九電グループデータブック2021
発行 2020.10 (第1版)2021九電グループデータブック
データでみるエネルギー情勢と九電グループ
発行 2021.10(第1版)
九電グループデータブック2021
くろまる ある瞬間に発電・消費する電気の「大きさ」
1,000W=1kW(キロワット)
【kWのイメージ】
電力と電力量とは?
 電力(単位:W)とは?
【契約容量30A(=3kW)(注記)】 家電製品と比較
・照明 100W ・洗濯機(洗濯時) 100W
・液晶テレビ(42型) 200W ・冷蔵庫(450L) 300W
・エアコン(10畳用) 800W ・炊飯器 1,300W
⇒ 30Aでは、上記の家電製品を同時に使用できる
(合計2,800W)
(注) 家電製品の規格や使用状況等によって異なります
 ご家庭の電力・使用電力量はどれくらいの大きさ?(当社モデル家庭 契約容量30A(アンペア)・使用電力量250kWh/月)
【使用電力量250kWh/月】 当社発電所と比較
・メガソーラー大牟田発電所(年間推定発電電力量)
約280万kWh/年 ⇒ 約930世帯分/年
・地熱発電所(全6か所分、2016年度発電電力量)
約12億kWh/年 ⇒ 約41万世帯分/年
・玄海原子力発電所(2010年度発電電力量)
約242億kWh/年 ⇒ 約810万世帯分/年
くろまる 一定時間に発電・消費する電気の「総量」
1,000Wh=1kWh(キロワットアワー)
【kWhのイメージ】
 電力量(単位:Wh)とは?
(注記) 電力は、電流(A)×ばつ電圧(Vボルト)で算定することができ、ご家庭の
電圧は通常100Vのため、30Aの契約容量で3kW(3,000W)となります
電力の需要曲線
(一日の電力消費の傾向)
時間
kW(高さ)kW電力の需要曲線
(一日の電力消費の傾向)
時間kWkWh(面積)1 九電グループデータブック2021
目次 CONTENTS
1 世界のエネルギー情勢 ・・・・・・・・・・・・・・5
〔エネルギー動向〕
1-1 世界の一次エネルギー消費量の推移 (地域別)
1-2 世界の一次エネルギー消費量の見通し (2050年)
1-3 世界の一次エネルギー消費量の推移 (エネルギー資源別)
1-4 エネルギー資源の確認可採埋蔵量
1-5 世界の太陽光発電の導入状況(累積導入量の推移)
1-6 主要国のエネルギー自給率
1-7 主要国の一人あたりの一次エネルギー消費量
1-8 主要国の発電電力量における電源構成
1-9 主要国の一人あたりの電力消費量
1-10 欧州における電力融通
1-11 諸外国の電気料金(家庭用)の推移
1-12 電気料金単価の国際比較
〔地球温暖化の現状(概況)〕
1-13 世界と日本の平均気温
1-14 温暖化対策有無による将来の気温予測
1-15 世界の異常気象例
1-16 温室効果ガスの構成割合とCO2の排出起源
1-17 世界のCO2排出量の推移 (地域別)
1-18 世界のCO2排出量の見通し (2050年)
1-19 CO2排出量の削減に向けた主要国の長期戦略
2 日本のエネルギー情勢 ・・・・・・・・・・・・・・25
〔エネルギー動向〕
2-1 日本の一次エネルギー国内供給の推移 (エネルギー資源別)
2-2 日本の最終エネルギー消費量の推移 (部門別)
2-3 家庭部門のエネルギー源の推移
2-4 家庭部門の用途別エネルギー消費の推移
2-5 日本のエネルギー自給率の推移
2-6 日本の原油輸入価格の推移
2-7 日本の原油輸入量と中東依存度の推移
2-8 日本の電源別発電電力量の推移
2-9 日本の長期エネルギー需給の見通し (2030年度)
2-10 原子力発電所停止による影響1 (燃料費の増加)
2-11 原子力発電所停止による影響2
(電力会社の電気料金単価の上昇)
2-12 原子力発電所停止による影響3
(家庭の電気使用量の減少と電気代支出額の増加)
2-13 原子力発電所停止による影響4 (CO2排出量の増加)
2-14 日本の電源別発電コスト
〔地球温暖化の現状(概況)〕
2-15 日本の温室効果ガス削減目標 (2030年度)
2-16 日本の温室効果ガス削減目標 (2050年度)
2-17 日本の温室効果ガス排出量の推移 (2019年度)
2-18 日本の電源別CO2排出量
〔その他〕
2-19 電気料金と他の公共料金等の推移2 九電グループデータブック2021
目次 CONTENTS
3 原子力発電の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
3-1 世界の原子力発電所の設置、建設・計画状況
3-2 世界の原子力発電の見通し (2040年)
3-3 日本の原子力発電所の設置状況
3-4 原子炉型式(PWR・BWR)による発電の仕組みの違い
3-5 九州電力の原子力発電所の概要
3-6 原子力発電所の安全性向上への取組み
3-7 核燃料サイクル
3-8 使用済燃料の再利用 (プルサーマル)
3-9 高レベル放射性廃棄物処分における核燃料サイクルの意義
3-10 高レベル放射廃棄物の地層処分
3-11 地層処分における日本の地質環境を考慮した対策
3-12 諸外国の地層処分の進捗状況
3-13 日常生活や原子力発電所等における放射線の量
3-14 放射線の量と生活習慣によってがんになるリスクの比較
[電力供給の状況]
4-7 九州電力の発電設備構成の推移(2019年度)
4-8 電源別発電電力量の推移(〜2014年度)
4-9 電源構成(2015年度〜)
4-10 夏季の典型的な電力需要と電源の組合せ
4-11 原子力発電所の設備利用率の推移
4-12 火力発電所の設備利用状況
4-13 化石燃料の消費量と燃料費の推移
4-14 燃料の長期安定確保への取組み
4-15 離島の電源設備容量
4-16 台風による設備被害の状況
4-17 停電時間・回数の推移
4-18 平成28年熊本地震における停電復旧の状況
4-19 平成28年熊本地震における川内原子力発電所の安全性
4-20 地震発生時における川内原子力発電所と周辺観測点との揺れ
の大きさの違い
当社の原子力発電にかかる取組みについては、
当社ホームページをご覧ください
4 九電グループの電力安定供給への取組み・・・・・・・・・60
[電力需要の状況]
4-1 販売電力量と最大電力の推移
4-2 販売電力量(電灯・電力)の推移
4-3 季節別の電力需要の推移
4-4 時間別の電力需要の推移
4-5 夏季の電力需要の特徴
4-6 気温や曜日による電力需要の変動3 九電グループデータブック2021
目次 CONTENTS
5 九電グループの地球環境問題への取組み ・・・・・81
〔地球温暖化の現状(概況)〕
5-1 CO2排出量構成比
5-2 CO2排出量の推移
〔需要面における対応(電化の推進)〕
5-3 電化率の推移
5-4 各分野の電化率
5-5 家庭部門の電化率の推移
5-6 電化によるCO2排出量の削減(自動車)
5-7 オール電化住宅戸数の推移
5-8 電化の推進のための取り組み1
5-9 電化の推進のための取り組み2
5-10 使い方で省エネ(エアコン・照明器具)
5-11 使い方で省エネ(冷蔵庫・テレビ)
5-12 使い方で省エネ(待機時消費電力)
5-13 選び方で省エネ(最新の電気機器の省エネ性能)
〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
5-14 非化石電源比率
5-15 再生可能エネルギーによるCO2排出抑制効果
5-16 再生可能エネルギー開発量目標値(2030年度)
5-17 再生可能エネルギーの開発 (地熱発電設備容量)
5-18 再生可能エネルギーの開発 (地熱開発の最近の取組み)
5-19 再生可能エネルギーの開発 (太陽光・風力の開発)
5-20 太陽光・風力の接続量の推移と申込み状況(九州本土)
5-21 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の仕組み
5-22 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の推移
5-23 再生可能エネルギーの電源別の買取価格・期間
5-24 太陽光・風力の特徴と課題
5-25 太陽光の発電出力の変化
5-26 風力の発電出力の変化
5-27 再生可能エネルギー受入れへの対応
1 揚水発電の活用
2 大容量蓄電システムの活用
3 離島における蓄電池の活用
4 太陽光発電の出力制御技術の高度化
5 転送遮断システムの開発
6 VPP実証試験
7 供給力が需要を上回る場合
5-28 原子力発電によるCO2排出抑制効果(日本[2019年度])
5-29 原子力発電によるCO2排出抑制効果(当社[2020年度])
5-30 火力発電所の熱効率の推移
5-31 火力発電電力量あたりのSOx、NOx排出量
5-32 石炭火力発電所のバイオマス利用によるCO2排出量低減4 九電グループデータブック2021
1 世界のエネルギー情勢
世界では、中国やインドなどアジア地域を中心に、経済発展
や人口増加に伴い、エネルギー消費量が増加しています。
エネルギー資源別でみると、化石燃料(石油・石炭・天然ガ
ス)の消費量が拡大しており、それに伴いCO2排出量も増加し
ています。
このような中、地球温暖化等の気候変動へ対応するため、世
界各国で対策が進められています。5 九電グループデータブック20210%10%20%30%40%50%60%70%80%0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2019(年)
(100万toe)
OECD諸国のシェア(%)
(右軸)
OECD諸国のシェアは低下
アジア大洋州のシェア
アジア大洋州のシェア
15.2%(1971年)
(1971年69.2%→2019年40.0%)
44.1%(2019年)
1-1 世界の一次エネルギー消費量の推移(地域別)
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕
 経済発展や人口増加等に伴い、特に2000年代以降、アジア大洋州を中心にエネルギー消費量が増加しています
(48年間で約2.7倍に増加)
(注)toeは、tonne of oil equivalentの略であり、石油換算トンを示す
出典:BP 「Statistical review of world energy 2020」、資源エネルギー庁「エネルギー白書2021」をもとに作成6北米
中南米
ヨーロッパ
ユーラシア
中東
アフリカ
アジア
大洋州
九電グループデータブック2021
24% 18% 北米13%5%
3% 日本 2%22%16%OECD(日米除く)11%10%
22% 中国19%4%6%インド13%3%6%中東 7%4%6%
アフリカ 8%5%6%
中南米 7%21%14%
その他
(OECD以外)16%2%3%その他 4%02,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
18,000
20,000
1990 2018 2050
(100万toe)
(年)
世界
約1.6倍
世界
約1.3倍
インド
約3.0倍
インド
約2.6倍
中国
約3.7倍
中国
約1.1倍
(見通し)
1-2 世界の一次エネルギー消費量の見通し(2050年)
 中国やインド等の新興国のエネルギー需要の増加により、今後、資源獲得競争が更に激化することが予想されています
(注1)toeは、tonne of oil equivalentの略であり、原油換算トンを示す (注2)2050年のエネルギー消費量の見通しは、レファレンスシナリオ(現在までの
エネルギー・環境政策等を背景とし、これまでの趨勢的な変化が継続するシナリオ)で作成 (注3)国際海運や国際空運における消費量
出典: IEA「World Energy Balances 2020 Edition」、日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧2021」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕7(注3)
九電グループデータブック2021
1-3 世界の一次エネルギー消費量の推移(エネルギー資源別)
 世界のエネルギー消費量は年代の経過とともに増加しており、石油は今日までエネルギー消費の中心となってきました
 石炭は、2000年代において安価な発電用燃料を求めるアジアを中心に拡大しました
 また、特に、気候変動への対応が強く求められる先進国を中心にLNGの消費が伸びています
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕0100200300400500600700
1971 1975 1980 1990 2000 2010 2020
(1018J)
(年)
その他の再生可能
エネルギー6%
水力7%
原子力4%
天然ガス25%
石炭27%
石油31%8出典:BP「Statistical Review of World Energy 2021」をもとに作成
九電グループデータブック2021
40.1 32.416.94.656.439.34.41.331.811.53.87.02.025.322.727.61.76.52.09.3020406080100120140160埋蔵量10,696億トン
(2019年末)
埋蔵量615万トン
(2019年1月)
埋蔵量198.8兆m3
(2019年末)
埋蔵量1兆7,339億バレル
(2019年末)
(年)
【石炭】
可採年数132年
【ウラン】
可採年数114.9年
【天然ガス】
可採年数49.8年 【石油】
可採年数49.9年
中東・アフリカのシェア
天然ガス:45.5%
石油:55.3%
1-4 エネルギー資源の確認可採埋蔵量
(注1)可採年数=確認可採埋蔵量÷年間生産量
(注2)ウランの確認可採埋蔵量は、費用130ドル/kg未満
出典:BP統計2020、IAEA「Uranium 2020」」をもとに作成
 エネルギー資源には限りがあり、将来枯渇する可能性があります
 石油・天然ガスは、中東等の政情が不安定な地域に偏在しています
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕9ヨーロッパ
アジア大洋州
北米
中東・アフリカ
中南米
九電グループデータブック2021
1-5 世界の太陽光発電の導入状況(累積導入量の推移)
 世界における太陽光発電の導入は2000年代に入って拡大が進んでいます
 日本では再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が2012年7月に導入されたことにより、大幅に拡大しました
出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2021」IEA「PVPS TRENDS 2020」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕183161021497620563
2000 2005 2010 2015 2019
(百万kW)70060050040030020010010
日本
中国
米国
ドイツ
イタリア
フランス
オーストリア
その他
九電グループデータブック202112.116233755708097178195050100日本 韓国 イタリア ドイツ フランス イギリス 中国 アメリカ カナダ ロシア
日本は、エネルギーの
87.9%を海外に依存
1-6 主要国のエネルギー自給率(世界[2018年]、日本[2019年])
 日本のエネルギー自給率は12.1%であり、先進国や新興国の中でも極めて低い水準です
(注1)IEAでは、原子力発電の燃料となるウランは一度輸入すると数年間使うことができるため、原子力をエネルギー自給率に含めている
(注2)エネルギー自給率(%)=×ばつ100
(注3)日本を除く諸外国は2018年度、日本は2019年度の値
出典:IEA「Data and statistics」、(一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」資源エネルギー庁「エネルギー白書2021」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕(%)11
九電グループデータブック2021
1-7 主要国の一人あたりの一次エネルギー消費量(2018年)
(注)toeは、tonne of oil equivalentの略であり、原油換算トンを示す
出典:IEA「Key World Energy Statistics2020」、 (一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
 日本の一人あたりの一次エネルギー消費量は、石油換算で3.4トンであり、世界平均の1.8倍です
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕8.06.85.55.3
3.7 3.63.42.6 2.52.30.71.902468
カナダ アメリカ 韓国 ロシア フランス ドイツ 日本 イギリス イタリア 中国 インド 世界
(toe/人)12 九電グループデータブック20214.119.06.211.971.622.8 19.710.20.21.04.90.81.02.20.33.82.966.828.732.337.51.844.05.310.738.23.134.336.013.15.326.639.644.723.116.86.77.72.811.30.6
1.7 16.915.89.1 10.4 12.933.88.9 3.833.323.89.80%20%40%60%80%100%中国 アメリカ 日本 ドイツ フランス 韓国 英国 イタリア 世界
71,488 44,336 10,506 6,365 5,766 5,868 3,305 2,885 26.6兆kWh
総発電電力量
(億kWh)
1-8 主要国の発電電力量における電源構成(2018年)
 電源構成は、各国が国内に保有する資源の種類や量などによって異なっています
 日本は、少資源国であるため、エネルギーの安定確保の観点から、電源の多様化を行ってきましたが、2011年以降の
原子力発電所の停止(一部は発電再開)の影響で、火力発電(LNG・石炭・石油)の比率が高くなっています
出典:日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧2021」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕13その他
水力LNG石炭
石油
原子力
九電グループデータブック2021
15,438
13,098
11,082
8,010
7,141 6,917 6,848
5,220 4,906 4,906
2,5709683,26002,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
18,000
カナダ アメリカ 韓国 日本 フランス ロシア ドイツ イタリア イギリス 中国 ブラジル インド 世界
(kWh/人・年)
1-9 主要国の一人あたりの電力消費量(2018年)
 日本の一人あたりの電力消費量は年間8,010kWhであり、世界平均の2.5倍です
