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世界保健機関

環境保健基準No.238(平成19年)
ファクトシートNo.322(平成19年)

世界保健機関(WHO)が1996年より国際電磁界プロジェクトとして健康リスク評価を実施してきたが、2007年6月、その結論として、ファクトシート「電磁界と公衆衛生 超低周波の電界及び磁界への曝露」を公表した。
同ファクトシートは、WHOのタスクグループが作成した超低周波電磁界に対する環境保健基準No.238に基づくものである。

ファクトシートにおける健康リスク評価と推奨事項

(1)健康リスク評価

  1. 短期影響(急性影響)
    高レベル(100μTより遥かに高い)での急性曝露による生物学的影響は確立されている。
  2. 潜在的長期影響(慢性影響)
    • a.小児白血病
      全体として小児白血病に関する科学的証拠は、因果関係があると見なせるほどには強くない。
    • b.その他の病気(小児白血病以外の小児ガン、成人のガン、抑うつ、自殺、生殖機能不全、発育異常、免疫学的修飾、神経学的疾患など)
      小児白血病以外の健康影響との関連性を支持する科学的証拠は、小児白血病の場合より更に弱いか、原因ではないことを示唆する証拠がある。

(2)推奨事項

  1. 短期影響(急性影響)

    政策決定者は、職業者と一般公衆を急性影響から防護するために、国際的なガイドラインを採用すべき。

  2. 潜在的長期影響(慢性影響)

    政府と産業界は、超低周波電磁界の健康影響に関する科学的な不確実性を減少させるため、科学を注視し、研究プログラムを推進すべき。

    加盟国は、すべての利害関係者による、情報を提示した上での意思決定を可能とする効果的で開かれたコミュニケーション・プログラムを構築することが奨励される。

    設備の新設時や電気製品等の装置を新たに設計する際は、曝露を減らす低費用の方法が探索されるのはよい。適切な曝露低減方策は国ごとに異なる。但し、恣意的に低い曝露限度を採用した政策は是認されない。

短期影響(急性影響)

強い磁界を浴びることにより、体への影響が急激に現れること。磁界により体内に誘導される電流に起因する「刺激作用」の存在が、科学的に明らかとなっている。

潜在的長期影響(慢性影響)

弱い磁界を日常的に浴びることにより、体への影響が現れること。様々な疾病に関する仮説があるが、科学的に明らかになっているものはない。

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