1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 31
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
九電みらいエナジー(株)
代表取締役社長
水町 豊
「再エネ3C」
を掲げ、
再エネの主力電源化を加速
成長事業 〜再エネ事業〜
九電グループの技術・ノウハウを活かし、
国内外における再エネの開発を着実に進め、
経営目標である2030年度開発量
500万kW
(2025年度:400万kW)
を達成するとともに、
カーボンニュートラルの実現に貢献します。
また、
再エネ開発による収益拡大を通じて、
2030年度の成長事業による経常利益750億円の達成への貢献を目指します。
再エネ5電源をワンストップで開発・運営
・長年の開発実績を通じて培ってきた技術やノウハウ、
地域との信頼関係を基に、
九電グループ一体となり、
主要再エネ5電源(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス)
の調査から開発・運営を一気通貫で推進
(主要国内電力会社のうち地熱は日本
で唯一)
再エネ電源の高効率・高稼働を実現する技術力
・長年の電源開発・運営実績に基づく豊富な知見、
ノウハウを活かし高効率・高稼働を実現
しかく 目指す姿
しかく 強み
・再エネ主力電源化に向けた電源開発として、
石狩新港バイオマス(5.15万kW)
の新規運開、
田原グリーンバイオマス
(5万kW)
及び響灘洋上ウインドファーム
(22万kW)
の着工などを着実に
推進。
一方、
経常利益は発電電力量の増加により前年比+6億円
の経常利益24億円を確保
・なお、
2022年度末時点での既決定案件は302万kW
(運開済261
万kWを含む)
であり、
2025年開発量目標400万kWに対して約8
割の進捗
2021 2025 2030
255 2612022400500(万kW)
再エネ開発量
(年度)
2021 2025 2030
18 242022130
(億円)
経常利益イメージ
(年度)
( )
海外での再エネ事業の経常利益
は、
海外事業の経常利益に含む
しかく 2022年度の評価と進捗
昨年、
2030年経営ビジョンを策定しました。
再エネ主力電源化に
向けた方針として、
「再エネ3C」
を掲げ、
地域の皆さまのご理解を得な
がら、
再エネ開発等に取り組んでいるところです。
【再エネ3C】
1新規再エネ電源開発の積極的な取組みによる設備容量の
更なる拡大(kW)=Creation
2保守点検ノウハウ等を活かした既存設備の延命や
リプレースなどによる継続
(timeline)
=Continuation
3余剰電力の有効活用や再エネ価値の商品化など需要と供給の
調和
(kWh)
=Coordination
また、
2023年2月、
当社の再エネ事業と九州電力の地熱・水力発電
事業の統合が決まり、
九電グループの再エネ事業の強化・拡大の役割
を当社が一手に担うこととなりました。
これにより、
当社の再エネ発
電所の出力は国内トップクラスになります。
この統合を
「再エネ価値を更に向上させる好機」
として捉え、
多様
なお客さまニーズに対応したサービス提供に取り組み、
得られた収
益の一部を、
洋上風力など他の再エネ開発に再投資することなどで、
九電グループの2030年再エネ開発目標500万kWの実現につなげて
いきます。
再エネ事業を行う主なグループ会社
事業別戦略
成長事業
(再エネ事業)
1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 32
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
しかく 環境認識 しかく 事業戦略
しかく 企業価値創出に向けた取組み
関連する主なマテリアリティ
成長率
利益
資本コスト企業価値
(経済価値) = ­
マテリアリティ解決への取組み
1短期の機会最大化
2中長期の機会拡大 3リスクの
低減
九州電力と九電みらいエナジーは再エ
ネ事業を統合して事業運営体制を強化す
ることで、
カーボンニュートラル実現に向
けて、
地元の皆さまへの丁寧なコミュニ
ケーションを重ねつつ、
再エネ主力電源化
の取り組みを加速します。
また、
お客さま
や社会の再エネに対する幅広いニーズに
お応えするとともに、
再エネ事業における
新たな価値創造に挑戦し、
再エネ事業を九
電グループのコア事業とします。
・再エネ主力電源化の取組み
統合会社は主要再エネ5電源