出典:IEA「Key world energy statistics 2020」、 (一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕14 九電グループデータブック2021
1-10 欧州における電力融通
 送電網が発達したヨーロッパでは、各国で電力の輸出入が行われており、なかでもフランスは近隣諸国へ多くの電力を輸出
しています
 日本は島国のため、電力が不足しても外国から輸入することはできません
出典:(一社)海外電力調査会「海外電気事業統計2020年版」、 (一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕15ドイツ
ベルギー
イギリス
スイス
イタリア
フランス
スペイン
九電グループデータブック2021
 2000年以降、家庭用も含めた電力小売の全面自由化や送配電部門の中立化が進展している欧米諸国は上昇傾向
にあります
 特に、ドイツでは再生可能エネルギーの固定価格買取制度などの環境政策によるコスト負担等の影響により、2000年
から2019年までに、電気料金水準は約2.8倍に上昇しています
国名
電力小売全面
自由化の開始年
ドイツ 1998年
イギリス 1999年
イタリア 2007年
フランス 2007年
アメリカ 州によって異なる
日本
2016年
2000年より
部分自由化開始
出典: IEA「Energy Prices and Taxes」、日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧2021」をもとに作成
1-11 諸外国の電気料金(家庭用)の推移
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕160510152025303540452000 2005 2010 2015 2019
ドイツ(33.4)
イタリア(28.9)
日本(25.4)
イギリス(23.4)
フランス(19.9)
アメリカ(13)
(USセント/kWh)
九電グループデータブック202116.414.618.514.711.86.8010203040日本 ドイツ イタリア イギリス フランス アメリカ
(USセント/kWh)
【産業用の電気料金単価】25.433.428.923.419.913.0010203040日本 ドイツ イタリア イギリス フランス アメリカ
(USセント/kWh)
【家庭用の電気料金単価】
1-12 電気料金単価の国際比較(2019年、米国通貨による比較)
 欧米諸国の電気料金と比較して、日本は、家庭用では、ドイツ・イタリアよりも低い水準です
出典: IEA「Energy Prices and Taxes」、日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧2021」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕17 九電グループデータブック2021
1-13 世界と日本の平均気温
 世界および日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が頻出して
います
 長期的には、世界と日本の平均気温は100年あたりそれぞれ0.75°C、1.26°C上昇しています
1 世界のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕
〔世界の平均気温偏差の変化〕 〔日本の平均気温偏差の変化〕
出典:気象庁「世界の年平均気温」、「日本の年平均気温」をもとに作成
・細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差 ・太線(青):偏差の5年移動平均値 ・直線(赤線):長期変化傾向18 九電グループデータブック2021
1 世界のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕
1-14 温暖化対策有無による将来の気温予測
 IPCCの予測によると、温暖化対策が徹底されない場合、2100年時点では世界平均気温は4°C以上、平均海面水位
は1m近く上昇することが予測されています。特に2050年以降、気温災害の激甚化の物理リスク顕在化が懸念されます
出典:環境省「IPCC 第5次評価報告書の概要」をもとに作成19 九電グループデータブック2021
1 世界のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕
1-15 世界の異常気象例20北極圏
北米
南米
少雨
アルゼンチンなどで記録的な少雨により
深刻な干ばつが発生。
アジア
大雨
日本を含むアジア各地で大雨による災害
が発生。
中国では7月、長江流域での継続的な大
雨により、家屋約2万9千戸が損壊、約
220万人が避難
熱帯低気圧
5月、カテゴリー5の勢力まで発達したサイ
クロン「アンファン」によってインド、バング
ラデシュで計129人が死亡。
ヨーロッパ
高温
シベリアで長期間にわたって高温が続き、
6月、ベルホヤンスクで北極圏の観測史
上最高気温となる38.0°Cを観測
少雨
ルーマニア、ベラルーシ、ドイツ、チェコな
どで記録的な少雨
アフリカ
大雨
4-5月、東部で広い範囲で大雨による洪
水が発生。
海氷
北極圏の海氷面積の年間最小値が
史上2番目の小ささを記録
森林火災
カリフォルニア州などで大規模な森林火災が発
生し、8500棟を超える建物が損壊、41人死亡
高温
カリフォルニア州デスバレーで8月、過去少なく
とも80年間で世界最高の気温となる54.4°Cを
観測
熱帯低気圧
8月、ハリケーン「ローラ」によりルイジアナ州、ハ
イチ、ドミニカ共和国などで計77人死亡
 個々の気象災害と地球温暖化との関係を明らかにすることは容易ではありませんが、地球温暖化の進行に伴い、
今後、豪雨や猛暑のリスクが更に高まることが下の図面では予想されています
2020年
出典:環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」
九電グループデータブック2021
1-16 温室効果ガスの構成割合とCO2の排出起源
 地球温暖化や異常気象の要因のひとつとして、人間活動による温室効果ガスの増加が影響していると考えられています
 温室効果ガスは、赤外線を吸収し再び熱を放出する性質があり、赤外線の多くが熱として大気に蓄積されることで、地球表
面の気温が上昇します
 人間活動によって増加した主な温室効果ガスは、CO2、メタン、一酸化二窒素、フロン類等があり、化石燃料由来のCO2が
6割以上を占めています
出典:「IPCC 第5次報告書」をもとに作成CO2(エネルギー起源)
65.2%CO2(非エネルギー起源)
10.8%
メタン
15.8%
フロン類等2.0%1 世界のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕
ガス別内訳(2010年のCO2換算量での数値)21一酸化二窒素6.2% 九電グループデータブック2021
1-17 世界のCO2排出量の推移(地域別)
 化石燃料の消費量の増加に伴い、CO2排出量が増加傾向にあります
 2018年の排出量上位国は、中国(世界の28%)・アメリカ(同17%)・インド(同7%)の順であり、日本は5位(同3%)と
なっています
(注)その他は、国際海運や国際空運における排出量
出典: IEA「World Energy Balances」、「CO2 emissions from fuel combustion」、日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧2021」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕0%10%20%30%40%50%60%70%80%0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
1971 1973 1980 1990 2000 2010 2015 2017 2018
(100万トン-CO2)
(年)
OECD諸国の排出量(%)
(右軸)
アジア大洋州のシェア
15.5%(1971年)
OECD諸国の排出量は低下
(1971年66.1%→2018年34.6%)
アジア大洋州のシェア
48.0%(2018年)22その他
アジア大洋州
中東
アフリカ
ヨーロッパ
(ロシア含む)
中南米
北米
九電グループデータブック2021
1-18 世界のCO2排出量の見通し(2050年)
 中国やインド等の新興国のエネルギー需要の増加により、世界のCO2排出量の増加が予想されています
(注1)2050年のCO2排出量の見通しは、レファレンスシナリオ(現在までのエネルギー・環境政策等を背景とし、これまでの趨勢的な変化が継続するシナリオ)で作成
(注2)国際海運や国際空運における消費量
出典: IEA「World Energy Balances 2020 Edition」、日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧2021」をもとに作成
1 世界のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕
26% 17% 北米11%5% 3%
日本 2%
19% 10%
欧州(OECD)6%
3% 4%
OECD(日米欧除く)3%11%28%
中国21%3%
7% インド16%3%6%中東 7%3%4%
アフリカ 7%4%5%
中南米 6%21%13%
その他
(Non-OECD)15%3%4%その他 6%0100200300400500
1990 2018 2050 (年)
世界
約1.6倍
世界
約1.2倍
インド
約4.4倍
インド
約2.8倍
中国
約4.4倍
中国
約0.9倍23見通し
(億トンーCO2)
(注2)
九電グループデータブック2021
1-19 CO2排出量の削減に向けた主要国の長期戦略(2050年)
 世界の多くの国が、2050年度までにカーボンニュートラルを表明し、世界最大のCO2排出国である中国は、2060年までのカーボン
ニュートラルを表明しています
各国の表明内容は様々ですが、いずれの国も単一の道筋ではなく、複数のシナリオを掲げて取り組んでいます
 日本においても、電力部門では非化石電源の拡大、非電力(産業・民生・運輸)部門では、エネルギーの電化、電化しきらない
熱の水素化、それでも残るCO2の回収・利活用を通じた脱炭素化を進めることとしています
出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2021」
1 世界のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕
日本 EU 英国 米国 中国202020302040205020601990年比で
少なくとも55%
減(NDC)
1990年比で少
なくとも68%減
(NDC)
2021年1月
パリ協定復
帰を決定
2030年までに
CO2排出を減
少に転換
(国連演説)
カーボン
ニュートラル(長
期戦略)
カーボン
ニュートラル(法
定化)
カーボン
ニュートラル
(大統領公約)
カーボン
ニュートラル
(国連演説)
2005年比で
50~52%減
(NDC)
2013年度比で
46%減、さらに50%
の高みに向けて
挑戦(温対会議・気
候サミットにて総理
表明)
カーボン
ニュートラル
(法定化)24(年)
九電グループデータブック2021
2 日本のエネルギー情勢
日本は、エネルギー自給率がわずか10%程度と少資源国です。
エネルギー資源の大部分を輸入に依存しており、世界の情勢に
大きく影響されるため、エネルギーセキュリティの確保が極めて
重要となります。
また、地球温暖化への対応として、CO2等の温室効果ガスの排
出削減に向けた取組みが喫緊かつ永続的な課題となっています。
このため、電力供給においては、長期的なエネルギーの安定確
保や地球環境問題への対応等を踏まえ、安全の確保を大前提とし
た原子力や火力・再生可能エネルギー等をバランスよく組み合わ
せることが必要となります。25 九電グループデータブック2021
石炭
石油
天然ガス
原子力05,000
10,000
15,000
20,000
25,000
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2019
2-1 日本の一次エネルギー国内供給の推移(エネルギー資源別)
 日本は、1960年代から石油危機までの高度成長期において、石油に高く依存するエネルギー供給構造でした(1973年度
の石油依存度77%)
 しかしながら、石油危機により、原油価格の高騰や石油の供給途絶を経験した日本は、エネルギー供給の安定化を図る
ため、原子力・天然ガス等の石油代替エネルギーの導入を推進してきました(2019年度の石油依存度38%)
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕
(注1)1PJ(=1015J)は、原油約25,800klの熱量に相当(PJ:ペタジュール)
(注2)未活用分エネルギーは除く
出典:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、(一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
1973年 第一次石油危機
1979年 第二次石油危機(PJ)石油依存度77%再生可能
エネルギー等6.0%
水力 3.6%
(年度)
38.3%
23.1%
26.1%
原子力2.9%26
九電グループデータブック202105,000
10,000
15,000
20,000
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2018
2-2 日本の最終エネルギー消費量の推移(部門別)
 日本は、1960年代の高度成長期において、産業部門を中心にエネルギー消費量が増加しましたが、1970年代の石油
危機を契機に、省エネルギー化が進み、2004年度をピークに消費量が減少傾向にあります
(注)1PJ(=1015J)は、原油約25,800klの熱量に相当(PJ:ペタジュール)
出典:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、内閣府「国民経済計算」、日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧」をもとに作成
1979年
第二次石油危機(PJ)(年度)
23.2%
産業部門
業務他部門
家庭部門
運輸部門
1973年
第一次石油危機
14.1%
16.6%
46.1%
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕27全体:1.2倍
九電グループデータブック2021
2-3 家庭部門のエネルギー源の推移
 1965年度には、石炭が家庭のエネルギー源の3分の1以上を占めていましたが、その後、灯油・電気・ガスに代替しました
×ばつ
106J/世帯
電気
22.8%
石炭
35.3% 電気
28.2%
石炭6.1%灯油
15.1%
灯油
31.3%
都市ガス
14.8%
都市ガス
17.0%
LPガス
12.0%
LPガス
17.4%
【1965年度】
(高度経済成長開始時期)
【1973年度】
(第一次石油危機)×ばつ
106J/世帯
都市ガス
22.3%
灯油
16.2%
LPガス
11.2%
電気
49.8%
太陽熱他0.4%
約1.0倍
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕28エネルギー
消費量
エネルギー
消費量
九電グループデータブック2021
2-4 家庭部門の用途別エネルギー消費の推移
 家庭の用途別エネルギー消費の割合は、家電機器の普及・大型化や生活様式の変化などにより、動力・照明他(家電
機器の使用等)×ばつ
106J/世帯
暖房
30.7%
暖房
29.9%
給湯
33.8%
給湯
31.7%
動力・
照明他
19.0%
動力・
照明他
23.0%
厨房
16.0%
厨房
14.1%
冷房0.5% 冷房1.3%
【1965年度】
(高度経済成長開始時期)
【1973年度】
(第一次石油危機)×ばつ
106J/世帯
厨房9.9%冷房2.7%
暖房
24.7%
給湯
28.8%
動力・
照明他
33.9%
約1.0倍
出典:日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧」、資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、総務省「住民基本台帳」、
資源エネルギー庁「エネルギー白書2021」をもとに作成
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕29エネルギー
消費量
エネルギー
消費量
九電グループデータブック2021
58.1%
15.3%
12.6%
17% 20.3%
19.6% 20.2%
11.5%
6.7% 6.5% 6.3% 7.3% 8.1% 9.4%
11.7% 12.1%0.020.040.060.080.0100.00%20%40%60%80%100%
1960 1970 1980 1990 2000 2005 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
2-5 日本のエネルギー自給率の推移
 日本の自給率は、1960年代には、石炭や水力等の国内資源により、約6割でしたが、高度成長期における、エネルギー需
要の増大により、国内炭から石油や海外炭、LNG等の海外資源への転換が進み、大幅に低下しました
 2011年以降は、原子力発電所の停止により自給率は更に低下し、2014年には過去最低の6.3%となりました。2019年は、
再生可能エネルギーの導入や原子力発電所の再稼働が進んだため、12.1%となりました
(注)IEAでは、原子力発電の燃料となるウランは一度輸入すると数年間使うことができるため、原子力をエネルギー自給率に含めている
出典:IEA「World Energy Balances 2020 Edition」、資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、資源エネルギー庁「エネルギー白書2021」をもとに作成
推計値
輸入
87.9%
輸入
41.9%
エネルギー
自給率
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕30石油
天然ガス
石炭
地熱
新エネルギー等
原子力
水力
(年度)
九電グループデータブック20212.612.1
34.6 27.222.818.328.455.890.569.484.2114.248.772.267.8020406080100120
1972 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2019
2-6 日本の原油輸入価格の推移
・ 1990年代に20ドル前後で推移した原油輸入価格は、2000年代半ばから2010年初頭にかけて、中国など新興国の経済
発展による需要の増加等の影響を受け、2001年(23.8ドル)比で4〜5倍程度の高値で推移しました
・ 2015年以降は、中国など新興国の需要が伸び悩む一方、原油価格の高値推移を背景とした原油増産が続いたこと等に
よる世界的な原油の供給過剰感のため急落しましたが、世界的な景気拡大による需要増大や、産油国による協調減産
により、2017年には再び上昇しています
第一次
石油危機
(1973年)
第二次
石油危機
(1979年) 湾岸戦争
(1990年) リーマンショックによる
世界同時不況
(2009年)
出典:石油連盟統計資料、(一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
約4〜5倍
(年度)
(ドル/バレル)
約0.4倍
約1.4倍
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕31 九電グループデータブック202105010015020025030035040045050065707580859095
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2019
2-7 日本の原油輸入量と中東依存度の推移
 日本は、石油危機の経験から、インドネシアや中国からの原油輸入量を増やすなど、輸入先の多角化を図り、1967年に
91.2%であった中東地域からの輸入割合を1987年には67.9%まで低下させました
 近年は、中東依存度が再び上昇しており、2019年度は89.6%となっています
原油輸入量
(万バレル/日)
出典:資源エネルギー庁「資源・エネルギー統計年報・月報」をもとに作成
91.2%
67.9%
89.6%
(年度)
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕32中東依存度
その他
ロシア
中東地域
インドネシア
中国(%) 九電グループデータブック2021
25% 9%1%1%
1% 2% 3% 6%6%9%15%17% 14% 11% 10% 10% 8% 7% 7%28%28%31%33%
33% 34% 33% 33% 32% 32%29%38% 40% 41%
43% 41% 41% 40% 38% 37%7%8% 7% 7%8%8% 8% 8% 8%8%2%
3% 3% 4% 5% 6% 7% 8%
9% 10%02,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
2-8 日本の電源別発電電力量の推移
 日本の発電電力量は、東日本大震災後の2011年度に減少し、それ以降もゆるやかな減少傾向がみられます
 電源別の構成比では、2011年度以降の原子力発電所の停止により、火力発電(石油・石炭・LNG)の割合が増加して
います
出典:(一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
(年度)
(億kWh)33地熱・新エネルギー
水力
原子力
天然ガス
石炭
石油等
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕火力発電
九電グループデータブック2021
2-9 日本の長期エネルギー需給の見通し(2030年度)
 2030年度の電力需要は、経済成長や電化率の向上等により増加するものの、徹底した省エネルギーの推進により、2013
年度と比べやや減少するものと見込まれています
 電源構成では、再生可能エネルギーの最大限導入や化石電源比率の引き下げ・火力発電の脱炭素化などの取組みが
進められています
【電力需要】
出典:資源エネルギー庁「2030年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)令和3年10月」をもとに作成
【電源構成】
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕34 九電グループデータブック20210.01.02.03.04.0
2011 2012 2013 2014 2015 2016
2-10 原子力発電所停止による影響1(燃料費の増加)
 原子力発電の発電電力量を火力発電で代替した結果、燃料費の増加は、東日本大震災前(2008〜2010年度の平均)
と比べ、2016年度では約1.3兆円増加(国民1人あたり1.0万円となる計算)、2011年度から2016年度末までの累積では、
約15.5兆円増加(国民1人あたり12万円となる計算)と試算されています
 2016年度の燃料費増加要因(対2010年度比)としては、特に数量要因の影響が大きくなっています
(兆円)
(注記) 原子力発電の停止分の発電電力量を、火力発電の焚き増しにより代替
していると仮定し、直近の燃料価格等を踏まえ試算したもの
出典:電力需給検証小委員会報告書(平成29年4月) をもとに作成
〔燃料費増加分の試算[(注記)] (2008年〜2010年度平均比)〕
(年度)2.33.13.63.4
推計1.8〔燃料費増加分の要因分析(2010年度→2016年度)〕1.3
数量要因
(+1.6兆円)
[2,623億kwh分]
為替要因
(+0.3兆円)
[1$=107.93円]
燃料価格要因
(さんかく0.6兆円)
+1.3兆円
(推計値)
LNG:6円/kwh
石油:10円/kwh
石炭:3円/kwh
原子力:1円/kwh
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕35 九電グループデータブック2021
2-11 原子力発電所停止による影響2(電力会社の電気料金単価の上昇)
 東日本大震災以降、電気料金は上がっています。原油価格の下落などにより2014〜2016年度は低下しましたが、再び上
昇傾向です
出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2020年度版」
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕36 九電グループデータブック2021440421
430 4314194073974069.49.19.810.410.810.6
9.6 9.9
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
11,000
12,0003904004104204304404502010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
2-12 原子力発電所停止による影響3(家庭の電気使用量の減少と電気代支出額の増加)
 原子力発電所停止に伴う厳しい需給状況や電気料金の上昇による家庭での節電意識の高まりに加え、省エネ機器の
普及などにより、電気使用量は、東日本大震災前の2010年(440kWh/月)から2017年(406kWh/月)にかけて、約8%
減少しました
 一方、この期間の電気料金の支出額(月額)は、約6%増加しました
(千円/月)
(注)電気代(月平均)及び家庭の月間平均支出額は、それぞれ年間の支出額を12か月で除して算出したものであり、消費税を含む
出典:経済産業省「2018年12月19日 第3弾改正法施行前検証〜電気料金の検証〜」をもとに作成
(kWh/月)
(年)
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕37電力使用量
支出額1211109876 九電グループデータブック202102004006008001,000
1,200
1,400
2005 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
2-13 原子力発電所停止による影響4(CO2排出量の増加)
 2011年度以降の原子力発電所停止に伴う、火力発電の発電量の増加により、2015年度の電力会社(10社)の発電に
よるCO2排出量は、2010年度に比べて53百万トン増加しています
 この増加量は、2015年度の日本の温室効果ガス排出総量の約4%に相当します
(注記)1 エネルギー起源CO2以外の温室効果ガス:廃棄物埋立場からのメタンや、セメント製造からのCO2など、化学反応等に起因するもの
(注記)2 エネルギー起源CO2排出量(電力会社以外):自動車や製造業の工場等からのCO2など、燃料の燃焼等に起因するもの
出典:環境省「2019年度の温室効果ガス排出量(確報値)について」、各電力会社HPをもとに作成
エネルギー起源
CO2以外の
温室効果ガス(注記)1
エネルギー起源
CO2排出量
(電力会社以外)(注記)2+65(10年度比)+112(10年度比)
1,250
1,303
1,354 1,396
28.3% 28.7% 32.4% 34.8%
(百万t-CO2)
(年度)
1,408
1,381
27.0% 33.6%+82(10年度比)
1,359+110(10年度比)
34.4%+53(10年度比)
1,321
32.3%
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕38エネルギー起源
CO2排出量
(電力会社10社)
九電グループデータブック2021
2-14 日本の電源別発電コスト(電源ごとに想定したモデルプラントで試算)
 原子力発電は、化石燃料を用いる火力発電に比べて発電コストに占める燃料費の割合が小さいため、燃料価格に左右
されにくいという特徴があります。また、一度発電を始めると、天候や時間帯に左右されずに長期にわたって発電できるなど、
電力の安定供給確保の上で重要な役割を担っております
 なお、2021年8月に公表された、総合資源エネルギー調査会発電コストワーキンググループの資料では、原子力発電は他
の電源と比較して、経済性に遜色ない水準であることが示されています
1.2030年に、新たな発電設備を更地に建設・運転した際のkWh当たりのコストを、一定の前提で機械的に試算。(既存の発電設備を運転するコストではない)。
2.2030年のコストは、燃料費の見通し、設備の稼働年数・設備利用率、太陽光の導入量などの試算の前提を変えれば、結果は変わる。
3.事業者が現実に発電設備を建設する際は、ここで示す発電コストだけでなく、立地地点毎に異なる条件を勘案して総合的に判断される。
4.太陽光・風力(自然変動電源)の大量導入により、火力の効率低下や揚水の活用などに伴う費用が高まるため、これも考慮する必要がある。
出典:資源エネルギー庁 「第8回発電コスト検証WGにおける委員発表資料」をもとに作成
2 日本のエネルギー情勢〔エネルギー動向〕39 九電グループデータブック202102004006008001,000
1,200
1,400
1,600
2-15 日本の温室効果ガス削減目標(2030年度)
2 日本のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕
(注)( )は2013年度からの削減率を表す
(注記)1 目標(エネルギー起源二酸化炭素の各部門は目安)の値
(注記)2 電気熱配分統計誤差を除く。そのため、各部門の実績の合計とエネルギー起源二酸化炭素の排出量は一致しない。
出典:資源エネルギー庁「2030年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)」をもとに作成
2013 2030 (注記)1
(百万トン-CO2)46323820822482.386.770289116567066.3
1,408813760
産業部門
(工場等)
業務その他部門
(商業・オフィス等)
家庭部門
運輸部門
(旅客輸送等)
エネルギー転換部門(注記)2
非エネルギー起源CO2
その他温室効果ガス
(さんかく37.6%)
(さんかく51.3%)
(さんかく66.3%)
(さんかく34.8%)
(さんかく47.1%)
(さんかく14.9%)
(さんかく23.5%)
(さんかく42.2%)
(さんかく46.0%)
温室効果ガス吸収源ほか
(年度)106【目標】14640
さんかく47
 2021年4月、日本政府は、2030年度の温室効果ガスの削減目標として、2013年度比さんかく46.0%の水準とすることを
表明しました
九電グループデータブック2021
2-16 日本の温室効果ガス排出量の削減目標(2050年度)
・ 2030年度における日本の温室効果ガス削減目標は、2013年度比さんかく46%削減です
・ 2050年度は、排出実質ゼロを目標としており、目標達成のためには、現行の削減策に加え、需要面における電化のより一
層の加速や、供給面における非化石電源の比率向上等が不可欠です
2 日本のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕
出典:環境省「2050年カーボンニュートラルに向けた日本の気候変動対策」をもとに作成41 九電グループデータブック2021
2-17 日本の温室効果ガス排出量の推移(2019年度)
(億トン-CO2)
(年度)
出典:国立環境研究所「2019年度の温室効果ガス排出量(確報値)」、地球温暖化対策本部「2019年度における地球温暖化対策計画の進捗状況」をもとに作成15.013.011.012.014.0013.514.0 14.113.613.2
13.0 12.912.512.1
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
2 日本のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕42さんかく13.9%
 日本の温室効果ガスの総排出量は、2013年をピークに減少傾向にあり、2019年の排出量は、12.1億トンとなりました
(前年度比さんかく2.8%削減、2013年度比さんかく13.9%削減)
 2013年と比べて削減となった要因としては、電力の低炭素化に伴う電力由来のCO2排出量の減少や、エネルギー消
費量の減少(省エネ、暖冬等)により、エネルギー起源のCO2排出量が減少したこと等が挙げられます
九電グループデータブック2021
0.079 0.043
0.123 0.098 0.038 0.026 0.020 0.019 0.013 0.011
0.864
0.695
0.476
0.3760.00.20.40.60.81.0石炭火力石油火力LNG火力コンバインドLNG太陽光風力原子力(PWR)原子力(BWR)地熱水力2-18 日本の電源別CO2排出量
 石炭火力・石油火力は、発電時にCO2を多く排出します
 原子力と再生可能エネルギーは、発電時にCO2を排出しません
(注1)発電燃料の燃焼に加え、原料の採掘から諸設備の建設、燃料輸送、精製、運用、保守等のために消費される全てのエネルギーを対象としてCO2排出量を算出
(注2)原子力については、現在計画中の使用済み燃料国内再処理・プルサーマル利用(1回リサイクルを前提)、高レベル放射性廃棄物処理等を含めて算出した
BWR(0.019kg-CO2)とPWR(0.020kg-CO2)の結果を設備容量に基づき平均
出典:(一財)電力中央研究所「日本における発電技術のライフサイクルCO排出量総合評価(2016.7)」、日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
(kg-CO2/kWh)
0.943
0.738
0.599
0.474
発電時にCO2を排出しない
2 日本のエネルギー情勢〔地球温暖化の現状(概況)〕43発電燃料燃焼
設備・運用
九電グループデータブック20210100200300400500600700800900
1970 1980 1990 2000 2010 2020
2-19 電気料金と他の公共料金等の推移
 電気料金は、原子力等の経済性に優れた電源の開発や経営効率化等により、他の公共料金の上昇と比較して低く
推移してきました
2 日本のエネルギー情勢〔その他〕
水道料金
一般路線バス料金
新聞料金
鉄道運賃(JR)
ガス代
電気料金
固定電話通信料
航空運賃
ガソリン
タクシー料金
(年)
1970年を100とした物価指数
出典:総務省統計局「消費者物価指数 全国(品目別価格指数 年度平均)」をもとに作成44 九電グループデータブック2021
3 原子力発電の状況
化石燃料資源の獲得をめぐる国際競争の緩和や地球温暖化防
止対策等のため、特に、アジア地域で原子力発電の利用が拡大
しており、今後も増加が見込まれています。
日本では、福島第一原子力発電所の事故の教訓や最新の技術
的知見等を踏まえ、国により新たな規制基準が策定され、現在、
各事業者において原子力発電施設の安全性向上の取組みが行わ
れています。
また、高レベル放射性廃棄物については、諸外国において地
層処分に向けた取組みが行われており、日本においても、国が
前面に立って、処分施設や建設地の選定などの検討が行われて
います。45 九電グループデータブック2021
811(6基)
892(15基)
1,311 (15基)
1,355(19基)
2,317(24基)
2,858(38基)
3,312(33基)
4,750(49基)
6,137(56基)
9,655(94基)678(4基)190(2基)560(4基)
2,389(23基)
1,572(11基)
6,034(55基)165(1基)505(5基)
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000
ドイツ
英国
ウクライナ
カナダ
韓国
ロシア
日本
中国
フランス
アメリカ
(万kW)
39,306
(442基)
16,226
(151基)
全世界
運転中
建設・
計画中
3-1 世界の原子力発電所の設置、建設・計画状況
 世界では、3億9,306万kW、442基の原子力発電所が設置されています
 今後は、特に、中国やロシアなどの新興国での建設・計画が予定されています
(注):世界は2021年1月、日本のみ2021年7月時点
出典:WNA(世界原子力協会)「World Nuclear Power Reactors &Uranium Requirements」
日本原子力産業協会「世界の原子力発電開発の動向(2021年度)」をもとに作成
3 原子力発電の状況46 九電グループデータブック20210100200300400500
3-2 世界の原子力発電の見通し(2040年)
 経済成長の著しい中国などアジアを中心に、化石燃料価格の高騰や地球温暖化問題への対応等を背景に、化石燃料
を補完する有力なエネルギー源として、原子力発電の利用拡大が見込まれています
出典:日本原子力産業協会「世界エネルギー見通し2020年度版 概要紹介(2020年12月)公表政策シナリオ」をもとに作成
アメリカ 15%
中国 28%
ロシア 7%
日本 6%
欧州(OECD
加盟国) 22%
インド 6%
アジア太平州(日本・
中国・インド除く) 6%
その他 10%21%24%25%8%33%12%7%2%6%21%7%27%21%7%4%6%
(年)
2019 2030 2040
世界
1.1倍
インド
1.9倍
中国
1.5倍
世界
1.1倍
インド
2.3倍
中国
1.9倍
(百万kW)
3 原子力発電の状況475%8% 九電グループデータブック2021
3-3 日本の原子力発電所の設置状況(2021年7月時点)
 日本では、3,312万kW、33基の原子力発電所が設置されています
東京電力ホールディングス(株)
柏崎刈羽原子力発電所
[821万kW、7基、BWR]
北海道電力(株) 泊発電所
[207万kW、3基、PWR]
東北電力(株) 東通原子力発電所
[110万kW、1基、BWR]
東北電力(株) 女川原子力発電所
[165kW、2基、BWR]
日本原子力発電(株) 東海第二発電所
[110万kW、1基、BWR]
中部電力(株) 浜岡原子力発電所
[362万kW、3基、BWR]
四国電力(株) 伊方発電所
[89万kW、1基、PWR]
九州電力(株) 川内原子力発電所
[178万kW、2基、PWR]
九州電力(株) 玄海原子力発電所
[236万kW、2基、PWR]
中国電力(株) 島根原子力発電所
[82万kW、1基、BWR]
関西電力(株) 大飯発電所
[236万kW、2基、PWR]
関西電力(株) 美浜発電所
[83万kW、1基、PWR]
日本原子力発電(株) 敦賀発電所
[116万kW、1基、PWR]
関西電力(株) 高浜発電所
[339万kW、4基、PWR]
北陸電力(株) 志賀原子力発電所
[175万kW、2基、BWR]
[発電出力、原子炉数、原子炉型式(注記)]
(注記)BWR:沸騰水型軽水炉
PWR:加圧水型軽水炉
3 原子力発電の状況48 九電グループデータブック2021
3-4 原子炉型式(PWR・BWR)による発電の仕組みの違い
 加圧水型軽水炉(PWR)は、原子炉圧力容器で作った高温高圧の水により、蒸気発生器内で蒸気(放射性物質を含ま
ない)を発生させ、タービンを回して発電。構造はBWRと比べ複雑ですが、タービンや復水器の放射線管理が不要です
 沸騰水型軽水炉(BWR)は、原子炉圧力容器で発生させた蒸気でタービンを回して発電。構造はPWRと比べてシンプル
ですが、蒸気は放射性物質を含んでいるため、タービンや復水器についても放射線管理が必要となります
【PWRの仕組み】 【BWRの仕組み】
[九州電力、北海道電力、関西電力、四国電力が採用] [東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、中国電力が採用]
出典:(一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
放射性物質を含まない 放射性物質を含む
3 原子力発電の状況49 九電グループデータブック2021
3-5 九州電力の原子力発電所の概要
玄海原子力発電所 川内原子力発電所
1号機 2号機 3号機 4号機 1号機 2号機
運転開始 1975年10月15日 1981年3月30日 1994年3月18日 1997年7月25日 1984年7月4日 1985年11月28日
運転終了 2015年4月27日 2019年4月9日 ― ―
発電出力 55万9千kW 55万9千kW 118万kW 118万kW 89万kW 89万kW
原子炉型式 加圧水型軽水炉(PWR) 加圧水型軽水炉(PWR)
(注記)運転開始以降累計
発電電力量
(2021.9末)
1,327.2億kWh 1,196.7億kWh 1,815.6億kWh 1,583.6億kWh 2,125.2億kWh 2,066.6億kWh
設備利用率
(2021.9末)
68.5% 64.2% 63.7% 63.3% 73.1% 73.9%
64.7% 73.5%
(注記) 玄海原子力発電所1号機の発電電力量及び設備利用率は、2015年4月27日までの実績
玄海原子力発電所2号機の発電電力量及び設備利用率は、2019年4月9日までの実績
3 原子力発電の状況50 九電グループデータブック2021
意図的な航空機衝突への対応
放射性物質の拡散抑制
自然現象に対する考慮
(火山・竜巻・森林火災を新設)
内部溢水に対する考慮(新設)
炉心損傷防止対策
(複数の機器の故障を想定)
格納容器破損防止対策
その他の設備の性能
電源の信頼性
耐震・耐津波性能
火災に対する考慮
電源の信頼性
火災に対する考慮
自然現象に対する考慮
その他の設備の性能
耐震・耐津波性能
3-6 原子力発電所の安全性向上への取組み
 福島第一原子力発電所の事故の教訓や最新の技術的知見、海外の規制動向等を踏まえ、原子力発電施設に係る
国の新たな規制の基準(新規制基準)が策定されました(2013年7月施行)
 新規制基準では、地震や津波など共通の要因によって、原子力発電所の安全機能が一斉に失われることを防止するた
めに、耐震・耐津波性能や電源の信頼性、冷却設備の性能などの設計基準が強化されました
 また、設計の想定を超える事態にも対応できるよう、重大事故対策などが求められました
安全対策の詳細な内容につきましては、
九州電力のホームページをご覧ください
出典:原子力規制委員会資料をもとに作成
〔新規制基準の概要〕
【従来の安全基準】 【新規制基準】
アクシデントマネジメント策として、
自主保安の観点で対策を実施
炉心損傷に至らない状態を
想定した設計上の基準[設計基準]
(単一機器の故障のみを想定等)+重大事故等
(テロ対策・シビア
アクシデント対策)
[新設]
設計基準
[強化又は新設]
3 原子力発電の状況51 九電グループデータブック2021
3-7 核燃料サイクル
 原子力発電所で使い終わった燃料(使用済燃料)には、再利用できるウランやプルトニウムが含まれており、日本では、使
用済燃料を再処理して燃料に加工(MOX燃料)し 、発電に再利用(プルサーマル)する核燃料サイクルの確立を基本方
針としています(資料3-8参照)
 使用済燃料の再処理は、ウラン資源の有効利用はもとより、高レベル放射性廃棄物の体積の減少と有害度の低減につ
ながります(資料3-9参照)
再処理工場
・使用済燃料からウランやプルトニウムを回収する施設
・事業者:日本原燃株式会社
工事開始1993年、竣工時期2022年度上期(予定)
MOX燃料工場
・再処理工場から受け入れたウラン・プルトニウムを、MOX燃
料に加工する施設
・事業者:日本原燃株式会社
工事開始2010年、竣工時期2024年上期(予定)
高レベル放射性
廃棄物貯蔵管理
センター
・高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)を冷却するため、
30〜50年間安全に一時貯蔵する施設
・事業者:日本原燃株式会社
工事開始1992年、操業開始1995年
高レベル放射性
廃棄物処分施設
(資料3-10参照)
・高レベル放射性廃棄物を地下深い地層に埋設し、人間
の生活環境から安全に隔離する施設
〔核燃料サイクル関連施設の概要〕
〔核燃料サイクル(軽水炉)のイメージ〕
再処理工場
高レベル
放射性廃棄物
貯蔵管理センター
MOX燃料工場
ウラン燃料工場
使用済燃料
使用済MOX燃料
MOX燃料
ウラン・プルトニウム
(使用済燃料から回収)
原子力発電所
高レベル
放射性廃棄物
処分施設
ウラン燃料
高レベル放射性
廃棄物
高レベル放射性
廃棄物
出典:日本原燃株式会社ホームページをもとに作成
3 原子力発電の状況52 九電グループデータブック2021
3-8 使用済燃料の再利用(プルサーマル)
 使用済燃料には、再利用可能なウランやプルトニウムが約95%含まれています
 日本では、2009年12月に初めて、当社玄海原子力発電所3号機においてプルサーマルによる営業運転を行いました
〔ウラン燃料の発電による変化〕 〔MOX燃料の組成〕
燃えやすい
ウラン
約96%
発電前の
ウラン燃料
約1%
約5%
約4% 核分裂生成物(注記)
約93%再利用可能プルトニウム
燃えにくい
ウラン
燃えにくい
ウランなど
約91%
約9%
プルトニウム
発電後の
ウラン燃料
MOX燃料
再処理・加工
(注記)核分裂生成物は、高レベル放射性
廃棄物として処理・処分
約1%
3 原子力発電の状況53 九電グループデータブック2021
3-9 高レベル放射性廃棄物処分における核燃料サイクルの意義
 高レベル放射性廃棄物の体積を1/4〜1/7に低減可能です
 高速炉が実用化すれば、高レベル放射性廃棄物中に長期に残留する放射能量を少なくし、発生エネルギーあたりの
環境負荷を大幅に低減できる可能性も生まれます
(注記)1 直接処分を1としたときの相対値
(注記)2 天然ウラン並になるまでの期間
出典:資源エネルギー庁HP 『「もんじゅ」廃炉計画と「核燃料サイクル」のこれから』 をもとに作成
3 原子力発電の状況
直接処分
再処理
軽水炉 高速炉
処分時の廃棄物
使用済燃料を再処理せず、
ウラン・プルトニウム等を全て
含んだままの廃棄物
使用済燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを取り
出し、残った廃液をガラスと混ぜたもの(ガラス固化体)
発生体積比(注記)1 1 1/4 1/4〜1/7
潜在的有害度(注記)2 約10万年 約8千年 約300年54 九電グループデータブック2021
3-10 高レベル放射性廃棄物の地層処分
 日本では、高レベル放射性廃棄物を安定した形態に固め(ガラス固化)、地下300m以上の深い地層に安全に処分する
ことを基本方針としています
 国の研究により、地層処分が技術的に可能で、処分施設を安全に建設できることなどが確認されており、現在、国が前面
に立って、処分施設や建設地の選定について検討しています(平成29年7月には、科学的特性マップ〔(注記)〕が公表されました)
 地層処分は、国際的にも、技術的に最も有望な方法とされており、諸外国でも取組みが進められています
出典:資源エネルギー庁「放射性廃棄物の適切な処分の実現に向けて」をもとに作成
3 原子力発電の状況
(注記) 地層処分に関係する地域の科学的特性を、既存の全国データに基づき一定の要件・基準に従って客観的に整理し、全国地図の形で示すもの55ガラス固化体 オーバーバック
〔厚さ約20cm〕
締め固めた粘土
〔厚さ約70cm〕
岩 盤 地層処分施設
九電グループデータブック2021
3-11 地層処分における日本の地質環境を考慮した対策
出典:原子力発電環境整備機構「高レベル放射性廃棄物って何のこと?(2012年11月9日)」をもとに作成
3 原子力発電の状況56人工バリア
天然バリア(岩盤)
九電グループデータブック2021
3-12 諸外国の地層処分の進捗状況
出典:資源エネルギー庁「諸外国における高レベル放射性廃棄物の処分について(2021年)」、(一財)日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」をもとに作成
国名 対象廃棄物 処分場の候補サイト 処分深度 操業予定
フランス ガラス固化体 ビュール地下研究所の近傍 約500m 2035年頃
日本 ガラス固化体 未定 300m以上 未定
ベルギー
ガラス固化体
使用済燃料
未定 未定 2080年
スイス
ガラス固化体
使用済燃料
3か所の候補地を
連邦政府が承認
約400m〜900m2060年頃
アメリカ
ガラス固化体
使用済燃料
ユッカマウンテン(法律上)
200m〜500m2048年
ドイツ
ガラス固化体
使用済燃料
未定 300m以上 2050年代以降
フィンランド 使用済燃料 オルキルオト
約400m〜450m2020年代
スウェーデン 使用済燃料
フォルスマルク
(建設許可申請書を提出)
約500m 2031年頃
3 原子力発電の状況57 九電グループデータブック2021
3-13 日常生活や原子力発電所等における放射線の量
 放射線は自然界にも存在し、レントゲンなどの医療分野でも活用されており、過度に大量に浴びない限り、身体への大き
な影響はありません
 原子力発電所では、放射性物質について厳正な管理を行っており、発電所周辺の人が受ける放射線の量は、年間で約
0.001ミリシーベルト未満と、自然界から受ける放射線量の2,000分の1以下です
〔日常生活と放射線の量〕 単位:ミリシーベルト
出典:電気事業連合会「放射線Q&A」をもとに作成
3 原子力発電の状況58 九電グループデータブック2021
 放射線の被ばく線量が100〜200ミリシーベルト(短時間1回)になったあたりから、発がんリスクが1.08倍に増加しますが、こ
れは、生活習慣における野菜不足によるがんの発生率の増加とほぼ同じです
 100ミリシーベルト以下では、放射線による発がんリスクの明らかな増加の証明は難しいということが国際的な認識です
3-14 放射線の量と生活習慣によってがんになるリスクの比較
(注記)1 広島・長崎の原爆被爆者約12万人規模の疫学調査
(注記)2 成人を対象にアンケート調査を実施し、10年間の追跡調査を行い、がんの発生率を調べたもの
出典:国立がん研究センター調べ、環境省ほか「放射線による健康影響等による統一的な基礎資料(令和2年度版)」をもとに作成
放射線の線量
(短時間1回)(注記)1
がんの相対
リスク(倍)
生活習慣因子(注記)2
がんの相対
リスク(倍)
1,000〜2,000ミリシーベルト 1.8
喫煙 1.6
飲酒(毎日3合以上) 1.6
500〜1,000ミリシーベルト 1.4 飲酒(毎日2合以上) 1.4
やせ過ぎ(BMI<19) 1.29
太り過ぎ(BMI≧30) 1.22
200〜500ミリシーベルト 1.19 運動不足 1.15〜1.19
塩分のとり過ぎ 1.11〜1.15
100〜200ミリシーベルト 1.08 野菜不足 1.06
100ミリシーベルト以下 検出不可能
3 原子力発電の状況59 九電グループデータブック2021
4 九電グループの電力安定供給への取組み
経済成長や電化の進展等により、九州の電力需要は年々増加
してきました。電気は貯めることが難しいため、当社は、お客
さまが電気を使用されるピークに合わせて、電源開発を行って
きました。
九州電力設立時(1951年)の電源構成は、水力・石炭火力
でしたが、その後石油火力にシフトし、1970年代の石油危機
以降、原子力、石炭・LNG・石油火力、水力など、多様な電源
をバランスよく開発してきました。
なお、2011年度以降は、原子力発電所の停止に伴う火力発
電の発電量の増加により、化石燃料の消費量と燃料費、CO2排
出量が大幅に増加しています。60 九電グループデータブック202185816370500
1,000
1,500
2,00002004006008001,000
1,200
1,400
1951 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020
4-1 販売電力量と最大電力の推移
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕
(注1)最大電力:1951〜1967年度は最大電力(発電端)、1968〜2015年度は最大3日平均電力(送電端)、2016〜2020年度は九州エリアの最大電力(送電端)
(注2)販売電力量:2015以前は小売販売電力量のみ記載、2016以降は、小売販売電力量、卸売販売電力を記載 小売販売電力量について、2017以前は九州
電力個別の販売電力量、2018以降はグループ会社を含んだ販売電力量を記載
 九州電力の販売電力量と九州エリアの最大電力は、1951年度(当社設立)以降増加してきましたが、東日本大震災後
の2011年度以降は、前年の2010年度を下回る水準で推移しています
 2020年度は、九州電力の販売電力量は858億kWh、九州エリアの最大電力は1,637万kWとなりました
(万kW)
(年度)
1951年度(当社設立)
販売電力量:41億kWh
最大電力:83万kW61販売電力量
最大電力
(億万kWh)
(注1)
(注2)
九電グループデータブック2021
31,151 29,990 29,509 29,792 28,518 28,100 28,535 28,603 26,531 25,046 25,229
56,323
55,362 54,278 54,658
52,761 51,110 50,084 48,173
45,688
45,352 44,157
3,747 5,9645182,809 5,785
7,855 7,505
10,652-10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
100,000
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
4-2 販売電力量の推移
 2020年度における九州電力の販売電力量は、新型コロナウイルス感染症による減少影響はあるものの、グループ会社である
九電みらいエナジーの九州外での販売電力量が増加したことや前年度が冷夏暖冬であったことによる反動増などにより、
前年度に比べ+2.7%の752億kWhとなりました。また、卸売販売電力量は+41.9%の107億kWhとなりました
この結果、総販売電力量は6.3%増の858億kWhとなりました
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕
(注)2015以前は小売販売電力量のみ記載、2016以降は、小売販売電力量、卸売販売電力量を記載
小売販売電力量について、2017以前は九州電力個別の販売電力量、2018以降はグループ会社を含んだ販売電力量を記載
(九電みらいエナジーは別掲、2020年4月に分社化した九州電力送配電は九州電力とあわせて電灯、電力に記載)62卸売
九電みらいエナジー
電力
電灯
(百万kWh)
(年度)
87,474 85,352 83,787 84,450 81,279 79,210 82,366 82,740 80,591 80,711 85,823
九電グループデータブック2021
4-3 季節別の電力需要の推移
 季節別の電力需要の差は、約60年前と比較し約21倍に拡大しています [30万kW(1960年度)→ 635万kW(2020年度)]
 近年は、冷暖房機器の普及等により、夏季と冬季に電力需要のピークが発生し、季節別の差が大きくなっています2006008001,000
1,200
1,400
1,600
(万kW)
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 (月)
770万kW
554万kW
144万kW
174万kW
1980年度
1960年度
30万kW九州エリアの時間最大電力(発電端)(*) 2020年度の値は、送電端の値
635万kW
1,002万kW
1,637万kW
2020年度
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕(*)63
九電グループデータブック2021
926万kW
1637万kW0300600900
1,200
1,500
1,800
6 12 18 24
(万kW)
1606万kW
4-4 時間別の電力需要の推移
 1日の中でも、時間帯によって電力需要の差が大きく、夏季の昼間(2020年度夏季最大電力発生日)は、夜間の約1.8倍
の電力需要が発生しています
2020年8月21日
(2020年度夏季最大)
2021年1月7日
(2020年度冬季最大)
+711万kW
(約1.8倍)九州エリアの電力需要(送電端)4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕
1,032万kW64(時)
九電グループデータブック20219001,000
1,100
1,200
1,300
1,400
1,500
1,600
1,700
24 26 28 30 32 34 36
[万kW]
[°C]
4-5 夏季の電力需要の特徴
 夏季の電力需要は、気温が1°C上昇すると、最大電力が50万kW程度増加します
当日最高気温(九州7県平均)九州エリアの時間最大電力(送電端)〔最大電力と最高気温の相関〕
2020年7月〜8月(平日)
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕65(万kW)
九電グループデータブック202120253035406007008009001,000
1,100
1,200
1,300
1,400
1,500
1,600
1,700
0 6 12 18 2420253035406007008009001,000
1,100
1,200
1,300
1,400
1,500
1,600
1,700
0 6 12 18 24
4-6 気温や曜日による電力需要の変動
 電力需要は、気温等の気象状況や曜日によって、大きく変動します九州エリアの電力需要(送電端)気温[ 気温差による比較 (同一月の平日) ]
(注記) 九州内の3地点(福岡、熊本、鹿児島)の気温を按分して計算
[ 曜日による比較 (平日・日曜日) ]
2020年8月11日(火)
2020年8月9日(日)
気温差により、電力需要が
変動(冷房使用の影響など)
気温が同程度でも、曜日の
違いにより、電力需要が変動
(生産活動の影響など)
2020年8月21日(金)
2020年8月21日(金)
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕
(注記)66(万kW)
(°C)
(時) (時)
九電グループデータブック2021
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕
4-7 九州電力の発電設備構成の推移(注記)(2020年度)
 石油危機以降は、燃料調達の安定性や発電コスト、地球環境への影響などの観点から、多様な電源をバランスよく組み合
わせた電源ベストミックスを目指してきました
112 210 334 568 987 1,393 1,897 1,791 1,755
発電設備容量
(万kW)
(年度)
(注記)2000年度以前のデータについては、分社に伴い、2020年4月1日以降、九州電力送配電(株)の設備となったものを含む。11.320.827.723.1 23.656.461.347.310.52.27.3
9.0 19.3 19.715.322.925.925.8 26.50.2(石油等)0.6(石油等)23.870.554.431.5
23.8 10.6 8.5
43.4 35.727.117.9 10.48.46.4
7.1 7.3
2.4 1.5 0.9
5.6 8.3 6.1
12.8 13.1
0.3 0.2
0.7 0.9 1.1 1.2 1.20%20%40%60%80%100%
1951 1960 1970 1974 1980 1990 2000 2019 202067地熱・風力
揚水
一般水力
石油等
LNG・LPG
石炭
原子力
九電グループデータブック2021
水力
石油等
石炭LNG原子力
地熱・新エネ02004006008001,000
1951 1960 1970 1980 1990 2000 2014
4-8 電源別発電電力量(他社受電分を含む)の推移 〔〜2014年度〕
 発電の主力となる電源を、1960年代後半に水力・石炭火力から石油火力にシフトさせ、石油危機以降は原子力・石炭
火力・LNG火力にシフトさせてきました
 2011年度以降は、原子力発電所の停止に伴い、LNG火力・石炭火力・石油火力の発電電力量が増加しています0%(原子力)32%1951年度
水力58%
石炭42%
1973年度
石油等79%
1973年 第一次石油危機
1979年 第二次石油危機
(億kWh)
(年度)39%15%7%7%
(注記) 2015年度からは、経済産業省の制定する「電気の小売営業に関する指針」(2016年1月)に基づく電源構成を算定・公表 (資料4-9参照)
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕68水力
2011年 東日本大震災
九電グループデータブック2021
10 14 16
34 352631
31 2925292832
33 31
18 11208 3 3 0.2
0.1 0
8 9 11 12 14 16
6 5 5 5 5 4
3 4 4 4 4 2
1 0.2 0.4 0.4 0.50.91 1 1 1 10.62.00%20%40%60%80%100%
2015 2016 2017 2018 2019 2020
(注記)1 再生可能エネルギーを含む非化石電源:この電気のうち、非化石証書を使用していない部分は、再生可能エネルギーとしての価値やCO2ゼロエミッション電源としての価値は有さず、
火力発電なども含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われる
(注記)2 FIT電気:九州電力がこの電気を調達する費用の一部は、九州電力のお客さま以外のかたも含め、電気をご利用のすべての皆様から集めた賦課金により賄われている
この電気のうち、非化石証書を使用していない部分は、再生可能エネルギーとしての価値やCO2ゼロエミッション電源としての価値は有さず、火力発電なども含めた全国平均の電気の
CO2排出量を持った電気として扱われる
(注記)3 卸電力取引所から調達した電気:この電気には、水力、火力、原子力、FIT電気、再生可能エネルギーなどが含まれる
(注記)4 その他:他社から調達している電気で発電所が特定できないものなどが含まれる
(注記)5 揚水:2015〜2019年度は水力(3万kW以上)に含まれる
(注記)6 九州電力は再生可能エネルギー電源(水力・地熱)を100%とするメニューおよび非化石証書を使用した実質CO2フリーメニューを一部のお客さまに対して販売しており、それ以外の
電源を特定していないメニューの電源構成は上記のとおり
(注)・「電気の小売営業に関する指針」(経済産業省)に基づき、算定・公表(2015〜2019年度の実績値は、電源構成公表当時の「電気の小売営業に関する指針」に基づき、算定・公表)
・九州電力が発電した電力量および他社から調達した電力量を基に算定(2015、2016年度は離島分を含む。2017〜2020年度は離島分を含まない)
4-9 電源構成〔2015年度〜〕
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕(*)(注記)1
水力(3万kW以上)(注記)1
(注記)2
卸電力取引所(注記)3
その他(注記)4
揚水(注記)5
再エネ
(FIT電気を除く)
FIT電気
石油等
LNG・その他ガス
石炭
原子力69 2015〜2020年度による九州電力の電源構成は以下のとおりです
 CO2排出係数(調整後排出係数)は、2019年度が0.370kg-CO2 /kWh、 2020年度は0.479kg-CO2/kWhとなっています
(*)2020年度の数値は暫定値であり、正式には「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、国が実績値を公表
九電グループデータブック2021
4-10 電力需要と電源の組合せ
 原子力発電、火力発電、太陽光発電、風力発電等は、発電のしくみや発電に使用するエネルギー源の違いから、
それぞれ特徴を持っています。資源の有効活用とコスト低減の観点から、これらの発電を組み合わせ、需給運用をお
こなっています
【各電源の特徴・位置付け】
揚水式水力
・需要に対する太陽光の出力比率が高い日の昼間や、深夜に揚水を
行い、点灯ピーク等の太陽光の出力が見込めない時間帯等に発電
火力
・ 石炭、LNGなどを燃料とする火力は、電力需要の変動及び太陽
光の出力状況に応じて調整
太陽光、風力
・太陽光は、晴天時の昼間帯が最大出力、ただし、天候により出力
は変動し、夜間の出力は見込めない
・ 風力は風向き・風速により出力が変動
水力
・ 貯水池式:点灯ピーク時等に運転、夜間は停止
・ 調整池式:河川の流れ込み量を調整池で調整、
点灯ピーク時等に運転
・ 流れ込み式:河川の流れ込み量に応じ、昼夜フラット運転
原子力・地熱
・燃料費の安い原子力や自然エネルギーを利用した地熱は、24時間
フル出力で運転
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力需要の状況〕70 九電グループデータブック2021
4-11 原子力発電所の設備利用率の推移
(注記)設備利用率=〔年間の発電電力量(kWh)/(発電所出力(kW)×ばつ24時間)×ばつ100
(注記)1 2015年4月27日玄海1号機 運転終了後は、5基ベースで計算
(注記)2 2019年4月 9日玄海2号機 運転終了後は、4基ベースで計算
 九州電力では、これまで、発電設備の故障や事故が少なく、全国平均を大幅に上回る高い設備利用率(注記)を維持してきま
したが、2012〜2014年度までは設備利用率が0%でした
 2020年度は、玄海3,4号機、川内1,2号機の安定稼働により、設備利用率は約62%となりました
(年度)
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕
(注記)1
86.8%
82.1%
85.8% 84.6%
84.8%
81.1%
31.4%
20.7%
31.9%
36.7%
73.1%
82.0%
62.4%
71.9%
69.9%
60.7%
60.0%
65.7%
67.3%
23.7%
3.9% 2.3%2.5%5.0%9.1%19.3%
20.6%
13.4%0%20%40%60%80%100%
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
(注記)1
(注記)271九州電力
全国
九電グループデータブック2021
4-12 火力発電所の設備利用状況(発電電力量及び設備利用率の推移)
(億kWh)
(注)発電電力量には他社受電分を含まない
 2011年度以降の火力発電設備(LNG・石炭・石油)の設備利用率(注記)は、原子力発電所の停止に伴い上昇しましたが、
2018年度以降は、発電を再開した玄海原子力発電所の安定稼働などにより低下しました
 2020年度については、特定重大事故等対処施設の設置工事に伴う川内原子力発電所の運転停止等により、昨年度
より上昇し、39.5%となりました
(注記) 設備利用率= 〔各発電機の年間発電電力量の合計/ (×ばつ各発電機定格出力の合計)×ばつ100
設備利用率には、内燃力・地熱発電設備を含まない
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕
331 366513600 614580465 463 439
268 26433333.8%
37.4%
52.2%
61.3%
65.6%
62.0%
52.3% 51.3%
50.2%
30.8% 31.2%
39.5%0%20%40%60%80%0200400600800
1,000
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 (年度)
(90.7%)
(89.2%)
(45.4%)
(42.4%) (53.8%)
(74.7%)
(70.2%)
(90.0%)
(69.7%)
(66.7%)
(41.8%) (41.7%)72設備利用率
発電電力量
( )内は、発電電力量
全体に占める割合
九電グループデータブック2021
530 5335565795626105556316155696265984986596877411757 4896216383313260132
42 53
2 0 0
240 238 241 245276404457486 472381405373191107198
2,113
2,799
3,056
2,130
2,848
5,202
6,797
7,544
6,784
3,647
2,635
3,120
2,41719041,98001,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,00001002003004005006007008002006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
4-13 化石燃料の消費量と燃料費の推移
 2020年度に九州電力で発生した燃料費は、火力発電単価の低下等による影響で前年度と比較して減少傾向に
あります
(年度)
(万t,万kl) (億円)
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕73(注)2019以前は九州電力のみ、2020以降は九州電力送配電、九電みらいエナジーを含んだデータを記載
燃料費石炭(万t)重油・原油(万kl)LNG(万t) 九電グループデータブック2021( )0%50%100%
LNG 石炭 ウラン精鉱
4-14 燃料の長期安定確保への取組み
 九州電力は、燃料を長期にわたり安定的に確保するため、長期契約を基本として、燃料供給源の分散化や、燃料の生産
から輸送・受入・販売までの関与強化などに取り組んでいます
[調達先の分布]
[燃料別の調達先の割合]
〔燃料調達状況(2020年度)〕
オーストラリア66%ロシア12%インドネシア13%インドネシア他8%ロシア 7%
アメリカ12%カナダ16%オーストラリア57%アメリカ他9%カザフスタン62%4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕
オーストラリア38%74
( ) ( )
九電グループデータブック2021
4-15 離島の電源設備容量〔9電力会社(沖縄除く)に占める九電グループの割合〕
 九州は離島が多いため、九電グループの離島の発電設備容量は、全国(沖縄除く)の6割以上を占めています
 離島は需要密度が低く、島毎に発電所等の設備が必要となり、発電に使用する重油の燃料費や燃料輸送費も割高に
なるため、九州本土と比較して約2倍の発電コストがかかっています
全32発電所
(2021年3月末時点)
くろまる出力1万kW以上
くろまる出力1万kW未満
竜郷発電所
60,000kW
新喜界発電所
12,800kW
新徳之島発電所
21,000kW
新知名発電所
23,600kW
種子島第一発電所
16,500kW
新種子島発電所
24,000kW
甑島第一発電所
13,250kW
福江第二発電所
21,000kW
新有川発電所
60,000kW
豊玉発電所
50,000kW
芦辺発電所
15,000kW
新壱岐発電所
24,000kW
名瀬発電所
21,000kW
九州
全国(沖縄除く)の6割以上を
九電グループが占める
(注記)沖縄を含めても4割以上を占める
九電グループ62%(312千kW)
九電グループ以外38%(190千kW)
(注)海底ケーブル連系の離島を除く
〔2016年度末の割合〕
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕75 九電グループデータブック2021
4-16 台風による設備被害の状況
 九州では、他の地域より台風の上陸数が多いため、台風の影響による設備被害が多く発生しています
順位 都道府県 上陸数
1 鹿児島県 41
2 高知県 26
3 和歌山県 24
4 静岡県 21
5 長崎県 17
6 宮崎県 14
7 愛知県 12
8 千葉県 9
9 熊本県 8
10 徳島県 7
〔台風上陸数の多い都道府県〕
1951年〜2021年台風45号まで
出典:気象庁ホームページ「気象統計
情報」をもとに作成
発生年月
最大停電
戸数
(千戸)
[停電率]
主な設備被害
送電設備
配電設備
支持物損壊
(本)
電線断混線
(条径間)
台風
19号
1991年9月
2,102
[36.0%]
鉄塔損壊 16基 20,491 22,748
台風
18号
2004年9月
1,081
[15.1%]
― 4,458 9,323
台風
18号
1999年9月848[12.5%]
鉄塔損壊 15基 7,730 10,400
台風
13号
2006年9月786[10.7%]
電線断線 2箇所 286 2,198
台風
13号
1993年9月710[12.0%]
鉄塔損壊 19基 6,384 12,773
台風
10号
2020年9月476[5.6%]
電線断線等 3箇所 163 4,705
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕76 九電グループデータブック2021
4-17 停電時間・回数の推移
 九州電力送配電では、設備の巡視・点検・補修作業の徹底や、台風等の大規模災害への対応などにより、停電時間・
回数を大幅に低減させ、電力の安定供給に努めています
〔参考〕停電回数の国際比較
(2014〜2016年度の3か年平均)
〔お客さま1戸あたりの年間停電時間・回数の推移〕
停電時間(分) 128 25 103 15 139
停電回数(回) 0.24 0.08 0.14 0.08 0.21
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕77(*)2018〜2020年度の直近3か年実績で算定
出典: 電力広域的運営推進機関「電気の質に関する報告
(2018、2019年度)」をもとに作成(*)アメリカ
(CA州)
イギリス フランス ドイツ スウェーデン 日本 九州電力
送配電(*)
九電グループデータブック2021
4-18 「平成28年熊本地震」における停電復旧の状況
〔停電戸数の推移〕0.010.020.030.040.050.0
4/14 4/15 4/16 4/17 4/18 4/19 4/20
4/14 22:00
1.67万戸
高圧配電線送電
4/20 19:10
高圧配電線送電
4/15 23:00
最大 4/16 2:00
47.7万戸
本震発生
4/16 1:25
前震発生
4/14 21:26
(万戸)
〔他の電力会社からの応援状況〕
他の電力会社 九州電力
高圧発電機車応援台数(台) 110 59
動員数〔最大時〕(人) 629〔4/20〕 3,608〔4/16〕
ヘリによる仮鉄塔架線作業 配電線復旧作業
高圧発電機車
(中部電力(株))
による送電
・ 4月14日21時26分頃、マグニチュード6.5の前震が発生し最大約1.7万戸が停電。全社を挙げて復旧作業を行い、4月15日
23時に高圧配電線への送電を完了しました
・ その後、4月16日1時25分頃、マグニチュード7.3の本震が発生し、最大約48万戸が停電。全国の電力会社9社からの応援も
仰ぎ、約170台の高圧発電機車により送電を実施するなど、発生から4日後までに、復旧困難な箇所を除き高圧配電線へ
の送電を完了しました
・ 送電線が使用不可能となり、高圧発電機車により送電していた一の宮・高森地区では、仮鉄塔・仮鉄柱合計17基を11日
間で建設のうえ、配電線からの供給を順次再開し、4月28日に全ての高圧発電機車の切り離しを完了しました
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕78 九電グループデータブック2021
・ 平成28年熊本地震は、「布田川・日奈久断層帯」の一部(マグニチュード7.3)がずれ動いたものですが、川内原子力発電所で
観測された揺れ(8.6ガル)は、同発電所の基準地震動(620ガル)はもとより、原子炉自動停止の設定値(160ガル)も大きく
