参 考 資 料
参考資料1 地震と津波の重畳評価における継続時間の考慮について
地震と津波の重畳評価における継続時間の考慮について
1.評価実施事項
福島第一原子力発電所事故で発生した事象をふまえ、
「5.3 地震と津波の重畳」の
評価において、全交流電源喪失、最終ヒートシンク喪失の影響を考慮した、燃料の重大な
損傷を防止するための機能の継続時間を評価する。
2.評価方法
緊急安全対策整備後における、地震と津波の重畳の評価結果から特定された収束シナリ
オにおいて、全交流電源喪失、最終ヒートシンク喪失を考慮した評価を行う。
具体的には、地震、津波、全交流電源喪失、最終ヒートシンク喪失の評価項目の組合せ
を考慮して以下の評価を行う。
1 地震と津波の重畳+全交流電源喪失
全交流電源喪失から燃料の重大な損傷までの事象の過程において、想定される地震、
津波の設備への影響を考慮した給水及び電源機能の継続時間並びにクリフエッジの特
定評価を行う。
2 地震と津波の重畳+最終ヒートシンク喪失
最終ヒートシンク喪失から燃料の重大な損傷までの事象の過程において、想定され
る地震、津波の設備への影響を考慮した給水及び電源機能の継続時間並びにクリフエ
ッジの特定評価を行う。
(注記) 想定した地震又は津波で機能喪失する設備・機器については、防護措置から除外する。
参考資料1
3.評価結果
1 地震と津波の重畳+全交流電源喪失
地震及び津波の重畳の評価結果より、考慮すべき起因事象として「外部電源喪失」と
「補機冷却水の喪失」が選定され、収束シナリオが特定される。
高圧発電機車による給電は、蓄電池からの電源供給が可能である約5時間以内に実施
することから、燃料の重大な損傷を防止するための機能の継続時間評価として着目すべ
きは、高圧発電機車繋ぎ込み後の時間評価となる(図1、2参照)。耐震裕度1.86Ss及び津波高さT.P.+15.0mで被災する2次系純水タンク、補助ボイラ
燃料タンク等の設備の機能は喪失すると想定した結果、プラント運転時において全交流
電源喪失の個別評価では約104日後であったクリフエッジ発生までの時間が、約81
日後になり、プラント停止時において全交流電源喪失の個別評価では約105日後であ
ったクリフエッジ発生までの時間が、約81日後になる(図3、4参照)。2 地震と津波の重畳+最終ヒートシンク喪失
最終ヒートシンク喪失の個別評価では機能を期待していた外部電源が喪失することか
ら、全交流電源喪失が発生し、結果として、クリフエッジ発生までの時間は「1地震と
津波の重畳+全交流電源喪失」の評価結果と同じになる。
プラント運転時及びプラント停止時において、最終ヒートシンク喪失の個別評価では、
約939日後であったクリフエッジ発生までの時間が、約81日後になる(図3、4参照)。
表1 クリフエッジの特定結果
1号機プラント運転時 1号機プラント停止時
原子炉 約81日後 ―
使用済燃料ピット 約81日後 約81日後
補助給水による
蒸気発生器への給水
(電動またはタービン動)
非常用所内電源
からの給電
原子炉停止
成功
炉心損傷
失敗
成功2.4515.0
(1.68)
(6.13
外電喪失
冷却成功
高圧発電機車によ
る給電
蓄圧注入による
ほう酸の添加
主蒸気逃がし弁
による熱放出
(手動・現場)
炉心損傷
炉心損傷
炉心損傷
炉心損傷
補助給水による
蒸気発生器への給水
(タービン動(仮設ポ
ンプによる復水タン
クへの給水を含む))
成功
成功
成功
成功
失敗
失敗
失敗
失敗
失敗2.0115.02.0615.02.3515.0
成功パス1.8615.0
本収束シナリオの重畳に対する耐
力は、
(1.86、15.0)と特定される
蓄電池が枯渇
する約5時間
時間評価
(以下、省略)
図1:収束シナリオ(外部電源喪失)のイベントツリー
本収束シナリオの重畳に対する耐力
は、
(1.86、15.0)と特定される。
(以下、省略)
補助給水による
蒸気発生器への給水
(電動またはタービン動)
(1.68)
(6.13)
成功
失敗2.0115.0
蓄電池が枯渇
する約5時間
時間評価2.4515.0
失敗
成功
補機冷却
水の喪失
原子炉停止
非常用所内電源
からの給電
炉心損傷
炉心損傷
成功
失敗2.0615.0
炉心損傷
成功
失敗2.3515.0 成功
失敗1.8615.0
冷却成功
炉心損傷
成功パス
成功
失敗
高圧発電機車
による給電
炉心損傷
補助給水による
蒸気発生器への給水
(タービン動(仮設ポ
ンプによる復水タン
クへの給水を含む))主蒸気逃がし弁
による熱放出
(手動・現場)
蓄圧注入による
ほう酸の添加
図2:収束シナリオ(補機冷却水の喪失)のイベントツリー
地震 津波 起因事象発生からの時間(日数)
設備・資源 分類1.86Ss未満
T.P.15
m未満
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ... 22 23 24 25...80 81 82 ...
蒸気発生器
給水
復水タンク イ) しろまる
2次系純水タンクイ)ロ)×ばつ
ろ過水貯蔵タンク
(仮設ポンプを使用)
ハ) ×ばつ
淡水・海水
(仮設ポンプを使用)
ハ) しろまる
蒸気発生器+使用済燃料
ピット
給水
仮設ポンプ用
ディーゼルエンジン発電機
ハ) しろまる
蓄電池 イ) しろまる
電源供給
高圧発電機車 ハ) しろまる
補助ボイラ燃料
タンク
ハ) ×ばつ
燃料供給
非常用ディーゼル
発電機貯油槽
ハ) しろまる
図3:給水及び電源機能の継続時間並びにクリフエッジ所在の特定結果(プラント運転時)
地震 津波 起因事象発生からの時間(日数)
設備・資源 分類1.86Ss未満
T.P.15
m未満
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ... 22 23 24 25 ... 80 81 82 ...
2次系純水タンク イ) ×ばつ
ろ過水貯蔵タンク
(仮設ポンプを使用)
ハ) ×ばつ
淡水・海水
(仮設ポンプを使用)
ハ) しろまる
使用済燃料
ピット
給水
仮設ポンプ用
ディーゼルエンジン発電機
ハ) しろまる
蓄電池 イ) しろまる
電源供給
高圧発電機車 ハ) しろまる
補助ボイラ燃料
タンク
ハ) ×ばつ
燃料供給
非常用ディーゼル
発電機貯油槽
ハ) しろまる
図4 給水及び電源機能の継続時間並びにクリフエッジ所在の特定結果(プラント停止時)
イ) 工事計画で対象とした設備
ロ) 実施済みのアクシデントマネジメント設備
ハ) 緊急安全対策(短期)
クリフエッジ発生
イ) 工事計画で対象とした設備
ロ) 実施済みのアクシデントマネジメント設備
ハ) 緊急安全対策(短期)
クリフエッジ発生
約6時間後
A重油使用
約5時間後
A重油使用
約81日後
A重油使用
約5時間後
A重油使用
約81日後

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