(別 紙)
川内原子力発電所2号機 第6回安全性向上評価届出書の概要
1 安全性向上評価について
安全性向上評価は、自主的かつ継続的に原子炉施設の安全性及び信頼性を
向上させることを目的とし、原子力発電所のリスクを合理的に実行可能な限り
低減することを目標に以下の流れで実施した。
2 安全性向上評価届出書の概要について
第1章 安全規制によって法令への適合性が確認された範囲
・第 26 回定期検査終了時点(2023 年 8 月 15 日)の発電所設備等の
最新状態を記載
第2章 安全性の向上のため自主的に講じた措置
・保安活動の実績、最新の科学的・技術的知見の反映状況を調査し、
この結果から抽出した更なる安全性向上対策を記載
第3章 安全性の向上のため自主的に講じた措置の調査及び分析
・発電所設備等の最新状態に基づき、確率論的リスク評価等を実施し、
この評価結果から抽出した更なる安全性向上対策を記載
第4章 総合的な評定
・保安活動の実施状況調査、確率論的リスク評価、安全裕度評価等の
評価結果を踏まえ、総合評定を実施し、策定した安全性向上計画を
記載
保安活動の実施状況調査
確率論的リスク評価 安全裕度評価
総合評価
《更なる安全性向上対策の抽出・実施》
⚫ 安全性向上に資する設備対策
⚫ 安全性向上に資する運用面の対策
3 総合的な評定
(1)総合評定
・評価結果から抽出した更なる安全性向上対策については、プラントの
更なる安全性向上に資するものと評価した。
・今後も、保安活動の確実な実施を基本に、安全性向上評価の仕組みを
活用しつつ、原子力発電所のリスクを合理的に実行可能な限り低減させ
ていく。
(2)評価結果から抽出した主な安全性向上対策
更なる安全性
向上対策
概要 実施時期1タービン動補助給水
ポンプ取替
海外メーカの原子力事業撤退等の
リスクを避けるため、国内メーカ製の
ものに取替える。
2025 年度2停止時リスクモニタを
活用した継続的な
リスク評価・管理
停止時リスクモニタを活用し、リスク
低減を図った保守・点検計画の
策定及びリスク低減措置を実施しつつ、
更なる安全性向上を図る。
継続実施
継 続 的 な デ ー タ
収 集 に よ る 機 器
故障率の整備
重要シナリオにおける機器故障
のうち、特に代用パラメータを使用
している機器の運転実績の継続的な
収集・反映に取り組む。
継続実施
更なる安全性
向上対策
概要 実施時期2特定重大事故等対処
施設の重大事故等
発生時の活用を踏ま
えた安全裕度評価
結果の教育
設計基準を超える地震等の自然
現象が発生した際に予想される、特定
重大事故等対処施設の重大事故等
発生時の活用を含めた発電所のシナ
リオを理解することで、重大事故等
発生時の事故収束対応のレジリエンス
(対応力)向上を図る。
適宜実施
1 :第2章のうち、保安活動の調査結果等から抽出された安全性向上対策
2 :第3章のうち、確率論的リスク評価等から抽出された安全性向上対策
(参考)安全性向上評価による継続的な取組みの流れ
評価
6 ヶ月
定検 定検 定検
▽定検終了 ▽定検終了
運転 運転
評価
6 ヶ月
評価
6 ヶ月
安全性向上対策
の実施
安全性向上対策
の実施
運転
▽定検終了
▽届出 ▽届出 ▽届出
しろまる 用語説明
・タービン動補助給水ポンプ
蒸気発生器への通常の給水機能が喪失した場合に、復水タンクの純水を蒸気
発生器に給水することにより、炉心を冷却するために用いる、蒸気タービン
駆動の補助給水ポンプ。電源喪失時においても、蒸気発生器へ給水することが
できる。
・停止時リスクモニタ
原子力発電所の運転停止時(定期事業者検査中)における、各機器の運転
状態に応じたリスク変動を可視化するシステム。可視化したリスク変動を分析
することで得られるリスク情報(炉心損傷頻度、リスク上重要な作業等)を
活用し、定期事業者検査工程の調整や注意喚起等によってリスクを管理、低減
する。
・安全裕度評価
地震等の自然現象に対して、設計値を超え、どの程度まで炉心及び使用済燃料
の著しい損傷を発生させることなく、耐えることができるかを評価するもの。
・確率論的リスク評価
事故を想定した場合の炉心損傷や格納容器機能喪失のリスク(発生頻度と
その影響)を、原子炉施設において発生しうる様々な事象の発生確率を考慮
して定量的に評価するもの。
以 上

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