2 0 2 1 年 7 月
九州電力株式会社
経営効率化への取り組み 1主な取り組み内容
2020年度
実績
需給関連費用 ・受入燃料品位緩和による燃料調達コストの低減 等 31
修繕費
・点検周期の見直し
・仕様見直しなど資機材調達の効率化 等123設備投資関連費用 ・仕様見直しなど資機材調達の効率化 等 43
その他
(諸経費等)
・仕様見直しなど資機材調達の効率化 等 57
合 計 - 254
(億円)
経営効率化への取り組み
しろまる 2020年度の効率化実績は、2019年4月の料金値下げに織り込んだ効率化計画161億円に対し、恒常的な効
率化の実施により、254億円(93億円の効率化深掘り)となりました。
しろまる 2021年度も、引き続き徹底した経営効率化に取り組んでまいります。
〔2020年度効率化実績〕 2o 供給安定性のある豪州炭をベースに、輸送費の低減が期待できる近距離のロシア・インドネシア炭や、欧州の
需要減少を受け価格の低減が見込まれる南米等からの石炭を調達しています。
o また、従来の高品位炭に加えて、安価な亜瀝青炭や標準品位炭(発熱量・硫黄分などの基本的な品位のみを
指定した石炭)の使用を拡大、更に経済性が見込まれる高灰分炭を導入し、調達価格の低減を図っています。
o その他、サプライチェーンにおける低炭素化の取り組みとして、LNGを燃料とする大型石炭専用船2隻につい
て、 2023年の竣工に向け船舶の詳細設計等を行っています。
〔石炭調達価格の低減と企業価値向上の取り組み〕
〔参考〕 経営効率化への取り組みの具体例
[低炭素化の取り組みによる企業価値の向上]
船舶燃料をLNGとすることで、従来の船舶燃料油
に比べて、硫黄酸化物(SOx)については約100%
、窒素酸化物(NOx)については約80%、二酸化炭
素(CO2)については約30%の排出削減を見込め
る等、温室効果ガスの削減に貢献しています。
イメージ提供:名村造船所、大島造船所
[調達先の多様化による調達価格の低減]
輸送費の低減 ベースとなる調達先
市況を捉えた
新規調達先の開拓 3〔ガスタービン高温部品の交換周期の延伸〕
o ガスタービンの部品の一部は、燃料を燃やした後の1,000°C以上の高温ガスにさらされ経年的に劣化が進行す
るため、定期的に交換を行っていますが、交換周期に到達した部品の材料試験を行い、余寿命評価を行った上
で、部品の交換周期の延伸を行っています。
[ガスタービン高温部品の交換周期延伸のイメージ]
交換 交換 交換
(延伸前)
(延伸後)
交換 交換
( 2万時間 ) ( 2万時間 ) ( 2万時間 )
( 2万時間 )
( 4万時間 ) ( 4万時間 ) (4万時間)
材料試験にて余寿命評価を実施し
交換周期を延伸
[ガスタービン]
ガスタービンの羽根
(高温部品の一例)
〔参考〕 経営効率化への取り組みの具体例(つづき) 4〔参考〕 経営効率化への取り組みの具体例(つづき)
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目
ボイラー 法定点検
タービン 法定点検
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目
ボイラー
法定点検 法定点検 法定点検
タービン
法定点検
[従来]
[システムS]
ボイラー:2年毎、タービン:4年毎の法定点検が必要
ボイラー、タービンの法定点検周期を最大6年に延伸
[火力発電所での常時監視]
o 2017年4月の電気事業法改正に伴い、定期安全管理審査制度が見直され、高度な運転管理(常時監視・予兆把握
技術など)を行っていると認定(システムS)された発電所については、法定点検の周期を最大6年に延伸することが
可能となりました。
o 当社は、システムSを取得した石炭・LNG火力発電所の法定点検周期延伸に努めることにより、運転可能日数の更
なる向上を図っていきます。
o また、今後IoTやAI等の先進的な技術を導入し、更なる保安の強化や運転管理の高度化を進めていきます。
〔火力発電所運転可能日数の更なる向上への取り組み〕 5〔参考〕 経営効率化への取り組みの具体例(つづき)
【送電設備】
【変電設備】AI無線
電線損傷
設備状況を管理し
改修計画を策定
設備データ等を
リアルタイムで
高速通信
AIで設備異常を
自動判定
無線
センサ
漏油
無線
〔最新技術を活用した業務効率化・高度化〕(送変電設備)
ドローンによる
鉄塔点検
高精度カメラを搭載した
ヘリによる電線点検
移動式カメラを活用した鉄塔点検
(ドローン・ヘリ飛行困難箇所等)
固定カメラ、ドローンによる
機器の外部点検
各種センサによる
劣化状況の把握
ウェアラブルカメラを用いて
事務所とリアルタイムで情報共有
[現場] [事務所]
ロボットによる
巡視点検
事務所から
技術支援
o 送変電設備の高経年化に的確に対応していくため、ドローンや固定カメラによる設備巡視・点検手法の確立や、
画像データから設備状況を解析する技術を開発し、導入しています。
o 引き続き、高精度カメラを搭載したヘリや巡視点検ロボットなどを活用し設備情報を効率的・効果的に取得すると
ともに、人工知能(AI)等を活用した劣化判定の自動化など、更なる業務効率化・高度化を進めていきます。 6〔6kV柱上変圧器へのリサイクル絶縁油の導入〕(配電設備)
[絶縁油リサイクル処理装置]
〔参考〕 経営効率化への取り組みの具体例(つづき)
制御盤
新品絶縁油
注油
抜油
撤去
変圧器修理または廃棄
設置
使用済絶縁油
売 却
柱上変圧器
リサイクル
絶縁油
( 現在のフロー リサイクルフロー【今回導入】 )
[絶縁油のリサイクル処理の流れ]
注油
リサイクル処理タンク
リサイクル処理
o 6kV配電線路の柱上変圧器に使用する絶縁油について、これまでは全て新油を購入・使用していましたが、
2021年度からはこれまで売却していた使用済絶縁油をリサイクル処理して使用します。
(使用済絶縁油のリサイクル処理技術は、当社グループ会社の株式会社キューヘンが九州工業大学と共同で開発)
o リサイクル絶縁油の導入により材料費のコスト低減を図るとともに、資源の有効活用による循環型社会の構築に
貢献していきます。
リサイクル絶縁油
を約7割使用予定 7〔資機材調達コスト低減への取り組み〕
〔参考〕 経営効率化への取り組みの具体例(つづき)
o 他産業出身者などの社外専門家を委員とした「調達改革推進委員会」を設置し、外部知見も活用しながら、更なる
調達コスト低減に向け、調達機能の強化を推進しています。
o 特に発注規模の大きな資機材や工事等については、現地・現物で原価改善活動を行う専任者を配置し、主管部門や
サプライヤーと協働した活動を展開しています。
(注記)1 対象品目の原価を構成する要素や変動要因を可視化し、コスト改善や
価格交渉のベースとするもの
(注記)2 製品・サービスに必要な機能を最小のコストで達成できるよう、
社内外の関係箇所と協力し、改善に取り組む活動
(注記)3 現場調査を実施し、コストの可視化や改善項目の抽出を通じてコスト
低減につなげる活動
[調達機能強化の構造]
[事例2] 共同調達
o 他電力やグループ会社との共同調達を実施し、
当社単独では得られないスケールメリットの活用
によるコスト低減に取り組んでいます。
o 2020年度は、蓄電池などに加え、新たに
キャリアリレー情報多重化装置の共同調達
を実施するなど、順次対象品目を拡大して
います。
o今後も新たな品目への展開を検討しながら、
共同調達を積極的に推進していきます。
コスト
テーブル(注記)1
原価低減目標
調達方針
グループ全体の
調達コスト低減の
取り組み
グループ
調達連絡会
VE活動(注記)2
多様な
発注方式
フィールド
スタディ(注記)3
上流段階からの
原価低減活動
発注方法の
工夫による
原価低減活動
サプライヤー
との協働による
原価低減活動
サプライヤー
評価・管理
グループ
調達研修
[事例1] サプライヤーの知見を活用したコスト低減
o サプライヤーからのVE提案により、耐張型コンク
リート支線柱の形状を見直し、内部に配筋する鋼材
使用量を削減することで、コスト低減を実現しました。
o こうした提案や協働活動等を通じ、
調達コスト低減に大きく貢献頂いた
サプライヤーを表彰する制度を設けて
おり、2020年度は2社を表彰しました。
[蓄電池]

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