社長メッセージ
カーボンニュートラルの潮流や
コロナ禍での社会変化を変革のチャンスと捉え
低・脱炭素の業界トップランナーとして、
次代を切り拓きます。
九州から、
日本の脱炭素をリードする。
池辺 和弘
九州電力株式会社
代表取締役 社長執行役員
データ
価値創造ストーリー 戦略とパフォーマンス 価値創造の基盤
イントロダクション
社長メッセージ10 ニュートラル実現に向けて、
引き続き
大きな役割を果たすものと考えていま
す。
これからも地域の皆さまに安心し
信頼していただけるよう、
安全性及び
信頼性向上に一層取り組んでまいりま
す。
また、
2020年4月には、
送配電ネットワークの中立性を高めるため、
送配電
事業を分離し、
九州電力送配電株式会
社として事業を開始しました。
電力の安
定供給を変わらぬ使命として、
頻発・激
甚化する災害からの早期復旧に取り組
むとともに、
送配電ネッ
トワークの更な
る高度化を図りながら、
安定供給とコスト低減の両立を図っています。
さらに、
販売電力量の拡大に向け
て、
支社と営業センターを統合した支
店を設置し、
販売体制を強化しました。
コロナ禍で九州エリアの需要は前年
度比1.1%減少しましたが、
九電みらい
エナジーが関東エリアを中心に躍進し
たこともあり、
九電グループの総販売
電力量は6.3%増加しました。 九電みらいエナジーの販売電力量は、
都市ガス系・通信系大企業などの新電
力事業者との厳しい競争の中で全国第5位(注記)
まで伸びています。
(注記):2020年12月時点
今後の成長事業として力を入れて
いる再生可能エネルギー
(再エネ)事業では、
地熱や水力の更新、
風力やバ
イオマスの新設など、
九州域内外で
開発を進めています。
再エネ開発量
は、
2030年目標500万kWに対し、
2020年度末は230万kWとなりまし
た。
今後、
更に再エネを拡大していく
上では、
適地が限られる太陽光や陸
上風力と比べて、
大きなポテンシャル
を秘めている洋上風力が有望だと考
えています。
ドイツの再エネ大手であ
るRWE Renewables社と連携し、秋田県由利本荘市沖など、
国内におけ
る洋上風力発電の有望地点におい
て、
事業化に向けた検討を進めてい
ます。
海外事業においても再エネを拡大
しており、
2020年6月に世界各地で
事業展開する米国の地熱技術サービ
ス会社・サーモケム社を買収しまし
この課題に対し、
九電グループとして
何ができるのかを考え抜き、
私たちの
強みを活かした取組みを追求していく
ことで、
すべてのステークホルダーの
皆さまの期待に応えていきます。
2020年度を振り返って
まず、
川内原子力発電所1・2号機に
おいて、
日本で初めて特定重大事故等
対処施設の運用を開始し、
安全性を大
きく向上できたことは、
大変意義が
あったと思います。
特定重大事故等対
処施設は、
テロ等のような非常事態で
も遠隔地から原子炉を冷却できるな
ど、
今後の原子力発電の安全・安心な
稼働に向けて、
非常に重要な施設で
す。
設置にあたっては、
作業方法に工
夫を凝らすなど最大限の効率化に取り
組み、
当初の予定よりも前倒しで完成
させることができました。
原子力発電
は、
発電時にCO2を排出しないことに
加え、
気候などに左右されず安定した
運転が可能であることから、
カーボン
2020年は、
新型コロナウイルス感
染症拡大による社会の変化、
カーボン
ニュートラルに向けた取組みの本格化
の両面から、
エネルギー事業者にとっ
て大きなターニングポイントとなりま
した。
コロナ禍では、
社会・経済活動が
大きな打撃を受けるとともに、
テレ
ワークの拡大など人々の行動様式が
大きく変化しました。
また、
世界的に気
候変動問題に対する取組みの機運が
高まる中、
10月には、
日本政府として