(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス)
のすべてを自社で保有する事業者となり、
再エ
ネ設備量についても国内トップクラスになります。
統合によるメリットと豊富な開発・運営ノウハウを活かし、
今後成
長が見込まれる電源種について積極的な新規開発を進めるとともに、
PPA事業の展開、
アライアンスによる事業拡大に
より開発を加速します。
また、
既存電源の高効率・高稼働維持に努め、
発電電力量の拡大を目指します。
電源開発については、
開発ポテンシャルの高い洋上風力、
陸上風力、
太陽光の開発を推進します。
特に洋上風力におい
ては、
2023年3月に着工した響灘洋上風力
(出力22万kW、
2025年度運開予定)
での開発知見を活用し、
積極的に開発を
推進します。
また、
グループの強みである地熱や豊富な開発実績を持つ水力・バイオマスの開発についても着実に進め
ていきます。
・再エネの新たな価値創造への挑戦
揚水や蓄電池の蓄電機能・調整機能を活用し、
収益性の高い時間に再エネ電気を提供するなど価値向上を追求する
とともに、
潮流発電や需給管理サービス、
これまでの開発・O&M実績より蓄積したデータの活用など
「新しい再エネ事
業」
へ挑戦します。
・カーボンニュートラルに向け
た世界的な取組みの加速に伴
うお客さまの低・脱炭素化した
電気に対するニーズの高まり
・再エネ導入拡大のための国に
よる地熱の規制緩和や洋上風
力の開発制度の整備
・太陽光PPAなど再エネ導入方
法の多様化
・再エネ関連制度の変更
・競争の激化による収益性の低下
・発電プロジェクトの大規模化に
伴う開発費及びリスクの増大
機会
リスク
脱炭素社会の牽引
エネルギーサービスの高度化
1短期の機会最大化 [利益の向上]・再エネ事業の強化とお客さまサービスの向上を目指した再エネ事業統合・FIP制度やPPAを活用した多様なビジネスモデル構築への取組み・各種補助制度や発電所跡地などの遊休資産を活用した再エネ開発の推進・卒FIT後の電源活用の検討・長年の電源開発・運営実績に基づく技術力を活かした、
再エネ発電所の高効率・高稼働の維持
2中長期の機会拡大 [成長率
(将来の
成長期待)
の向上]
脱炭素社会の牽引
エネルギーサービスの高度化・地熱新規地点開発、
水力開発・リプレース、
洋上風力開発などのグループ・パートナー企業一体
での着実な推進・国内再エネ適地減少を見据えた海外再エネの拡大・再エネ主力電源化に向けた調整力供給ビジネス
(蓄電池・水素製造)
への挑戦
脱炭素社会の牽引
エネルギーサービスの高度化
ガバナンスの強化
3リスクの低減 [資本コストの低下]・長年の電源開発・運営実績に基づく技術力を活かした、
開発調査費及び運営費の低減・豊富な実績を持つ事業パートナーと共同での電源開発による各種リスクの分散・グリーンファイナンスを活用した資金調達
事業別戦略
成長事業
(再エネ事業)
関連ページ P42 P43 P46
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目次 33
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
(株)キューデン・インターナショナル
代表取締役社長
柚須 亮太郎
"九電スピリット"を
グローバルに共有し、
新たなエリア、
事業領域へ拡大
成長事業 〜海外事業〜
九電グループが国内外の電気事業等で培ってきた技術・ノウハウ・ネットワークを最大限に活用し、
海外各地域や時代の
ニーズに応えるエネルギーソリューションを提供します。
九電グループの成長分野の中心として利益を創出し、
2030年度の成長事業による経常利益750億円の達成へ貢献すると
ともに、
社会貢献、
環境配慮を同時に達成する海外事業展開を目指します。
国内電気事業に70年以上の経験
・九電グループが保有する発電事業や送配電事業に係る技術・ノウハウ
海外事業に20年以上の経験
(22件の海外電気事業へ参画)
・市場の成長性が高いアジアを中心に米国・中東にも進出する他、
タイ・米国に海外拠点を保有
多様な事業領域
・九電グループが国内外の電気事業等で培ってきた技術・ノウハウを活かし、
火力や再エネによる発電事業、
送配電事業、
海外コンサルティングを展開
10年以上にわたる人財育成を通じた国際貢献
・2022年度はグループ会社等を含め延べ約80名の技術者を技術指導のため海外へ派遣。
加えて、
ケニア、
キューバ等から
約50名の技術者を日本に受け入れ、
当社設備を活用した技術研修等を実施
ビジネスパートナー等からの信頼と評価
・これまでの事業に対するハンズオンの取組みにより、
現地ビジネスパートナー、
政府、
電力会社との強固な信頼関係を構築
しかく 目指す姿
しかく 強み
・九電グループ初のアフリカにおける未電化地域への電力供給事
業や東南アジアでの再生可能エネルギー開発事業への参画等の
新たな取組みを展開
(海外発電持分出力約284万kW)
・前年度に参画した中東での海底送電事業や中央アジアでの高効
率の火力開発についても、
着実に推進
・経常利益は44億円
(前年比+20億円)
・再エネの拡大を図り、
低・脱炭素化に資する取組みを通じ、
温室
効果ガス
(GHG)
の排出削減にも貢献
2021 2025 2030
291 2842022400500(万kW)
海外発電持分出力
(年度)
2021 2025 20302444202270
(億円)
(年度)
経常利益イメージ
しかく 2022年度の評価と進捗
1990年代後半から先輩たちが "九電スピリット" を持ち、
汗と涙で
開拓してきた海外事業も2023年3月末時点で15か国・地域で22件の
プロジェクトを運営するまでに成長しました。
これまでご縁をいた
だいた皆さま方に心から感謝を申し上げます。
我々の企業スローガンは、
「Connect:つなげよう」
です。
「笑顔」
で人とひとを、
「技術」
で九州と世界を、
「成長」
で今と未来をつなぐ
事業を展開してまいります。
これまで構築した
「人の輪」
を大切に、
Passionを共有できる事業パートナーとの出会いにワクワクしなが
ら、
今後もESGの視点に立った、
当該国の発展と持続可能な社会構築
に貢献できるエネルギービジネスを展開してまいります。
2023年は3か所目の海外拠点を中東のドバイに設置しました。
アジアを中心に展開エリアを徐々に拡大し、
イノベーション分野な
ど新たな事業領域に対しても積極的に挑戦してまいります。
多くの
方々から、
ご支援、
ご協力をいただけるような
「Connect
(共感いただ
ける)」事業を目指しますので、
今後の "九電海外事業スピリット" に
是非、
ご期待ください。
事業別戦略
成長事業
(海外事業)
1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 34
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
しかく 環境認識 しかく 事業戦略
しかく 企業価値創出に向けた取組み
関連する主なマテリアリティ
成長率
利益
資本コスト企業価値
(経済価値) = ­
マテリアリティ解決への取組み
1短期の機会最大化
2中長期の機会拡大 3リスクの
低減
海外電気事業においては、
世界的な
脱炭素化の流れの中で、
長期売電契約
(PPA)
付ガス火力が減少する一方、
再エネ
や送配電事業等の事業機会が増加・多様
化しています。
そのような市場環境を踏
まえ、
各地域のニーズを考慮し、
低炭素で
持続可能な社会の実現に向け、
再エネや
送配電事業等の脱炭素投資を中心に、低炭素化に資する高効率ガス火力や分散型
事業も推進します。
・低炭素化への取組み
対象国・地域の市場環境を踏まえながら、
開発会社との連携等を通じて、
太陽光、
風力を中心に、
地熱や水力、
バイオ
マスにも取り組みます。
また、
低炭素化に資する送配電事業についても、
収益源の一つとして拡大させていきます。
・事業領域の拡大
従来の事業領域に加え、
廃棄物発電や分散型/イノベーション分野のベンチャー企業への出資等の新たな事業領域
にも取り組みます。
・展開エリアの拡大
アジアを中心に、
米国・中東に加え、
再エネ先進地域である欧州等においても事業展開を推進します。
また、
海外拠点についてはタイ、
米国に続き、
2023年度には新たにドバイ駐在員事務所を開設しました。
・アジアをはじめとした新興国等
でのエネルギー需要の増大
・電源の脱炭素化、
分散化ニーズ
の高まりによる事業機会の拡大
・再エネ事業への投資に対する
世界的な競争激化
・各国・地域特有のカントリーリ
スクやマーケットリスク
・ESG投資へのシフトに伴う、火力発電所建設資金の調達環境
変化
・カーボンニュートラルに係る
各国の政策の変化
・ウクライナ危機の影響の継続
・物価・金利・為替の変動
機会
リスク
エネルギーサービスの高度化
1短期の機会最大化 [利益の向上]・出資先事業会社と一体となった、
既存案件の収益性の維持・向上・アセットの入れ替えによる利益の最大化
2中長期の機会拡大 [成長率
(将来の
成長期待)
の向上]
脱炭素社会の牽引
エネルギーサービスの高度化・送配電事業への積極的な参画・開発会社、
