2023年 4月
九州電力送配電株式会社
進相無効電力低減を目的とした
高圧お客さま新設時におけるコンデンサ不要化の取組み開始について
電力系統の電圧の状況について 1
⚫ 当社では、変圧器タップを調整すること等で、電力系統の電圧を適正な範囲に保つよう努めています。
⚫ しかし、近年、進相無効電力増加による送電系統や配電系統での電圧過高が問題となっており、調査
の結果、九州エリアの配電線の約半数で常時進み力率となっていることがわかりました。
⚫ 今後、さらに進相無効電力が増加すると、当社で可能な限り電圧を調整しても、適正な値に維持でき
ず、電力系統の利用者にご迷惑をおかけする可能性があります。
⚫ これらの要因としては、省エネの進展等により需要に比べて高圧お客さまの力率改善用コンデンサ容量
が過剰となり、また、このようなお客さまが配電線に多数存在することで、当該配電線に接続するコン
デンサの容量が明らかに過剰となったことが考えられます。 2〔取組みの対象〕
・ 高圧で新たに供給するお客さまさまの内、以下(1)(2)に該当する場合、供給検討のうえで、
供給開始に合わせた力率改善用コンデンサの不要化について協議させていただきます。
➢ 力率改善用コンデンサの不要化についてご了解いただける場合、別途、具体的な運用について取り決め
る書類(同意書)を当社にご提出いただきます。
(1)コンデンサ不要化の対象となる配電線に申し込まれた場合
➢ 年間通して常時進み力率である配電線(本土の配電線が対象)
➢ コンデンサ増加による電圧運用困難回線等の当社が個別に管理する配電線
(2)コンデンサ不要化の対象となる種類のコンデンサ設置を前提に申し込まれた場合
➢ 直列リアクトル(設置)なしの力率改善用コンデンサ
(注)直列リアクトル付コンデンサや低圧コンデンサなど種類や用途により不要化できないタイプのコンデ
ンサも存在します
コンデンサ不要化の取組み内容
⚫ このような電力系統の状況を踏まえ、今後、進相無効電力が過剰となっている配電線に新規に申し込
まれる高圧お客さまに対して、力率改善用コンデンサを不要化する取組みを開始いたします。
⚫ 今回の取組みは、電力系統にとって明らかに不要なコンデンサを購入・設置いただくことを回避する
といったお客さま負担の軽減にも繋がると考えておりますので、ご理解、ご協力をお願いします。 3新規申込受付
お客さまからの同意書受領、小売電気事業者からの承諾、供給対策工事等を経て・・・
コンデンサ不要化協議
通知
同意書
同意書提出依頼
供給検討
コンデンサ不要化可の場合
お客さまに了解いただけた場合
お客さま
確認
適用力率〔託送料金〕に関する協議
(適用力率〔電気料金〕に関する協議)
同意書受領
小売電気事業者からの承諾
コンデンサ不要化のうえで供給開始
高圧お客さま 小売電気事業者(注記)
当社(九州電力送配電)
配電事業所 ネットワークサービスセンター
(注記) 小売電気事業者の対応部分については、あくまでイメージとなります。
離島の場合、当社が小売電気事業者の対応部分を担います。
〔参考〕申込後の流れ(本土の場合)
(注)コンデンサ不要化が可能かは当社での供給検討が必要となりますので、これまで通りコンデンサ設置を前提にお申込みください。
当社での供給検討の結果、コンデンサ不要化が可能であった場合は、個別に協議させていただきます。
新規申込
〔参考〕コンデンサ不要化の取組みに関するQA(1/4) 4
Q1 九州のどこで申込みをしてもコンデンサを設置しなくて良くなるのか。A1電力系統の状況やコンデンサの種類・用途によっては、不要化ができないケースが存在することから、どこでも
コンデンサを設置しなくて良いという訳ではありません。
お申込みを受付都度、配電事業所で系統状況やコンデンサの種類や用途を確認のうえ、不要化できる場合は、当
社からご連絡のうえ、協議させていただくこととしております。
供給申込時には、これまで通りコンデンサの設置を前提にお申込みください。
Q2 種類や用途によって不要化できないコンデンサについて教えてもらいたい。A2リアクトル付コンデンサ、低圧コンデンサ等については、不要化ができません。
例えば、リアクトル付コンデンサを不要化した場合、高調波の拡大による機器の損傷等が懸念されます。
