安全性向上評価 第2章
「2.2.1 保安活動の実施状況」について
資料1
第8回原子力に係る安全性・信頼性向上委員会資料
2022年11月29日
九州電力株式会社
目次
1.本資料で説明する安全性向上評価の項目
2.規制側から要求されている「保安活動の実施状況」の記載内容
3.運用ガイドを踏まえた記載概要及び調査プロセス
a. 安全性向上評価における記載概要
b. 評価の要領
(1) 調査方法(改善活動)
1 調査期間
2 改善活動の調査
3 改善活動の有効性評価
(2) 調査方法(実績指標)
1 調査期間
2 実績の調査
3 実績指標の有効性評価
4.安全性向上に資する自主的な設備1 1.本資料で説明する安全性向上評価の項目
くろまる 届出書本文
第1章 安全規制によって法令への適合性が確認された範囲
第2章 安全性の向上のため自主的に講じた措置
2-1 安全性の向上に向けた継続的取組みの方針
2-2 調査等
(保安活動の実施状況、国内外の最新の科学的知見及び技術的知見 等)
2-3 安全性向上計画
2-4 追加措置の内容
2-5 外部評価の結果
第3章 安全性の向上のため自主的に講じた措置の調査及び分析
3-1 安全性向上に係る活動の実施状況の評価
(確率論的リスク評価(PRA)、安全裕度評価(ストレステスト) 等)
3-2 安全性向上に係る活動の実施状況に関する中長期的な評価
第4章 総合的な評定
くろまる 添付資料(第1章に係る図書(保安規定、基本設計方針)を添付)
くろまる 参考資料(商業機密、防護上の機密等の公開できない情報)2 くろまる「実用発電用原子炉の安全性向上評価に関する運用ガイド」(原子力規制委員会制
定)(以下、「運用ガイド」)において、安全性向上評価の具体的実施内容等の例示
が記載されており、第2章及び「保安活動の実施状況」については以下の通り。
2.安全性の向上のための自主的に講じた措置
原子炉等規制法第43条の3の29第2項第1号及び実用炉規則第99条
の6第1号ハの規定に基づき、自主的に講じた措置が発電用原子炉の安全性に
与える影響に関し、以下の項目について説明する。
2-2 調査等
(1) 保安活動の実施状況
原子炉等規制法第44条の3の22第1項及び実用炉規則第69条の規定に基
づく保安活動に加えて、発電用原子炉施設の安全性及び信頼性のより一層の
向上に資する発電用原子炉設置者の自主的な取組を含めた活動の実施状況
について記載する。32.規制側から要求されている「保安活動の実施状況」の記載内容
a.安全性向上評価における記載概要
原子炉等規制法第43条の3の22第1項及び実用炉規則第69条の規定に基づく
保安活動に加えて、発電用原子炉施設の安全性及び信頼性のより一層の向上に資
する当社の自主的な取組を含めた活動の実施状況をとりまとめ、活動内容について
調査、分析し、その有効性の評価結果について記載している。
b.調査の要領
以降に示す調査方法に基づき、調査期間中の改善活動及び実績指標の推移につ
いて、保安活動ごとに整理し、保安活動の有効性を確認する。
(1) 調査方法(改善活動)
1 調査期間
前回の定期事業者検査終了翌日から今回の定期事業者検査終了時点。43.運用ガイドを踏まえた記載概要及び調査プロセス(1/3)
定検 定検
評価期間
(6か月)
調査期間
▼ 届出
定検
2 改善活動の調査
内部評価結果及び外部評価機関等から受けた評価結果を調査し、調査の結果
抽出された各改善活動を各保安活動に整理し、更に仕組みの改善又は設備の改
善に分類し、有効性を評価する。
内部評価結果
マネジメントレビュー
監査、不適合管理 等
外部評価結果
原子力規制検査 等
保安活動
品質保証活動、運転管理
施設管理、燃料管理
放射線管理、放射性廃棄物管理
緊急時の措置、
安全文化の醸成活動
仕組みの改善
組織・体制
社内マニュアル
教育・訓練
設備の改善
3 改善活動の有効性評価
以下の項目を考慮して評価を行う。
・改善活動が保安活動に定着しているか
・改善活動の見直しが継続的に行われているか
・改善活動が必要と判断した事象に再発又は類似の事象が発生していないか
・改善が必要と判断した事象に再発又は類似の事象が発生している場合には、原
因が確認され、その原因に基づいて追加の改善活動が講じられているか
・改善活動が、保安活動の目的に沿って有効であったか
3.運用ガイドを踏まえた記載概要及び調査プロセス(2/3) 5
(2) 調査方法(実績指標)
1 調査期間
改善活動と同じ。ただし調査期間内のデータだけでは時間的な推移の確認が困難な場合、
過去10年分又は10サイクル分の確認可能な範囲のデータを調査する。
2 実績の調査
保安活動毎に選定された実績指標の、調査期間中の時間的な推移の調査を行う。
3 実績指標の有効性評価
以下の視点で評価を行う。
・時間的な推移が安定しているか
・時間的な推移に著しい変化又は中長期的な増加若しくは減少傾向がないか
・著しい変化又は中長期的な増加若しくは減少傾向がある場合には、その原因が明らか
にされ適切な対策がとられているか
・著しい変化がなく安定している場合は、安定した状態を維持するため、又は向上した状
態を目指すための適切な対応がとられているか。
・定性的な実績指標については、その活動が適切に実施され、必要に応じて改善活動
等が実施されているか。
3.運用ガイドを踏まえた記載概要及び調査プロセス(3/3) 6
4.安全性向上に資する自主的な設備
a.記載概要
発電所の安全性及び信頼性のより一層の向上に資する自主的な取組みとして、重
大事故等の発生及び拡大防止に資する、多様性拡張整備(注記)1及び追加的に配備し
た設備(注記)2等について記載している。
設備 運用方針 期待される効果
2次系補給水
ポンプ
使用済燃料ピットの冷却機能喪失時又は使用済
燃料ピットに接続する配管が破損し、使用済燃料
ピット水の小規模な漏えいが発生した場合に、2次
系純水タンクから給水する。
2次系純水タンクは、耐震Cクラスであり十分な耐
震性を有していないため、重大事故等発生時に対応
できる設備としての信頼性を有していないが、必要
な水量を確保しており、使用済燃料ピットへ注水す
るためには有効である。
2次系純水
タンク
《主な多様性拡張設備》
《主な追加的に配備した設備》
設備
工事計画
記載数
追加
配備数
対応手段
号炉間電力
融通ケーブル
1本 2本
1号機及び2号機の代替電源接続盤間の電力
融通7(注記)1:技術基準上の全ての要求事項を満たすことや、全てのプラント状況において使用することは困難であるが、プラント状況によっては事故対応に有効
な設備
(注記)2:工事計画に記載した「保安規定83条重大事故等対処設備」に規定する所要数に予備を含めた数量に加え、自主的に追加配備した同一仕様
の設備 8 【参考】安全性向上評価制度に関係する法令(抜粋)
(発電用原子炉施設の安全性の向上のための評価)
第四十三条の三の二十九 発電用原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その発電用原子炉施設における安全性の向上を図る
ため、原子力規制委員会規則で定める時期ごとに、当該発電用原子炉施設の安全性について、自ら評価をしなければならない。ただし、第四十三条の
三の三十四第二項の認可を受けた発電用原子炉については、原子力規制委員会規則で定める場合を除き、この限りでない。
2 前項の評価は、次に掲げる事項について調査をし、及び分析をし、並びにこれらの調査及び分析の結果を考慮して当該発電用原子炉施設の全体に
係る安全性について総合的な評定をして、行わなければならない。
一 発電用原子炉施設において予想される事故の発生及び拡大の防止(以下この号において「事故の発生の防止等」という。)のため次に掲げる措置
を講じた場合における当該措置及びその措置による事故の発生の防止等の効果に関する事項
イ 第四十三条の三の十四の技術上の基準において設置すべきものと定められているもの以外のものであつて事故の発生の防止等に資する設備又は機
器を設置すること。
ロ 保安の確保のための人員の増強、保安教育の充実等による事故の発生の防止等を着実に実施するための体制を整備すること。
第九十九条の六 法第四十三条の三の二十九第四項に規定する原子力規制委員会規則で定める方法は、次に掲げるものとする。一 発電用原子炉施設
において予想される事故の発生及び拡大の防止(以下この号において「事故の発生の防止等」という。)のための措置を講じた場合における当該措置
及びその措置による事故の発生の防止等の効果に関する次に掲げる事項を確認すること。
イ 当該発電用原子炉施設について、技術基準において設置すべきものと定められているものが設置されていること。
ロ 当該発電用原子炉施設について、法第四十三条の三の二十四第一項の認可又は変更の認可を受けた保安規定に定める措置が講じられていること。
ハ 当該発電用原子炉施設において、発電用原子炉施設における安全に関する最新の知見を踏まえつつ、自ら安全性の向上を図るためイ及びロの規定
により確認することとされている措置に加えて講じた措置の内容及びその措置による事故の発生の防止等の効果
二 前号に掲げる措置を講じたにもかかわらず、重大事故の発生に至る可能性がある場合には、その可能性に関する事項について、発生する可能性の
ある事象の調査、分析及び評価を行い、その事象の発生頻度及び当該事象が発生した場合の被害の程度を評価する手法その他の重大事故の発生に至る
可能性に関する評価手法により確認すること。
三 前二号により確認した内容を考慮して、当該発電用原子炉施設の全体に係る安全性についての総合的な評定を行うこと。
(保安及び特定核燃料物質の防護のために講ずべき措置)
第四十三条の三の二十二 発電用原子炉設置者は、次の事項について、原子力規制委員会規則で定めるところにより、保安のために必要な措置(重大事故が
生じた場合における措置に関する事項を含む。)を講じなければならない。一 発電用原子炉施設の保全
二 発電用原子炉の運転
三 核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の運搬、貯蔵又は廃棄(運搬及び廃棄にあつては、発電用原子炉施設を設置した工場又は事業所におい
て行われる運搬又は廃棄に限る。次条第一項において同じ。)
(品質マネジメントシステム)
第六十九条 法第四十三条の三の二十二第一項の規定により、発電用原子炉設置者は、法第四十三条の三の五第一項又は第四十三条の三の八第一項の許可を受けたところによ
り、品質マネジメントシステムに基づき保安活動(第七十八条から第九十条までに規定する措置を含む。)の計画、実施、評価及び改善を行うとともに、品質マネジメントシ
ステムの改善を継続して行わなければならない。9 【参考】届出書における改善活動の記載の程度について
くろまる調査の結果抽出された全ての改善活動は、概要を表に記載し、より安全性向上に資す
る活動については、詳細を記載している。
【届出書本文抜粋】10 【参考】実績指標の調査結果(人的過誤による不適合発生件数)
4 4 34510
3 5 685
くろまる2015年は、新規制基準対応に係る適合性確認検査の要領書又は成績書の誤記、
記録の添付忘れ等の不適合が45件発生した。
くろまる適合性確認検査が初めての業務であったこと、また、他の検査業務等と輻輳していたな
かで発生しており、原因は「ル―ルの理解不足」等によるものであったことから、注意喚起
や教育を行う等の是正処置が図られている。
くろまるその他の各年度の不適合件数は、10件以下で推移している。11

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