1第10回「原子力の業務運営に係る点検・助言委員会」議事概要
1 日 時 平成29年12月15日(金) 13:15〜16:30
2 場 所 九州電力株式会社 本店
3 出 席 者 野口委員長、石窪委員、出光委員、伊牟田委員、松田委員
(社内委員)佐藤委員、長野委員 (幹事)コーポレート戦略部門 部長
4 議事概要
(1) 自主的・継続的な安全性向上等に係る最近の取組みについて(資料1)
o 自主的・継続的な安全性向上等に係る最近の取組み状況に関し、以下の内容
について説明した。
o 野口委員長から、
「新規制基準施行後、日本で最初に原子力発電所を再稼働
したトップバッターであり、
安全性向上の観点などにおける新たな要求に対し、
検討を進めていることは評価したい。
また、
川内に続き、
玄海原子力発電所も、
再稼働に向け、全力を傾けている状況である。このような時こそ、本委員会と
しては、きちんと地に足をつけて、多方面から、様々な課題に対する点検・助
言を行っていきたい」などの総括があった。
(2) 原子力安全性向上分科会、原子力コミュニケーション分科会 報告(資料2)
o 前回の委員会(平成28年10月開催)以降に開催した各分科会の概要等に
ついて報告した。
I はじめに
II 原子力の安全性
1 原子力発電所の取組み
2 地域防災への取組み
3 自然現象(地震・火山)に対する継続的な調査・観測及び観測体制
の強化
4 全社安全推進体制と主な取組み事項・実績
III コミュニケーション
1 原子力コミュニケーション活動の展開
2 「信頼の維持・向上に向けた情報発信」の展開 2(3) 今後のスケジュール (資料3)
o 原子力コミュニケーション分科会の開催を来年度4〜5月頃(第5回)
、原
子力安全性向上分科会を来年度中(第6回)の開催を予定している。
〔主な意見等〕
o 別紙「第10回原子力の業務運営に係る点検・助言委員会での提言」参照
以 上
〔委員会の様子〕 3第10回 原子力の業務運営に係る点検・助言委員会 での提言
1 取組み全般点検(評価)
しろまる 社外委員に対し、本委員会だけでなく各分科会でも相談を行い、外部の意見
を取り入れ、取組みに反映している点は、着実な歩みとして、評価したい。
〇 特定重大事故等対処施設の設置や他の電力会社とのアライアンスなど新たな
取組みを開始し、安全に向けて一歩一歩確実に推進していることに関しては、
評価したい。
ただ、
このような取組みを行う時には、
取組みの有効性や限界など
も踏まえつつ、改善を継続いただきたい。助言
しろまる 新規制基準施行後、日本で最初に原子力発電所を再稼働したトップバッター
であり、更なる安全性向上に向けた新たな要求に対し、可能なものについて検
討・実施していることは評価したい。今後は、可能な限り、具体的で実効性があ
る対策について、計画を前倒しして対応していただきたい。意見
〇 原子力発電所を、運転期間の原則40年を超えて延長するかなど、九州電力
における今後の原子力発電に関する施策に関しては、将来にわたる電力の安定
供給などを含めた中長期的な経営の視点も踏まえ、検討を継続されたい。
(注記) 点検:総括的な評価、助言:委員会の総意としての助言、意見:委員からの個別意見
2 原子力の安全性点検(評価)
しろまる 自然現象(地震・火山)に対する継続的なモニタリングを実施し、予兆があっ
た際の現段階で可能な対応もしっかり整理していることを確認できた。地域の
皆さまの安心につながるよう、このような情報を一般の方向けに広く公開する
と良い。
しろまる 自治体の避難計画等への支援に関しては、山間部などにお住まいの高齢者の
避難支援など、良い取組みである。地域の皆さまとのコミュニケーションが生
まれ、信頼の向上にもつながると思われるため、このような取組みを継続して
ほしい。
しろまる これまでは原子力の安全は原子力部門だけで考えていたが、全社大の安全取
組みについて、原子力を含めた全部門が連携して推進していることに、九州電
力の新たな姿勢を感じた。
今後は、
仕組みだけでなく実効性を高め、
他社の先行
モデルになる取組みとなるよう期待したい。助言
しろまる 玄海1号機の廃止措置に関しては、廃炉の場合は放射性物質の量が少ないと
いう話になりがちだが、例えば、廃棄物の輸送など廃炉には廃炉のリスクがあ
る。このようなリスクに対する考え方を明確にして、適切に対応していただき
たい。特に、被ばく管理も含め、作業者の安全確保の徹底を図ること。
しろまる 自治体と事業者は、原子力発電所の運転に関して、通常は互いが緊張感を持
って対応する必要があるが、地域防災に関しては、住民の命を守るという観点
から、
しっかりと連携し、
協力しながら対応する必要がある。
互いをカバーし合
うような関係を構築し、市民の要望に応え、理解を得ることが重要。
先日の国の原子力総合防災訓練においては、九州電力からの参加者はしっか
りと協力して対応していたが、今後も高い意識を持って訓練に取り組むことな
どにより、防災の実効力を高めていってほしい。意見
しろまる 神戸製鋼所の不適切行為に関する対応に関しては、神戸製鋼所のものだけに
限らず、九州電力として安全性をどのように担保していくかということを考え
なければならない。特に、コンピューター等には様々な部品が組み込まれてい
るというリスクが想定されており、そのような視点も含め、幅広に点検いただ
きたい。
しろまる サイバーセキュリティに関しては、対策室を設置するなど、セキュリティ対
策に取り組んでいることは良いこと。原子力の安全とサイバーセキュリティで
は異なる技能が必要となるため、しっかりと人材確保に努めてほしい。
(注記) 点検:総括的な評価、助言:委員会の総意としての助言、意見:委員からの個別意見
別 紙 43 コミュニケーション点検(評価)
しろまる フェイス・トゥ・フェイスの対話活動をはじめ、
講演会や積極的な情報発信な
ど、工夫、努力しながら、様々な形でコミュニケーション活動に取り組んでお
り、評価したい。更なる理解浸透に向け、これらの取組みを継続、進化させてい
っていただきたい。助言
しろまる 地域の皆さまの声がコミュニケーションに関わる部門の中でクローズしてい
る感がある。
市民の意見に対し、
九州電力全体としてどのようにお応えし、
取組
みにつなげていくかが非常に大事であり、そのような姿勢であることをもっと
示すべき。意見
しろまる 九州電力に対するお客さまからの信頼感は改善傾向とのことだが、コミュニ
ケーション活動がどれくらい貢献しているかなど、その理由を分析し、今後の
コミュニケーション活動に活かしていくことが必要。
しろまる エネルギーコミュニケーション活動については、エネルギー講演会における
運営面での課題等も踏まえ、
今後も、
相手の立場に立って考えながら、
活動を展
開していただきたい。
しろまる お客さまからの「電気は足りているのに原子力発電所を再稼働するのはなぜ
か」
との質問に対しては、
エネルギーミックスの必要性を説明しているが、
もっ
と九州電力の安定供給への努力などをわかりやすく伝えた方が良いのではない
か。
(注記) 点検:総括的な評価、助言:委員会の総意としての助言、意見:委員からの個別意見
以 上

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