また、低圧コンデンサを不要化した場合、お客さまの受電用変圧器のロスが大きくなることが考えられます。Q3本土のみ「年間通して常時進み力率である配電線」がコンデンサ不要化の対象となっているのはなぜか。(離島
が対象外なのはなぜか。)A3本土においては、配電線に接続されるコンデンサ容量の過剰化が一因となり、配電線の上位電圧の系統(以下、
上位系統)まで進相無効電力が増加し、電圧過高の問題が拡大している状況です。
一方、離島においては、上位系統まで電圧過高の問題が拡大していない状況と認識しておりますので、現状、対
象外としております。 5Q5
コンデンサを設置せずとも力率割引を受けられるのであれば、コンデンサを設置して力率割引を受けるお客さま
に対して不公平な対応をとっているのではないか。A5これまで、当社は系統状況に関わらず全ての新設申込時にコンデンサの接続を認めてきましたが、今後は、全て
の新設申込に対して、系統状況に応じてコンデンサ要否を判断するという一律のルールを設けた上で対応してまい
ります。
このため、当社(一般送配電事業者)として、各お客さまへの対応の公平性は保たれるものと考えています。
Q6 事後的にコンデンサ設置を求められるケースはあるのか。A6負荷設備の増減に伴い協定力率の適用継続が困難となる場合や系統運用上の都合から止むを得ずコンデンサの系
統接続が必要となった場合などが考えられます。
Q4 コンデンサを不要化することで力率が低下するが、電気料金については、補償してくれるのか。A4コンデンサ不要化に応じていただける場合、料金算定に用いる力率については、当社からの要請があった場合に
必要なコンデンサの設置・接続に応じていただくことを条件に、小売電気事業者の合意の下、協定力率(負荷設備
や本来系統接続する予定であったコンデンサ容量に基づき算定した受電点力率)が適用されます。
この場合、実際の力率が低下しても、お客さまの不利益とならないよう託送料金の算定においては協定力率が適
用され、コンデンサを系統接続した場合と同水準の割引を適用します。
ただし、電気料金ついては小売電気事業者とお客さま間の契約となりますので、電気料金における力率の取扱い
については、ご契約の小売電気事業者にご確認ください。(離島の場合、当社とお客さま間の契約となるため、電
気料金についてはコンデンサを系統接続した場合と同水準の割引を適用)
〔参考〕コンデンサ不要化の取組みに関するQA(2/4) 6Q7 何のルールに基づきコンデンサの不要化を依頼しているのか。A7託送供給等約款に基づき、接続する進相用コンデンサ容量を、今回、「0kVar」として協議させていただいており
ます。なお、当該供給地点の力率については、本来系統接続する予定であったコンデンサ容量に基づき、(本土の
場合は小売電気事業者と当社との協議によって)定めます。
(参考) 託送供給等約款
41 力率の保持
(2)高圧または特別高圧で供給する場合
(イ)略
(ロ)当社は,技術上必要がある場合には,進相用コンデンサの開閉をお願いすることおよび接続する進相用コ
ンデンサ容量を協議させていただくことがあります。
なお,この場合の当該供給地点の1月の力率は,必要に応じて契約者と当社との協議によって定めます。
Q8 コンデンサを設置したうえで、系統に接続しない運用を行ってもよいのか。A8当社としては、新設時から系統に接続しない運用にご協力いただけるのであれば、問題はありません。
一方、お客さま側としては、未稼働のコンデンサ購入費用や保守費用が発生いたしますので、その点ご認識のう
え、判断ください。
Q9 コンデンサを設置しないことで、他の機器等への影響はないのか。A9力率改善用に設置されている高圧側コンデンサについては不要化しても他機器等への影響はないと考えています。
最終的には、お客さまにて、電気工事店や主任技術者等にご確認のうえ、コンデンサの不要化を判断ください。
〔参考〕コンデンサ不要化の取組みに関するQA(3/4) 7〔参考〕コンデンサ不要化の取組みに関するQA(4/4)
Q10 具体的なコンデンサ不要化の適用系統を知りたい場合は、どこに問合せすればよいのか。
A10 お客さまを管轄している各配電事業所の配電関係グループへお問い合わせください。

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