2018年6月、
当社は、
監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。
そこで、
瓜生会長及び社外取締役である渡辺氏、
菊川氏に、
移行によるメリッ
トや社外取締役の役割
などについて伺いました。
取締役
(社外)
菊川 律子
取締役
(社外)
渡辺 顯好
代表取締役会長
瓜生 道明
特集 3 監査等委員会設置会社への移行
50 九電グルー
プ アニュアルレポート 2018 特集3 監査等委員会設置会社への移行
ESG Section51九電グルー
プ アニュアルレポート 2018 Q1監査等委員会設置会社へ移行しましたが、
どのようなメリッ
トを期待していますか
A1 「ガバナンスの強化」
および
「意思決定の迅
速化」
という
2つのメリットが期待されます。
今回の移行により、
これまでの監査役に代
わり監査等委員を設置しましたが、
取締役で
もある監査等委員は、
取締役の人事や報酬な
ど経営陣の提案に意見を述べる権限に加え、
取締役会での議決権を有することになりま
す。
このため、
従来の監査役会設置会社に比
べて、
取締役会の監督機能を強化できると考
えております。
また、
法令、
定款に定められているものを除
き、
重要な業務執行の決定を取締役会から取
締役へ委任できるようになりました。
権限委
任を通じた意思決定の迅速化は、
環境変化の
スピードが速い中、
成長事業等を推進するう
えで非常に有益であると考えております。
瓜生
52 九電グルー
プ アニュアルレポート 2018 Q2監査等委員会設置会社において、
「監査等委員でない社外取締役」
の役割はどのように変わると考えますか
A2 渡辺取締役、
菊川取締役のお二人には、
「監
査等委員でない社外取締役」
という立場で、
引き続き独立した社外の視点から経営に関与
していただくことを期待しています。
当社は、
監査等委員会設置会社への移行に
伴い、
取締役へ意思決定を委任した事項につ
いては、
経営会議で協議を行うこととしてお
り、
これまで以上に経営会議の重要性が高ま
ります。
取締役会の監督機能の維持、
強化を
図る観点から、
お二人には、
これまで同様、取締役会だけでなく経営会議においても、
経営
課題全般について助言いただくことがますま
す重要になると考えております。
私たち社外取締役には、
社外の視点を持
ち、
客観的な立場から率直に意見を述べ、業務執行を監督する役割があります。
取締役へ
の権限委任は、
経営にスピード感が生まれる
というメリッ
トがある一方で、
経営判断を誤る
と企業価値を損なうリスクを伴います。
私た
ちは、
取締役会だけでなく経営会議にも出席
し、
それぞれの経験を踏まえた発言を心掛け
ております。
取締役の経営判断を後押しする
ことで経営の迅速性を維持しつつ、
リスクコン
トロールの観点で、
時にはブレーキ役となり、
業務執行を適切に監督するよう努めてまいり
たいと考えております。
菊川取締役が仰るとおり、
業務執行を監督
するという観点で、
私たち社外取締役が経営
会議に関与することは、
これまで以上に重要
になります。
コーポレートガバナンス・コード
では、
社外取締役を少なくとも2名以上選任
すべきとされていますが、
監査等委員会設置
会社へ移行する企業によっては、
社外監査役
を監査等委員である社外取締役とすることで
要件を満たすケースもあると聞いております。
「監査等委員でない社外取締役」
という立場
を与えられた意図を十分に理解し、
株主の意
見を取締役会に適切に反映させるとともに、
中長期的な企業価値の向上に寄与してまいり
たいと考えております。
渡辺
菊川
瓜生特集3 監査等委員会設置会社への移行
ESG Section53九電グルー
プ アニュアルレポート 2018
Q3 池辺社長による新体制となりますが、
今後の抱負をお聞かせください
A3 私が社長を務めた6年間で、
原子力再稼働
や自由化による競争対応、
イノベーションの
取組みなど中長期の成長に向けて、
一定の道
筋をつけることができたと思っております。今後、
本格的な成長段階を迎えるにあたっては、
新たな力に経営の舵取りを託すべきと判断い
たしました。
池辺社長は、
知識や能力、
経験はもちろん
のこと、
視野の広さや胆力を含めた総合力が
抜群で、
企業経営に関する知見も豊富であ
り、
これまでも彼とは、
幅広く経営課題につい
て議論を重ねてまいりました。
池辺社長であ
れば、
今後の時々刻々と変わる事業環境に応
じて迅速かつ的確に判断を行い、
企業価値を
さらに高めることができると確信しておりま
す。
私は、
池辺社長が有する資質を十分に活
かしてリーダーシップを発揮できるようバック
アップするとともに、
取締役会議長として、取締役会における監督機能のさらなる強化に努
めてまいります。
池辺社長は、
これまで中期経営方針や財務
目標の策定、
イノベーションの取組みなどに
携わり、
当社グループがチャレンジする道筋
をつくってこられました。
私も人事等検討委
員会の委員長として、
池辺社長が適任と考え
ました。
また、
今年度からは、
新体制における新たな
取組みとして、
役員を対象とした業績連動型
渡辺
瓜生
54 九電グルー
プ アニュアルレポート 2018
株式報酬制度が導入されました。
私は報酬検
討委員会の委員長として検討に携わりました
が、
この制度は、
報酬として支給する株式が財
務目標である連結経常利益の目標値1,100
億円の達成度に連動する仕組みとなっていま
す。
これにより、
株主と企業価値を共有すると
ともに、
企業価値向上および株価上昇に対す
る経営陣の貢献意欲を一層高めることができ
ると考えております。
このように、
稼ぐ意識が高まる一方で、
業務
執行の適法性や妥当性が損なわれることが
ないよう、
社外取締役として、
監督の役割をき
ちんと果たしてまいります。
これからの電気事業には、
新たな市場の導
入など不確定な要素が多く、
過去の成功体験
が通用しない難局が待っています。
それを乗
り越えていくためには、
ステークホルダーの
考えや時代のニーズを理解し、
新しい発想で
挑戦していかなければなりません。
当社には、IR活動で得られた投資家の声を定期的に取
締役会に報告する仕組みがあり、
取締役全員
に共有されております。
それらの投資家の声も踏まえ、
新体制にお
いても「『日本一のエネルギーサービス』
を提
供する企業グループ」
の実現に向け、
社外の
立場だからこそできる有益な提言を心掛けて
まいります。
菊川特集3 監査等委員会設置会社への移行
ESG Section55九電グルー
プ アニュアルレポート 2018

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