2050年までに温室効果ガスの排出を
全体としてゼロにする、
すなわちカー
ボンニュートラルを目指すことを宣言
し、
私たちエネルギー事業者をはじめ
とする日本の産業界も脱炭素に向け
た動きを加速させています。
国が示した2050年カーボンニュー
トラルや、
温室効果ガスの2030年
46%削減
(2013年度比)
という目標
は、
非常にチャレンジングなものです
が、
気候変動への対応は、
持続可能な
地球環境と社会を実現するために挑
戦し続けなくてはならない課題です。
データ
価値創造ストーリー 戦略とパフォーマンス 価値創造の基盤
イントロダクション
社長メッセージ
P31〜32
P35〜36P33P3411 じて、
当事者としてこれからの時代を考
える――このような大きな変化は、グローバル化が進む近年において初め
てのことと言えるでしょ
う。
当社の電気
事業もコロナの影響を受け、
2020年
度の販売電力量
(九州エリア)
は約20
億kWh減少し、
約800億kWhとなりま
した。
社会全体が大きな困難に直面し、
変化を余儀なくされている状況です
が、
私は、
九電グループのト
ップマネジ
メン
トとして、
リーダーとして、
常に前を
向き、
サニーサイドの明るい方向にグ
ループを導いてまいります。
極めて大
きな事業環境の変化であっても、
一人
ひとりが、
私たちがこれまで培ってきた
強みから生み出される
「九電グループ
ならでは」
の取組みは何か、
地球環境と
社会のためにどう貢献できるのかを考
え抜いていくことで、
そう
した変化を九
電グループの成長機会に転換できると
確信しています。
また、
少子高齢化による人口減少、
東京への政治・経済一極集中による地
方経済の衰退問題などは以前から指
摘されていましたが、
コロナ禍でテレ
ワークの普及が加速し、
更にはワー
とにより、
前年度を上回り増収増益と
なりました。
「九電グループ経営ビジョン2030」
の実現に向けては、
その取組みスピー
ドに決して満足しているというわけで
はありませんが、
着実に一歩一歩進ん
でいると自信を持ってお答えできる成
果は残せたと自負しています。
コロナ
禍での対面活動自粛による経済活動・社会活動の両面での影響は少なくあ
りませんでしたが、
このような厳しい環
境下だからこそ、
事業環境の変化を
チャンスと捉え、
グループの強みを活
かした様々な取組みを追求していくこ
とで、
更なる企業価値向上につなげて
いく所存です。
事業環境の変化をビジネスの
進化・深化に転換
新型コロナウイルス感染症のパンデ
ミックは、
社会の在り方を大きく変えま
した。
世界中のほぼすべての人が、
この
大きな困難に直面し、
共通の体験を通
た。
当社は、
国内における地熱発電の
総出力約50万kWのうち約40%にあ
たる20万kW強を保有しています。そこで培った当社及び西日本技術開発
株式会社など九電グループの強みを
活かして、
すでに、
インドネシア・サ
ルーラにおいて約33万kWの発電を
行っていますが、
今回の買収により、
ワールドワイドで更に事業を拡大して
いく足掛かりができました。
地熱発
電以外についても、
アジア・アメリカ
に加え、
中東など新たな地域へ事業
を拡大しており、
海外発電持分出力
は2030年目標500万kWに対し、
2020年度末の実績では243万kW
となりました。
業績面では、
冬場の電力需給ひっ迫
に伴う卸電力取引所の価格高騰、
新型
コロナウイルス感染症の拡大、
特定重
大事故等対処施設の設置工事に伴う
川内原子力発電所の運転停止などの
影響はあったものの、
九州域外での小
売販売電力量の増加や、
グループ一丸
となって収支改善などに取り組んだこ
データ
価値創造ストーリー 戦略とパフォーマンス 価値創造の基盤
イントロダクション
社長メッセージ
P37〜3812 現に向けては、
供給面での
「電源の低・脱炭素化」
と需要面で他熱源から電力
へと変換する
「電化の推進」
の両方を
全力で推進していかなければなりませ
ん。
そのためには、
既存技術の最大限
の活用に加えて、
抜本的な革新的技術
を生み出すイノベーションが重要とな
ります。
例えば、
発電量が天候に大きく
左右される太陽光などの再エネの需
給バランスを調整できる蓄電池は、再エネ拡大のカギを握っていますが、大型化とコスト低減が課題であり、
更な
る開発投資とイノベーションが必要で
す。
カーボンニュートラル実現に向け
て、
将来の技術革新や社会構造の変化
などの不確実性を視野に入れつつ、あらゆる可能性を追求することで、
柔軟
に対応してまいります。
「九電グループならでは」を生み出す強みとは、
そして、
それをいかに高めていくか
私は、
ステークホルダーの皆さま、
に汗をかき、
知恵を絞りながら、
様々な
課題の解決に積極的にチャレンジして
いくことで、
持続的な成長を目指して
いきます。
なお、
九州の人口は減少局
面に入っていますが、
電力の使用は世
帯単位であるため、
世帯当たりの人数
が減っても、
電気の消費量には大きく
影響せず、
人口減により、
すぐに電力需
要に影響が出るというわけではありま
せん。
将来的には、
カーボンニュートラ
ルに向け、
電化の推進に積極的に取り
組むことで、
電化率が上昇していくた
め、
人口減少による電力需要の減少を
カバーできると考えています。
もう一つの大きな変化は、
現在、世界中で取組み機運が高まっているカー
ボンニュートラルです。
その潮流の中
で、
電力業界に求められる役割は大き
いものと認識しています。
日本におけ
るCO2総排出量12億t‐CO2のうち、
電気事業者の発電によるものは40%
程度であり、
残りの約60%は、
電力以
外の分野から排出されるものです。したがって、
カーボンニュートラルの実
ケーションを推進する企業なども出て
くるなど、
働き方の変化も顕著になり、
2020年度は東京からの人口流出が流
入を初めて上回ったというデータも出
てきました。
これらの動きは、
コロナ禍
がなくても、
10年後には実現していた
ことかもしれませんが、
この1年で大幅
に前倒しとなったことは、
地方経済に
とって大きなプラスだと前向きに捉え
ています。
九電グループの基盤である
九州は、
気候が温暖で魅力的な地であ
り、
そこに住む皆さまも温かく人情味
があふれています。
この素晴らしい九
州の発展に向けて、
企業誘致の推進
や、
都市開発・不動産・社会インフラの
各事業における新たなサービスの創
出による地域課題の解決やまちづくり
を通した地域活性化に取り組んでまい
ります。
九州全体の経済活動が活発になれ
ば、
販売電力量の増加と九電グループ
の成長にもつながります。
「九州の発展
なくして、
九電グループの発展なし」という思いのもと、
九州の皆さまと一緒
特に投資家の皆さまに、
九電グループ
の企業価値や今後の伸び代について、
「電力」
セクターという枠を超えて評価
していただきたいと思っています。
「九
電グループ経営ビジョン2030」
でも、
2030年の経営目標である連結経常
利益1,500億円について、
国内電気事
業と成長事業それぞれ5割の利益を
上げることを目指しています。
「電気事業」
の在り方自体が電力シ
ステム改革の進展などに伴い多様化
しており、
そうした中で、
九電グルー
プは、
従来の九州における電力供給
のみならず、
九州域外での小売事業・発電事業や海外発電事業、
再エネ事
業などに積極的に取り組んでいます。
特に再エネについては、
九州で最も
多い発電設備量を持ち、
開発・運用等
に関する豊富な知見・
ノウハウを持っ
ています。
さらに、
都市開発や空港の
運営など新しいビジネスも展開して
います。
このように、
九電グループの
ビジネスモデルは、
「九州における従
来型の電力供給」
から大きく広がり、
データ
価値創造ストーリー 戦略とパフォーマンス 価値創造の基盤
イントロダクション
社長メッセージ
P40、
54〜55
P22〜25P2613
体のカーボンニュートラルに貢献でき
ると考えています。
電源の低・脱炭素化について、
現在
は、
これまで私たちがフロントラン
ナーとして走ってきた位置に日本全
体がキャッチアップしようとしている
状況だと認識しており、
私たちが進め
てきたことは正しかったと確信すると
ともに、
今後もフロントランナーとし
て走り続けていくために取組みを強
化していく必要があると考えていま
す。
ゼロエミ
・FIT電源比率拡大に向
けては、
過去5年間
(2016〜2020年度)で約8,000億円投資し、
今後5年
間では約5,000億円の投資を計画し
ています。
これによりカーボンニュー
トラル実現に貢献すると同時に、
ゼロ
エミ電源の効果的・効率的活用によ
る収益拡大を図ることで、
財務目標の
達成を目指します。
3つ目の強みは、
大きなポテンシャ
ルを秘めた九州において私たちがお
客さまや地域社会と培ってきた関係
性です。
先に述べた魅力的な気候風
いう強い意志のもと、
原子力の早期再
稼働に注力するとともに、
再エネ拡大
への取組みを進めてきました。
その結
果、
2019年度の当社の電源構成にお
いては、
原子力が35%、
再エネが23%
(うちFIT電気が14%)
と、
58%はゼロ
エミ・FIT電源が占めています。
カーボンニュートラルに向けては、
例えばEV
(電気自動車)
へのシフトが
注目されていますが、
大手自動車メー
カーの経営者が、
「ただEVにシフトす
れば良いというわけではない、
EVを動
かすための電気はもちろん、
製造する
ための電気が何からつくられているの
かを考えることも重要」
とおっしゃって
いました。
このご意見は大変重要だと
感じています。
EVを製造し、
動かす電
力が多くのCO2を排出するのであれ
ば、
カーボンニュートラルは実現でき
ません。
九電グループは、
今後も更なる「電源の低・脱炭素化」
に取り組んで
いく所存であり、
九州にEV生産工場を
建設していただき、
そこから日本全体
のEV比率を上げていくことで、
日本全
国内外における新たな事業構造の構
築へと向かっています。
九電グループの強みとしては、
まず、
原子力の安全・安定的な稼働により、
CO2抑制と低いコスト水準を同時に
実現していることです。
2021年7月現
在、
東日本大震災後に日本で再稼働し
た原子力10基のうち4基が当社の発
電所です。
その4基は、
東日本大震災
後、
他社に先駆けて発電を再開し、現在も安定的に稼働しています。
2つ目の強みは、
再エネ5電源
「太陽
光」
「風力」
「水力」
「バイオマス」
「地熱」
の調査から運営、
販売までを一貫して
推進する体制をいち早く構築し、
長年
の電源開発・運営経験に基づく技術力
で高効率・高稼働を実現できているこ
とです。
また、
積極的な再エネ開発と受
入れにより、
業界ト
ップランナーのゼロ
エミ・FIT電源比率を実現しています。
カーボンニュートラルの実現には、いずれも私たちの強みである原子力と再
エネの組み合わせが必須です。
当社
は、
CO2を排出しない電気をつくると
土や、
人情味あふれる土地柄に加え、
九州はアジアの近隣諸国の首都に近
く、
九州経済の中心である福岡はアジ
ア経済の中心になるポテンシャルを
秘めています。
そのポテンシャルを余
すところなく発揮し、
例えば、
福岡が
アジアの金融センターとなることが
できれば、
日本全体の経済成長につ
なげていくことも十分に可能である
と考えています。
私たちは、
地域やお
客さまとの信頼関係をさらに高め、自データ
価値創造ストーリー 戦略とパフォーマンス 価値創造の基盤
イントロダクション
社長メッセージ
P27〜28P2214
投資していきます。
また、
カーボンニュートラルに向けて
は、
技術開発による革新的イノベー
ションも重要です。
特に、
供給側の火力
や再エネについての革新的なイノ
ベーションは、
ようやく芽が出始めた段
階であり、
社会実装するまでにはもう
少し時間がかかると思いますが、
いず
れ来るターニングポイントに向けて、
着実に取組みを進めていきます。
さらに、
カーボンニュートラルビジョ
ンを達成するための推進体制として、
私が委員長を務めるサステナビリティ
推進委員会を設置しました。
加えて、ESG(環境・社会・ガバナンス)
の各分
野における取組み全体を統括・推進す
るための担当役員及び専任部署を設
置しました。
経営としての強いリー
ダーシップのもと、
カーボンニュートラ
ルを含めたESGに関する取組みを強
力に推進し、
持続可能な社会の実現に
向けて貢献していきます。
ル化・規制化も必要になると考えま
す。
例えば、
北米カリフォルニアの
バークレーでは、
電化促進に向けて、
新築住宅はガス管を引き込めないよ
うな条例が制定されています。
日本で
も、
今後電化促進に向けた規制が予
想されるため、
そうした規制にも的確
に対応できるよう、
様々な取組みを進
めていきます。
供 給 側 の 取 組 みとして は 、
「 S+
3E(注記)」の観点から、
原子力、
再エネ、高効率火力など、
最適なエネルギーミッ
クスを構築していくことにより、
「電源
の低・脱炭素化」
に挑戦します。
現在
の技術では、
一足飛びに再エネだけ
ですべての電力を賄うようなことは
不可能であり、
電力の安定供給を確
保しつつ、
カーボンニュートラルを実
現していくためには、
段階的な取組み
を進めることが重要です。
責任あるエ
ネルギー事業者として、
CO2の排出
を抑えた高効率の火力発電や原子力
発電を最大限に活用しながら、
再エネ
や蓄電、
水素、
アンモニア等の開発に
治体や他企業との連携・シナジーを
最大限発揮することで、
九州全体の
成長に貢献するとともに、
自らの大き
な成長に挑戦していきます。
「カーボンニュートラル
ビジョン2050」
実現に向けて
2020年12月の
「2050年カーボン
ニュートラルに伴うグリーン成長戦
略」
における試算によれば、
カーボン
ニュートラル実現に向けて電化を進
めていった場合、
電力需要は現在に比
べて30〜50%増加すると予測され
ています。
電化は私たちにとって大き
な成長のポテンシャルがあることか
ら、
需要・供給の両面から取組みを進
めます。
需要側からの取組みとして
は、
家庭、
業務、
産業、
運輸などのあら
ゆる分野で最大限の
「電化の推進」に挑戦するとともに、
住宅の断熱化、輸送、
運輸などにおける省エネ推進にも
取り組みます。
電化や省エネの取組
みには、
行政との協力や一定のルー
「九電グループ経営ビジョン
2030」
実現に向けた
重要課題
「九電グループ経営ビジョン2030」
は、
事業活動を通じて、
基盤である九
州の持続的発展に貢献し、
地域・社会
とともに成長していくための長期的な
経営の方向性として、
2019年6月に制
定しました。
その経営ビジョン実現に向
けて重要なのは、
「脱炭素社会への貢
献」
「お客さまに選ばれ続けるサービ
スカンパニーへの進化」
「地域との共生・
共創」
「チャレンジし続ける組織づ
くり」
だと考えています。
「脱炭素社会への貢献」
はエネル
ギー事業者にとっての責務であると同
時に当社にとっては追い風でもあり、
そのために懸命に努力することは、
「お
客さまに選ばれ続けるサービスカンパ
ニーへの進化」、ひいては
「地域との共
生・共創」
につながります。
昨今は、
CO2を排出しない電気を求めるお客さ
まが増えています。
3年前に再エネのメ
データ
価値創造ストーリー 戦略とパフォーマンス 価値創造の基盤
イントロダクション
社長メッセージP41(注記):安全性
(Safety)
を前提に、
安定供給
(Energy Security)、 経済効率性
(Economic Efficiency)、環境適合
(Environment)
の同時達成を目指すという日本のエネルギー政策の基本となる
4つの視点15 のために何ができるのかを考え抜き、
保有する強みを土台に更なる高みを
目指した挑戦を続けることで、
すべて
のステークホルダーの皆さまの期待
に応えていきます。
また、
中長期での
企業価値・株主価値向上に向けては、
成長投資やESGの取組みを強化する
とともに、
株主の皆さまの期待に応え
られるよう、
株主還元の更なる充実に
も注力してまいります。
なお、
私個人
としても、
株主の皆さまと同じ船に乗
るという観点から、
社長就任後の3年
間で株を買い増ししてきたところで
いう意味も込めており、
従業員一人ひ
とりが率先して挑戦する姿勢を表して
います。
「KYUDEN i‐PROJECT」により、
チャレンジする組織風土を醸成
するとともに、
各職場が柔軟な姿勢で
多様な価値観を尊重することでイノ
ベーションが進んでいくよう、
後押し
をしています。
こうした取組みは九電
グループの文化として、
着実に根づき
始めていると感じています。
また、
私は、
毎週約15分の社内テレ
ビ番組
「KAZ
(カズ)
サイト」
の中で、グループ全従業員に向けたメッセージを
発信しています。
そこでは従業員の皆
さんは私のことを
「カズさん」
と呼び、
私から経営ビジョン実現に向けた取組
みの重要性や従業員の皆さんへの感
謝を直接伝え、
組織の活性化や士気の
高揚を図っています。
ステークホルダーの皆さまへ
私たちは、
経営環境が大きく変化し
ていく中にあっても、
地球環境と社会
ニューを売り出した時はお客さまの反
応は小さかったのですが、
今は違いま
す。
企業はカーボンフッ
トプリントを重
視して取引先を選択し、
地方公共団体
もまたCO2を排出しないように努力を
するなど、
時代は大きく変わりました。
「チャレンジし続ける組織づくり」、すなわち、
社会の変化を先取りし、新たな事業・サービス創出など、
変革へ
絶え間なく挑戦し続けることができる
組織づくり・人材の育成も極めて重要
です。
九電グループには非常に優秀で真
面目な人材が多数在籍しており、
「九
電グループならでは」
のベースを形
づくっています。
真面目であるがゆ
えに、
新たな発想が難しい局面もあ
りますが、
たくさん知恵を出し合っ
て、
補い合いながら考え抜く姿勢を
大事にしています。
そうした中で、もう少し従業員の皆さんに柔らかさを
持ってもらいたいと考えてスタートし
たのが
「KYUDEN i‐PROJECT」
です。
「i」
にはイノベーションに加え
「私」とす。
今後、
収益構造を国内電気事業で
半分、
それから成長事業で半分といっ
た姿に進化させていこうとしています
ので、
株主還元の在り方も考えていく
必要があると思っていますが、
まず
は、
可能な限り早期に、
東日本大震災
前の配当水準である50円の復配を
実現したいと考えています。
これからも次代を切り拓き、
ステーク
ホルダーの皆さまのご期待に応えるべ
く、
グループ一丸となって邁進してまい
ります。
引き続き、
変わらぬご支援を賜
りたく、
よろしくお願い申し上げます。
データ
価値創造ストーリー 戦略とパフォーマンス 価値創造の基盤
イントロダクション
社長メッセージ
P51〜5216

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