当社はこれまで、

低廉で良質なエネルギーをお客さまへ
安定してお届けすることを通じて、
お客さまの生活や経済
活動を支え、
九州とともに成長を続けてまいりました。
近年では、
2013年4月に中期経営方針
〔2013〜
2015年度〕
を策定し、
原子力発電所の全基停止に伴う厳
しい収支・財務状況、
需給状況下で、
経営効率化、
原子力
発電所再稼働への取組み、
需給対策、
信頼向上の取組み
を推進してまいりました。
一方、
外部環境に目を向けると、
2016年4月から電力
システム改革に伴う小売全面自由化が実施され、
今後、
本格的な競争時代を迎えることになります。
こうした競争環境下においても、
「ずっと先まで、
明る
くしたい。」をブランドメッセージとする
「九州電力の思い」
(→詳細は1ページをご覧ください)
を実現し、
お客さまか
ら信頼され、
選ばれ続けるためには、
九電グループ一体と
なった変革を加速させていく必要があることから、
今回、
2015〜2019年度の5か年を対象とする新たな中期経
営方針として
「九州電力グループ中期経営方針」
を策定し
ました。
本方針では、
「2030年のありたい姿」
と、
その実現に向
けた3つの戦略を柱として定め、
2015〜2019年度の5
か年において重点的に取り組むべき施策を示しています。
当社としましては、
これらの取組みをグループ一体と
なって進めることにより、
持続的な成長を目指すとともに、
ステークホルダーの皆さまへの価値提供を果たしてまい
ります。
引き続き、
当社グループに対して変わらぬご支援、
ご協
力を賜りますようお願い申し上げます。 九州電力グループ中期経営方針
ごあいさつ 九州電力グループ中期経営方針
社長インタビュー
Section 1
九州電力早わかり
Section 2
マネジメントメッセージ
7/88 九州電力 Annual Report 2015
Section 4
経営基盤
Section 5
財務情報
Section 3
特集
九州電力グループ中期経営方針
2030年のありたい姿
「日本一のエネルギーサービス」
を提供する企業グループ
〜やっぱり!エネルギーは九電グループ〜3つの戦略の柱
基盤である九州において、
「電気をお届けする」
会社から
「エネルギーサービスを提供する」
企業グループとなり、
お客
さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えし、
地域・社会とともに発展していく
九電グループが培ってきた強みを活かして、
海外エネルギー事業、
九州域外エネルギー事業、
再生可能エネルギー
事業で成長していく
戦略実行に必要な組織力を強化し、
強固な事業基盤を築く
ごあいさつ 九州電力グループ中期経営方針
社長インタビュー
戦略のイメージ九州が全ての基盤事業活動をアジア、世界へ広げる強固な事業基盤
九州内のエネルギーサービス事業
成長分野における事業展開
海外エネルギー事業
(目標) 500万kW
域外エネルギー事業
(目標) 200万kW
再生可能エネルギー事業
(目標) 400万kW
電気、
ガス、
分散型、
省エネ など
強みの活用、
経営資源の投入
変革や成長に関する
組織能力、
新たな収益未来の事業常に追求し
続ける
【参考 : 現状の出力等】
海外発電事業
(持分出力):150万kW
再生可能エネルギー :
150万kW
成長の好循環海外・九州域外九州エリア内エネルギーサービス事業
電気事業 ガス事業等
海外・九州域外電気事業
(再エネ事業を含む) 海外・九州域外
エネルギーサービス
事業(注記)1
(注記)1:
海外・九州域外については、
当面は強みである
「高い保守運用技術」
を発揮可能な電気
事業を中心に展開するが、
エネルギーサービス事業についても可能なものから実施する
(注記)2:エネルギーサービス事業との関係性やシナジーを勘案する
事業領域拡大のイメージ
強みを活かして
成長分野へ進出
進化
「エネルギーサービス
を提供する」
企業グループ
「電気をお届けする」
会社
(現在) ガス事業
燃料トレーディ
ング
ESP事業
社会・生活
サービス事業(注記)2
Section 1
九州電力早わかり
Section 2
マネジメントメッセージ
8/88 九州電力 Annual Report 2015
Section 4
経営基盤
Section 5
財務情報
Section 3
特集 1 「多様なエネルギーサービス」
の提供による九電ファンの拡大
エネルギーに関するワンストップサービス
(法人お客さま)
当社小売部門へエネルギーに関する営業を一元化し、
エネルギーに関する様々なサービスの最適な組合せをワンストップで一括提案。
お客さまの生活に密着したサービス
(一般家庭お客さま)
お客さまのライフスタイルに合わせたメニュー・サービスを提案し、
「楽しさや感動」
を提供。
2009年11月より設置を開始しているスマートメーターにより取得可能となるお客さまのご使用量
(30分値)
につい
て、
2016年4月に向け、
当社ホームページ
「省エネ快適ライフ」
で見える化する方向で検討中
ガス事業
これまでの卸供給に加え、
エネルギーサービスの一環として小売事業に本格参入。
2015年度経営計画の概要
九州のお客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えする
戦略の柱I〔ガス小売のイメージ〕
(注記)2 LNGを貯蔵、
気化・送出する設備
LNG基地
〈導管が整備された区域〉
〈導管が整備されていない区域〉
ガス導管託送供給(注記)1
サテライ
ト設備(注記)2
ローリー車
LNGローリー供給
(注記)1 2017 年
(目途)
のガス小売事業の全面自由化に向けて、
事業体制等の検討を行います。
【工場、
商業施設等】
【一般家庭】
【工場、
商業施設等】
ごあいさつ 九州電力グループ中期経営方針
社長インタビュー
Section 1
九州電力早わかり
Section 2
マネジメントメッセージ
9/88 九州電力 Annual Report 2015
Section 4
経営基盤
Section 5
財務情報
Section 3
特集
2 電源の競争力と燃料調達力の強化
全面自由化を見据え、
競争力と安定性を備えた
電源を確保。 最新鋭の高効率LNG火力である新大分発電
所3号系列第4軸
(2016年7月運転開始予定)
や松浦発電所2号機の開発
様々な環境変化に伴い電源の強み・弱みが変化
しても、
柔軟に対応できるよう競争力を確保し、
原子力、
石炭、
LNGおよび水力・地熱等の再生可
能エネルギーをバランスよく保有。
原子力については、
福島第一原子力発電所のような事故は決して起こさないという固い決意のもと、
安全性・信頼性の
向上に継続的に取り組み、
エネルギーセキュリティ、
地球温暖化防止、
経済的な電力供給に有効な電源として活用。
燃料トレーディングの導入、
上流権益投資の推進をはじめとする燃料バリューチェーン全域への取組みを強化し、
燃料
調達の競争力と柔軟性を高める。
3 送配電ネッ
トワーク技術の向上と活用
九州全域に面的に設備を保有する企業として、
設備の形成
や運用等の事業活動を通じて、
九州の持続的な発展、
成長
へ寄与する。
50万V日向幹線の建設。 「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」の
実施。
スマートグリッ
ドへの取組み。
太陽光など出力が不安定な再生可能エネルギーが大
量に普及した場合においても、
高品質・高信頼度の電
力供給が維持できるよう、
電力供給側、
お客さま側両
面での実証試験を行い、
当社設備実態や地域特性に応
じたデータ取得や検証により、
将来のスマートグリッド構築に向けた課題を解決する。
スマートメーターの本格導入に向けた関連システム等
の構築。
2014年度末までのスマートメーター導入実績:約83万
台、
2023年度までに全数となる約800万台の導入を
目指す。
50万V日向幹線工事計画概要
50万V日向幹線
〔凡例〕
:50万V送電線
:22万V送電線
:50万V日向幹線
(今回新設)
所在地 長崎県松浦市
発電出力 100万kW
発電方式
超々臨界圧
(USC)
(注記)
微粉炭火力
燃料 石炭
運転開始 2020年6月
(予定)
松浦発電所2号機 完成予想図
(注記)超々臨界圧(USC:Ultra Super Critical):
発電に使用する蒸気を高温高圧化することにより、
熱効率を向上させ、
環境負荷を低減し
た高効率の発電方式
松浦発電所2号機 計画概要
電源開発
(株)
松浦発電所
松浦発電所
2号機
亘長 約124km
鉄塔 291基
工事着工 2014年11月
運用開始 2019年6月
ごあいさつ 九州電力グループ中期経営方針
社長インタビュー
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九州電力早わかり
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マネジメントメッセージ
10/88 九州電力 Annual Report 2015
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経営基盤
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財務情報
Section 3
特集
1 海外電気事業の強化
〔2030年の発電事業持分出力目標:500万kW(現状+350万kW)〕
市場の成長性が高いアジアを中心に、IP
P事業を拡大。
現在、
インドネシア サルーラ地熱IP
Pプロジェクトを推進中
(出力32万
kW[3系列]:2016年から順次運転
開始予定) IPP事業や海外コンサルティングを通
じ、
電力の低廉かつ安定的な供給と
いった課題解決や人材育成など、国際社会への貢献を図る。
九電グループの強みを活かして、
成長市場で発展していく
戦略の柱IIインドネシア サルーラ地熱IPP
プロジェク
トの位置
噴気試験の様子
大容量蓄電池の実証事業
電力の安定供給を前提として、
今後も再生可能エネルギーの円滑な接続に向けた対応を進めていくが、
その取組みの
一つとして、
国の補助事業である
「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」
を実施・実証内容̶ 大容量蓄電池を電力系統に接続し、
揚水
発電と同等の電力貯蔵機能を活用した、
需給のバランスの改善に関する実証を
実施̶ 大容量蓄電池の有効活用策として、
系統
電圧制御への適用に関する実証を実施・蓄電池容量̶ 出力:5万kW
(容量:30万kWh程度)
(注記)世界最大級・蓄電池設置場所̶ 豊前発電所構内
(福岡県豊前市)・実施期間̶ 2015年度〜2016年度
(予定)
豊前発電所
(火力)
〔福岡県豊前市〕・発電所構内の空きスペースに蓄電池を設置・蓄電池容量:5万kW
(30万kWh程度(注記))(注記)
1,000軒のご家庭が1か月に使用する電気の量に
相当
(注記)蓄電池設置面積 約12,000m2 (サッカーコート1.5面分に相当)
〔蓄電池による需給バランス改善実証事業
(実証イメージ)〕蓄電池ユニット交直変換装置
ごあいさつ 九州電力グループ中期経営方針
社長インタビュー
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九州電力早わかり
Section 2
マネジメントメッセージ
11/88 九州電力 Annual Report 2015
Section 4
経営基盤
Section 5
財務情報
Section 3
特集
地熱:菅原バイナリー発電所の開発
(大分県九重町)
九重町が保有する地熱井を有効活用した菅原バイナリー発電所(注記)
(5,000kW)が2015年6月運転開始。
本事業は、
自治体と企業
(九電みらいエナジー)
が協働で取り
組む、
国内初の地熱開発事業。
(注記)
「バイナリー発電」
とは、
従来の地熱発電方式では利用できなかった比較的温度の低い蒸気・熱水での発電が可能
な方式。
地熱資源が賦存する島への適用や温泉発電への活用等を期待。
菅原バイナリー発電所
2 九州域外における電気事業の展開
〔2030年の域外電源開発量目標:200万kW(現状+200万kW)〕
他社とのアライアンス等により、
九州域外に自社電源を開発。 「株式会社千葉袖ケ浦エナジー」
の設立
(2015年5月)
電源開発までの期間における小売供給については、
九州域内からの送電に加え、
取引所等を活用した供給力確保を検討。
発電所の計画概要
出光興産(株)及び東京ガス(株)とアライアンスを組み、
三社共同で石炭火力発電所開発に向けた検討を進めることに合
意。
このため、
2015年5月1日に、
(株)千葉袖ヶ浦エナジーを設立。
三社は、
電力小売の全面自由化を踏まえ、
それぞれの持つバリューチェーンなどの強みを生かし、
より安全、
安定的、安価な電力供給を実現することで、
エネルギー企業として社会的要望や期待に応えていく。
また、
環境対策にも最善を尽
くすとともに、
地域経済への貢献を目指す。
3 再生可能エネルギー事業の拡大
〔2030年の開発量目標:400万kW(現状+250万kW(注記))〕(注記)[内訳] 国内外で、
地熱+80万kW、
水力+20万kW、
風力+110万kW、
その他+40万kW
再生可能エネルギー電源全般の開発を行う新会社
「九電みらいエナジー
(株)」を2014年7月に設立。
九電みらいエナ
ジー(株)は、
当社と連携のもと、
地域社会からの幅広いニーズにワンスト
ップで対応。
今後の政策動向や技術革新を見据え、
リスク分散、
ポートフォリオ構築を図る。
グループ一体となった再生可能エネルギーの開発
菅原バイナリー発電所の開発、
次世代浮体式風力発電(洋上風力)実証研究への参画 等
九州内で培ったノウハウを活かし、
域外及び海外へ事業を拡大。
予定地
千葉県袖ケ浦市中袖3番地1
(出光興産所所有地)
発電方式 超々臨界圧
(USC)
方式
発電規模 最大200万kW
(100万k×ばつ2基)
燃料 石炭
(バイオマス混焼なども検討)
運転開始 2020年代中頃
(予定)
ごあいさつ 九州電力グループ中期経営方針
社長インタビュー
Section 1
九州電力早わかり
Section 2
マネジメントメッセージ
12/88 九州電力 Annual Report 2015
Section 4
経営基盤
Section 5
財務情報
Section 3
特集
1 変革・挑戦する人づくり 組織横断的なプロジェクト(CFT(注記))の積極的活用による挑戦する組織風土の醸成
(注記)CFT:Cross Functional Team の略
2 スピード感をもって変化に対応できる組織づくり
全面自由化、
ライセンス制への対応 競争を勝ち抜くため、
販売に特化し、
競争力を高めていく体制の構築
送配電部門の一層の中立性確保を実現する組織・業務運営の整備
3 九電グループ一体となった財務基盤・競争力強化 「調達改革推進委員会」
(2014年2月設置)
による外部
知見を活用した資機材調達改革や、
継続的な原価低減
に向けた原価意識の向上及び原価管理の強化への取
組み
火力発電所における、
燃料消費量削減の観点からの、
高効率設備への更新による熱効率向上への取組み
4 安全・安心の追求
複合災害時の社内体制の整備
地震、
津波などの一般災害である非常災害と原子力災害の同時発生による複合災害時に、
非常災害対策組織と原子
力災害対策組織を統合し、
対策総本部として一体となって対応を行えるよう社内体制を整備
原子力のリスクに対するマネジメントの強化
原子力に関する地域の皆さまとのコミュニケーションの充実⇒詳細は特集(P25〜31)をご覧ください。
強固な事業基盤を築く
戦略の柱III2011年度
(震災前)
の水準
《目標》
2013〜2015年度
平均
コス
ト低減
さんかく10%
《実績》
2014年度
コス
ト低減
さんかく12%
今後もさらなる
深堀りへ
【主な取組み】
くろまる 仕様、
工法の見直し
くろまる 競争発注の拡大、
競争原理を活用した発注方式
の工夫
など
〔資機材調達コス
ト低減〕
ごあいさつ 九州電力グループ中期経営方針
社長インタビュー
Section 1
九州電力早わかり
Section 2
マネジメントメッセージ
13/88 九州電力 Annual Report 2015
Section 4
経営基盤
Section 5
財務情報
Section 3
特集 5 CSR(企業の社会的責任)
経営の徹底 CSRマネジメントサイクルの強化
環境に優しい企業グループを目指した環境保全活動の実施 大分県く
じゅう坊ガツル湿原一帯における
「野焼き活動」 次世代層を対象とする環境教育
コンプライアンス経営の推進
地域の課題解決に向けた地域の皆さまとの協働によるボランティア活動への取組み 「こらぼらQでん」(NP
O等と取り組むボランティア活動)
の実施 等
野焼き活動の様子
綾中学校中庭テラス化
プロジェク
ト(宮崎)くじゅう坊ガツル湿原と平治岳
(大分)
「虹の松原」
環境保全活動 (佐賀)
ごあいさつ 九州電力グループ中期経営方針
社長インタビュー
Section 1
九州電力早わかり
Section 2
マネジメントメッセージ
14/88 九州電力 Annual Report 2015
Section 4
経営基盤
Section 5
財務情報
Section 3
特集

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