1 サーキュラーパーク九州の基本構想
(1)概要
これまで九州のエネルギーを支えてきた川内発電所を、循環経済(サーキュラー
エコノミー)を実現する新たな挑戦の場所と捉え直すこととします。そして、資源
循環を中心としたサーキュラーエコノミーと脱炭素化の推進による持続可能な社
会の構築を目指します。
そのため、
動静脈産業双方の課題に産官学が連携してアプローチし、
業種を超え
た企業連携、地域と協力した実証実験等を行い、資源循環に関する課題解決を図り
ます。これらを通じて、サーキュラーエコノミーを実現する技術と知見を集積し、
オープンイノベーションを活用しながら、よりよい循環型社会の実現を目指します。
(2)主な取組み
〔リソーシング事業〕
廃棄物のリサイクルや有効活用の技術・実績を持つ事業者による、企業や
地域の廃棄物を高いレベルで再資源化することを目的とした事業です。
製造から廃棄までに関わる様々な事業者間で連携
することにより、
企業の総合的な廃棄物削減、
リサイ
クル化、脱炭素化を提案します。ここでは、工場の生
産工程や流通過程における廃棄物から在庫処分品ま
で、幅広い廃棄物を取り扱います。
同時に地域の粗大ごみなどの再資源化に取り組み、
地域の廃棄物そのものの削減による脱炭素化も目指
します。
【想定している取組み】
o廃棄物リサイクル化事業(一般廃棄物、産業廃棄物)
・ほぼ全ての固形廃棄物を対象としたリサイクル工場を運営
・企業が回収した製品・返品・在庫処分品などの回収・保管・選別によるリサ
イクル化事業により、
従来型の廃棄物処理(焼却や埋立等)
を削減し、
脱炭素
化につなげるコンサルティングを実施
o廃油無害化・再生事業
・エンジンオイルや重油等の廃油を回収し、無害化処理の上、新たに燃料として活用
(注記)上記以外にも、廃棄物処理に係る様々な課題や利活用ニーズ等を踏まえ、リソーシ
ング事業の拡大に向け、検討を継続
〔ソリューション事業〕
資源循環に関する企業・社会の中長期的な取組みに対し、産官学のネット
ワークを活かした研究開発、実証実験やコンサルティングなどの実施体制を
構築し、取組みに対する協業・支援を行います。
【想定される取組み】
・企業・団体による資源循環に関する課題等に係る取組みと、
産官学・異業種・
他業種が持つ技術・ノウハウ等をつなぐオープンイノベーションの促進
・企業と学術・研究機関との技術交流や共同研究による循環資源の製造に関す
る新事業・技術創出(再生前提の製品設計・デザインの提案等)の協業
・課題解決プロセスや研究のフェーズに応じて、薩摩川内市のフィールドを
活用した各種実証実験の実施
・企業・団体での新たな資源循環のスキーム創出
・取組み成果を整理・集約したライブラリーの整備
・企業や地域・一般市民に対する研修プログラムの実施ほか関連施設の設置な
どサーキュラーエコノミーに関する行動変容・意識変容を図るための取組み
〔参考〕
(3)SDGsへの貢献
サーキュラーパーク九州の取組みは、
2015 年9月の国連
サミットで採択された「持続可能な開発のための 2030 ア
ジェンダ」
にて記載された 17 項目の
「持続可能な開発目標
(SDGs)
」のうち、7項目の目標達成にも貢献します。
(注記)サーキュラーパーク九州では、敷地内の使用電力の
「RE100」達成に向けた再生可能エネルギーの導入につ
いても検討していきます。
2 検討事項及び対応スケジュール(予定)
〔リソーシング事業〕
〇今後、基本構想に掲げる取組みに関して事業化等検討(F/S)
〇2023 年3月までに関係者間で調整の上、事業化判断
・2023 年4月以降、開業準備(2025 年度より順次開業目途)
〔ソリューション事業〕
〇今後、基本構想に掲げる取組みに関して実現可能性を検討
・薩摩川内市の協力の下、資源循環を前提とした廃棄物回収の仕組みづくり
の研究実施など、参画企業等のニーズに応じ、順次実施
・並行して、サーキュラーパーク九州の基本構想に興味を持っていただいた
幅広い分野の企業・団体等と、各取組みの実現に向けて継続的な意見交換
を実施
以 上

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