別 紙
株式会社フジクラの不適切事案に対する当社原子力発電所への影響について
当社は、株式会社フジクラ(以下「フジクラ」という。
)及びグループ会社の製品
の一部における品質管理に関わる不適切な事案(平成 30 年8月 31 日フジクラ公表)
に対する当社原子力発電所への影響について、調査結果を取りまとめ、安全性に
影響がないことを確認した。 (平成 30 年9月5日 お知らせ済み)
今回、フジクラより不適切な事案があるとの追加の報告を受けたため、当社原子力
発電所の安全性への影響について以下のとおり確認した。
1.フジクラからの追加の報告内容
・製品の一部において、
品質管理に関する不適切な事案が存在することが判明した。
・不適切な事案は、顧客が要求する試験に対してのものであり、製品の性能に
影響するものではない。
・不適切製品のうち、九州電力の原子力発電所には以下の納入実績がある。
製 品 [型 式] 不適切な事案 納入先
高圧
難燃ビ ニルシー ス 電 力ケ ー ブル
(6.6kV)
[FR-CHV-S]
・導体抵抗測定数不足
・絶縁抵抗測定器のレンジ不足
・出荷時の試験成績書に実際の試験
結果と異なる値を記載
玄海
低圧
難燃ビニルシース電力ケーブル・
制御ケーブル(600V)
[FR-SHVV-S,FR-SHCVV-S 他]
・導体抵抗及び絶縁抵抗測定数不足
・出荷時の試験成績書に実際の試験
結果と異なる値を記載
玄海
2.当社原子力発電所の使用状況
当社原子力発電所設備について、
不適切行為のあったケーブルが使用されているか
確認した結果、主に玄海原子力発電所3号機の建設時に設置されたものであること
を確認した。
製 品 [型 式] 不適切製品と同型式製品の使用箇所
高圧
難燃ビニ ルシー ス電 力ケ ーブル
(6.6kV)
[FR-CHV-S]
・原子炉補機冷却水ポンプモータ、充てんポン
プモータなどの高圧電力ケーブル
低圧
難燃ビニルシース電力ケーブル・
制御ケーブル(600V)
[FR-SHVV-S,FR-SHCVV-S 他]
・使用済燃料ピットポンプモータ、ほう酸ポン
プモータなどの低圧電力ケーブル
・ポンプモータ、弁などの制御用ケーブル
3.健全性評価結果
不適切行為のあったケーブルについて、フジクラでの製造実績及びケーブル敷設
後の性能確認の観点から次のとおり評価し、健全性に問題のないことを確認した。
(1)製造実績からの健全性確認
a.高圧電力ケーブル(a)「導体抵抗測定数不足」に対する確認
ケーブルは、1本の線心を製造した後、3本に切断し撚り合わせて1本の
ケーブルとして製品化している。
導体抵抗の測定は、全ての線心を測定すべきところ、1本の線心しか測定
していなかったが、元は一つの線心であり、同等の測定値と考えられること
から、ケーブルの品質に問題はないと判断した。(b)「絶縁抵抗測定器のレンジ不足」に対する確認
使用した測定器のレンジ(測定範囲)が、規格値を測定できないもので
あったが、過去の試験結果より長期にわたって規格値を十分満足している
ことから、測定器のレンジ不足であっても品質は保たれている。(c)「出荷時の試験成績書に実際の試験結果と異なる値を記載」に対する確認
試験成績書の元となる試験記録を確認し、製造時に実施していた試験結果
が規格値を満足していた。
b.低圧電力・制御ケーブル(a)「導体抵抗及び絶縁抵抗測定数不足」に対する確認
ケーブルは、1本の線心を製造後、複数本に切断し撚り合わせて1本の
ケーブルとして製品化している。
導体抵抗及び絶縁抵抗の測定は、全ての線心を測定すべきところ、1本の
線心しか測定していなかったが、
元は一つの線心であり、
同等の測定値と考え
られることから、ケーブルの品質に問題はないと判断した。(b)「出荷時の試験成績書に実際の試験結果と異なる値を記載」に対する確認
試験成績書の元となる試験記録を確認し、製造時に実施していた試験結果
が規格値を満足していた。
(2)ケーブル敷設後の性能確認
当社は、ケーブル敷設時にケーブル性能(絶縁抵抗測定等)の確認を実施し、
問題のないことを確認している。また、機器据付後においても定期的に絶縁抵抗
測定や機器の動作確認を実施し、問題のないことを確認している。
これまで、当社原子力発電所の運転、定期点検時に異常は認められていない。
4.まとめ
当社は、フジクラの不適切行為のあったケーブルが玄海原子力発電所で使用され
ていることを確認したが、健全性に問題がないことを評価し、当社原子力発電所の
安全性に影響はないと判断している。
今後、フジクラより新たな不適切な事案が発表された場合、適切に対応する。
以 上

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