資料1
前回(第3回)委員会でのご意見に対する
取組みについて
2021 年 4 月 19 日
九州電力株式会社
1.安全性向上評価関係
【ご意見】
【取組み状況】
о川内1,2号機については、それぞれ、前回の第 25 回定期検査(1号機)、第 24 回定期検査(2号機)において、特定重大事故等対処施設
及び常設直流電源設備(3系統目)を完成させ運用を開始している。
これらの設備設置による安全性向上への具体的な効果の確認について
は、以下のとおり、国へ届出を行う安全性向上評価において、実施す
る計画としている。
[第 4 回安全性向上評価届出]
・新規制基準適合のため、新たに配備した設備も含め、既設の安全対
策設備による格納容器内への注水ができない状態での、フィルタベ
ント等による格納容器破損防止の効果を定量的に評価する。
前回の定期検査以降 6 カ月以内に評価し届出
1号機:2021 年 6 月頃
2号機:2021 年 7 月頃
[第 5 回以降の安全性向上評価届出]
・常設直流電源設備(3 系統目)や特定重大事故等対処施設の重大事
故等への活用を考慮し、炉心損傷や格納容器破損の低減効果を定量
的に評価する。
新規制基準で要求されている特定重大事故等対処施設、
常設直流電源設
備(3系統目)の設置に当たって、自らの取組みとして、安全性向上の定
量的な評価を実施し、効果を確認することが望ましい。1 2.新型コロナウイルス関係
【ご意見】
【取組み状況】
о原子力発電所では、当社及び関係会社が一丸となり新型コロナウイル
スの感染防止及び感染拡大防止対策に努めていたが、玄海原子力発電
所で本年 1 月から 2 月にかけて複数の感染者が発生し、発電所内で感
染が拡大する事態となった。
оこのため、佐賀県や保健所等の関係機関の指導・連携を踏まえた、感染
防止及び感染拡大防止への取り組みを徹底するとともに、都度、速やか
にプレス公表を行うなど、タイムリーな情報発信に取り組んだ。
оまた、本事態を踏まえ、感染防止及び感染拡大防止対策の更なる強化
を図り、具体的な取り組み内容をホームページで公表するとともに
地元自治体や医師会などに説明を行った。
<強化した主な取り組み>
・感染が流行している地域への不要不急の移動を自粛するとともに、
緊急事態宣言地域への出張や外出の原則中止、及び帰省等のための
県外へ移動するものについて、感染予防対策や感染拡大防止対策を
確実に実施するよう徹底して管理
・定期検査や工事に伴う他県からの新規入構者については、原則、出
発地で事前に PCR 検査を実施 など
2020 年 4 月に玄海原子力発電所で関係会社社員が新型コロナウイルス
に感染して以降、川内原子力発電所も含め、感染者が出ていないのは、感
染防止対策にしっかりと取り組んでいることの現れである。また、日常生
活においてもしっかりと対策が行われている。そのことについて、情報発
信し、地域の理解を得ることが望ましい。2 3.廃止措置関係(1/2)
【ご意見】
【取組み状況】
о原子力発電所では、核燃料(新燃料、使用済燃料)が存在する期間中
は、原子炉等規制法により、防護区域の設定、及び内部脅威及び情報
漏えいの観点から防護措置が義務付けられ、玄海原子力発電所全体と
して防護措置を実施しており、
廃止措置中の玄海 1,2 号機においても、
以下の具体的な対策に取組んでいる。
・玄海 1,2 号機で廃止措置作業を請負う会社と機密保持契約を結んで
いる。
・原子炉等規制法に基づく、個人の信頼性確認制度を適切に運用し、
一人ひとりの作業者に対して、内部脅威者にならないことを確認し
た上で、業務を行っている。
・廃止措置も含め発電所の構内で業務に従事する全ての作業者に対し
て、核物質防護教育により、核セキュリティ文化の醸成、徹底を
図っている。
<個人の信頼性確認の制度概要>
・内部脅威者をあらかじめ抽出及び排除するため、特定核燃料物質の盗
取及び妨害破壊行為の防止に必要な範囲内で、関連会社従業員を含む
従業者の個人情報を収集分析し、施設や情報へのアクセスの適格性を
審査する制度
・具体的には、内部脅威者となるおそれがあるか否かを確認する目的か
ら、1身分/経歴詐称の有無、2経済的困窮の有無、3暴力団/テロ組
織との接触の有無、4正常な事理弁識能力の有無(薬物、アルコール
検査、
適性検査で確認)、5核物質防護上の非違歴の有無等について確
認を実施する。
廃止措置では、プラント運転中とは異なり、様々な業種の人が入ってく
るため、セキュリティ対策が重要となる。3 3.廃止措置関係(2/2)
【ご意見】
【取組み状況】
о廃止措置における使用済燃料及び新燃料の取り出し作業や大型機器の
解体作業は、原子力安全の確保や労働安全の確保の観点から、地震発
生時の影響を考慮した対策を適切に実施する必要がある。
о新燃料は第1段階に搬出、使用済燃料は第2段階(2026 年度〜2040 年
