玄海原子力発電所
GENKAI
N u c l e a r p o w e r s t a t i o n
原子力発電 1・
2号機の運転終了について
しかく玄海原子力発電所の概要
1号機 2号機 3号機
55万9千kW 118万kW 118万kW
342万3千kW
342万3千kW
165万kW
165万kW
4号機
佐賀県東松浦郡玄海町今村
所 在 地
敷地面積
電気出力
原 子 炉
型 式
熱出力
燃 料
種 別
装荷量
運転開始
約87万m2
加圧水型軽水炉
(PWR)
− −
低濃縮
(約4%)
二酸化ウラン、
ウラン・プルトニウム混合酸化物
低濃縮
(約4%)
二酸化ウラン
− −−約89トン約89トン1981年3月
1975年10月
運転終了 2019年4月
2015年 4月
1994年3月 1997年7月
はじめに
現地調査開始
建設計画を発表
1号機電源開発調整審議会
(52回)
承認
1号機原子炉設置許可
1号機着工
佐賀県および玄海町と安全協
定を調印
2号機電源開発調整審議会
(65回)
承認
1号機初臨界
1号機試験送電開始
1号機営業運転開始
2号機原子炉設置許可
2号機着工
3・4号機の増設計画を佐賀
県および玄海町に申し入れ
2号機初臨界
2号機試験送電開始
2号機営業運転開始3・
4号機電源開発調整審議会(89回)
承認3・
4号機原子炉設置許可3・
4号機着工
発電電力量1,000億kWh達成
1号機蒸気発生器取替等に関
する設置変更許可
3号機初臨界
3号機試験送電開始
3号機営業運転開始
【1号機】
しろまる 総発電電力量:1,327億kWh
しろまる 設備利用率:68.5%
【2号機】
しろまる 総発電電力量:1,197億kWh
しろまる 設備利用率:64.2%
玄海原子力発電所1号機は2015年4月27日に、
2号機は2019年4月9日に運転終了しま
した。
1号機は1975年10月に、
2号機は1981年3月に営業運転を開始して以来、
長きにわたり、
九州地域
の電力の安定供給や電気料金の低廉化などの役割を果たしてきました。
これもひとえに皆さまの
ご理解とご協力の賜物であり、
改めて厚く
お礼申し上げます。 1・
2号機の廃止措置計画については、
国の認可を受け、
安全に実施してまいり
ますので、
ご理解と
ご協力をお願い申し上げます。
55万9千kW
1967.68.70.70.71.72.74.75.75.75.76.76.78.80.80.81.82.84.85.91.92.93.93.94.765123117121016125639108985634号機初臨界
4号機試験送電開始
4号機営業運転開始
発電電力量2,000億kWh達成1・
2号機原子炉容器上部ふた
取替および2号機蒸気発生器
取替等に関する設置変更許可
玄海エネルギーパークオープン
観賞用温室オープン
1・2号機主要機器更新工事
終了
定格熱出力一定運転導入(1・2号機)
発電電力量3,000億kWh達成
定 格 熱 出 力 一 定 運 転 導 入
(4号機)
定 格 熱 出 力 一 定 運 転 導 入
( 3 号 機 )
1号機営業運転開始30周年
発電電力量4,000億kWh達成
3号機プルサーマル開始
発電電力量5,000億kWh達成
1号機運転終了
(総発電電力量1,327億kWh)
2号機運転終了
(総発電電力量1.197億kWh)
1996.96.97.98.99.
