玄海原子力発電所周辺の地震観測結果
(2021年度)
2022年9月
九州電力株式会社
余 白1 はじめに
当社は、更なる安全性・信頼性向上に向けた取組みとして、玄海原子力発電所周辺
の地震活動状況をより詳細に把握するため、2018年度に玄海原子力発電所周辺に
おける地震観測体制を強化し、2019年度から地震観測を開始しております。
観測結果につきましては、2020年度から、年1回の頻度で、観測した地震の数、規模、
位置、過去からの変化などを公表することとしていました。
この度、2021年度(2021年4月〜2022年3月の1年間)の観測結果について取りまとめ
ましたので公表いたします。2 観測点設置の考え方
・発電所敷地への影響が大きい、発電所から半径
30km圏内を対象
・10km間隔程度で30km圏内をまんべんなくカバー
する配置
・30km圏外についても主要な活断層の周囲及び
これまで観測点のなかった離島に配置
玄海原子力発電所周辺の地震観測の概要
地震観測点配置図
観測点のイメージ図・写真
機器収納箱
深さ 約30〜50 m
No.10
唐津市
肥前町
地震計(地中)
当社観測点の観測期間(2021年度)
九電観測点
防災科学技術研究所
活断層
気象庁
玄海原子力発電所
大学-凡例
玄海原子力発電所3観測期間
九電観測点
(23箇所)
2021.4〜2022.3
国土数値情報(行政区域データ)(国土交通省)
(https://nlftp.mlit.go.jp/)を加工して使用50km30km
玄海原子力発電所周辺の地震観測結果
玄海原子力発電所周辺の地震観測結果
2021年度の地震観測の結果、玄海原子力発電所周辺では、大きな地震が発
生しておらず、玄海原子力発電所の安全性に影響を及ぼすような地震活動は
認められない。
(1) 2021年度(1年間)の地震活動
1発電所近傍(半径10km圏内)では、地震が少なく地震活動は比較的
低い。
2発電所周辺(半径50km圏内)では大きな地震は発生していない。
(2) 過去(21年間)の地震活動
3発電所周辺の地震活動に大きな変化はない。
今後も継続的に観測を行い、玄海原子力発電所周辺の地震活動を注視して
いく。4 余 白5 玄海原子力発電所周辺の地震観測結果の詳細
発行機関 資料名
気象庁 地震・火山月報
地震調査研究推進本部 地震活動の評価(月報)
玄海原子力発電所周辺の
地震観測結果
データ 期 間
玄海周辺観測網による
震源データ
2019.4〜2022.3
(3年間)
下記の観測データを用い、玄海原子力発電所周辺の地震観測結果を取りまとめました。
(なお、他機関による評価も参考にしています。)
2021年度の
地震活動
過去の
地震活動
データ 期 間
気象庁
一元化震源データ
2001.4〜2022.3
(21年間)
参考
(7頁)
(8・9頁)
1年間に発生した地震の数、
規模、位置を示す
過去に発生した地震の数、位置
との比較により、過去からの変化
を示す6 玄海原子力発電所周辺の地震観測結果の詳細 [(1)2021年度(1年間)の地震活動]
・玄海原子力発電所近傍(半径10km圏内)の地震活動は比較的低い。
・2021年度に、玄海原子力発電所周辺(半径50km圏内)で発生した地震のうち最大のものは、マグニ
チュードM3.3 の五島列島近海の地震(2022年1月31日)(注記)1及び福岡県西方沖の地震(2022年3月3日) (注記)2
であり、マグニチュードM6.0〜7.0クラスの規模の大きな地震は発生していない。
・マグニチュードM1.0未満の地震が多く発生。
使用データ:玄海周辺観測網による震源データ
1 発電所近傍では、地震が少なく地震活動は比較的低い
2 発電所周辺では、大きな地震は発生していない
M1.0未満
M1.0以上
M2.0未満
M2.0以上
M3.0未満
M3.0以上
M4.0未満
M4.0以上 合計255(62.2%)141(34.4%)8(2.0%)6(1.5%)0(0.0%)410規模別発生数(2021年4月〜2022年3月)
M:マグニチュード
最大の地震:
M3.3 (1/31、3/3)
玄海原子力発電所
マグニチュード M
深さ[km]
50km円
10km円72021年度の震央分布図
(2021年4月〜2022年3月)
(注記)1 気象庁震度データベースでは、「五島列島近海の地
震、マグニチュードMj 3.1」とされている。
(注記)2 気象庁震度データベースでは、「福岡県北西沖の地
震、マグニチュードMj 3.1」とされている。
なお、地震の規模は、当社地震観測データから決定され
たものを「マグニチュードM」、気象庁によって決定されたも
のを「マグニチュード Mj」として表記。
マグニチュード M
深さ[km]
玄海原子力発電所周辺の地震観測結果の詳細 [(2)過去の地震活動]
・ 2020年度と比べて発電所近傍(半径10km圏内)、周辺(半径50km圏内)共に、地震活動に大きな変
化は見られない。
2020年度の震央分布図
(2020年4月〜2021年3月)8使用データ:玄海周辺観測網による震源データ
2020年度の震央分布図
(2020年4月〜2021年3月)
玄海原子力発電所
50km円
10km円
2021年度の震央分布図
(2021年4月〜2022年3月)
玄海原子力発電所
50km円
10km円
玄海原子力発電所周辺の地震観測結果の詳細 [(2)過去の地震活動]
50km圏内で発生した地震のN-T図
50km円
10km円
玄海原子力発電所年度別地震数9過去21年間の震央分布図
(2001年4月〜2022年3月)
使用データ:気象庁一元化震源データ
(年度)
2005年福岡県西方沖地震が発生、
震源域で地震活動が活発化
3 発電所周辺の地震活動は、大きな変化はない
・過去(21年間)の地震活動を見ると、 2005年福岡県西方沖地震の余震活動は続いているものの、近年
の地震活動に大きな変化はない。
【参考】他機関による評価 10
・ 気象庁及び地震調査研究推進本部による九州地方の地震活動の評価は以下の通り。
(2021.4〜2022.3)
気象庁・地震調査研究推進本部
2021.4 9日からトカラ列島近海で地震活動がやや活発になり、10日と12日にMj5.3の地震
が発生。
2021.5 6日に熊本県熊本地方の深さ約15kmでMj4.0の地震が発生。
2021.6 8日に熊本県熊本地方の深さ約10kmでMj3.9の地震が発生。
2021.7 4日から奄美大島北西沖で地震活動が活発になり、7日にMj4.8の地震が発生。17
日に伊予灘の深さ約75kmでMj5.1の地震が発生。
2021.8 目立った活動はなかった。
2021.9 目立った活動はなかった。
2021.10 6日に大隅半島東方沖の深さ約45kmでMj5.4の地震が発生。
2021.11 11日に宮古島近海の深さ約115kmでMj6.5の地震が発生。29日に鹿児島県薩摩地方
で地震活動がやや活発になり、Mj3.3の地震が発生。
2021.12 4日からトカラ列島近海で地震活動が活発になり、9日にMj6.1の地震が発生。26
日に宮古島近海の深さ約40kmでMj6.1の地震が発生。
2022.1 22日に日向灘の深さ約45kmでMj6.6(注記)の地震が発生。
2022.2 目立った活動はなかった。
2022.3 沖縄本島北西沖のプレート内で1月30日から活発な地震活動が見られており、17
日にMj5.9の地震が発生。19日に石垣島北西沖の深さ約170kmでMj5.9の地震が発
生。
(注記)震源は玄海原子力発電所から南東に約225km離れた地点

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /