
も検討していきます。
最新技術等を活用した技術開発により、
送配電業務の更なる効率化・高度化を推進します1送配電ネッ
トワークの高度化
再生可能エネルギーの急速な拡大や蓄電池・EVの普及などを始め、
ネットワーク利用に関する多様な
社会的ニーズに応えられるよう、Io
Tの活用など技術開発を推進し、
ネットワークの高度化を進めます。
戦 略II
将来
イメージAI
ビッグデータ
カメラ映像
現 地
だいやまーく現地作業の省力化と安全性の向上
事務所
九電送配電
(株)7 だいやまーく需給運用の高度化
だいやまーく分散型エネルギーリソースの普及
大規模発電所
再エネ
火力
風力
電気の流れの
双方向化
電気の流れの
双方向化
変電所
蓄電池EV再エネ
変電所
くろまる再生可能エネルギーを最大限受入れるため、
連系線、
揚水発電や大容量蓄電池の活用、及び再生可能エネルギー出力の予測精度向上
など、
需給運用の高度化に向けて継続して取
り組みます。
送配電ネッ
トワークの最大限の活用により、
再生可能エネルギーの一層の普及に貢献します2くろまる再生可能エネルギーや蓄電池・EV、需要家サイ
ドでの電力調整など新たな分散型エネルギーや
サービスの将来的な普及を見据え、
それらを支えるための基盤をしっかり作っていきます。
分散型エネルギーの将来的な普及を見据え、
送配電ネッ
トワークの高度化を推進します3中央給電指令所
(九州内の電気の使用量と発電量が一致するよ
う監視・制御)
揚水
発電量の
制御
太陽光
蓄電池...8
EV 車
EV 船
データセンター
スマートホーム
農業電化
スマートホーム
電化推進
需要創出
電力
データ
電化推進活動の一例(電化フ
ェア)
くろまる民生部門、
産業部門だけでなく、
運輸部門を
含めたあらゆる分野での電化を推進し、化石燃料への依存度を低下させることで、お客さまの快適な暮らしと低炭素社会の実現
に貢献していきます。
くろまる当社保有の資産・データ等と異業種ノウハウ
との掛け合わせ等により新たな価値を創出
し、
電気事業以外の領域への事業展開に取り
組んでいきます。 くろまる送配電事業で培った保全技術や知的財産を
活用し、
他業界を含め、
多様なお客さまに新
たなサービスを提供していきます。
くろまる自治体との連携を通じた企業誘致や、
お客さ
まとの様々な接点を活かした電化推進活動
により、
九州エリアの電力需要を創出し、
九州
の発展・成長に貢献していきます。
電化の推進や企業誘致を通じて、
低炭素社会の実現と九州の発展・成長を目指します1新たな事業・サービスを創出することで
社会的課題の解決に貢献します2 新たな取組みへのチャレンジ
域内の託送電力需要創出に加え、
送配電事業外においても、
当社及びグループ会社でこれまで培った
他社に先行する技術や資産等を活用したビジネスに挑戦し、
地域・社会の課題解決に貢献します。
戦 略III
電力
データ
スマート
ホーム
なりすまし
防止
出店計画
見守り
サービス・避難計画
現場位置
特定
銀行業
建設業
警察・消防
小 売 業 自 治 体9 30か所(31.1万kW)
5か所(3,723kW)
1か所(250kW)
597か所 (7,509.2万kVA)
10,803km
142,223km
くろまる電力供給設備(2019年3月末現在)
内燃力発電所(離島)
水力発電所(離島)
風力発電所(離島)
変電所
送電線路こう長
配電線路こう長
2019年4月1日
2020年4月1日
200億円
くろまる設立年月日
くろまる事業開始年月日
くろまる資本金
福岡県、
佐賀県、
長崎県、
大分県、
熊本県、
宮崎県、
鹿児島県
18,000億円(概数)
5,400名(概数)
くろまる供給地域
くろまる資産総額
くろまる従業員数
だいやまーく 九州電力送配電の概要
(2019年3月末現在)
奄美大島
喜界島
徳之島
沖永良部島
与論島トカラ列島
奄美群島
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
宝島200
喜界2,100
新知名19,100
与論2,210
新与論5,600
竜郷60,000
名瀬21,000 新喜界
10,600
古仁屋4,750
新徳之島21,000
亀津7,500
悪石島150
平島150
口之島170
中之島300
諏訪之瀬島220
小宝島110
さんかく
さんかく
さんかく
さんかく
さんかく
新小倉
1,800,000
至中国電力
対馬
壱岐
種子島
屋久島
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
しかく
山川30,000
硫黄島300
口永良部島
300 新種子島
24,000
黒島320
種子島第一
16,500
竹島190
岩屋戸
52,000
大平
500,000
小丸川1,200,000
(注記)玄海2号機は、
2019年4月に運転終了のため 3・
4号機の出力を記載
上椎葉
93,200
塚原63,050
諸塚50,000
川内
1,000,000
川内原子力
1,780,000
大霧
25,800 大淀川第二71,300
苓北
1,400,000
甑島第一
13,250
大淀川第一55,500
一ツ瀬
180,000
豊玉50,000
小呂島330
新壱岐24,000
玄海原子力
2,360,000(注記)
新有川
60,000
相浦
875,000
天山
600,000
松浦700,000
佐須奈5,100
福江第二
21,000
宇久3,000
芦辺15,000
厳原6,600
新大分
2,825,000
大岳
12,500
豊前1,000,000
松原
50,600
柳又
63,800
八丁原110,000
八丁原バイナリ
ー2,000
滝上27,500
苅田360,000
甑島250
野間岬
3,000
水力発電所
(5万kW 以上)
揚水発電所
火力発電所
原子力発電所
地熱発電所
しかく
さんかく
凡 例
九州電力送配電の設備
内燃力発電所
(離島)
風力発電所
(離島)
主要変電所、
開閉所
50万V送電線
22万V送電線
他社設備
発電所の数値は出力(kW)を示す
だいやまーく再エネを活用したマイクログリッ
ドのイメージ
制御用
コンピュータ
蓄電池
一般家庭 公共施設 学校
通信線
電力線
蓄電池 太陽光発電
内燃力発電
(公民館等)
太陽光発電
九州の電力系統図
(主な発電所と送電線)
(注記) この資料は2020年3月以前に作成しているため、
一部の写真において、
九州電力(株)の作業服やロゴマークが写っている場合があります。
くろまる九州で培った再エネ大量導入等の経験を活
かし、
再エネ導入に伴う系統運用の安定化・効率化に関する技術支援など、
海外でのコン
サルティング事業を展開していきます。
くろまる九電グループ内外のパートナーとの協業に
より、
海外におけるマイクログリッド事業、送配電事業などの事業開発・運営に積極的に
参画していきます。
くろまる海外事業展開で培ったノウハウや人材育成
の成果を国内事業にフィードバックし、
九州の
持続的発展につなげていきます。
国内送配電事業で培った技術力等を活用し、海外事業を推進していきます310 多様な働き方ドローンサービス
スマート漁業
燃料事業
(海外)
電動スクーター
地域熱供給
燃料事業
風力発電
観光
火力発電
(石炭)
インフラサービス
(空港)
都市開発・まちづくり
送配電事業
(海外)
発電事業
(海外)
洋上風力発電
原子力発電
バイオマス発電
ビジネスサポート
(シェア−
ドサービス、
リサイクルサービス)
EVバス
スマート電柱
ガス事業
火力発電( NG)
(参考)2030年の九州と九電グループ11 Battery
BatteryEV観光
ワンスト
ップサービス
(エネルギーサービス、
ICTサービスなど)
スマートホーム観観
観光光光
観光観九電グループは、
「ずっと先まで、
明るく
したい。」というブランドメッセージのもと、
豊かで快適な生活に
つながるエネルギーサービスをお届けするとともに、
新たな技術の活用や他社とのアライアンスなどを
通じて、
社会的課題の解決に貢献し、
地域・社会と共に九州から未来を創っていきます。
当社も九電グループの一員と
して、
電力を安定的にお届けすることはもとより、
次世代に向けたビジネス創出や、
安全・安心なまちづく
りなど、
「九州をむすび、
未来へつなぐ」
事業活動に取り組んでいきます。 水力発電
マイクログリッド
植物工場
ドローン
(巡視)
送配電設備
企業誘致
地熱発電
スマート林業
蓄電池
スマート農業
データセンター
EV充電ステーション
次世代エネルギー
太陽光発電
不動産事業12

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