防災訓練実施結果報告書の要旨
しろまる玄海原子力発電所における総合訓練(複数の訓練を組み合わせて行う訓練)
訓練実施日 2024年2月27日
参加人数 366名(協力会社13名、他電力5名を含む)
想 定 し た
原子力災害
の概要
しろまる1,2号機(廃止措置段階)で全ての交流動力電源が喪失
しろまる3,4号機で原子力災害対策特別措置法第15条事象等に至る原子力災害を
想定
・定格熱出力一定運転中に、地震発生により、3,4号機で原子炉が自動
停止し、その後、外部電源を喪失。
・3号機は、格納容器内で主蒸気管蒸気漏えいが発生し、格納容器圧力が
上昇。
・4号機は、格納容器内で原子炉冷却材の漏えいが発生。その後、全交流
動力電源喪失により、原子炉冷却機能を喪失。
訓練の内容
以下の項目を「シナリオ非提示」にて実施
【玄海原子力発電所】 【本店即応センター】
(1)AM訓練 (1)通報訓練
(2)緊急時対応訓練 (2)緊急事態支援組織対応訓練
(3)通報訓練 (3)モニタリング訓練
(4)モニタリング訓練 (4)ERCとの連携訓練
(5)避難誘導訓練 (5)原子力防災要員等の動員訓練
(6)原子力災害医療訓練 (6)原子力事業者間協力協定等に基づく対応訓練
(7)原子力防災要員等の動員訓練 (7)発電所支援対応訓練
(8)オフサイトセンター連携訓練 (8)プレス対応訓練
(9)住民避難支援対応訓練
(10)オフサイトセンターとの情報連携訓練
【後方支援拠点】
(1)発電所支援に係る本店即応センターとの連携訓練
訓練の評価
しろまる発電所、本店、後方支援拠点、東京支社及び各支店等が連携し、原子力
災害発生時に原子力防災組織及び本店原子力防災組織があらかじめ定め
られた機能を有効に発揮できることを確認。
しろまる2023年度の訓練テーマ「正確かつ確実な通報連絡の実施」について、
正確な通報連絡が確実に実施できていることが確認でき、今回の訓練目標は
達成。
しろまる2022年度訓練の主な改善項目への対応状況は、以下の通り。
・EAL該当事象の発生時刻や発出したEALの判断時刻を一元的に管理
する一覧表の作成及び通報連絡文の記載内容を確認するポイントの整理
を行い、教育や要素訓練により習熟を図った。
⇒正確な通報連絡文の作成及び発電所対策本部内で記載内容に誤りが
ないか確認を行うことができた。
今後に向けた
改善点等
しろまる更なる情報共有の充実を図る観点から、今後の訓練に反映する主な内容
・ERCへの説明に使用する「情報共有シート」について、社内システムに
作成機能を追加し、ERCへの説明を行う発話者に情報共有するまでの
時間短縮を図るとともに、事象の進展に応じて、説明時点の情報を手書き
更新するよう関係者への周知及び教育を実施する。
・ 発 電 所 が 立 案 す る 戦 略 を 本 店 対 策 本 部 へ 正 確 に 共 有 で き る よ う
「情報共有シート」を活用した戦略の情報共有方法の見直しを検討する
とともに、「情報共有シート」作成に係るマニュアルを充実させ、
関係者への周知及び教育を実施する。
・ERCへの説明を行う発話者が発生時刻などを含む情報を確実に把握
できるよう、情報伝達プロセスの見直しを検討し、発生時刻を含めた
情報伝達を徹底するよう関係者へ再周知する。
別 紙
しろまる玄海原子力発電所における要素訓練(作業手順の習熟を図る個々の訓練)
・対象期間:2023年9月1日〜2024年3月31日
実施日
参加
人数
訓練の概要 今後に向けた改善点緊急時対応訓練2023 年
9月22日、25日、
26日、
11月9日
19 名
発電所において全交流動力電源
が喪失したことを想定し、重大
事故等時における緊急時対応
訓練を実施する。
・現場総括者が実作業に
専念しすぎることにより
適 切 な 現 場 総 括 が 行 え
ない恐れがあったため、
現場総括者及び作業者の
「 行 動 表 」 を 作 成 し 、
それぞれの作業分担等を
明確化する。
・「行動表」について精査、
検 証 し 、 必 要 に 応 じ て
作業人数を再検討する。通報訓練
2023 年
9 月 25 日
54 名
通報連絡要否判断、通報連絡文
の正確な作成及び社内外関係
箇所へ迅速かつ確実な通報連絡
(警戒事態、原災法第10条事象、
第15条事象、第25条報告)
ができることを確認する。
・FAXの通信エラーに
より、一部の通報連絡で
目 標 時 間 内 に 通 報 が
出来なかったため、通信
エラー時の対応について
ルールを策定する。
・ 通 報 連 絡 先 に 混 乱 を
生じさせないため、防災
体制発令後の異常時通報
の 運 用 に つ い て 、 情 報
連 絡 ル ー ト の 一 本 化 を
図る。原子力災害医療訓練2023 年
10 月 4 日
18 名
管理区域内で負傷者が発生した
ことを想定し、負傷者の搬出、
汚染の除去、応急措置等の訓練
を行う。
・搬送者3名のうち1名が
関係箇所へ連絡している間、
他の2名は指示を待って
いる状態であったため、
負傷者の搬送を優先する
場面では、2名で搬送の
準 備 を 行 う こ と な ど を
周知し、改善を図る。AM訓練
2023 年
10 月10 日、11 日
50 名
ア ク シ デ ン ト マ ネ ジ メ ン ト
ガイドラインを用いた事象進展
防止、影響緩和措置の判断・
選択が適切に行われることを
確認する。
・なし
今後も、訓練において
状況を確認し、更なる
改善を検討していく。
実施日
参加
人数
訓練の概要 今後に向けた改善点緊急事態支援組織対応訓練
2023 年
10 月10 日、11 日
5 名
発電所において原災法第10条
事象が発生したことを想定し、
原子力緊急事態支援組織への
支援要請及び遠隔操作資機材の
操作訓練を実施し操作技能の
習熟を図る。
・なし
今 後 も 、 訓 練 に お い て
状 況 を 確 認 し 、 更 な る
改善を検討していく。後方支援拠点設置運営訓練
2023 年
12 月 13 日
60 名
後方支援拠点の設置及び運営を
行い各作業班が役割を確認する
とともに、あらかじめ定められた
機能を有効に発揮できることを
確認する。また、支援組織と
オンサイト支援に係る依頼や
調整が実施できることを確認
する。
・発電所への資機材輸送
ルートについては、緊急時
モニタリング状況を考慮
したうえで、様々なルート
を検討することを手順に
記載し、意識づけを図る。
・後方支援拠点内で共通
認識を持つ観点から、
定期的または情報輻輳時
はブリーフィングを実施
することを手順に記載し、
訓練前の教育等で意識
づけを図る。
・自衛隊への支援要請に
ついては、一般的な条件
(公共性、緊急性、非代
替性)があることを手順
に記載し、支援要請の
判断基準とする。避難誘導訓練
2024 年
1 月 15 日
56 名
見学者来訪時に緊急事態が発生
したことを想定し、関係者への
迅速な連絡及び避難誘導ができる
ことを確認する。
・なし
今後も、訓練において
状況を確認し、更なる
改善を検討していく。モニタリング訓練
2024 年
1 月 31 日
16 名
緊急時モニタリング(放射性
物質濃度、放射線量の測定等)
に係る対応能力の向上を図る。
・なし
今 後 も 、 訓 練 に お い て
状 況 を 確 認 し 、 更 な る
改善を検討していく。
以 上
用語等の解説
しろまるAM(Accident Management)
アクシデントマネジメントのこと。原子炉の燃料が重大な損傷を受ける
事故への拡大防止や万が一拡大した場合の影響を緩和するための対策。
しろまるERC(Emergency Response Center)
原子力規制庁緊急時対応センターのこと。原子力施設で災害が発生した
場合に、政府の活動拠点となる機関。
〇EAL(Emergency Action Level)
緊急時活動レベルのこと。事故の進展に応じて避難の準備等を行うため、
原子力施設の事故の状況に応じて3段階に区分(警戒事態、施設敷地緊急事態、
全面緊急事態)し、その判断基準として設定したもの。
以 上

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