下回っており、点検により異常がないことを確認のうえ、安全に運転を継続しました (その後、鹿児島県知事からのご要請を踏
まえて実施した特別点検(平成28年9月〜平成29年2月)においても、熊本地震の影響による異常は確認されませんでした)
・ 川内原子力発電所の基準地震動は、「布田川・日奈久断層帯」全体(マグニチュード8.1)による揺れ(約100ガルと想定)のほ
か、同断層帯よりも川内原子力発電所に近く影響が大きい3つの活断層を基に、想定される揺れの大きさに余裕を持たせて
策定(620ガル)しています
4-19 「平成28年熊本地震」における川内原子力発電所の安全性
地震の名称等
マグニ
チュード
敷地から
の距離
揺れの大きさ
(岩盤上)
基準地震動
基準地震動策定時の想定
敷地ごとに震源を特定して策定する地震動
(敷地周辺の活断層を基に策定する地震動)
1市来断層帯
市来区間
M7.2 約12km 約460ガル
540ガル
2甑断層帯甑区間 M7.5 約26km 約420ガル
3市来断層帯
甑海峡 中央区間
M7.5 約29km 約410ガル
布田川・日奈久
断層帯
M8.1 約92km 約100ガル ―
震源を特定せず
策定する地震動(注記) ― ― ― 620ガル
原子炉自動停止の設定値 ― ― 160ガル ―
観測記録〔平成28年熊本地震(布田川・日奈久断層帯の一部)〕
本震(4月16日1時25分) M7.3 約116km 8.6ガル ―
(注記)北海道留萌支庁南部地震(2004年)を考慮
〔川内原子力発電所敷地周辺の活断層〕 〔基準地震動策定時の想定と観測記録の比較〕
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕79 九電グループデータブック2021
・ 平成28年熊本地震では、4月14日の前震(マグニチュード6.5)において、熊本県益城町における軟らかい地盤の地表で1,580ガ
ルという大きな揺れが観測されました。一方、同一地点における地下の硬い岩盤の中では最大で237ガルであり、地表での大き
な揺れは、軟らかい地盤の影響によるものと考えられます
・ 川内原子力発電所は、大きな揺れになりにくい硬い岩盤上に設置されています。平成9年5月の鹿児島県北西部地震の際に
は、軟らかい地盤上の川内市(当時)中郷では470ガルの揺れが観測されましたが、川内原子力発電所では68ガルの揺れでした
4-20 地震発生時における川内原子力発電所と周辺観測点との揺れの大きさの違い
〔実際の地震における軟らかい地盤と硬い岩盤の揺れの違い〕
平成28年熊本地震 鹿児島県北西部地震
4/14(前震、M6.5) 4/16(本震、M7.3) H9/5/13(M6.4)軟らかい地盤
熊本県益城町
(地表観測点)
震央距離:6km
最大加速度:1,580ガル
熊本県益城町
(地表観測点)
震央距離:7km
最大加速度:1,362ガル
鹿児島県川内市(当時)
中郷観測点(地表観測点)
震央距離:13km
最大加速度:470ガル硬い岩盤
熊本県益城町
(地下観測点)
震央距離:6km
最大加速度:237ガル
熊本県益城町
(地下観測点)
震央距離:7km
最大加速度:243ガル
川内原子力発電所
震央距離:17km
最大加速度:68ガル
(注記)1 南北、東西、上下の3成分合成値 (注記)2 水平方向の最大値
(注記)1 (注記)1 (注記)2
(注記)2 (注記)2
(注記)2
4 九電グループの電力安定供給への取組み〔電力供給の状況〕80 九電グループデータブック2021
5 九電グループの地球環境問題への取組み
地球温暖化の防止に向け、「供給面」では、 再生可能エネル
ギーの開発・導入や、安全の確保を大前提とした原子力発電の
活用、火力発電所の高効率化などを通じて、「電源の低・脱炭
素化」に取り組むとともに、「需要面」での電化の推進に取り
組んでいきます。
太陽光・風力の大量導入にあたっては、電圧や周波数が安定
した電力を供給できるよう、系統安定化に関する技術開発等を
推進しています。81 九電グループデータブック2021
5-1 CO2排出量構成比
・ 2019年度の日本のCO2排出量は、需要面が約6割、供給面が約4割を占めています
・ 九電グループは、電力の「需要」と「供給」の両面からのアプローチでCO2排出量の削減に取り組みます
・ また、気候変動への対応にあたっては、長期のリスクや機会の分析にTCFD提言(注記)を活用し、同提言の枠組みに沿った情報開示
を行っています
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔地球温暖化の現状(概況)〕
出典:環境省ホームページ「2019年度の温室効果ガス排出量(確報値)について」をもとに作成
〔日本のCO2排出量構成比(2019年度)〕
(注記)TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):G20財務大臣・中央銀行総裁会合の要請を受け、金融安定理事会(FSB)によって設立されたタスクフォースで、
投資家の適切な投資判断のために、気候関連のリスクと機会がもたらす財務的影響について情報開示を促す提言を公表しています
CO2の約6割は需要
排出側での化石燃料の
使用等による排出
必要な施策
CO2総排出量
11億800万トン82発電所等39%工場等25%自動車
船舶等18%商業・サービス等6%家庭部門5%その他6% 九電グループデータブック2021
838 844 813 792 777 758
713 695 684
5,020 5,210
4,860
4,180
3,750 3,510
2,480 2,570
3,280
0.599 0.617 0.598
0.528
0.483 0.463
0.347 0.370
0.479
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 (年度)
5-2 CO2排出量の推移
 2020年度における九州電力のCO2排出量は、販売電力量が減少した中、原子力発電所の発電電力量が定期検査に伴い減少
したこと、火力発電所の発電電力量が増加したことから前年度に比べ増加しました。また、エネルギー供給構造高度化法に基づき、
他社(小売電気事業者)の目標達成を後押しするため、当社は2020年度より非化石証書を外販しています。これに伴い、当社に
帰属する非化石価値が減少し、調整後排出係数は、2019年度値を大きく上回ることとなりました
 電気事業の業界全体の目標として、長期エネルギー需給見通しで示されたベストミックスの実現を前提に、2030年度に販売
電力量あたりのCO2排出量を0.37kg-CO2/kWh程度にすることとしています
 九州電力は、再生可能エネルギーの活用、安全を大前提とした原子力発電の活用、火力発電の更なる高効率化と適切な維持
管理、ならびに低・脱炭素社会に資する省エネ・省CO2サービスの提供等により、CO2排出を極力抑制し、電気事業全体の目標
達成に向けて、最大限努力していきます
販売電力量(億kWh)
CO2排出量
(万トン-CO2)
販売電力量あたりの
CO2排出量
(kg-CO2/kWh)
【凡例】
注) 販売電力量あたりのCO2排出量は、CO2排出クレジットやFIT調整等に伴う調整後の値。2016年度以降は、
小売電気事業者分のみ(一般送配電事業者の管理する離島供給分[長崎県五島を除く]は含まない)
+710万トン
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔地球温暖化の現状(概況)〕83 九電グループデータブック2021
13% 13%14%17%19%20% 21%22%23%25%26%0%5%10%15%20%25%30%1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2018
出典:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」及び「都道府県別エネルギー消費統計」をもとに作成
5-3 電化率の推移
・ 2018年度の日本の電化率は26%、九州は23%でした
・ 2050年カーボンニュートラルに向けて、最大限の電化に挑戦していきます
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕
【日本の電化率】
九州:23%
(注)電化率とは最終エネルギー消費に占める電力消費量の割合
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面84 九電グループデータブック2021
エネルギー転換部門40%産業部門25%運輸部門18%業務その他部門6%家庭部門5%工業プロセス4%廃棄物3%51252210 20 40 60
産業
運輸
業務
家庭
5-4 各分野の電化率
・ 2018年における日本の分野別の電化率は、家庭部門が51%、業務部門が52%、産業部門が21%、運輸部門が2%です
・ また、日本の部門別CO2排出量の割合のうち、運輸部門が約2割を占めることから、運輸部門の電化によって、CO2排出量の
削減が可能です
〔日本の部門別CO2排出量の割合〕
〔日本の分野別電化率(2018年)〕
(注記)非エネルギー起源
出典:経済産業省「エネルギー白書」、環境省「2019年温室効果ガス排出量(確報)について」をもとに作成
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕
(注記)
(注記)(%)85
九電グループデータブック2021
5-5 家庭部門の電化率の推移
・ 近年の家庭部門の電化率は、横ばいで推移しています
・ また、家庭部門におけるCO2排出量のうち、照明・電化製品や自動車等からの排出が約6割を占めます
〔家庭からのCO2排出量(2019年度)〕
50.5% 51.0% 50.6% 50.5% 51.0% 50.9% 51.4% 50.6% 49.5%
51.2%0%10%20%30%40%50%60%2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
〔家庭部門の電化率〕
(年度)
出典:経済産業省「エネルギー白書」、温室効果ガスインベントリオフィスを基に作成
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕
照明・家電
製品から
29.8%
自動車から
26.4%
暖房から
15.7%
給湯から
14.2%
キッチンから5.3%ごみから3.8%冷房から2.8%水道から1.9%86
約6割
九電グループデータブック20214159132556107
0 20 40 60 80 100 120 140
EV(2030年:26%)
EV(2015年:32%)
ハイブリッド車
ガソリン車
(2015年)
(2015年)
5-6 電化によるCO2排出量の削減(自動車)
(注記)2 一次エネルギーの掘削から燃料を車に入れるまで
(注記)3 燃料を車に入れてから車両の走行まで
(注記)4 ()内は各年度における国内電源に占める石炭火力の割合(2030年度の石炭火力比率は、2015年に策定されたエネルギー基本計画の目標値)
出典:経済産業省「自動車新時代戦略会議」資料をもとに作成415969132
(gCO2/km)
(注記)2 (注記)3
・ 自動車からのCO2排出量は、well to wheel(注記)1 の視点で、ガソリンや電気等を製造する過程まで含めて評価することが必要です
・ EVは走行時にCO2を排出しないため、1台のEVが1km走行する場合のCO2排出量は、ガソリン車に比べて少なくなっています
・ 今後、電源の低・脱炭素化(石炭火力比率の低減)により、EVへ充電される電気をつくる過程で発生するCO2が削減される見通
しです
(注記)1 一次エネルギーの掘削から車両の走行まで
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕
(注記)4
(注記)4
実績
想定
電源の低・脱炭素化
(石炭火力比率の低減)87well to tank tank to wheel
九電グループデータブック2021598674743801854903 94197910301084112711710200400600800
1,000
1,200
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
5-7 オール電化住宅戸数の推移
・ オール電化住宅とは、調理に「IHクッキングヒーター」、給湯に「電気給湯機(エコキュート・電気温水器・ネオキュート)」をお使い
いただく住宅のことで、快適性、環境性や経済性等がポイントです
・ 九州におけるオール電化住宅戸数は増加傾向にあり、2020年度末で約117万戸となっています
【オール電化住宅のポイント】
〔千戸〕
【オール電化住宅戸数(九州)】
(年度末)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕88 九電グループデータブック2021
5-8 電化の推進のための取組み1
・ 九電グループでは、「快適で、環境に優しく、経済的で、安心」な生活をお客さまに実現いただくために、高効率給湯機である
エコキュートや、IHクッキングヒーターを中心とした「オール電化」を推進し、お客さま満足の向上と環境への配慮に努めています
・ 九州電力では、住宅リフォームをコンセプトとする体験型ショールーム「きゅうでん e-住まいる」や、オール電化移動実演車「オー
ルデンカー」等を活用した電化の普及活動を、九電ホームアドバイザーが中心となって展開しています
・ さらに、新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、お客さまに安心して参加いただけるIH調理のライブ配信やWeb動画
コンテンツによる非接触型のイベント等も実施しています
〔「きゅうでん e-住まいる」でのIH調理体験〕 〔オール電化移動実演車(オールデンカー)〕
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕89 九電グループデータブック2021
5-9 電化の推進のための取組み2
・ 九州電力および九州電力送配電では、2030年度までに社有車のEV100%化(注記)に取り組むとともに、他社との協業による「EV
シェアリング」の普及促進等に取り組むことで、九電グループ一体となってEVを社会に広く普及させることを目指しています
・ 九州電力は、一般のお客さまがEVの利便性・快適性を気軽に体験できる機会を創出するため、EVシェアリングステー
ションの設置やマンション入居者専用のEVカーシェアサービス「weev」の提供に取り組んでいます
〔EVシェアリングステーションの設置〕 〔マンション入居者向けEVシェアリングサービス「weev」〕
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕
(注記)EV化に適さない車両を除く90 九電グループデータブック2021
5-10 使い方で省エネ(エアコン・照明器具)
 夏の冷房時の室温は28度を目安に
外気温度31度の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27度
から28度にした場合(使用時間:9時間/日)
夏季で電気30.24kWhの省エネ
約690円の節約 CO2削減量14.5kg
 冬の暖房時の室温は20度を目安に
外気温度6度の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21度
から20度にした場合(使用時間:9時間/日)
冬季で電気53.08kWhの省エネ
約1,220円の節約 CO2削減量25.4kg
 フィルターを月に1回か2回清掃
フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW)と、フィルターを清掃
した場合の比較
年間で電気31.95kWhの省エネ
約730円の節約 CO2削減量15.3kg
エアコン
 電球形LEDランプに取り替える
54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに交換した場合
年間で電気90.00kWhの省エネ
約2,070円の節約 CO2削減量43.1kg
 点灯時間を短く
[白熱電球の場合]
54Wの白熱電球1灯の点灯時間を1日1時間短縮した場合
年間で電気19.71kWhの省エネ
約450円の節約 CO2削減量9.4kg
[蛍光ランプの場合]
12Wの蛍光ランプ1灯の点灯時間を1日1時間短縮した場合
年間で電気4.38kWhの省エネ
約100円の節約 CO2削減量2.1kg
照明器具
出典:省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典」の省エネ試算値をもとに当社データで算出
電力量料金:23.06円/kWh(従量電灯B第2段階料金単価)
CO2排出係数:0.479kg-CO2/kWh(2020年度実績、CO2排出クレジット等反映後)
【冷暖房運転期間・運転時間】(出典の「省エネ効果の算定根拠」を引用)
[運転期間]冷房:3.6か月(6/2〜9/21)112日、暖房:5.5か月(10/28〜4/14)169日(一般社団法人日本冷凍空調工業会規格JRA4046:ルームエアコンディショナの期間消費電力量算出基準)
[運転時間] 9時間/日(期間中1日あたりの主機能動作平均時間として想定)
その他の省エネ方法は、九州電力の
ホームページをご覧ください
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕91 九電グループデータブック2021
5-11 使い方で省エネ(冷蔵庫・テレビ)
 設定温度は適切に
周囲温度22度で、設定温度を「強」から「中」にした場合
年間で電気61.72kWhの省エネ
約1,420円の節約 CO2削減量29.6kg
 壁から適切な間隔で設置
上と両側が壁に接している場合と、上と片側が壁に接している
場合との比較
年間で電気45.08kWhの省エネ
約1,030円の節約 CO2削減量21.6kg
 ものを詰め込みすぎない
詰め込んだ場合と、半分にした場合との比較
年間で電気43.84kWhの省エネ
約1,010円の節約 CO2削減量21.0kg
冷蔵庫
 画面を明る過ぎないように
[液晶テレビの場合]
テレビ(32V型)の画面の輝度を最適(最大→中央)に調節
した場合
年間で電気27.10kWhの省エネ
約620円の節約 CO2削減量13.0kg
 テレビを見ないときは消す
[液晶テレビの場合]
1日1時間テレビ(32V型)を見る時間を減らした場合
年間で電気16.79kWhの省エネ
約380円の節約 CO2削減量8.04kg
テレビ
出典:省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典」の省エネ試算値をもとに当社データで算出
電力量料金:23.06円/kWh(従量電灯B第2段階料金)
CO2排出係数:0.479kg-CO2/kWh(2020年度実績、CO2排出クレジット等反映後)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕
その他の省エネ方法は、九州電力の
ホームページをご覧ください92 九電グループデータブック2021