戦略パートナーとの連携等を通じた再エネ拡大・低炭素化に資する火力発電事業への参画・CO2フリー燃料
(水素・アンモニア)
事業への取組みや分散型社会を見据えた事業の推進・グループ会社
(西日本技術開発、
サーモケム社等)
の知見を活用した優良地熱案件の発掘
ガバナンスの強化
3リスクの低減 [資本コストの低下]・案件の管理体制整備、
モニタリングによるリスクの早期把握・定期的なリスク評価の実施
事業別戦略
成長事業
(海外事業)
関連ページ P05 P46
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目次 35
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
テクニカルソリューション
統括本部長
千田 善晴
デジタル化の進展など、
事業環境の変化を追い風に
収益強化と地域社会の
DXをリード
成長事業 〜ICTサービス事業〜
ICTインフラ等の既存サービスでの収益の拡大、
さらにはお客さまや社会の様々なニーズをとらえ、
新たな事業ドメインを対象とするICTサービスを
提供し、
2030年度成長事業による経常利益750億
円の達成を目指すとともに、
事業を通じて地域・社
会の持続的な発展に貢献していきます。
電力の安定供給を70年以上支える経験と実績
九州全エリアをカバーする通信インフラ
構築・工事から保守・運用までOne-Stop
・九州全域に光ファイバー網の通信インフラを整備
(世帯カバー率:6〜7割、
法人向け:100%)
・九州全域に拠点を保有し、
工事から保守・運用まで、
24時間365日体制で、
フルサポート
・一体型のソリューションを提供できるICT分野の提案力
・新たな事業
(ドローン、
デジタル広告、
eスポーツ等)
を含む幅広い事業領域
しかく 目指す姿
しかく 強み
・光ブロードバンド事業における減価償却費の増加はあったもの
の、
自治体の情報システム開発受諾の増加等により、
経常利益65
億円
(前年比+4億円)
・他社と共同で地域情報プラットフォームを展開する合弁会社
「(株)まちのわ」
の収益拡大や九電ドローンサービスで累損解消を
達成するなど、
新規サービスでの取組みが着実に進展 2021 2025 2030
61 652022100
(億円)
経常利益イメージ
(年度)
しかく 2022年度の評価と進捗
【既存サービスの営業利益率向上】
(2025年度時点で、
対2020年度比+50%以上)
【新規サービスの開発・提供】
・広告
(デジタル広告の制作・立案等)
・金融・医療
(Fintech、
病理AI解析等)・一次産業
(農業向けITセンサー、
ドローンを活用した森林管理等)
・生活支援
(みまもりサービス等)
・インフラ
(空港ICT、
工場の生産管理システム等)
など
コロナ禍がもたらした急速なデジタル化の進展、
生成AIによる劇
的な生産性向上への大きな期待、
デジタル田園都市国家構想といっ
た政策推進など、
ICTサービス事業をとりまく環境は大きく変化して
おり、
その市場規模は更なる拡大が見込まれています。
また、
エネルギー問題、
カーボンニュートラル、
労働者人口の減少
や多様性のある社会の実現など、
山積する社会課題の解決にはデジ
タル技術が不可欠であり、
それらを支える光ブロードバンドや5G
ネットワーク、
データセンターをはじめとするICTインフラの重要性
もますます高まっています。
当社及びグループ会社は、
電気事業で培った強みである、
高品質で
高セキュリティなICTインフラ・ICTサービスを着実に提供していく
とともに、
お客さまや社会のニーズの変化や急速なデジタル化を大
きなビジネスチャンスととらえ、
デジタル技術と自由な発想を掛け
合わせて、
新たな価値・サービスを創出し、
収益の拡大と地域・社会
のDXをリードしていきます。
事業別戦略
成長事業
(ICTサービス事業)
1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 36
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
しかく 環境認識 しかく 事業戦略
しかく 企業価値創出に向けた取組み
関連する主なマテリアリティ
成長率
利益
資本コスト企業価値
(経済価値) = ­
マテリアリティ解決への取組み
1短期の機会最大化
2中長期の機会拡大 3リスクの
低減
ICT分野の技術進展は速く、
さらに、
各技術が融合することで、
事業領域を超えたイノベーションが起きています。
成長事業であるICTサービス事業では、
九電グループ全体として、
2030年度経常利益150億円+αを目標として掲げています。
最近では、
新型コロナを契機としたテレワークや動画配信サービスの拡大等社会全体のデジタル化の進展により、
データ通信量は増え続け、
通信ネットワークの重
要性は高まる一方です。
ICTインフラ等の既存サービスにおいては、
5Gネットワーク構築への対応やクラウドサービスの拡大に伴うDC事業の強化、
さらには法人向
けセキュリティサービスの拡大など、
新たな需要を確実に取り込み、
更なる収益拡大に努めていきます。
また、
目標達成に向けては、
既存サービスに加え、
今後はアプリケーションやコンテンツをはじめとする上位レイヤでの新たな取組みを加速し、
提供サービス拡大
に伴う収益拡大を目指します。
当社及びグループ会社相互の強みを活かした販路拡大に加え、
M&A、
オープンイノベーション等による新規パートナー企業の発掘、
他企業との提携による技術の内製化、
新規事業化を推進します。
また、
自治体DXの推進や、
産学における包括連携など、
お客さま視点でのニーズ深掘りによる新たな
サービスを強化します。
・生 成AIを は じ め と す るAI/
IoT技術、
モバイル技術(5G/Beyond5G)、ドローン等のデ
ジタル技術の進展
・デジタル技術を活用した働き
方改革や業務変革(DX)・各種政策の推進
(デジタル田
園都市国家構想に伴うFTTH、
5Gネットワーク、
データセン
ター(DC)等のICTインフラの
整備・拡大等)
・環境意識の高まり
(CN、ESG)・低廉かつ安定した電力を背景
とした九州への工場進出
・自然災害の頻発・激甚化、
巨大
地震
・サイバー攻撃の増加に伴うセ
キュリティ脅威の高まり
・IT人財の不足、
確保の困難化
機会
リスク
スマートで活力ある社会の共創
1短期の機会最大化 [利益の向上]・光ブロードバンド事業
「BBIQ」
やDC事業など、
社会全体のデジタル化に対応した既存サービ
スの強化・法人/自治体向けDX提案の強化、
セキュリティ関連サービスの拡大・地域情報プラットフォームの全国展開、
新サービスの開発・法改正や自治体システムの標準化に対応した情報システム開発受託
ガバナンスの強化
多様な人財の育成と活躍推進
3リスクの低減 [資本コストの低下]・ROIC
(投下資本利益率)
を意識した事業ポートフォリオ構築・グループ会社とも連携したITガバナンス機能及びシステム開発体制の強化・IT人財の積極的採用及び教育体制構築に伴うグループ内育成・グループ外取引先も含めたサプライチェーン全体の情報セキュリティ対策の強化
2中長期の機会拡大 [成長率
(将来の
成長期待)
の向上]・ドローンサービス事業の新たなビジネスモデルの確立・デジタル広告事業における経験の蓄積及びテレビなどのマスメディア領域への進出・新規事業創出に向けたオープンイノベーションの実施や、
eスポーツ分野、
AIへの積極投資・CN達成に向けて、
再エネの普及拡大にあわせた蓄電システムの提供・工場向け生産管理システムの提案
脱炭素社会の牽引
エネルギーサービスの高度化
スマートで活力ある社会の共創
事業別戦略
成長事業
(ICTサービス事業)
関連ページ P04 P62 P71 P88
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目次 37
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
都市開発事業本部長
上妻 正典
高付加価値な事業展開で
社会の活力創出と
グループの成長へ
成長事業 〜都市開発事業〜
・エネルギーやデジタルを活用した九電グループならではの都市開発事業を展開し、
国内外で収益を拡大します。
・事業を通じて、
交流人口拡大、
賑わい・雇用の創出、
脱炭素化の推進、
社会のスマート化、
安心・安全な暮らしなど、
地域・社会
の持続的発展に貢献します。
広域にわたるリレーションシップ
・九州を中心に企業、
自治体、
大学、
経済団体等との幅広い関係性を持つ
・九州全域に顧客基盤を持つ
エネルギー・ICTの専門力と九電グループの総合力
・再エネや電化推進、
スマートインフラの構築等の専門力を持った人財を保持
・九電グループとして、
これまで70年間の事業活動で培ってきた知見・ノウハウを結集し、
多様な商品・サービスの提供が可能
しかく 目指す姿
しかく 強み
・不動産賃貸収益の増加などにより、
経常利益32億円
(前年比±0)
・オフィス賃貸事業、
分譲マンション事業の拡大に加え、
九州内の
物流施設開発事業や、
海外都市開発事業など有望なアセット・
エリアへの投資を推進
2021 2025 2030
32 32202250
(年度)
(億円)
経常利益イメージ
しかく 2022年度の評価と進捗
私たちは、
九州をはじめ国内外の都市開発事業を通じて、
九電グ
ループの成長と地域のお客さまや社会の活力創出の実現を目指して
おります。
そのためには稼ぐ力をより高めなければなりません。
事業を成長させるうえでアセットや事業ポートフォリオの最適化
は不可欠です。
また、
エネルギーやデジタルの活用に加え、
ブランド力
強化による高付加価値な事業展開が必要です。
これらの実現のためには、
人財・組織づくりが最も重要です。
一人ひ
とりの専門力・実践力を高めるとともに、
自己や組織の成長、
社会貢献
を実感できるイキイキとした職場風土づくりに注力してまいります。
私たちは、
今後もマーケットインを徹底し、
お客さまの課題・ニーズ
や社会・市場の変化を捉え、
迅速にお応えしていきます。
最後に、
私の仕事観でもありますが、
信頼できるパートナーと知恵
を絞り合い、
人々の幸せにつながる事業に挑戦し続けてまいります。
福岡市青果市場跡地活用事業
(ららぽーと福岡)
(2022年4月開業)
熊本空港特定運営事業
(新旅客ターミナルビル)
(2023年3月供用開始)
米国南部ESG配慮型賃貸集合住宅開発
(2022年5月参画)
福岡県粕屋町物流施設事業
(2024年8月運用開始予定)
主な取組み案件
事業別戦略
成長事業
(都市開発事業)
1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 38
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
しかく 環境認識 しかく 事業戦略
しかく 企業価値創出に向けた取組み
関連する主なマテリアリティ
成長率
利益
資本コスト企業価値
(経済価値) = ­
マテリアリティ解決への取組み
1短期の機会最大化
2中長期の機会拡大 3リスクの
低減
収益性・安定性のあるポートフォリオの構築
・収益特性に応じて、
長期保有型・短期回転型・サービスの3つに分類し、
各々の特徴を補完し合う収益性・安定性のバランスのとれたポートフォリオを構築します。
- 長期保有型事業については、
安定的な収益基盤であり、
九州を中心に開発プロジェクトを実施します。
- 短期回転型事業については、
成長の加速化に貢献するものであり、
柱となる海外都市開発事業と分譲マンション事業を強化・拡大します。
- サービスについては、
アセットマネジメント事業を早期に確立し、
私募リート組成など自律的な投資サイクル構築とマネジメントフィー獲得を実現します。
エネルギーやデジタルを活用した九電グループならではの高付加価値な事業の展開
・省エネ性能向上や使用エネルギーの低炭素化など脱炭素社会に貢献する開発を推進します。
・多様なスマートサービスを活用したエリアマネジメントやまちづくりを推進します。
・時代の変化を捉え、
新たな事業分野に果敢に挑戦します。
強固な組織の構築
・多様な人財を獲得するとともに、
事業を通じて一人ひとりの専門力を高め、
都市開発事業のプロフェッショナル集団を構築します。
・デジタルの活用など変革意識を持ち、
スピード感のある事業を展開します。
・自己成長、
組織成長、
社会貢献を実感できる働きがいのある職場を実現します。
・脱炭素化の潮流の中、
エネル
ギーに関する環境性・効率性
のニーズの高まり
・大都市への人口の集中、
地方都
市の再生
・住まい・過ごし方の多様なニー
ズ、
デジタルを活用したサービ
スの加速化
・働き方の多様化、
柔軟な働き
方、
多様な人財の活躍
・国内の人口減少・少子高齢化、
地方の衰退
・地球温暖化の進行、
自然災害の
リスク
・資材価格の高騰
機会
リスク
スマートで活力ある社会の共創
1短期の機会最大化 [利益の向上]・海外都市開発事業、
分譲マンション事業の強化・拡大
2中長期の機会拡大 [成長率
(将来の
成長期待)
の向上]
脱炭素社会の牽引
スマートで活力ある社会の共創
多様な人財の育成と活躍推進・脱炭素やDXなど高付加価値なまちづくり・アセットマネジメント事業の確立・強固な組織の構築、
プロフェッショナル人財の育成
スマートで活力ある社会の共創
ガバナンスの強化
3リスクの低減 [資本コストの低下]・事業リスク分散の観点からのアセット・エリアの多様化・アセットマネジメント事業の推進による資産の売却・再投資のサイクル確立
事業別戦略
成長事業
(都市開発事業)
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