1

川内1,2号機の更なる安全性・信頼性向上への取組みに係る
原子炉設置変更許可申請の概要
1.特定重大事故等対処施設の設置【図−1参照】
平成25年7月施行の新規制基準において、原子炉補助建屋等への故意による大
型航空機の衝突その他のテロリズムにより、原子炉を冷却する機能が喪失し炉心が
著しく破損した場合に備えて、原子炉格納容器の破損を防止するための機能を有す
る施設の設置が要求されているため、特定重大事故等対処施設を設置する。 〇特定重大事故等対処施設の主な設備は、以下のとおり。
(各号機に設置)
1原子炉冷却材圧力バウンダリを減圧操作するための設備
・窒素ボンベ(加圧器逃がし弁用)
(特重)を設置 2原子炉内の冷却及び原子炉格納容器内の冷却をするための設備
・代替注入ポンプ、多目的貯水槽等を設置 3原子炉格納容器の過圧破損を防止するための設備
・フィルタベントを設置 4水素爆発による原子炉格納容器の破損を防止するための設備
・特定重大事故等対処施設静的触媒式水素再結合装置を設置 5特定重大事故等対処施設の機器へ電力を供給するための専用の電源設備
・ガスタービン発電機等を設置 6特定重大事故等対処施設として設置した機器を制御(操作・監視)する
ための設備
・緊急時制御室を設置(1,2号機共用)
2.常設直流電源設備の設置(各号機に設置)
【図−2、5参照】
平成25年7月施行の新規制基準において、現在設置済である常設の直流電源設
備に加え、もう1系統の特に高い信頼性を有する電源設備の設置が要求されている
ため、常設直流電源設備(3系統目)を設置する。
(別 紙) 23.緊急時対策所の変更(1,2号機共用)
【図−3、5参照】
当初、
「緊急時対策所の機能」と「それをサポートする機能(支援機能)
」を持つ
「免震重要棟」を設置することとしていた。
新規制基準で要求される「緊急時対策所の機能」は、現在運用中の「代替緊急時
対策所」で満足しており、今回、自主的な取組みとして、支援機能を持つ「耐震支
援棟」を同対策所の近傍に設置することとし、
「代替緊急時対策所」の名称を「緊急
時対策所」へ変更する。
4.受電系統の変更(1,2号機共用)
【図−4、5参照】
信頼性向上を図るため、所外から受電する回線数を、現行の3回線から6回線に
増強するとともに、特高開閉所の更新を行う。 回線数
設備名
現行 変更後
1 50万V送電線 2回線 2回線
2 22万V送電線 1回線 4回線
回線数(合計) 3回線 6回線
<参考:特定重大事故等対処施設、常設直流電源設備(3系統目)の経過措置>
平成27年11月13日の原子力規制委員会において、経過措置期間(猶予期間)
を本体施設等の工事計画認可から5年とする見直し案が提示され、パブリックコメン
トを経て、平成28年1月に施行される予定。 以 上 3図−1 特定重大事故等対処施設の概要図
図−2 常設直流電源設備の概要図
:常設直流電源設備
6.6kV母線
充電器盤
440V母線
コントロールセンタ(440V)DG直流コントロール
センタ(125V)負荷
(安全防護系用)
充電器盤
重大事故等対処用直流
コントロールセンタ(125V)
蓄電池
(重大事故等対処用)
蓄電池
充電器盤
(3系統目)
蓄電池
:常設直流電源設備
6.6kV母線
充電器盤
440V母線
コントロールセンタ(440V)DG直流コントロール
センタ(125V)負荷
(安全防護系用)
充電器盤
重大事故等対処用直流
コントロールセンタ(125V)
蓄電池
(重大事故等対処用)
蓄電池
充電器盤
(3系統目)
蓄電池
原子炉格納容器
制御棒
加圧器逃がし弁
タンクへ加圧器蒸気発生器
5ガスタービン
発電機
3フィルタ
ベント
6緊急時制御室
:特定重大事故等対処施設
2代替注入ポンプ
2多目的貯水槽
4特定重大事故等対処施設
静的触媒式水素再結合装置
1窒素ボンベ
(加圧器逃がし
弁用)(特重)
原子炉格納容器
制御棒
加圧器逃がし弁
タンクへ加圧器蒸気発生器
5ガスタービン
発電機
3フィルタ
ベント
6緊急時制御室
:特定重大事故等対処施設
2代替注入ポンプ
2多目的貯水槽
4特定重大事故等対処施設
静的触媒式水素再結合装置
1窒素ボンベ
(加圧器逃がし
弁用)(特重) 4図−4 受電系統変更の概要図
図−3 緊急時対策所の概要図
現行
:新設
:撤去
:既設
変更後2号発電機1号発電機
150万V送電線
(川内原子力線)
連絡用
変圧器
1/2号予備
変圧器
222万V送電線
(新鹿児島線)
222万V送電線
(川内原子力連絡線)
150万V送電線
(川内原子力線)2号発電機1号発電機
222万V送電線
(川内原子力支線)
1/2号予備
変圧器
現行
:新設
:撤去
:既設
:新設
:撤去
:既設
変更後2号発電機1号発電機
150万V送電線
(川内原子力線)
連絡用
変圧器
1/2号予備
変圧器
222万V送電線
(新鹿児島線)
222万V送電線
(川内原子力連絡線)
150万V送電線
(川内原子力線)2号発電機1号発電機
222万V送電線
(川内原子力支線)
1/2号予備
変圧器 5図−5 常設直流電源設備、緊急時対策所、特高開閉所の配置図
(原子炉補助建屋EL.約‐9m)
1号機
2号機
取水口
放水口N(EL.約25m)
(EL.約25m)
耐震支援棟
(自主的に設置)
緊急時対策所
常設直流電源設備
(EL.約13m)
(EL.約35m)
特高開閉所(既設撤去)
特高開閉所(新設)
(原子炉補助建屋EL.約‐9m)
1号機
2号機
取水口
放水口NN
(EL.約25m)
(EL.約25m)
耐震支援棟
(自主的に設置)
緊急時対策所
常設直流電源設備
(EL.約13m)
(EL.約35m)
特高開閉所(既設撤去)
特高開閉所(新設) 6 用 語 等 の 解 説
〇原子炉冷却材圧力バウンダリ
原子炉圧力容器、原子炉冷却系の配管、隔離弁などからなり、これが破壊されると
原子炉冷却材喪失事故となる範囲の施設 〇窒素ボンベ(加圧器逃がし弁用)
(特重)
窒素ボンベ(加圧器逃がし弁用)
(特重)から加圧器逃がし弁に窒素を供給し、同弁
を開弁させ原子炉内の圧力を下げるための設備 しろまる代替注入ポンプ
原子炉内の冷却及び原子炉格納容器内の冷却をするため、モータ駆動により送水す
るポンプ 〇多目的貯水槽
代替注入ポンプを用いた原子炉内の冷却及び原子炉格納容器内の冷却をするための
水源 〇フィルタベント
原子炉格納容器内の圧力が異常に上昇した場合、原子炉格納容器の損傷を防止する
ため、その内部の蒸気を放出(ベント)し、圧力を低減するとともに、放射性物質を
低減させる装置 〇特定重大事故等対処施設静的触媒式水素再結合装置
触媒(白金、パラジウム)により、水素と酸素を反応させ、水にすることで、格納
容器内の水素濃度を低減する装置 〇ガスタービン発電機
燃焼させたガスによりタービンを回し発電する装置であり、特定重大事故等対処施
設の機器へ電力を供給するための電源設備 〇緊急時制御室
特定重大事故等対処施設の機器を操作・監視するための設備 〇蓄電池
重大事故等の対応に必要な機器に電力を供給するための電源設備 〇特高開閉所
外部からの電気を受電及び発電した電気を送電線へ送るための設備

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /