(別 紙)
玄海原子力発電所4号機 第4回安全性向上評価届出書の概要
1 安全性向上評価について
安全性向上評価は、自主的かつ継続的に原子炉施設の安全性及び信頼性を
向上させることを目的とし、原子力発電所のリスクを合理的に実行可能な限り
低減することを目標に以下の流れで実施した。
2 安全性向上評価届出書の概要について
第1章 安全規制によって法令への適合性が確認された範囲
・第 15 回定期検査終了時点(2023 年 3 月 8 日)の発電所設備等の
最新状態を記載
第2章 安全性の向上のため自主的に講じた措置
・保安活動の実績、最新の科学的・技術的知見の反映状況を調査した
結果、更なる安全性向上対策は抽出されなかった
第3章 安全性の向上のため自主的に講じた措置の調査及び分析
・特定重大事故等対処施設の運用開始に伴い、本施設の活用による
リスク低減効果を確率論的リスク評価等で評価し、評価結果から
抽出した更なる安全性向上対策を記載
・最新の国内外の知見等を参考に、プラントの安全性について中長期的
な観点から有効性レビューを実施する必要があり、評価を行う準備が
整ったことから今回評価を実施し、評価結果から抽出した更なる
安全性向上対策を記載
第4章 総合的な評定
・保安活動の実施状況調査、確率論的リスク評価、安全裕度評価等の
評価結果を踏まえ、総合評定を実施し、策定した安全性向上計画を
記載
保安活動の実施状況調査
確率論的リスク評価 安全裕度評価
総合評価
《更なる安全性向上対策の抽出・実施》
⚫ 安全性向上に資する設備対策
⚫ 安全性向上に資する運用面の対策
*評価結果が変わるような大規模工事等が
あった場合に実施するものであり、今回は
対象外
3 総合的な評定
(1)総合評定
・評価結果から抽出した更なる安全性向上対策については、プラントの
更なる安全性向上に資するものと評価した。
・今後も、保安活動の確実な実施を基本に、安全性向上評価の仕組みを
活用しつつ、原子力発電所のリスクを合理的に実行可能な限り低減させ
ていく。
(2)評価結果から抽出した更なる安全性向上対策
更なる安全性
向上対策
概要 実施時期1非常用炉 心冷却
設備の切 替操作
の自動化
リスク低減の観点から、非常用
炉心冷却設備の取水源切替操作を
自動化する。
2023〜2024 年度
(第 16 回定期検査)
にて成立性等の
確認実施
非常用 炉 心冷却
設備の 切 替操作
に係る教育・訓練
の継続
自動切替設備の有無に関わらず、
今後も継続的に切替手順に係る
教育・訓練を実施し、事故対応
に万全を期す。
継続実施
蒸気発生器の隔離
操作等に 関する
教育・訓練の実施
運転員の意識や事故対応能力向上
の観点から、重要度の高い運転操作
に関する教育・訓練を重点的に実施
する。
適宜実施
特定重 大 事故等
対処施設 の活用
に関する教育
事故時の対応手段の多様化など、
特定重大事故等対処施設の活用
が有効であると評価できたため、
こ の 活 用 方法 に つい て 教 育 を
実施し、事故対応能力の向上を
図る。
適宜実施
更なる安全性
向上対策
概要 実施時期2設備保全管理シス
テム(EAM)を
活用した保安活動
の記録等の共有
EAMに設計基準図書や保全
管理に係る情報、安全上重要な
機器等の記録を電子化・一元化し、
アクセス性向上を図る。
2023 年度以降
確率論的リスク評価
モデルの高度化や
最新の図面・手順書
の反映
発電所の状況に沿ったより精緻
な評価を実施するため、国内外
の知見の反映や、最新の設備の
図面及び手順書を反映した地震・
津波時の確率論的リスク評価
モデルの構築を検討する。
第6回届出時
EAMを活用した
パフォーマンス指標
( P I ) 評 価 の
運 用 性 向 上 及 び
評価手法の改善
本店や発電所内の幅広い共有
を図るため、EAM活用による
PI全体の傾向分析結果の運用
性向上(アクセス性向上)及び
評価手法の改善を図る。
2023年度以降
リスク情報活用に
係る体系的な教育
確率論的リスク評価を含めリスク
情報活用に係る体系的な教育を強化
する。
2023年度以降
1:第3章のうち、確率論的リスク評価等から抽出された安全性向上対策
2:第3章のうち、中長期的な観点から有効性レビューを実施し、抽出された
安全性向上対策
(参考)安全性向上評価による継続的な取組みの流れ
評価
6 ヶ月
定検 定検 定検
▽定検終了 ▽定検終了
運転 運転
評価
6 ヶ月
評価
6 ヶ月
安全性向上対策
の実施
安全性向上対策
の実施
運転
▽定検終了
▽届出 ▽届出 ▽届出
しろまる 用語説明
・確率論的リスク評価
事故を想定した場合の炉心損傷や格納容器機能喪失のリスク(発生頻度と
その影響)を、原子炉施設において発生しうる様々な事象の発生確率を考慮
して定量的に評価するもの。
・安全裕度評価
地震等の自然現象に対して、設計値を超え、どの程度まで炉心及び使用済燃料
の著しい損傷を発生させることなく、耐えることができるかを評価するもの。
・非常用炉心冷却設備
原子炉を冷却する配管などが破断し、冷却水が漏れ出るような事故が起きた
場合などに、自動的に原子炉へ冷却水を注入する設備。
・設備保全管理システム (EAM)
発電所の設備・資産管理を支援するソフトウェア。本システムを活用する
ことで、設備保全に必要な情報(点検計画や図書等)が一つのデータベースで
参照・連携され、点検対象の自動抽出による業務効率化が可能となる。
・パフォーマンス指標 (PI)
原子力発電所の各業務分野におけるパフォーマンスを監視するための指標。
これらの傾向を監視、測定、分析、評価することで自らの活動のパフォーマンス
を改善する。
以 上

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