2000.01.01.02.02.02.03.05.06.09.10.15.19.1011751133103511310312244
玄海原子力発電所のあゆみ
佐賀県東松浦半島の西部、
青い海と古い歴史に
彩られた美しい町が、
玄海原子力発電所のある玄
海町です。
東は古代、
大陸交通の接点であった唐
津に接し、
周辺には秀吉ゆかりの名護屋城跡や海
中公園のある波戸岬など見どころもいっぱい。天然の良港で知られる仮屋湾を海岸ぞいに北への
ぼると、
玄海原子力発電所のある値賀崎へ出ま
す。
玄界灘を眼前にのぞむこの地は、
ひときわ眺望
のひらけたところです。
玄海原子力発電所は、
この
美しい海と雄大な自然環境のなかで電気をつくっ
ています。
加圧器
加圧器によって原子炉の水は常に高圧に保たれてい
るので原子炉の水は沸とう
しません。
原子炉容器
この中でウラン燃料を燃やし水
を熱します。
非常用炉心冷却装置
万一、
1次系の配管などが破断して水が流出するような事故が起きた場合でも、
蓄圧注入系、
高圧注入系、
低圧注入系の非常用炉心冷却装置によって水が注入
されて原子炉が冷やされるしくみになっています。
蒸気発生器
原子炉から送られてきた熱水で、
2次冷却水を蒸気にします。
原子炉格納容器
内面を鋼板で内ばりしたプレストレスト
コンクリート製の気密容器であり、
放射
性物質が外へ出るのを防ぎます。
加圧水型原子力発電所の系統図
(1次系)
蒸気
(2次系)水伝熱管 海水
燃料集合体
蓄圧注入系
高圧注入系
低圧注入系
原子炉容器および燃料の構造
原子力発電所のしくみ
火力発電と原子力発電の違い
原子力発電は、
蒸気の力でタービンを回して発電する点では、
火力発電
と同じ構造のものです。
ただし、
火力発電ではボイラーで液化天然ガスや
石炭を燃やして蒸気を作り
ますが、
原子力発電は原子炉内にあるウランの
核分裂で発生する熱を利用して蒸気を作り
ます。
原子力発電
火力発電
発電機
タービン
蒸気
蒸気
原子炉
ボイラー
使用済燃料ピッ
トクレーン
燃料取扱建屋
使用済燃料
ラック
1次冷却材
ポンプ
蓄圧
タンク
発電機
復水器
加圧器
タービン
蒸気発生器
原子炉格納容器
原子炉容器
タービン
蒸気の力でタービン
・発電機を
回し、
電気をおこします。
復水器
タービンを回したあとの蒸気を
海水で冷やし、
水に戻します。
格納容器
スプレイ
燃料移送装置 燃料
原子力発電所では、
燃料にウランを
使います。
ウラン燃料は原子炉容器内
で核分裂を起こし、
高温の熱水を作りま
す。
その熱水を蒸気発生器に送り、
そこ
で別系統の水を蒸気に変えてタービン
に送り、
発電を行います。
このためター
ビン系には放射性物質がありませんの
で、
従来の火力発電技術がそのまま活
かせる特徴があります。
制御棒
ウランの燃え方はこの制御棒の出し入れによって調節
することができます。
また、
なにか異常が発生すると、
この制御棒により原子炉が自動的に停止します。
(注記) 1次系:放射性物質を含む熱水
(注記) 2次系:放射性物質を含まない蒸気・水
原子炉容器 3・
4号機の原子炉容器は重さ約410ト
ン、
内径約4メートル、
高さ約13メートル、
厚さ約20〜30センチの頑丈な鋼鉄製の
ものです。
燃料
ウランを硬く焼き固めたペレッ
トを
燃料棒につめます。
この燃料棒を正
方形に組み立てたものが燃料集合体
で、
193体(3・
4号機)
が原子炉容器
内におさめられています。
約1年に1
回原子炉を停めて行う定期検査の時、
約3分の1を新しい燃料と取り
替えます。
3号機
3号機
タービン・発電機
原子炉の中でできた熱を使って別系統
(2次系)×ばつ210mm
約3.9m
ペレット燃料被覆管
(ジルコニウム合金)
バネ
約10mm
約8mm
ペレット
(低濃縮二酸化ウラン)
約4.1m
(注記)玄海3号機においては
ウラン燃料とMOX燃料
の2種類の燃料を使用
原子炉容器
燃料集合体 燃料棒
燃料棒1本あたり 原子炉内のペレッ
ト数
ペレッ
トの個数 約400個 約2,040万個(3・
4号機)
重大事故等に備えた安全対策
玄海原子力発電所では、
福島第一原子力発電所の事故を教訓として、
事故発生直後から発電所の設備
(ハード)
と、
運用管理
(ソフト)の両面で、
更なる安全対策に取り組んでいます。
福島第一原子力
発電所事故の進展 異常の発生を防ぎます
科学的に起こり得る最大規模の自然災害への備えを強化
原子炉が自動停止
外部からの
電気を喪失
非常用発電機が起動
原子炉の冷却を開始
地震発生
津波襲来11
全ての電源を喪失
燃料を冷却するための
機能を喪失2燃料が損傷3異常の拡大を防ぎます2燃料の損傷を防ぎます34
(注記)敷地高さ:海抜約11〜28mへ分散配置
重大事故防止に必要な
電力を確保するため、多種多様な発電機を配備(注記)
想定される最大の基準地震動
を踏まえた耐震対策を実施。
(注記)敷地高さ:海抜約11〜28mへ分散配置
燃料の冷却を確実に実
施するため、
多種多様な
ポンプを配備(注記)
( の対策にも活用)
最大津波
(想定)
に対し
ても、
原子炉施
設の安全性に影響がないこ
とを確認。 最大風速100m/秒の竜巻を想定した
対策を実施。
最大津波高さ
海抜+6m
原子炉
建屋
敷地高さ
海抜+11m
4 原子炉格納容器の破損を防ぎます 4原子炉格納容器の冷却
手段の多様化に加え、水素濃度の低減策として水
素除去装置を配備。 放射性物質の放出及び拡散を抑えます5万が一の原子炉格納容
器の破損に備え、
放水砲
や水中カーテンを配備。
水素が原子炉建屋内に
蓄積し水素爆発が発生
放射性物質及び水素が
原子炉格納容器から原
子炉建屋へ漏えい5放射性物質が大量に
外部へ放出
水素、
空気
水蒸気
水素を
除去
電気
ヒーター
空気、
水蒸気
触媒
プレート水素、
空気、
水蒸気
水素を
除去
放水砲 水中カーテン例:
タンク支持構造物の
耐震補強
タンク
補強前 補強後
資機材を守る保管庫
高圧発電機車
大容量空冷式発電機
移動式大容量ポンプ車 可搬型ディーゼル注入ポンプ
電気式
水素燃焼装置
静的触媒式
水素再結合装置
「原子力総合パンフレッ
ト2017
(日本原子力文化
財団)」を参考に作成
さんかく
さんかく
さんかく
さんかく
さんかく
新小倉
1,200,000
至中国電力
しかく
山川30,000
岩屋戸
52,000
大平500,000
小丸川1,200,000
上椎葉
93,200
塚原67,050
諸塚50,000
川内原子力
1,780,000
大霧30,000
大淀川第二
71,300
苓北
1,400,000
甑島第一
13,250 大淀川第一
55,500
一ツ瀬
180,000
玄海原子力
2,360,000
天山600,000
松浦
1,700,000
新大分
2,875,000
大岳
14,500
豊前500,000
松原
50,600
柳又
63,800
八丁原110,000
八丁原バイナリ
ー2,000
滝上27,500
苅田360,000
甑島250
(2024年4月現在)
水力発電所
(5万kW 以上)
揚水発電所
火力発電所
原子力発電所
地熱発電所
しかく
さんかく
凡 例
九州電力送配電(株)
の設備
九電み
らいエナジー(株)
の設備
発電所の数値は出力(kW)を示す
内燃力発電所
風力発電所
主要変電所、
開閉所
50万V送電線
22万V送電線
他社設備
玄海エネルギーパークへのご案内
電気の流れ
大きな工場
11万ボルト・6.6万ボルト
中工場
6.6千ボルト
50万ボルト
22万ボルト
11万ボルト
鉄道22万ボルト
ビル
6.6千ボルト
住宅
100ボルト・200ボルト
店舗
100ボルト・200ボルト
火力発電所
水力発電所
原子力発電所
地熱発電所
一次変電所 二次変電所 配電用
変電所
22万ボルト
11万ボルト
6.6万ボルト
6.6万ボルト
2.2万ボルト
6.6千ボルト
柱上変圧器
風力発電所
太陽光
発電所
玄海町
唐津市
伊万里市糸島市にしからつ
筑肥線唐津線からつ
わただ203202202204204204
玄海原子力発電所
玄海エネルギー
パーク
しかく所 在 地/〒847‐1441
佐賀県東松浦郡玄海町今村字浅湖4112‐1
しかく受 付/TEL
(0955)
52‐6409 FAX
(0955) 52‐3796
しかく交 通/昭和バス唐津
(大手口バスセンター)発 玄海エネルギーパーク方面行乗車・
玄海エネルギーパーク下車
(所要時間約40分)
しかく開館時間/9:00〜17:00〈入場無料〉
しかく休 館 日/毎月第3月曜日(祝日の場合は翌日)
年末年始
(12月29日〜1月2日)
しかくU R L https://www.kyuden.co.jp/
2024.06
サイエンス館 九州ふるさ
と館 観賞用温室
地表面に建てられた建物 原子力発電所
岩 盤
(地表面) (地表面)
表層地盤
やや堅い
地 盤
活断層 震源 強固な岩盤
原子力発電所の運転後でも環境放射線の変化がないことを確認
するため、
発電所の境界付近に各種放射線測定器を設置し放射線
量等を24時間連続測定・監視するとともに、
敷地周辺の農作物、
土、
飲み水、
魚、
海藻、
海水等を定期的に採取して放射線や放射能濃度
を測定しています。
この測定結果は
佐賀県から公表されるとともに、環境放射線については常時公開され
ています。
環境モニタリング
地震による揺れは、
地震の波が震源から地表面に到達するまでに増
幅されるため、
地表面に建てられた建物は大きく
揺れます。
しかし、
原子力発電所のように、
強固な岩盤の上に直接設置された
場合、
岩盤では地震の揺れが増幅しないので、
地震による影響は小さ
いといえます。
地震対策
環境試料の採取
(陸土)
原子力をはじめとしたエネルギーについて、
楽しみながら知るこ
とがで
きる
「サイエンス館」、九州各県の代表的な伝統工芸と民俗芸能を通し
て、
九州の人々のエネルギーにふれる
「九州ふるさ
と館」
の2つのパビリ
オンがあり
ます。
また、
約200種類の植物がある観賞用温室などがあり
ます。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /