川内原子力1号機再稼働までの振り返りと
安全性向上に向けた取組み状況
平成27年10月2日
九州電力株式会社
第8回原子力の業務運営に
係る点検・助言委員会資料
資料11はじめに
○しろまる 当社は、福島第一事故の反省を踏まえて、「万一重大事故が起きても放射性物質か
ら人を守る」という視点から、大規模な自然災害への対策を強化するとともに、万が
一の重大事故に備えた対策も強化して参りました。
○しろまる 川内原子力発電所1号機については、規制委員会の審査に真摯かつ丁寧に対応を行
い、9月10日に通常運転に復帰しました。
○しろまる 点検・助言委員会では、上記対策内容も含め、これまでの当社の原子力の業務運営
に係る取組み全般について点検・助言いただき、平成26年4月には、『中間報告
書』をとりまとめていただきました。また、平成26年7月に開催された前回委員会
では、この『中間報告書』における提言等を踏まえた当社の取組みについて、ご報告
致しました。
○しろまる 今回、その後の当社の原子力の業務運営に係る取組み状況について、とりまとめ
ましたのでご報告致します。2原子力の安全性向上に向けた取組み姿勢(1/2)
○しろまる 当社は、「ずっと先まで明るくしたい」という九州電力の思いのもと、電力の安定供給
を通じて、お客さまの安心・快適な生活や、持続可能な社会の形成のお役に立てるよ
う努めています。
○しろまる このためには、安全の確保を大前提として、安定性・環境性・経済性の面で優れ
ている原子力が重要であると考えています。3原子力の安全性向上に向けた取組み姿勢(2/2)
○しろまる 当社はこれまでも原子力の危険性を自覚し、原子力発電所の安全確保に努め
て参りました。東日本大震災以降、福島第一原子力発電所のような事故を決し
て起こさないという固い決意のもと、福島第一事故の反省を踏まえて見直され
た新規制基準を満たすとともに、原子力の安全確保に万全を期すための対策を
実施しているところです。
○しろまる 当社としては、原子力の安全性向上の取組みはこれからが始まりであり、決
して終わりはないことを肝に銘じ、川内原子力発電所1号機の安全・安定運転
に努めて参ります。また、2号機についても、国の検査に真摯かつ丁寧に取り
組むとともに、引き続き緊張感をもって安全確保を最優先に再稼働工程を慎重
に進めて参ります。
○しろまる 今後とも、地域をはじめ社会の皆さまに安心いただけるよう、原子力発電所
の自主的・継続的な安全性向上に取り組んでいくとともに、積極的な情報公開
と丁寧なコミュニケーション活動に努めて参ります。4原子力の安全性向上に向けた具体的取組み概要
〔原子力発電所の安全性向上に関する取組み概要〕
○しろまる ハード面では、燃料の損傷防止、格納容器の破損防止、放射性物質の拡散抑制のた
め、電源や冷却手段の多重化・多様化等を図っています。
○しろまる ソフト面では、ハード面での対策が確実に機能するように訓練を重ねるなどの強化
を行うとともに、勤務時間外や休日・夜間に、万が一の重大事故等が発生した場合で
も速やかに対応できるよう、川内原子力発電所では発電所内又は発電所近傍に常時5
2名の対応要員を確保し、平成27年6月より運用を開始しています。玄海原子力発
電所についても、今後、同様の体制を構築する予定です。
〔原子力に関するコミュニケーションの取組み概要〕
○しろまる 地域の皆さまが「安全である」、「安心できる」と感じていただくことが大切であ
ると考えており、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションを通じてお客さま
の不安や疑問の声を丁寧におうかがいしています。
○しろまる 引き続き、この取組みを継続するとともに、地域の皆さまが感じている不安や疑問
を社内で共有し、全社における双方向のコミュニケーションの強化に繋げていきます。
○しろまる 具体的な取組みとしては、経営トップが主導するリスクガバナンスの枠組みのもと、
規制の枠組みにとどまることなく、自主的・継続的な安全性向上への取組みを実施し
ています。5自主的・継続的な安全性向上へ向けた取組み状況
I 原子力の安全性
II コミュニケーション
III コンプライアンス6I 原子力の安全性
1 安全文化の更なる醸成
2 リスクマネジメントの強化
3 原子力発電所の安全性向上への取組み
4 原子力防災対策への取組み
〔取組み状況〕
経営トップをはじめ社員一人ひとりが原子力の安全への取組みに終わりがないこと
を強く自覚し、協力会社の方々と一体となって、日々のリスク低減活動を自律的・継
続的に積み重ねる、安全文化の更なる醸成を図っています。71ー (1) 品質方針に基づく継続的改善への取り組み(1/2)
○しろまる原子力安全を最優先とする安全文化の更なる醸成のため、 「品質方針」に基づく業務運営に
不断に取り組んでいます。
○しろまる品質マネジメントシステム(QMS)では、「品質方針」に基づき、方針達成を目指すための「品
質目標」を策定するとともに、原子力安全を最優先とする価値観を浸透させ、更なる安全文化
の醸成を図るための「安全文化醸成活動計画」を策定し、それに基づきPDCAサイクルを基
本とするQMS活動 の実施により、継続的改善に取り組んでいます。
品質目標
1. ○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
2. ○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
3. ○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
4. ○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
5. ○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
規定文書に基づくPDCAサイクル
を回し、本店、原子力発電所にて
継続的な改善を実施
【品質マネジメントシステム活動】
安全文化醸成活動計画
計画(P)
改善(A) 実施(D)
評価(C)
品 質 方 針
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・
・・・
・・・・
・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・4321
具体的な
活動、取組み
マネジメントレビュー81ー (1) 品質方針に基づく継続的改善への取り組み(2/2)
上記マネジメントレビューの結果(決定及び処置事項)を踏まえ、現在、継続的改善に取り組んでい
ます。
平成26年度の品質マネジメントシステム活動(安全文化醸成活動の実施状況も含む)につい
て、総合評価を行い、その評価結果に対する社長のマネジメントレビューを実施しました。
(平成27年5月)
○しろまる 品質保証に関する重要性が益々高まっていることから、これまで以上に実効的かつ説明性
のある品質保証活動に取り組んでいくこと。
○しろまる 原子力安全を最優先とする安全文化の更なる醸成を図っていくことはもとより、社内外の第
三者の視点も活かしながら、品質マネジメントシステムの継続的改善を図っていくこと。
○しろまる 安全性向上対策を確実に実施していくことはもとより、国内外の最新の知見や教訓、社内外
の第三者の意見等を活用した自主的・継続的な改善に取り組んでいくこと。
○しろまる 再稼働とその後の安全・安定運転に万全を期すための取組みを確実に実施すること。
○しろまる 玄海1号機の運転終了に伴う廃止措置への確実な対応を行うこと。
○しろまる 重大事故等への対応を含め、より実効性の高い教育訓練を実施し、危機管理能力の維持・
向上を図るとともに、原子力防災体制の更なる整備・充実に取り組むこと。
【社長のマネジメントレビューにおける決定及び処置事項】(抜粋)91ー(2) 本音で話し合える組織風土作り
○しろまる 安全文化の醸成・維持のために、全社員が上下関係や職場間の壁にとらわれず、い
つも本音で話し合える風通しの良い職場づくりを進めています。
〔 具体的取組みの例 〕
・経営トップが全事業所(98箇所)に赴き、社員との対話を行っています。また、平成26年
度から、社長から社員に対し、最新の情報を社内TV放送『週刊 瓜生通信』を通じ、毎週、直
接発信しています。
・社員が主体的かつ自発的に参加する全社的な組織風土改革・業務改革の取組み「みらいプロ
ジェクト」を平成25年度から開始し、部門・役職を超えた組織横断的な議論などにより、コ
ミュニケーションの活性化に取組んでいます。
さらに、社内イントラネット「つながるサイト」により、各事業所の独自の取組みなどを全社
で共有し、それに対する社員の共感を示すコメントや好事例の水平展開を図っています。
〔社内TV:週刊 瓜生通信の様子〕
川内原子力1号機の再稼働時
のコメントや台風15号対応に
対する感謝などを発信10I 原子力の安全性
1 安全文化の更なる醸成
2 リスクマネジメントの強化
3 原子力発電所の安全性向上への取組み
4 原子力防災対策への取組み
〔取組み状況〕
原子力のリスクを経営の最重要課題と位置づけ、従来の発想や考え方にとらわ
れず、社内外の知見やご意見等を踏まえながら、幅広いリスクの把握に努めると
ともに、経営層全員が多様な視点で議論を行うこと等により、リスクマネジメン
トの強化に取り組んでいます。112ー(1) 原子力のリスクに対する経営層のリスクマネジメントの強化
・ 事故時に必要となる能力、そのための人材育成
・ 自治体等への確実・タイムリーな情報連絡
・ 事故時における発電所に対する本店のサポート
〔社内リスクコミュニケーション会議での主な論点〕
○しろまる 社会に甚大な影響を与える原子力のリスクに対しては、これまで以上に幅広いリスク
の把握が重要と考えており、経営層によるマネジメントを強化する観点から、「社内リ
スクコミュニケーション会議」を活用し、リスクの把握に努め、対応策を講じています。
○しろまる 具体的には、福島第一原子力発電所での事故対応の結果等を材料に、原子力災害に備
えた人材育成や関係箇所との的確な情報連絡など、主にソフト面の課題について、上記
会議で議論を行い、現在の対応状況を確認しています。
○しろまる また、平成27年4月に社長を委員長とする「カルデラ火山対応委員会」を設置し、
第三者の助言も得ながら、カルデラ火山に対するリスクマネジメントを行っています。
(今後の取組み)
○しろまる 主にソフト面のリスクについて、社内外の知見やご意見等を踏まえながらリスクを洗い出し、
幅広いリスクの把握に努めるとともに、それらのリスクについて、「社内リスクコミュニケーション
会議」にて経営層全員による議論を行うこと等により、引続きリスクマネジメントの強化に取組
みます。12○しろまる プラントの脆弱点の抽出や効果的な安全対策のために、 PRAの結果等のリスク情報を活用
して参ります。
○しろまる シビアアクシデント対策を反映し
たPRAを開始
○しろまる 電中研 原子力リスク研究セン
ター(NRRC)の活動に参画
○しろまる PRA等によりプラントの脆弱点を
抽出
○しろまる NRRCと連携した最新技術開発
を継続し、PRAの評価範囲拡
充・手法高度化を図る
○しろまる 定期検査時のリスク把握を目的
に、発電所へ停止時リスクモニタ※(注記)
を配備
○しろまる PRA結果等を元に設備・運用を
改善
○しろまる 停止時リスクモニタを活用した
定検工程管理の実施
○しろまる 運転時を含めた更なるリスク情
報活用方法の検討
1 原子力発電所のリスク評価 2 リスク情報の活用
○しろまる 自社にて、当社プラントのPRA
モデル作成を開始
○しろまる EPRI及び協力会社によるPRA
技術者向け教育等を受講
○しろまる 自社にて、PRAモデルを継続的
に更新
○しろまる 社員へのPRA教育を実施し、
PRAに係る人材育成を充実
○しろまる レビューアとしてのピアレビュー
参画によるスキル向上を継続
3 自社によるPRA実施に向けた
技術力向上及び人材育成これまでの取組み今後の取組み
評価範囲の拡充・手法の高度化
人材育成
自社PRAモデル作成・運用
3自社によるPRA実施に
向けた技術力向上及び人
材育成
停止時のリスク情報活用
2リスク情報の活用
プラントの脆弱点の抽出
1原子力発電所のリスク
評価
平成29年度
平成28年度
平成27年度
PRAの活用に関する主要な項目
NRRCと連携した最新技術開発(PRAモデルへの反映)
停止時リスクモニタを活用した定検工程管理
停止時リスクモニタ試運用
シビアアクシデント対策反映版モデル作成 モデル改良
社内外の教育受講・ピアレビュー参加
※(注記)停止時リスクモニタ:定期検査中における、機器の運転状態変化に伴うリスク(炉心損傷頻度)の変化を定量的に可視化できるツール
プラントの最新状態を反映したPRA
モデル作成準備
2ー (2) 確率論的リスク評価(PRA)や新たな知見等による未知のリスクの把握132ー(3) 第三者的な観点からの原子力に関するモニタリング機能の強化
○しろまる 社外有識者等で構成される「原子力の業務運営に係る点検・助言委員会」を活用し、
原子力のリスクに対する安全性向上への取組みについて、第三者的な観点から点検・
助言をいただくとともに、委員会の提言を当社のマネジメントに反映しています。
○しろまる 多様化・複雑化する原子力のリスクに対する安全性向上への取組みについて、より
専門的、技術的な観点からモニタリングを行っていただくため、「原子力安全性向上
分科会」を設置しました。(平成26年12月)
○しろまる また、原子力に関するリスクコミュニケーションなどを強化することを目的に、新
たに「原子力コミュニケーション分科会」の設置を検討しています。
【参考:第三者的なモニタリング機能のイメージ】
発電本部、原子力コミュニケー
ション本部、地域共生本部等 報告
原子力の業務運営に係る
点検・助言委員会
点検・助言
報 告
主に助言
○しろまるPRA等を活用した網羅的・系統的な
原子力リスクの分析・評価など
○しろまる原子力に関するコミュニケーション
・リスクコミュニケーションの強化など
原子力安全性向上分科会
原子力コミュニケーション分科会
※(注記)設置検討中14(参考)原子力のリスクマネジメントの体制図
関係自治体、地域社会等
当 社
報告
モニタリング
国内外の新たな
知見等
コミュニケーションを通じた
ご意見等
JANSI、原子力リスク研究
センター、WANO、メーカー等
「社内リスクコミュニケーション」会議
(原子力リスクに対する議論を強化)
報告 審議結果
発電本部、関係本部
取締役会、経営会議
・重要リスクの把握・評価 ・リスク対応方針の審議 等
原子力安全性向上分科会
原子力の業務運営に
係る点検・助言委員会
JANSIとの連携等、原子力産業界
全体の取組みにも積極的に参画
JANSI(原子力安全推進協会)
・原子力発電所の安全性向上対策を継続的に実施するため、原子力事業者の意向に左右されるこ
となく判断できる独立性を有し、事業者を牽引・支援する組織
WANO(世界原子力発電事業者協会)
・原子力事業者間の切磋琢磨と交流により、原子力発電所の運転に関する安全性と信頼性の向上
を図ることを目的とする組織
原子力コミュニケーション分科会
※(注記)設置検討中15(参考)火山に対するリスクマネジメント体制図13社 長
原子力土木建築部長
破局的噴火への発展
の可能性がある場合
原子力管理部長
原子力技術部長
原子力発電所長
・火山専門家
・公的機関の評価
・原子力規制委員会※(注記)
カルデラ火山対応委員会
【役割】
・火山活動の定期的評価の確認
・破局的噴火への発展性評価の確認
・発電所等の対応状況の確認
【体制】
・委員長:社長
・委員:関係副社長、発電本部長、技術本部長他
第三者の助言
報告
報告
原子炉停止指示
燃料体等の搬出等指示
対応実施指示
※(注記)原子炉施設における火山活動の
モニタリングに関する検討チームなど
【参考2】 火山に対するリスクマネジメント体制図
既存観測網等によるデータ、公的機関等に
よる情報等を収集・分析し、定期的に評価16I 原子力の安全性
1 安全文化の更なる醸成
2 リスクマネジメントの強化
3 原子力発電所の安全性向上への取組み
4 原子力防災対策への取組み
〔取組み状況〕
深層防護の考え方に基づいた安全対策について、国による新規制基準へ
の適合性確認検査へ対応し、ハード(設備)、ソフト(人)両面の対策
に全力で取り組んでいます。173 原子力発電所の安全性向上への取組み状況
○しろまる 深層防護の考え方に基づいた安全対策について、引き続き、国による新規制基準への適
合性確認審査や現場の対策工事に全力で取り組んでおり、川内1号機につきましては、本
年、9月10日に通常運転に復帰しました。
○しろまる 長期停止後のプラント再稼働となるため、再稼働とその後の安全・安定運転に万全を期
すため、さまざまな取組みを実施しています。
○しろまる 川内1,2号機では、万が一、重大事故等が発生した場合、勤務時間外や休日(夜間)
でも、速やかに対応できるよう、発電所又は発電所近傍に、常時、52名を確保(宿直体
制)しています。
○しろまる 新規制基準対応や自主的安全対策において新たな設備を導入していることから、設備や
運用の変更管理の徹底を継続して実施しています。
○しろまる 今後とも、規制に留まらず、新たな知見等を取り入れ、ハード(設備)・ソフト(人)
両面の対策に引き続き取り組んで参ります。183‐(1) 主な安全対策(ハード面)の取組み(例)(1/3)
【川内1,2号機の津波対策】
○しろまる琉球海溝におけるプレート間地震(M9.1)による津波を考慮し、想定される発電所の
最大遡上高さを約6m程度(満潮時)と評価
○しろまる万全を期すため、海水ポンプエリアの周囲に、1防護壁(海抜15m)と2防護堤(海抜
8m)を設置
○しろまる引き波に伴う海面降下時を考慮し、3貯留堰を設置
海水ポンプエリアの防水対策
海水ポンプエリア
1防護壁
2防護堤
3貯留堰
川内原子力発電所
長崎海脚断層
琉球海溝
(今回の想定区間)
約900km
津波評価で想定した津波発生源
2防護堤
1防護壁
海水ポンプエリア
海水ポンプエリアの防水対策の概観1号2号
3貯留堰
貯留堰の設置工事
水密扉
海水ポンプエリア内の水密扉193‐(1) 主な安全対策(ハード面)の取組み(例)(2/3)
【川内1,2号機の竜巻対策】
○しろまる日本で過去に発生した竜巻を考慮して設計竜巻を、風速(92m/秒)に設定し、
最大風速100m/秒で評価
○しろまる飛来物の衝突防止のため、安全上重要な屋外設備を防護するネット、強化扉、車庫を設置
したり、飛散防止のため、屋外資機材を固縛
屋外タンクの竜巻防護ネット タンクローリ転倒防止のための車庫203‐(1) 主な安全対策(ハード面)の取組み(例)(3/3)
【重大事故対策のための可搬設備(川内1,2号機)】
○しろまる本設設備の安全機能が失われた場合にも、可搬設備を活用することにより、多様化を図り、
安全機能を確保
○しろまる可搬設備は複数用意し、分散配置を実施
川内原子力発電所 資機材等配備状況213‐(2) 長期停止後のプラント再稼働への取組み(1/2)
【設備総点検】
○しろまる 長期停止後のプラント再稼働となるため、再稼働とその後の安全・安定運転に万全を期
すため、設備総点検や安全確保体制の確認などの取組みを実施して参りました。
・平成25年1月から、順次、原子炉から燃料を取出し、すべての設備を対象に総点検を
実施しました。(3順実施)
[点検機器数〔基(台)〕]
川内1号機:9,794 2号機:9,565
玄海3号機:8,798 4号機:8,336
【安全確保体制】
・総点検、安全対策工事の早期実施など、発電所での作業が輻輳している状況にあるため
協力会社を含めた発電所内全員で安全第一を徹底しました。
・他プラントや他部門も参加し、第三者的な視点で安全パトロールを実施しました。223‐(2) 長期停止後のプラント再稼働への取組み(2/2)
【運転管理】
・川内1号機の再稼働にあたっては、各ステップにおける発電機出力上昇前の重要なポイント
などは、関係者による検討会等を開催し、安全を確認しつつ慎重に工程を進めて参りました。
・プラント起動に万全を期すため、発電課長経験者を含めた、川内の発電課経験を有するベテ
ラン社員の発電課への派遣をはじめ、本店や玄海から関係各課への応援派遣を行いました。
【設備管理】
・当社社員、メーカ、協力会社の実務者による「やっておいた方が良い事項検討会」や、OBや
原子力ベテラン社員から様々な知見、アイディアを収集し、発電所の長期停止中に実施して
おくべき事項について検討・実施しました。
・万が一の機器故障に備えるため、予備品の確保や他社・メーカとの緊急時の体制を整えまし
た。
【川内1,2号機の再稼働支援】
○しろまる再稼働技術支援ミッション(平成26年11月)
・INPO、WANO東京・アトランタセンターの協力により、JANSIの再稼働技術支援ミッショ
ンが実施された。
・再稼働支援ミッションは、現場ウォークダウン、議論を通してエキスパートによる経験か
らの推奨、より良い方法を見つけるための議論から構成された。
○しろまるJANSI川内再稼働支援(平成27年4月〜)
・JANSIが他社エキスパートとの連携や、川内1,2号機の運転情報を海外へ情報発信する体制
を構築した。233‐(3) 重大事故等対策要員の確保[52名宿直体制](1/2)
○しろまる万が一、重大事故等が発生した場合、勤務時間外や休日(夜間)でも、速やかに対応でき
るよう、発電所又は発電所近傍に、常時、一班52名を確保(宿直体制)しています。
○しろまる川内原子力発電所では、平成27年6月5日から正式運用を開始しました。
36名
・発電機車による電力の供給
・冷却水の確保
・発電機等への燃料補給
・使用済燃料ピットへの注水確保 等
重大事故等対策要員
12名
・発電所の運転操作
運 転 員
52名4名・指揮者、通報連絡者
緊急時対策本部要員
構 成
主 な 役 割
要 員 区 分
【52名体制の内訳】
○しろまる宿直者は、ビブスを
着用することにより、
役割分担を明確にして
います。
ビブスの引継ぎ状況
引継ぎ式の状況
<保安検査(成立性確認)>
重大事故の発生から収束までの成立性確認訓練を、4日間実施し(24時間事象を4日に分割)、
52名の宿直体制により必要な操作が、適切に実施されることを保安検査にて確認されました。
(平成27年7月27日〜30日)243‐(3) 重大事故等対策要員の確保[52名宿直体制](2/2)
○しろまるこの52名について、各班毎に訓練及び力量管理を行い、重大事故等に迅速かつ確実に
対応できる体制を整備しています。
【重大事故等への対応訓練状況】
冷却水供給訓練 電源供給訓練 放射性物質拡散抑制訓練25○しろまる 川内1号機については、平成27年8月14日に発電を再開(並列)し、慎重に調整運
転を実施して、9月10日に総合負荷性能検査を受検し、通常運転に復帰しました。また、
2号機も、安全確保を最優先に再稼働工程を慎重に進めています。
○しろまる 玄海3,4号機についても、今後、適合性審査をはじめとする再稼働に向けた対応を、
真摯かつ丁寧に進めて参ります。
3‐(4) 国による新規制基準への適合性確認審査の対応
【川内1,2号機の審査対応について】
当社は、平成25年7月、国に対し、新規制基準への適合性確認申請を行いました。川内
1,2号機については、平成27年5月までに再稼働に必要な全ての許認可を受領しました。
約29,000ページ
・ 2015年5月22日、認可を受領2号1号
・ 2015年5月27日、認可を受領
・ 2015年3月18日、認可を受領
・ 2014年9月10日、許可を受領
審 査 状 況
約8,600ページ
原子炉設置変更許可
(基本設計)
約500ページ
保安規定変更認可
(運用管理)
約30,000ページ
工事計画認可
(詳細設計)
ページ数
申請書26I 原子力の安全性
1 安全文化の更なる醸成
2 リスクマネジメントの強化
3 原子力発電所の安全性向上への取組み
4 原子力防災対策への取組み
〔取組み状況〕
万が一の原子力災害に備え、国や自治体との連携のもと、事業者として
住民避難等に対して可能な限りの支援を行っています27○しろまる 放射性物質が周辺地域へ拡散するような状況においては、皆さまを放射性物質からお
守りするための取組みが必要です。
○しろまる このため、万が一の原子力災害に備え、原子力災害対策特別措置法等に基づき、国や
自治体、事業者などの関係機関を中心に対応体制が整備され、定期的に実施される
原子力防災訓練により、その実効性が確認され、抽出された改善事項については、関係
自治体の地域防災計画への反映がなされていきます。
当社では、原子力事業者防災業務計画※(注記)の修正において、この地域防災計画と整合を
図りながら改善しています。
○しろまる 今後とも、国や自治体との連携のもと、皆さまの安全確保に万全を期して参ります。
原子力災害発生時の対応体制
原子力災害発生時の対応体制
[平成25年度原子力総合防災訓練の例]
緊急時対策所の
テレビ会議システム
※(注記) 原子力災害発生及び拡大を防止し、復旧を図るために、当社が実施する必要な業務を定めたもの
原子力防災訓練(自治体)における連携
原子力防災訓練(自治体)における連携
国、自治体との連携
モ ニ タ リ ン ク ゙ 訓 練
地元消防との連携
火 災 対 応 訓 練
被ばく医療機関との連携
けが人の搬送訓練
住民避難等を判断するための国、
自治体対策本部との連携
通 報 連 絡 訓 練
内 容
主 な 訓 練 項 目
4‐(1) 万が一の原子力災害に備えた国や自治体等との連携284‐(2) 事業者としての支援(1/3)
O 原子力防災対策については、各自治体が実情に応じて、その充実に向けて取り組まれてお
りますが、当社も事業者として、住民避難等に対して可能な限りの支援を行うこととしています。
O また、安全や防災の追求は不断に行うものであるという考えのもと、今後も、原子力防災訓
練の結果等を踏まえ、取組み内容の継続的改善に努めていきます。
〔川内地域に配備した福祉車両〕
(車イス用) (ストレッチャー用)29〔川内地域〕
○しろまる 万が一の原子力災害に備えた住民避難のために、国からの要請を踏まえ、以下の項目
について、自治体及び地元と協議を行いながら取組みを進めています。
・PAZ※(注記)1圏内の要援護者の避難手段として不足する福祉車両やバス及び運転手を確保
‐医療機関、社会福祉施設、在宅要援護者の避難のための福祉車両については、
当社事業所及び薩摩川内市、いちき串木野市を通じて、病院、福祉施設へ4月
までに16台を配備
‐教育機関の避難のためのバスについては、地元のバス会社と原子力災害時に
大型・中型バス7台を優先的に当社が確保させていただく旨の覚書を6月22日
に締結
・PAZ圏内の放射線防護対策施設5箇所に保存食(×ばつ4日分)、電化製品(テレビ、
ラジオ等)、雑貨(毛布、マット等)を3月に備蓄
・当社原子力発電所で原子力災害が発生した場合に、避難退域時検査で必要となる対応
者の養成として、原子力部門以外の社員を対象に避難退域時検査の教育を実施
(H26年度実績:658人)など
※(注記)1 PAZ(Precautionary Action Zone):原子力災害に関し、予防的防護措置を準備する区域のことで、原子力発電所から
概ね5km(目安)の範囲を指す。
4‐(2) 事業者としての支援(2/3)30〔玄海地域〕
○しろまる 今後、「玄海地域原子力防災協議会」※(注記)2において検討が進められていくものと考え
ており、当社としては、協議会に積極的に参画し、自治体からの要望を反映させると
ともに、協議会からの支援要請に対し、誠意を持って対応していきます。
※(注記)2「地域原子力防災協議会」とは、平成25年9月3日の原子力防災会議決定に基づき、内閣府政策統括官(原子力防災担当)
が、道府県や市町村が作成する地域防災計画・避難計画等の具体化・充実化を支援するため、原子力発電所の所在する
地域毎に課題解決のためのワーキングチームとして設置。構成員は、関係省庁及び関係道府県であり、関係市町村
及び電力事業者はオブザーバーとして参加。
4‐(2) 事業者としての支援(3/3)31I 原子力の安全性
II コミュニケーション
III コンプライアンス
1 原子力に関するコミュニケーション
(1)フェイス・トゥ・フェイスによる双方向のコミュニケーション活動
(2)その他の取組み
2 リスクコミュニケーションの強化321‐ (1) フェイス・トゥ・フェイスによる双方向のコミュニケーション活動(1/2)
【九州全域】
○しろまるお客さまの関心にお応えするためには、原子力の安全対策や新規制基準への適合性審査
の状況等をお伝えするとともに、お客さまからの声をきめ細かくお聴きする必要があります。
そのためには、社員の顔の見える形での双方向の対話が重要と考えており、自治会や婦
人会等への訪問による説明や発電所見学会など、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーショ
ン活動を実施しています。
○しろまる 活動にあたっては、当社に寄せられた声の集約結果等を社内にフィードバックすることで、
社員がお客さまの声を共有することの重要性を理解し、真意を聴き取ろうとする意識の向上
を図っています。(原子力に関する内容を含む全ての声が対象)
(フィードバックした内容の例〔H27年7月の声〕)
・川内1号機の燃料装荷に伴い再稼働に関する声が増加
・お客さまの不安は、主に「火山等への安全対策」「廃棄物」「避難計画」 等
約91,200
約81,000
約63,000
全 社
H26年度
H25年度
H24年度
【原子力に関するコミュニケーション活動実績(延べ人数)】
(人)331‐ (1) フェイス・トゥ・フェイスによる双方向のコミュニケーション活動(2/2)
[取組みの評価と今後の対応]
○しろまる 全社大での対話実績(延べ人数)は着実に増加しており、また、立地地域においては、
フェイス・トゥ・フェイスの対話活動を繰り返し実施するなどきめ細かな取組みを重ねてきた
ことにより、川内原子力発電所の再稼働に対するご理解が深まったと認識しています。
○しろまる しかしながら、福島第一原子力発電所の事故を踏まえると、地域の皆さまの原子力への
不安は当然のことと受け止めており、今後とも、全社一丸となって、地域の皆さまと緊密な
コミュニケーションを図り、信頼関係の構築に努めていきます。
【立地地域】
○しろまる 立地地域の皆さま(自治体、議会、自治会、商工会、漁協、農協、婦人会等の各種団
体)に対し、リスクコミュニケーション※(注記)の考え方を取り入れた対話活動を実施しています。
・ 訪問活動や見学会はもとより、地域の会合に出向いての意見交換会の実施や、地元行事等への積極的
な参加など、地域の皆さまの本音を聴く機会を創出することで、不安や疑問の声にお応えしてきました。
○しろまる 立地地域へのきめ細やかな対応に向けて、現地組織を強化しています。
・ 玄海事務所を設置(H27.7)
・ 川内原子力総合事務所に立地・コミュニケーション部を設置(H27.7)
※(注記)原子力のリスクの存在を前提として地域の皆さまの不安や意見をお聴きし、リスク情報を共有することにより共通の
理解を拡げ、リスク低減に向けた取組みを通して信頼関係を築く活動341‐ (2) その他の取組み
[取組みの評価と今後の対応]
○しろまる お電話等での申し出や報道機関等からの問い合わせ、要望に対しては、今後もきめ細
かく、丁寧な対応に努めます。
○しろまる 当社に寄せられた声などを基に、お客さまの関心が高いと思われる内容について、
ホームページ等への情報開示の充実を図ります。
○しろまる 当社の再エネ開発の取組みなど、原子力以外の事業活動に関する幅広い情報発信を
通じたコミュニケーションにも努めていきます。(後述:資料2‐2 )
○しろまる 原子力に関するお電話での申し出については、従来どおり
営業所をはじめ、全社で対応するとともに、「お便りBOX
(ホームページ)」を通じて回答を求められたお問い合わせに
対しても速やかな対応に努めています。
○しろまる 当社ホームページやCSR報告書等に「安全確保に向けた
取組み」をはじめとする原子力関連の情報を開示しました。
○しろまる 正確な報道や新聞・テレビ報道による間接的な情報発信の
強化に繋げるため、報道機関に対し、原子力発電所の安全
対策や重大事故に備えた訓練等を公開しました。
また、川内1号機の再稼働に際しては、主要工程の公開に加
え、プラント起動操作や警報の概要について記者向けの事前
説明を実施しました。
【ホームページトップ画面】
【報道機関への公開(CSR報告書抜粋)】352 リスクコミュニケーションの強化
〔リスクコミュニケーションの実効性・継続性向上への取組み〕
[具体的取り組み]
○しろまる 不安や疑問の声(避難計画の実効性・防災の充実、放射線の人体への影響、放射性廃棄物
の最終処分問題等)に対して、各部署での具体的対応策の実施や対話用の資料の作成など、
地域の皆さまへのフィードバックを通じて、信頼関係の構築に努めています。
○しろまる 「リスクコミュニケーションの考え方」についてとりまとめるとともに、社員の意識啓発・スキル
向上を目的とした講演会・各種研修を実施しました。
・ 「考え方」についてコミュニケーション活動を実践する部署と共有(H27.7〜)
・ リスクコミュニケーション講演会(H27.3、H27.7)
・ リスクコミュニケーション実践型研修 (H27.9、立地地域)
○しろまる 関連して、コミュニケーション力向上のための研修も実施しています。
・ コミュニケーションスキル向上研修(H26.8〜10、全社)
・ コミュニケーションスキル向上実践型研修(H27.8〜10、全社)
[取組みの評価と今後の対応(後述:資料2‐2)]
○しろまる 地域の皆さまの不安や疑問の声に対する各部署の対応内容を社内で共有して、全社におけ
る双方向のコミュニケーションに活用していきます。
○しろまる 意識啓発・スキル向上のための講演会・研修は、受講者の意見を踏まえ、より現場での実践
に繋がるよう、内容を高めていきます。36I 原子力の安全性
II コミュニケーション
III コンプライアンス
1 コンプライアンス違反の未然防止に向けた取組み
2 各所の推進活動の底上げ及び実効性向上に向けた取組み37コンプライアンス
○しろまる コンプライアンス意識調査における自由回答を活用した取組み
・ 意識調査の自由回答を対象に「違反事案」及びその「予兆」の有無を確認し、改善が必要と思われる記述
に対しては、関係部門へ注意喚起し、各所で未然防止の取組みを実施しています。
○しろまる 他社違反事案を踏まえた取組み
・ 他社違反事案をグループ全体で幅広く収集・共有し、個人情報流出事案を踏まえたセキュリティ対策
の再点検や、独占禁止法違反事案を踏まえた研修の実施など、未然防止のための具体的な対策を実施し
ています。
○しろまる コンプライアンス違反の未然防止に向けて、各種研修など意識啓発や各職場における所属員への指導・対
話を継続して実施します。
○しろまる 業務処理上の法令違反などについては、事案発生の経緯・背景に共通する原因から未然防止に向けた重
点取組みを策定し、グループ全体に周知のうえ、各所の推進活動計画に反映、実施します。
1 コンプライアンス違反の未然防止に向けた取組み
2 各所の推進活動の底上げ及び実効性向上に向けた取組み
○しろまる 支社エリアのコンプライアンス推進活動の実態調査を実施し、抽出した課題に基づき、改善策を取りまとめ
ました。
○しろまる 各所の推進活動の実効性向上を図るため、支社エリアのコンプライアンス推進体制を見直すとともに、
手引書作成や職場研修の支援などを実施します。
〔前回委員会以降の取組み〕
〔今後の取組み〕
〔前回委員会以降の取組み〕
〔今後の取組み〕38(参考)コンプライアンス推進体制