度)において搬出する予定である。
新燃料貯蔵庫や使用済燃料貯蔵プールから取り出し、それぞれ専用の
輸送容器を用いて搬出することになるが、その一連のプロセスにおい
て、地震発生時の転倒防止対策や落下防止対策等も含めた安全の確保
対策について検討を行っていく。
оまた、第1段階中に今後予定している2次系の大型機器及び第2段階
からの1次系の大型機器の解体については、これから解体方法や手順
について、地震発生時の倒壊等も念頭にしっかり作業安全が確保でき
るよう、今後、綿密に検討を行っていく。
о全作業共通的な事項については、地震に備えた資機材の固縛等につい
ても、今後、本格化する解体作業において取り組んでいく。
廃止措置に関しても、
燃料の取り出し作業や解体作業中に地震が発生し
た場合の影響を考慮して、安全の確保に適切に取り組んでほしい。4 4.作業安全確保関係(1/3)
【ご意見】
【取組み状況】
о長尺物の取り扱いについては、以下について留意する必要がある。
・操作者から全体を見渡せず、特に移動時において他の機器と干渉す
る恐れがある。
・他の機器との位置合わせにおいて、先端の状態が不安定である。
о以上の留意点を踏まえ、作業にあたっては、一つ一つの手順をしっか
りと遵守することに加え、以下の対策を実施している。
・工具の操作者とは別に監視人を配置し、他機器への干渉や労働安全
確保の観点から、
Wチェックを行うとともに、
作業完了を確認したこ
とを確かめて、次の作業へ進むなどの対策を徹底している。
о今後とも、要領書の事前の読み合わせや、作業者の危険予知活動を適
切かつ綿密に行うことにより、関係会社も含め、関係者全員で徹底し
て取り組んでいく。
川内 1 号定期検査における制御棒の曲がり発生、
玄海 3 号定期検査にお
けるプラギングデバイス変形について、長尺物(長い治具)による取り扱
いという観点での対策についても検討した方がよい。5 4.作業安全確保関係(2/3)
【ご意見】
【取組み状況】
о玄海原子力発電所については、
昨年 10 月から実施した作業点検の一環
として、社外の労働安全コンサルタントによる現場パトロールや安全
衛生協議会メンバーを対象とした安全講演会を開催し、安全確保のた
めの助言を頂き、改善につなげた。
оまた、川内原子力発電所においても、玄海での取組みを踏まえて、社
外の労働安全コンサルタントによる現場パトロールや安全講演会を実
施した。
<助言>
・教えるだけでなく、作業を観察して必要な指導を行い、実際に履行
できるよう育てることが重要
・作業責任者として、正・副を置いているが、責任分担を明確にし
た適切な体制を構築することが重要
・安全確保のために、作業環境に潜むリスク(ちょっとした段差や足
場の隙間など)を認識し、極力解消することが重要
・仮設はしごが垂直に近い角度で取り付けられており、落下や滑り防
止の観点から十分な角度(75 度以内)を付けて設置した方がよい
<改善>
・ルールやあるべき振る舞いを伝えるだけでなく、作業を観察し必要
な指導を行うことについて、講演内容を踏まえ、意識の高揚を図っ
た。
・現場作業に係る複数の作業責任者の選任にあたっては、責任分担を
明確化した。
・仮設足場の段差や隙間、仮設分電盤の雨水養生等について手直
しを実施した。
・現場の仮設はしごを点検し、必要な措置を実施した。
玄海における、クレーン吊荷の落下及び火災(仮設電源盤ケーブル)の
要因を見ると、安全確保に対する基本的な取り組みが出来ていない。個々
の再発防止対策に取り組むだけでは、うまくいかないと考えられ、品質管
理も含めて、専門家にも相談し、様々な面からチェック、指導を受けるこ
とが望ましい。6 4.作業安全確保関係(3/3)
【ご意見】
【取組み状況】
о廃止措置作業においては、放射線に対する作業安全の他に、一般的な
高所作業対策、感電防止対策、粉じん障害対策、酸欠防止対策及び騒
音防止対策等に加え、薬品タンク解体の際の薬品による人体への被害
防止や大型機器解体時の倒壊、吊り荷の落下防止の対策等が重要と考
えられる。
оこれらの対策をしっかり遵守し、作業安全を確保するためには、綿密
な解体手順の検討・策定、必要な防護具の着用等に加え、事前の作業
要領書の読み合わせや、作業前の危険予知活動の徹底が必要であり、
関係会社も含め、関係者全員が一丸となり取り組んでいく。
оまた、実際の作業に当たっては、社外コンサルタントの第3者的視点
でのチェックや、管理層による現場確認等により、改善を継続すると
ともに、これまで経験のない解体作業であることを踏まえ、予期せぬ
事態に対しては、一旦立ち止まり、解体手順の妥当性等をしっかりと
検証していく。
玄海 1,2 号の廃止措置では、放射線管理等の原子力安全に、直接つなが
るもののみならず、作業安全にもしっかりと取り組む必要がある。7 参考1
原子力発電所における新型コロナウイルス対策の更なる取組みについて
当社の原子力発電所では、電力の安定供給及び地域の皆さまから安心し信頼してい
ただく観点から、発電所内で業務に従事する全ての当社社員及び請負会社社員が、新
型コロナウイルスに対する感染予防対策及び感染拡大防止対策に徹底して取り組んで
います。
また、昨今の全国的な感染拡大や国の緊急事態宣言発出、並びに発電所関係者の感
染事案発生を踏まえ、地域の皆さまへの安心につなげられるよう、他県からの新規業
務従事者への対策及び業務時間外や休日における取組み等を強化し、当社社員のみな
らず請負会社社員に対しても注意喚起と周知徹底を図り、発電所内で業務に従事する
者全てが、家族も含め徹底して感染予防対策及び感染拡大防止対策に取り組んでまい
ります。
引き続き、原子力発電所の運営のみならず、新型コロナウイルス対策に関しまして
も、地域の皆さまの安全や信頼につなげられるよう、原子力発電所における感染予防
及び感染拡大防止への具体的な取組みや感染者が発生した場合の速やかな公表など、
積極的な情報の公開・発信を行います。
1.取組みの強化及び積極的な情報公開・発信
(1)業務時間外も含めた対策の徹底
・宿舎内や外出時等の私的な時間帯における、3密を回避した行動を徹底
・会食・懇親会については、帰省時や家族を含めた私的時間帯においても、
当面の間、原則自粛
・感染が流行している地域への不要不急の移動を自粛するとともに、緊急事態
宣言発出地域への出張や外出の原則中止、及び帰省等のため県外へ移動
する者について、感染予防対策や感染拡大防止対策を確実に実施するよう
徹底して管理
[他県からの入構者への対策]
・発電所立入り予定の2週間前からの健康状態や行動履歴等に問題がないこと
を確認
特に行動履歴中に会食等がある場合は入構不可
・新たに発電所に立入る者は、立入り前に保健師等による専門的な問診を
実施し、少しでも感染の恐れがないことの確認を徹底
・今後の定期検査や工事に伴う他県からの新規入構者については、原則、出発
地で事前にPCR検査を実施
2021年2月9日
九州電力株式会社
参考2
(2)注意喚起と対策の周知徹底
・業務時間外や休日における取組み等の対策の強化についても、当社社員、
請負会社社員、その家族全てに浸透するよう、改めて発電所内の当社と
請負会社で構成する「安全衛生協議会」を開催し、注意喚起と周知徹底を
実施
・今後も感染予防対策及び感染拡大防止対策に確実に取り組むよう、定期的
に取組状況をチェックするとともに、継続的に注意喚起や周知徹底を実施
(3)地域の皆さまの安全・安心につながる積極的な情報の公開・発信
・感染予防対策、感染拡大防止対策への取組みについて、さまざまな機会を
通じた説明や情報公開、情報発信に努めており、今後とも、積極的に
実施
・感染者が発生した場合には、
関係機関へ迅速な情報連絡を行うとともに、
感染拡大防止対策の状況等についてプレス公表を実施
2.基本的な対策
(1)感染予防対策
[業務管理]
・手洗い、うがい、アルコール消毒、咳エチケットの徹底
・風邪の症状、味覚・臭覚の異常兆候がある場合の出勤待機(症状が継続
する場合や息苦しさ・強いだるさ・高熱等の強い症状の何れかがある場合
には受診・相談センターへの連絡を指示)
・通勤車両(通勤バス等)内の対策(換気、マスク着用、消毒等)
・執務室への入室前(直前)のアルコール消毒の更なる徹底及び定期的な
換気の実施
・共用部に不要なものを置かないようにするとともに、定期的な消毒を実施
・多数の参加者が集まる会議開催の自粛
・一般見学等の一時立入の受付停止
・業務上必要な部屋以外の出入りを原則禁止
[出張・外出]
・出張、外出は、TV 会議の活用などにより原則実施しない。実施する場合でも
必要性を精査して慎重に実施(請負会社社員へもお願いを実施)
[安全・安定運転継続対策]
・運転当直員は、通勤時を含めた勤務時間中のマスク着用
・運転当直員の食事時の他の社員との隔離
・運転当直員以外の中央制御室への不要不急の入室禁止(入室の際は健康
確認、アルコール消毒、マスク着用)
・運転当直員を号機間で離隔(中央制御室における運転当直員間の間隔を
確保、通勤車両の分乗)
・要員の確保等の交代体制の確保
・当直課長席周辺に飛沫感染防止のためのアクリルボードの設置
(2)感染拡大(集団感染)防止対策
・PCR検査受検の段階から、迅速な情報把握のための関係者間の連絡を徹底
・PCR検査結果を待たず、
直ちに当該社員
(請負会社社員)
が勤務していた
職場やエレベータなどの共用部分の消毒を実施
・また、自主的に接触の可能性がある者を特定し、出勤待機などの対策を
実施。その後、感染が判明した場合は、保健所の指示に従い適切に対応
・出勤待機中は、
健康状態の変化に留意し、
不要不急の外出自粛、
行動管理の
徹底
以 上

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