(別 紙)
玄海原子力発電所3号機 漏えい燃料集合体の詳細調査結果(概要)
1.詳細調査結果
(1)漏えい燃料棒調査
当該燃料集合体の全燃料棒(264本)について、超音波による調査を実施し、
漏えい燃料棒1本を特定した。当該燃料棒について、ファイバースコープによる
外観調査を実施した結果、損傷や著しい腐食、異物の混入及び支持格子内の燃料
棒と支持板やばね板との間での隙間や入り込みは認められなかった。
(2)運転・水質履歴調査
当該燃料集合体を装荷し運転していた期間の原子炉の出力履歴及び1次冷却材の
水質履歴を調査した結果、異常は認められなかった。
(3)製造・取扱履歴調査
当該燃料集合体の製造履歴及び取扱履歴について、製造・品質記録、燃料集合体
外観検査記録及び燃料取出・装荷時の記録を調査した結果、異常は認められな
かった。
(4)設計対応調査
過去の燃料からの漏えいに係る知見が設計に反映されているかを調査した結果、
いずれも適切に反映されていることを確認した。
(5)MOX燃料装荷に伴う影響調査
MOX燃料装荷に伴う影響調査については、MOX燃料を装荷しても原子炉の
出力に異常は認められなかったこと及びMOX燃料集合体とウラン燃料集合体の
構造は基本的に同じであること等から、MOX燃料の装荷が漏えいの要因とは
ならないことを確認した。
2.原 因
当該燃料集合体及び燃料棒に関する外観の調査、並びに運転、水質、製造及び
取扱いの履歴の調査を行った結果、いずれも異常は認められなかった。
また、MOX燃料装荷に伴う影響についても調査を行った結果、漏えいの要因と
はならないことを確認した。
このことから、今回の1次冷却材中の放射性よう素濃度上昇は、燃料棒に偶発的
に発生(注記)
したピンホールからの微少な漏えいが原因であると推定される。
(注記) 「偶発的に発生」とは、適切な管理の下で製造し使用していても、極めて低い確率で発生
するような事象
3.対 策
当該燃料集合体は、使用済燃料プールで保管し、今後、再使用しないこととする。
以 上
充てん/高圧注入ポンプ
燃料ペレット
燃料被覆管
コイルバネ
燃料集合体概要図
(燃料棒拡大)
:漏えい燃料装荷位置
:MOX燃料装荷位置
燃料集合体:193体
燃料集合体装荷位置図
(原子炉容器上部から見た図)
燃 料 タ イ プ ウラン燃料
使用開始時期
2009年11月
(3サイクル使用燃料)
燃料集合体最高
燃焼度(設計)
48,000 MWd/t
しろまる漏えい燃料集合体の仕様概要
燃料棒:264本
燃料棒配置図
(燃料集合体上部から見た図)
支持格子内
〇ファイバースコープにより外観調査を実施した結果、異常は認め
られなかった。
ばね板
支持板
支持板
支持板
ばね板
燃料棒表面
燃料棒
支持格子
系統概要図
:漏えい燃料棒位置
:燃料棒
制御棒
案内管
支持格子
燃料棒1次(集合体内部詳細)
玄海原子力発電所3号機 漏えい燃料集合体の調査結果
外観調査状況概要
燃料棒
:制御棒案内シンブル
:炉内計装用案内シンブル管管

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