5-12 使い方で省エネ(待機時消費電力)
 電気機器を使用しない場合でも、電源プラグをコンセントにつないでいるだけで電気は消費されます(待機時消費電力)
 待機時消費電力は、ご家庭の年間電気使用量の5%を占めるため、使わないときにプラグを抜くこと、電気機器を買い替
えるときに待機時消費電力の少ない機器を選ぶことが得策です
出典:省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典2012年度版」
出典:資源エネルギー庁「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤
整備事業(待機時使用電力調査)報告書概要」をもとに作成
〔ご家庭の年間電気使用量の内訳〕
電気機器使用による
消費電力量
94.9%
待機時消費電力量5.1%5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕93 九電グループデータブック2021
294kWh/年
56kWh/年
5-13 選び方で省エネ(最新の電気機器の省エネ性能)
2010年
2020年 約31%の省エネ
出典:(一財)家電製品協会「2021年度版スマートライフおすすめBOOK」をもとに作成
電気料金及びCO2削減量は、当社データで算出
電力量料金:23.06円/kWh(従量電灯B第2段階料金)
CO2排出係数:0.479kg-CO2/kWh(2020年度実績、CO2排出クレジット等反映後)
【10年前のテレビとの省エネ性能の比較】
2010年
2020年 約38〜44%の省エネ
一定の条件下で行われた試験結果をもとに算出した目安
【10年前の冷蔵庫との省エネ性能の比較】
2020年
2010年
約12%
の省エネ
約2,490円の節約
CO2削減量51.7kg
冷暖房兼用・壁掛け形・冷房能力2.8kWクラス省エネルギー型の代表機種の単純平均値
【10年前のエアコンとの省エネ性能の比較】
約4,050〜5,210円の節約
CO2削減量84.3kg〜108.3kg
約570円の節約
CO2削減量12.0kg
815kWh/年
923kWh/年
470〜520kWh/年
81kWh/年
資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ冬版」の機種一覧における単純平均値
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔需要面における対応(電化の推進)〕94 九電グループデータブック2021
5-14 非化石電源比率
• 九州電力は、S+3Eの観点から、最適なエネルギーミックスを追求し、再生可能エネルギー・原子力の活用による非化石電源比率
の向上や火力発電の高効率化を図ることで、九州の低炭素化に貢献していきます
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
(*1)再生可能エネルギーを含む非化石電源
この電気のうち、非化石証書を使用していない部分は、再生可能エネルギーとしての価値やCO2ゼロエミッション
電源としての価値は有さず、火力発電等も含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われます。
(*2)FIT電気
九州電力(株)がこの電気を調達する費用の一部は、九州電力(株)のお客さま以外のかたも含め、電気をご利用のすべての皆さまから集めた賦課金により賄われています
この電気のうち、非化石証書を使用していない部分は、再生可能エネルギーとしての価値やCO2ゼロエミッション電源としての価値は有さず、火力発電等も含めた全国平均の電気
のCO2排出量を持った電気として扱われます (注記)太陽光、風力、水力(3万kW未満)、地熱およびバイオマスのより発電された電気が対象となります
(*3)卸電力取引所から調達した電気 この電気には、水力、火力、原子力、、FIT電源、再生可能エネルギー等が含まれます
(*4)その他 他者から調達している電気で発電所が特定できないもの等が含まれます
(*5)2020年度における非化石電源証書の算定と同様に、販売電力量を9/12倍にして算定しています。
(注)
・九州電力(株)は水力・地熱電源を100%とする再エネメニュー及び非化石証書を使用した実質CO2フリーメニューを一部のお客さまに対して販売しており、それ以外の
メニューの電源構成及び非化石証書使用状況は左記のとおりです
・経済産業省の「電力の小売営業に関する指針」に基づき、算定・公表しています
・九州電力(株)が発電した電力量及び他者から調達した電力量をもとに算定しています(離島分を含みません)
・九州電力(株)は非化石証書の購入により、実質的な、非化石電気の割合の向上をはかります
・四捨五入の関係で、合計が100%にならないことがあります95 九電グループデータブック2021
5-15 再生可能エネルギーによるCO2排出抑制効果(2020年度)
• 九電グループでは、CO2を排出しない再生可能エネルギーを積極的に開発しており、2030年に再生可能エネルギーの開発量を
500万kWとする目標を掲げています
• 九電グループの再生可能エネルギーによるCO2排出抑制量(注記)は約173万トンです(2020年度)
(注記) 2019年度のCO2排出係数(調整後)を使用して試算
再エネ開発量 (計 約230万kW) 再エネ発電によるCO2排出抑制量 (計 約173万トン)
(注記)再生可能エネルギーを除くその他電源で発電した場合のCO2排出量と比較した抑制量
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕96 九電グループデータブック2021
5-16 再生可能エネルギー開発量目標値(2030年度)
 九電グループは、低炭素で持続可能な社会の実現に向けて、「九電グループ経営ビジョン2030」で掲げた2030年の再生可能
エネルギー開発量(500万kW)の目標を達成するため、九州域内に限らず、国内他地域・海外でもグループ大で開発に取り組ん
でいます
• 今後も地熱発電や水力発電の開発・更新に加え、洋上風力発電やバイオマス発電等の開発にも積極的に取り組んでいきます
(注)九電グループが参画する各プロジェクトの発電設備出力(開発量)に出資比率をかけたもの
九電グループ経営ビジョン2030の
詳しい内容は、九州電力のホーム
ページをご覧ください
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕97 九電グループデータブック2021
5-17 再生可能エネルギーの開発(地熱発電設備容量(2020年度))
 全国の4割以上を九電グループが占めており、九州に豊富に存在する貴重な地熱資源を積極的に活用しています
 日本最大規模の八丁原発電所(110千kW)を保有しています
発電所名
設備容量(kW)運転開始 所在地
既設
滝 上 27,500 1996年11月
大分県玖珠郡九重町
八丁原
55,000 1977年6月
55,000 1990年6月
八丁原バイナリー 2,000 2006年4月
大 岳(注記)1 13,700 1967年8月
菅原バイナリー(注記)2 5,000 2015年6月
大 霧 30,000 1996年3月
鹿児島県霧島市牧園町
及び姶良郡湧水町
山 川 30,000 1995年3月
鹿児島県指宿市
山川バイナリ―(注記)2 4,990 2018年2月
合 計 約223,190 ―
〔九電グループの地熱発電所〕
全国の4割以上を
当社グループが占めている
九電グループ41%(218千kW)
九電グループ以外59%(311千kW)
(注記)1 2022年度中の系統連系工事完了後、14,500kWに出力増加予定
(注記)2 みらいエナジーによる開発・運用
出典:地熱発電の現状と動向(火力原子力発電技術協会)をもとに作成
(2020.3末時点)
(2021年3月末現在)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕98 九電グループデータブック2021
5-18 再生可能エネルギーの開発(地熱開発の最近の取組み)
開 発 地 点 場 所 開発規模
山下池南部地点(注記)1 大分県由布市、玖珠郡
九重町
調査結果に
基づき検討
涌蓋山東部地点 大分県玖珠郡九重町
調査結果に
基づき検討
南阿蘇村地点 熊本県阿蘇郡南阿蘇村
調査結果に
基づき検討
霧島烏帽子岳地点 鹿児島県霧島市
4,500kW
(検討中)
指宿地点(注記)2 鹿児島県指宿市
調査結果に
基づき検討
猿倉嶽地点 福島県河沼郡柳津町
調査結果に
基づき検討
え ぼ し だ け
 九電グループでは、国産エネルギーの有効活用や、地球温暖化防止対策として、技術面や経済性、周辺環境の保全等
を勘案し、下記の地点で、地熱資源の開発・導入を進めています
(注記)1 出光興産(株)、九州林産(株)、九州高原開発(株)との共同開発
(注記)2 指宿市の開発プロジェクト(当社は発電事業者に選定)
(凡例)
いぶすき
八丁原発電所
八丁原バイナリ—発電所
滝上発電所
大霧発電所
山川発電所
山川バイナリ—発電所
霧島烏帽子岳地点
菅原バイナリー発電所
指宿地点
大岳発電所
は、既存発電所
南阿蘇村地点
は、開発地点市長崎市市市市市 市
山下池南部地点
涌蓋山東部地点
わいたさん
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
やないづ
猿倉嶽地点
[東北]
【福島県】
さるくらだけ99 九電グループデータブック2021
5-19 再生可能エネルギーの開発(太陽光・風力の開発)
 九電グループは、火力発電所跡地を活用した太陽光発電(メガソーラー)や、周辺環境との調和に配慮した風力発電など、
グループ会社である九電みらいエナジーを中心に開発を推進しています
既 設
(約89,000)
メガソーラー大牟田(注記)
(福岡県、火力発電所跡地)
1,990
大村メガソーラー(注記)
(長崎県、火力発電所跡地)
17,480
佐世保メガソーラー(注記)
(長崎県、火力発電所跡地)
10,000
事業所等への設置 約2,200
その他メガソーラー(注記) 約57,600
計 画
(約60,000)
約60,000
太陽光発電 (2021年9月末時点) 風力発電 (2021年9月末時点)
(kW) (kW)
(注記) グループ会社による開発
(注記) グループ会社による開発
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
既 設
(約129,000)
甑島 (鹿児島県) 250
長島(注記) (鹿児島県) 50,400
奄美大島(注記) (鹿児島県) 1,990
鷲尾岳(注記) (長崎県) 12,000
串間(注記) (宮崎県) 64,800
計 画
(約27, 000)
唐津・鎮西(注記)(佐賀県) 27,200100大村メガソーラー発電所 長島風力発電所
九電グループデータブック2021
41 56 74 1112714716166977858539441029
35 40 41434346474950515859020040060080010002009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
5-20 太陽光・風力の接続量の推移と申込み状況(九州本土)
・ 国による再生可能エネルギーの固定価格買取制度の開始(2012年7月)以降、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー
発電設備の導入が急速に進んでいます
・ 九州電力送配電は、電力の安定供給を前提として、各種再生可能エネルギー電源の特徴を活かしながら、バランスの取れた再
エネの導入に最大限取組んでまいります
(万kW)
(年度)
〔太陽光・風力の設備導入量の推移(九州本土)〕 〔太陽光・風力の申込み状況(九州本土)2021.3末〕
接続済
接続契約
申込み及び
承諾済
接続検討
申込み59476555(1,090)
太陽光 風力
太陽光・風力の接続量・申込み状況に関する
情報は、九電送配ホームページをご覧ください
接続可能量
817万kW
接続可能量
180万kW末(万kW) (1,410)27355
1,029
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕101風力
太陽光
九電グループデータブック2021
5-21 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の仕組み
 再生可能エネルギーによって発電された電気を電気事業者が買い取る費用を、国の制度に基づき、電気料金の一部とし
て、電気の使用量に応じてお客さまにご負担いただいています(再生可能エネルギー発電促進賦課金)
再エネ電源で発電された電気を電気事業者が買い取ります
買取に要した費用は、再生可能エネルギー発電促進賦課金として、お客さまにご負担いただきます
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、費用負担調整機関に納付後、買取実績に応じて交付されます
ご家庭の1か月のご負担額は840円(注記)
(使用量250kWh/月の場合)
(注記)2021年5月以降の再エネ賦課金単価:3.36円/kWh
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕102 九電グループデータブック2021
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
5-22 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の推移
• 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの設備導入量の増加に伴い、お客さまにご負担いただく再エネ賦課金は
年々増加しており、2021年5月以降は、一家庭あたり840円/月(電気使用量250kWh/月の場合)、電気料金[(注記)]に占める
割合は約12.7%となっています
(注)再エネ賦課金には、旧制度(余剰太陽光買取制度)の付加金を含まない
(注記) 電気料金は、各年度の10月分燃料費調整額、離島ユニバーサル調整額、消費税等相当額、再エネ賦課金、太陽光発電促進付加金、口座振替割引額を含む
(契約種別:従量電灯B、契約電流:30A、使用量:250kWhの場合)
(年度)
再エネ賦課金
の単価〔円/kWh〕55( 1.0 %)87( 1.4 %)187( 3.0 %)660(10.7%)725(11.2%)737(11.3%)745(11.8%)
電気料金に占める、
再エネ賦課金の割合
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕395( 6.6%)562( 9.8 %)840(12.7%)1030.22 0.35 0.75 1.5 2.25 2.64 2.9 2.95 2.98 3.36
一家庭当たり
〔円/月〕
九電グループデータブック2021
5-23 再生可能エネルギーの電源別の買取価格・期間(2021年度)
 買取価格や期間は、各電源の建設費や維持管理費、開発リスク等を勘案し、当該年度の開始前に決定されます
〔買取価格・期間(1kWhあたり、消費税等相当額を含む)〕
(注記)1 250kW以上は、入札制度により決定
(注記)1 農産物の収穫に伴って生じるバイオマス液体燃料は、入札制度により決定
(注記)2 10,000kW以上は、入札制度により決定
電 源
一般木材バイオマス・農作物の
収穫に伴って生じる
バイオマス固体燃料
2,000kW以上 2,000kW未満 10,000kW未満
買取価格
(kWhあたり)
42.9円 35.2円 44円 26.4円 14.3円 18.7円
買取期間
建築資材廃棄物
一般廃棄物・その
他のバイオマス
バイオマス
メタン発酵ガス
(バイオマス由来)
間伐材等由来の木質バイオマス
20年間
設備容量等
(注記)1
(注記)2
電 源
全設備更新型 地下設備流用型 全設備更新型 地下設備流用型
買取価格
(kWhあたり)
28.6円 22円 13.2円 44円 33円 20.9円
22円
(13.2円)
29.7円
(16.5円)
31.9円
(23.1円)
37.4円
(27.5円)
買取期間
水 力
*既設導水路活用型の買取価格は( )に記載
15,000kW以上(リプレース) 15,000
kW未満
15,000kW未満(リプレース)
15,000
kW以上
地 熱
5,000kW以上
30,000kW未満
1,000kW以上
5,000kW未満
200kW以上
1,000kW未満 200kW未満
20年間
設備容量等
15年間
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
電 源
買取価格
(kWhあたり)
13.2円 12.1円 18.7円 16.5円 39.6円 35.2円
買取期間
買取方式
着床式洋上
太陽光 風 力
20年間
全量買取
10年間
余剰買取
設備容量等
10kW以上
50kW未満
陸上 陸上(リプレース) 浮体式洋上
19円
50kW以上
250kW未満
10kW未満
(注記)1
(注記)1104 九電グループデータブック2021
5-24 太陽光・風力の特徴と課題
 太陽光や風力は、貴重な国産エネルギーであることや、発電時にCO2を排出しないなどのメリットがあります
 一方で、気象状況によって出力が変化し、安定した電力の供給が見込みにくいことや、設備利用率が低いため、原子力
発電所等の電源と同等の発電量を得るには、広大な敷地面積が必要となります
 なお、CO2排出抑制効果は、100万kWあたり1年間で、原子力発電が約227万トン-CO2、太陽光は約45万トン-CO2、
風力は約65万トン-CO2となります
原子力発電 太陽光発電 風力発電
設備
利用率(注記)1
70% 14% 20%
敷地面積
約0.6km2
⇒福岡PayPayドーム
約9個分
約58km2
⇒原子力発電の
約97倍
⇒福岡PayPayドーム
約830個分
約214km2
⇒原子力発電の
約350倍
⇒福岡PayPayドーム
約3,060個分
CO2排出
抑制効果(注記)2
(1年間)
約227万トン-CO2
約45万トン-CO2
⇒原子力発電の
約1/5
約65万トン-CO2
⇒原子力発電の
約1/4
〔太陽光・風力の特徴と課題〕
出典:電気事業連合会「FEPC INFOBASE」、経済産業省HPをもとに作成
(注記)1 長期エネルギー需給見通し小委員会発電コスト検証WG「長期エネルギー需給見通し
小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」(2015年5月)をもとに想定
(注記)2 2019年度の当社販売電力量あたりのCO2排出量を用いて試算
出典:「電気事業における環境行動計画」(電気事業連合会、2015年9月)をもとに作成
〔原子力・太陽光・風力の比較(100万kW相当)〕
太陽光発電 風力発電
特徴
・エネルギー源が太陽光であ
るため、基本的に設置する
地域に制約がなく、導入が
容易
・夜間は発電できず、雨や
曇りの日には発電出力が
低下し、不安定 など
・風車の高さやブレードによっ
て異なるものの、高効率で
エネルギーに変換可能
・風向き・風速が、季節や
時間帯により変動し、発電
出力が不安定 など
課題
・電力安定供給のために、
バックアップ電源や出力変
動対応が必要
・景観問題 など
・電力安定供給のために、
バックアップ電源や出力変
動対応が必要
・バードストライクや、騒音、
振動、景観問題 など
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面〕105 九電グループデータブック202101,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00
出力(KW)
5-25 太陽光の発電出力の変化
 太陽光発電は、時間や天候によって発電出力が大きく変化します
 九州電力送配電では、電気を安定的に供給するため、太陽光発電による出力変動を調整力電源による出力調整など
で対応しています
【九電みらいエナジー(株)佐世保メガソーラー発電所(出力10,000kW)の天候毎の発電実績 (春季) 】
〔天候:曇のち晴〕
〔天候:晴〕
〔天候:曇のち雨〕
晴の日でも、定格出力並
みの発電出力に達したの
は、2時間程度
← 出力01,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00
出力(KW)01,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00
出力(KW)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕106 九電グループデータブック2021
5-26 風力の発電出力の変化
【長島風力発電所(出力50,400kW)の発電実績 】
 風力発電は、風速によって発電出力が大きく変化します
 九州電力送配電では、電気を安定的に供給するため、風力発電による出力変動を調整力電源の出力調整などで対応
しています
〔風速:5m弱/秒〕 〔風速:5m弱〜10m/秒〕
〔風速:5m〜10m強/秒〕
〔風速:5m弱/秒〕
↓ 発電出力
↑ 風速
風速3.5m以下の弱風では
発電しません
風速10m強でも、発電出力は
30,000kW強(定格出力の6〜7割)
程度
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕107 九電グループデータブック2021
 九州本土では、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー発電設備の導入が急速に進んでいます(資料5-20参照)
 このような中、九電グループは、再生可能エネルギーをバランスよく最大限受け入れていくため、再生可能エネルギーの出力
変動に対応した需給運用方策に取り組んでいます
5-27 再生可能エネルギー受入れへの対応
〔需給運用方策のイメージ〕
揚水発電の活用
[資料5-271参照]
・ 昼間に太陽光等で余った電気を使ってダム
へ水をくみ上げ(揚水)、太陽光が発電しない
朝や夕方の点灯帯にダムから放水し発電
大容量蓄電池
システムの活用
[資料5-272参照]
・ 豊前発電所(福岡県豊前市)の構内に、
5万kWの蓄電池を設置し、太陽光発電等
で余った電気で充電し、需要と供給のバラ
ンスを改善する実証試験を実施
[2015〜2016年度]
離島における
蓄電池の活用
[資料5-273参照]
・ 再生可能エネルギーの出力変動による周
波数変動を抑制する実証試験を実施
[2012〜2016年度]
出力制御技術
の高度化
[資料5-274参照]
・ 再生可能エネルギーを最大限受け入れるた
めの出力制御技術の確立を目指し、研究
開発や実証試験を実施 [2016〜2018年度]
転送遮断システムの
開発
[資料5-275参照]
・ 転送遮断システムを開発し、九州エリアか
ら他エリアへの再エネ送電可能量を拡大、
再生可能エネルギーの出力制御量を低減
[2017〜2018年度]
VPP実証試験
[資料5-276参照]
・ 電気自動車(EV)等多様なエネルギー
リソースを電力の需給バランス調整に活用
するための実証試験を実施 [2018〜2020年度]
供給力が需要を
上回る場合
[資料5-277参照〕
・ 供給力が電力需要を上回る場合、太陽
光発電等を最大限活用するために、火力
発電所の出力を下げるなどの対応を実施
〔主な需給運用方策の概要〕
軽負荷期における太陽光発電大量接続時の需給バランス(イメージ)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕108 九電グループデータブック2021
5-271 再生可能エネルギー受入れへの対応(揚水発電の活用)
 揚水発電は、太陽光発電の受入拡大に伴い、昼間帯に需要を上回る電力が供給される場合にその余剰電力を揚水
のための動力として利用するなど、需給運用面での調整力としての役割が大きくなっています
 2020年度の昼間帯の揚水起動回数は1,872回と、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)が施行された2012年
度(66回)に比べ、約28倍に急増しています
(注記)1〕
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
(注記)2
(注記)1 昼間帯揚水:2017年度までは8:00〜17:00の起動停止回数を計上。
ただし、2018年度からは、日照時間に合わせカウント時間を7:00〜17:00に見直し。
(注記)2 2021年3月末時点の太陽光連系量 109
〔万kW〕
〔回〕
夜間帯揚水(回)
昼間帯揚水(回)
(注記)1
太陽光連系量(万kW)
66 100 142584969
1,264
1,793
1,980 1,872
748 568220360487586661706599111271471616697785853
944 1,029020040060080010000500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
昼間・夜間帯の揚水回数の推移
九電グループデータブック2021
・ 九州電力送配電では、国の「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」を受託し、世界最大級の大容量蓄電シ
ステムを備えた豊前蓄電池変電所を設置しました
・ 現在は、本実証試験(2015〜2016年度)で確立した技術を活用し、太陽光や風力発電の発電量の変動に応じて、この
大容量蓄電システムを効率的に運用することで、需給バランスの改善に努め、再生可能エネルギーを最大限受け入れるよ
うに取り組んでいます
5-272 再生可能エネルギー受入れへの対応(大容量蓄電システムの活用)
〔設備概要〕
設備名称 機能・仕様
NAS電池®(注記) 出力:5万kW(容量:30万kWh)
パワーコンディショナー
(PCS)
交直変換装置
連系用変圧器
6kVから66kVに昇圧
(容量3万k×ばつ2台)
(注記) ナトリウム・硫黄電池
〔豊前蓄電池変電所(全景)〕 〔NAS電池®コンテナ〕
NAS電池®コンテナ
(全252台)
PCS収納パッケージ
66/6kV連系用変圧器
(×ばつ2台)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕110 九電グループデータブック2021
5-273 再生可能エネルギー受入れへの対応(離島における蓄電池の活用)
 離島は、電力系統の規模が九州本土と比べて小さいため、出力変動が大きい太陽光・風力などの再生可能エネルギーが
連系すると、系統周波数の変動が大きくなり、電力系統の安定性に影響を与えやすくなるという特徴があります
 このため、九州電力送配電では、国の補助を受け、蓄電池を設置し、周波数の変動を抑制する実証試験を実施しました
 現在は、本実証試験(2012〜2016年度)で確立した技術を活用し、離島における周波数変動の抑制に努め、電力の安定供給
の維持に取り組んでいます
離島 壱岐(長崎県) 対馬(長崎県) 種子島(鹿児島県) 奄美大島(鹿児島県)
リチウムイオン電池容量 4,000kW 3,500kW 3,000kW 2,000kW
〔蓄電池による周波数変動抑制イメージ〕
系統
周波数60Hz蓄電池による
周波数抑制変動幅変動幅
太陽光等による周波数変動
蓄電池設置後の周波数変動
リチウムイオン電池(壱岐)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕111 九電グループデータブック2021
 九州電力送配電は、九州本土の需要と供給のバランスを確保する取り組みの1つとして、単方向通信及び双方向出力制御
方式について検証・評価((注記))を行い出力制御システムの有効性を確認し、出力制御技術を高度化しました
5-274 再生可能エネルギー受入れへの対応(太陽光発電の出力制御技術の高度化)
〔再生可能エネルギー出力制御技術の全体構成図〕
(注記) NEDO (国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業である「電力系統出力変動対応技術研究開発事業/再生可能エネルギー連系拡大対策
高度化」プロジェクトを、平成28年度に受託(実施期間:平成28〜30年度)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕112 九電グループデータブック2021
• 九州電力送配電では、再生可能エネルギーの導入推進に向け、国から「再生可能エネルギー出力制御量低減のための
技術開発事業」を受託。 転送遮断システムを開発し、九州エリアから他エリアへの再エネ送電可能量を最大30万kW程度
拡大することで、再生可能エネルギーの出力制御量が低減できることを確認しました(実証期間:2017〜2018年度)
• 現在は、本実証試験で確立した技術を活用し、九州エリアから他エリアへの再エネ送電可能量を拡大し運用することで、
再生可能エネルギーの出力制御量の低減に取り組んでいます
5-275 再生可能エネルギー受入れへの対応(転送遮断システムの開発)
2異常信号
本 州
3停止信号
バイオマス発電所
火力発電所
太陽光発電所
風力発電所
1事故発生
転送遮断
システム
〔転送遮断システムの概要〕
o 太陽光等を最大限活用するため、九州と本州をつなぐ送電線(関門連系線)を経由して、他エリアへも送電しています。
o 他エリアへ送る電気の量を拡大するためには、関門連系線の事故などが発生した際でも、電気のバランスを保てるように、瞬時に発電機を
停止させるシステム(転送遮断システム)が必要となります。
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕113 九電グループデータブック2021
5-276 再生可能エネルギー受入れへの対応(VPP実証試験)
 九州電力では、2018年度から国の支援(注記)1のもと、電力需要と供給のバランスを電気自動車(EV)により調整する実証
試験を実施し、太陽光発電の出力制御量の低減等へのEV活用の可能性について検証しています
 2020年度は、乗用車タイプのEVに加え、電気バス、定置型蓄電池やヒートポンプ給湯器等、多様なエネルギーリソースを
制御する実証試験を行いました。今後は、これまでの実証試験で得られた知見をもとに、事業化の可能性等について検討
していきます
(注記)2 アグリゲーター:電力の需要と供給のバランスを保つにあたり、電力会社と需要者との間に入って、需要者の需要量をうまく調整をする(制御する)事業者等
(注記)1 経済産業省「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業」
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕114 九電グループデータブック2021
 電力の安定供給には、電力の需要と供給のバランスをとることが必要ですが、春・秋など電力需要の少ない時期には、太陽光
発電の出力が大きい昼間に、供給力が需要を上回ることがあります
 そのような場合、太陽光発電等を最大限活用するために、火力発電所の出力を下げるなどの対応を実施します。
それでもなお、供給力が電力需要を上回る場合、やむを得ず、優先給電ルールに基づき(注記)、太陽光、風力発電の出力制御を
実施することがあります
(注記)需要と供給のバランスを一致させるための対応策に関する条件や順番を定めたもの。国の認可法人「電力広域的運営推進機関」にて整備
〔2020年度の再エネ出力制御実績〕
5-277 再生可能エネルギー受入れへの対応(供給力が需要を上回る場合)
(万kW)
(回)
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
22回
16回1回1回5回12回2302042回1回 381919330505010015020025030035005101520254月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
実施回数(回) 最大制御量(万kW)4224115実施回数(回) 最大制御量(万kW)
九電グループデータブック2021
13.18
12.66
12.26
12.06 11.9
11.46
11.08
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
5-28 原子力発電によるCO2排出抑制効果(日本 [2019年度])
• 2019年度における日本のCO2排出量は、排出量がピークとなった2013年度と比べて2億1000万トン減少しました
• 2019年度に川内原子力発電所、玄海原子力発電所が安定運転したことに伴うCO2排出抑制効果は、さんかく約1,770万トンと試
算しており、2019年度の日本全体におけるCO2削減量(2013年比)の8.6%を占めます
〔日本のCO2排出量の推移〕
(億トン-CO2)
(年度)
九州電力の原子力発電所
によるCO2排出抑制量
さんかく0.18 億トン
(8.6%)
上記以外の要因による
CO2排出抑制量
さんかく1.92 億トン
CO2排出量(億トン)
(注記) 2013年度の販売電力量あたりのCO2排出量(調整後)を使用して試算012.013.05 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕11.0116
九電グループデータブック2021
5,210
4,860
4,180
3,750
3,510
2,480
2,570
3,280
0.617
0.598
0.528
0.483
0.463
0.347
0.370
0.479
1,500
2,500
3,500
4,500
5,500
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 20200.10.20.30.40.50.6
CO2排出量(万トン)
CO2排出係数(kg-CO2/kWh)
(年度)
5-29 原子力発電によるCO2排出抑制効果(九州電力 [2020年度])
• 2020年度における九州電力のCO2排出量は、原子力発電所が全基停止していた2013年度と比べて1,930万トン減少しま
した
• このうちさんかく約1,340万トンは、川内原子力発電所、玄海原子力発電所の安全運転による効果です
〔九州電力のCO2排出量の推移〕
原子力発電所
が全て停止▼原子力発電所による
CO2排出抑制量
さんかく1,340万トン
再生可能エネルギー等に
よるCO2排出抑制量
(原子力発電以外)
さんかく590万トン
注 2013年度の販売電力量あたりのCO2排出量(調整後)を使用して試算
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕0117
九電グループデータブック2021
5-30 火力発電所の熱効率の推移
 九州電力では、燃料消費量の削減やCO2排出量抑制の観点から、熱効率の高い火力発電設備の開発を進めています
 2016年6月には、新大分発電所3号系列第4軸の営業運転を開始しました
 2019年12月には、松浦発電所2号が営業運転を開始しました20304050601951 1960 1970 1980 1990 2000 2016
(年度)
新大分3号4軸
新大分3号1〜3軸
新大分1号
新大分2号
松浦1号
相浦2号(注記)
唐津3号(注記)
苅田2号(注記)
築上1号(注記)
港第二1号(注記)
しかく LNG火力(コンバインドサイクル)
さんかく 石炭火力
くろまる 石油火力(%)[発電端、高位発熱量ベース]
苅田1号(注記)
送電線
タービン 発電機
ボイラ
燃料水蒸気
発生電力量
燃料の熱エネルギー
〔熱効率(イメージ)〕
(注)熱効率とは、ボイラに供給された燃料の熱エネルギーから、
どれだけ電気を作り出したか割合を表す
発生電力量
ボイラに供給された燃料の熱エネルギー
熱効率 =2020苓北1号 苓北2号
(注記) 現在廃止
松浦2号
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕118 九電グループデータブック20210.41.80.80.10.40.10.20.140.41.10.70.60.70.2 0.2 0.18
アメリカ2018カナダ2018イギリス2018フランス2018ドイツ2018イタリア2018日本2018九州電力2020SOx NOx
5-31 火力発電電力量あたりのSOx、NOx排出量
 日本における、SOx(硫黄酸化物)及びNOx(窒素酸化物)の排出量は、先進国の中でも低い水準です
 九州電力は、火力発電所の発電に伴い排出されるSOxやNOxを、排煙脱硫装置や排煙脱硝装置等により可能な限り除
去しています。2020年度の火力発電電力量あたりの排出量は、火力発電所の適切な運転に努めたことなどにより、2019年度
と同程度となりました
出典:「2020エネルギーと環境」(電気事業連合会)をもとに作成
単位:g/kWh
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕119SOxNOx
九電グループデータブック2021
5-32 石炭火力発電所のバイオマス利用によるCO2排出量低減
〔研究開発の概要〕
• 九州電力は、国の支援(注記)1のもと、2018年10月から褐炭(注記)2と木質バイオマスを混合した新燃料の開発に取り組んでいます
• 2020年10月からは、この新燃料製造の実証研究に向けて、実現性や事業性に関する検討を行いました。今後は、国内外の
石炭火力を取り巻く政策動向等を注視しながら、事業化の可能性等について検討していきます
5 九電グループの地球環境問題への取組み〔供給面における対応(電源の低・脱炭素化)〕
(注記)1 国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」委託事業
(注記)2 褐炭とは、石炭の中でも水分や不純物の多い最も低品位なもの120 九電グループデータブック2021
〒810-8720 福岡県福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号
九州電力株式会社 地域共生本部 総務・総括グループ 電話番号(092-726-1591)

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